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シッコ / マイケル・ムーア

シッコ /マイケル・ムーア

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112

DVD

旧作

お届け率:100%

解説・ストーリー

 「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」のマイケル・ムーア監督が、今度はアメリカの医療保険問題に鋭いメスを入れる社会派ドキュメンタリー。アメリカは先進国の中では唯一、公的な国民皆保険制度を持たない国。国民の健康保険の大半は民間の保険会社に委ねられている。そのため、高い保険料などが障壁となって、実に約4700万人もの国民が無保険の状態にあるという。しかしムーア監督は、営利を追求する民間企業が運営する現在の健康保険の矛盾は、高い保険料を払って加入している大多数のアメリカ国民にこそ深刻な影響を与えていると主張し、豊富な事例を基にその実態を明らかにしていく。

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「シッコ」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

 「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」のマイケル・ムーア監督が、今度はアメリカの医療保険問題に鋭いメスを入れる社会派ドキュメンタリー。アメリカは先進国の中では唯一、公的な国民皆保険制度を持たない国。国民の健康保険の大半は民間の保険会社に委ねられている。そのため、高い保険料などが障壁となって、実に約4700万人もの国民が無保険の状態にあるという。しかしムーア監督は、営利を追求する民間企業が運営する現在の健康保険の矛盾は、高い保険料を払って加入している大多数のアメリカ国民にこそ深刻な影響を与えていると主張し、豊富な事例を基にその実態を明らかにしていく。

「シッコ」 の作品情報

作品情報

製作年:

2007年

製作国:

アメリカ

原題:

SICKO

「シッコ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!

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洋画・邦画

35,500
タイトル以上

国内ドラマも一部含まれております

国内・海外ドラマ

5,400
タイトル以上

アニメ

9,200
タイトル以上

R-18

210,000
タイトル以上

CD

250,000
タイトル以上

※2022年2月 現在のタイトル数

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ユーザーレビュー:112件

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1〜 5件 / 全112件

怒りの拳 ネタバレ

投稿日:2008/02/25 レビュアー:masamune

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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作品への日本医師会のコメントを引拠「国民健康保険制度の無いアメリカでは、約5.000万人の無保険者と、毎年18.000人が治療を受けずに亡くなる冷厳な事実がある」。先進国で唯一、国民全体をカバーする公的医療保障が無い事は重大な問題だ。

医師法第19条は「診療を求められた場合は正当な事由が無ければ断る事は出来ない」(応召義務)、つまり病院は患者さんを選べない。治療費未払は経営を圧迫し、中核都市でさえ閉院する非常事態だ。救外も患者さんを盥回しにする看過できない事例も有るが、米国は患者を選べ応召義務も無い。お金の無い患者を公然と拒否するが、「ER」は例外で貧困層が殺到し重篤者を棲み分ける為に、トリアージ(治療優先順)で線引く。風邪で朝来て夕方受診と言うのも冗談では済まない実話だ。

生活保護制度で弱者の方が心置きなく救急車を呼ぶ、これが当たり前と思う人は本作を見て愕然とする。日本の保険は好きな時に好きな病院へ行ける(フリーアクセス制度)。米国は日本の公的保険に近い出来高払も有るが、マネージドケアが大半だ。これは医療費を抑制する為に設けた釈義で、患者は保険会社が指定した医師へ最初に掛かる(門番医制)。以上の典型例が本作で登場する。

米国の問題点に「自由診療」も有る。日本も規制改革で「混合診療」として具体的な検討を始めた。保険適用と保険適用外が含まれる診療は全てが保険適用外で自己負担に為るが、解禁すると個々の支払が可能。一見良い話に聞こえるが、混合診療を導入して公的保険の財政支出を抑制したい、結論在りきな政府の思惑も見え隠れする。

特定療養費制度の枠組みを拡充すれば、高度先進医療は保険適用と成り、患者さんが増えれば費用を抑える事も可能。混合診療を導入すると公的保険の範囲は狭まり、自由診療が増えれば患者さんの負担は増大、収入格差が医療格差に繋がる。米国の様に民間保険で補う事は自然の流れと、本末転倒な結論に至る。改革の下で外資系保険会社が参入し、洗脳とも呼べる大量の広告で不安を煽る。もはや地域の自助や個人の善意で済まない事象が目前に忍び寄る。

「ジョンQ」も医療制度の不備を掲げたが矛盾も有る。本作も米国の暗部ばかり描いて諸外国はパラダイスと謳う。この手法は一歩間違えば日本の保険制度を、社会主義と批判する事も簡単。しかし演者の立ち位置を論じる作品では無い。Michael Moore監督の抜群のセンスで綴られる実話の数々は分かり易く、しかし痛烈に現実を叩き付ける。

実態を把握する事が最優先、議論はそれからでも遅く無い、先ずは行動を起こすべきと語る監督の、一点の曇りも無いスタンスを支持する。揺ぎ無い視点が有ればこそ、米国を声高に批判するドキュメンタリーに終らせず、建設的で温かい目線すら感じる。社会主義と民主主義との優位性すら揺らぐ辺りに、この問題の真の闇も感じる。

日本の国民皆保険制度は皆さんが等しく納める税金を使い、応分の費用を皆で負担し合って成り立つ制度。欧米で標準とされる高度先進医療を受ける権利も当然で、それと国民が等しく同じ医療を受ける公的保険との整合性も大切。本作が皆さんの一考に為ればと切に願う。

「富める者は貧しきを支える、それが民主主義」の台詞が本作の全てを物語る・・・私には決して対岸の火事に思えない。

最後まで読んで頂き有難うございました。
 

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庶民を容赦なく切り捨てる医療保険制度と保険会社 ネタバレ

投稿日:2008/04/11 レビュアー:ミルクチョコ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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冒頭に出てくる保険に入っていない人の、切断された指の接合が薬指は1万2千ドル、中指なら6万ドル、どっちを直す?というシャレにもならない話に驚かされます。
保険に入っていても油断はできないという現状。
多分誇張表現も入っているのでしょうが、アメリカでは、大半の医者の給料はHMO(健康維持機構)という民間の保険会社が支払い、その査定もいかに保険会社に利益をもたらしているかで決まるらしい。保険請求を却下すればするほど、昇進していく恐ろしいシステム。
挙句の果てに、命を守るはずの病院が、医療費の払えない患者を路上に棄てるという始末!心底恐ろしくなってしまいます。

私がミシガン州に住んでいた時に、流産をしたのですが、我が家は日本の保険に入っていたので、自費で先払いで、後で支払いがあるという形なのですが、日本の保険会社は、出産と流産は適用外で、全額自己負担になってしまい貧乏な我が家にとっては痛手だったのですが、むちゃくちゃな請求額ではなかったような気がします。
あと、ボランティアの地域医療が進んでいて、娘がランプの白熱球に触ってしまった時に、やけどをしてしまったのですが、応急処置と薬をくれて、タダでした。風邪を引いたときもタイレノーるを飲みなさいと薬を渡されて無料でした。こういうボランティアは進んでいるなぁ〜と感心してしまいましたが、もっと深刻な病気になった時には、こういう問題が発生してしまうのでしょうね。

後半は諸外国の状況が語られ、キューバで医療を無料で受けられる感動的なシーンになっていたのですが、これも恐ろしい現実です。
イギリスで「ゆりかごから墓場まで」は有名な言葉ですが、これを掲げたのは、労働党のアトリー内閣、カナダの公的医療保険制度を作りあげたトミー・ダグラス氏は、社会主義の協同連邦党党首、ちなみにキーファ・サザーランドの祖父だそうです。
諸外国の医療制度は、目を見張るものがありましたが、現実問題として国民はどの位税金を負担しているのかとか、負の部分も知りたいと思ってしまいました。

日本でも保険料が払えなくて、健康保険証を取り上げられてしまったという話も耳にしますが、規制緩和という聞こえの良い言葉にちょっと騙されてしまったという面も少なくないと思います。
一部が富を独占するという問題は、アメリカだけではないような気がします。この映画は、アメリカに追従してしまう日本に、痛烈な警鐘となっているような気がします。

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人事ではない恐ろしさ ネタバレ

投稿日:2008/03/16 レビュアー:パープルローズ

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健康保険に加入していない人が4700万人もいるというアメリカ。
この映画はその人たちに焦点をあてるのではなく、それなりに高額な保険料を払って民間の健康保険に加入していながら、いろいろな理由をつけられて(ほとんど「難癖」状態)保険が使えない人たちの実態を取材しています。

事前に知らせていなかったから救急車が使えない(瀕死の状態で、どうやって救急車を使うことを申請しろというのか)、
過去のささいな病歴をほじくりかえしてキモセラピーを受けさせない(yeast infectionなんて誰でもなりますって!私もガンの治療を受けられないってこと??)、
切断してしまった2本の指のうち、どちらか1本にしか保険がおりないなど、
保険会社の儲け主義とそのあこぎなやり方には唖然としてしまいました。

しかし、この映画には今までのマイケル・ムーア作品のような毒が感じられません。お得意の「突撃レポート」もなし。
さらにムーアは、イギリス、カナダなどの医療保険の実態を取材し、Really?? Noway!と驚いてみせていますが、ほんとにそんなにすばらしいのかな?という感じはしました。アメリカよりはいいのかもしれませんが、どんな制度にも欠陥はあるだろうし、鵜呑みにするのは危険な気はします。

ただ、さすがに見せ方がうまいので、最後までひきこまれました。スターウォーズ調とか、笑ってしまいました。
911の際ボランティア活動に従事した人の多くが、呼吸器系の病気を発症しながら、政府からなんの保証も受けていないという事実はショックでした。ムーアは彼らをキューバのグァンタナモに連れていって、治療を受けさせます。(このへんのパフォーマンスがちょっと臭いのですが。)
国の危機に善意で働いたというのに、何の保証もなく高額の治療費に苦しんでいた女性。自分が飲んでいる薬がキューバでは10分の1以下の値段で買えることを知ったときに流した悔し涙。私も思わず泣いてしまいました。

さらに、治療費が払えない患者を路上に置き去りにする病院。私はアメリカで出産の経験がありまして、たまたま出産をカバーする保険に入っていたので(保険料は会社持ち)、ほとんどお金もいらなくて、「アメリカってなんていい国なんだろう!」と思っていたのですが、この路上置き去り病院が、私が出産した病院と同じ系列の病院だったのはショックでした。

お金がなければ簡単な治療も受けられない、一方で医療技術はどんどん進歩していて、一部のお金持ちはその恩恵を受けることが出来る。(こういう話は「グレイズ・アナトミー」にもでてきます。)医療に競争原理が持ち込まれると、とどのつまりはそういうところに行き着くのだろうし、日本にいる私たちも無縁ではない。そう思うととても怖い映画でした。

このレビューは気に入りましたか? 14人の会員が気に入ったと投稿しています

ようやく観ました。 ネタバレ

投稿日:2009/02/15 レビュアー:KEE

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なんか後回しになっていた、この作品。

アメリカの保険制度には本当に苦しめられたので、これは身にしみてわかる。
私はAIUの留学生保険に入っていたのでフルカバーなんだけど、病院がすごく警戒して、「この保険は本物ではない」とかいって、実費を取ろうとするんだよね。
アメリカにもAIUのオフィスはあるので、そこの人と話をしてほしいといっても、「いやだ」と拒否られ、それならあとで保険会社に請求するから、保険会社のフォームに記入して欲しいといっても拒否。
いくら外国人がいないエリアといってもひどいと思いました。大体、アジア人はみんなボートピープルだと思われているエリアでした(笑)

傷口みただけで、「うちでは治療できない」と消毒もせず、保険のフォームに記入もせず、請求は$50.
別の病院を紹介して欲しいといっても、無視。
本当だったら、保険会社が払うので、キャッシュレスで診てもらえるはずなのに。
ありえない。

大学卒業して、就職して、この映画に出てくるシグマの保険に入ろうかなやんだけど、結局AIUのままにしてました。
なんか怖いもん。
アメリカの病院が、「保険会社が支払わないかも」ってそんな恐れている保険には入れない。

病院もひどいよ、本当に。
アメリカという国は、医療以外でも、お金を持っている人はどこまでも豊かにくらせるけど、そうでない人には大変な国です。


カナダとかヨーロッパの国は国保でタダなんだね。
この映画観てびっくりしました。
私もカナダに移住したい。

それにしてでも、全部タダっていうのも不思議ですよね。
よほど税金が高いのかな?
キューバの病院のシーンは感動した。
私がキューバに行ってもただで診てもらえるのかな?
キューバがすごく素敵な国にみえました。

日本はどちらかというとアメリカに近い気がします。
どこにでも行けるっていっても医療費はやっぱり高い。
こわいなあ。

ムーア作品の中では一番好きな作品になりました。

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あまりにも酷い実情い唖然 ネタバレ

投稿日:2008/10/26 レビュアー:MonPetit

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「シッコ」とは病人(sicko)のこと。マイケル・ムーア監督が送るアメリカの保険制
度へのメス。アメリカは先進国の中では唯一、公的な国民皆保険制度を持たない
国とは知っていたけど、民間保険が十分にとってかわっているものだとばっかり
思ってました。ところが、内情はひどい。あまりにもひどい。マジでとても住めない
とまで思えてしまう。仕事中に誤って2本の指を切断してしまった男性の話、9.11
で救援活動して病気になった話等、たった123分なのだから氷山の一角である
ことを思うと背筋が凍る思いだ。

マイケル・ムーア監督は 「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」そして
「シッコ」とどんどん上手くなってきてますね。観ている人のことを少しだけ考え始
めたのだと思う(笑)「ボウリング・フォー・コロンバイン」は見ている人なんてどうで
もいいって感じが溢れてましたから。エンディング近くで彼を攻撃するサイトの管
理者の話がでてきたがマイケル・ムーアの懐の深さはなかなかのもので、自由
という国に生まれていながら矛盾する事実の数々に彼は戦いを挑みたいのだろう。
次も同じような作品を作るのだろうが、次はなんでしょ?

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1〜 5件 / 全112件

ユーザーレビュー

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ユーザーレビュー:112件

怒りの拳

投稿日

2008/02/25

レビュアー

masamune

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作品への日本医師会のコメントを引拠「国民健康保険制度の無いアメリカでは、約5.000万人の無保険者と、毎年18.000人が治療を受けずに亡くなる冷厳な事実がある」。先進国で唯一、国民全体をカバーする公的医療保障が無い事は重大な問題だ。

医師法第19条は「診療を求められた場合は正当な事由が無ければ断る事は出来ない」(応召義務)、つまり病院は患者さんを選べない。治療費未払は経営を圧迫し、中核都市でさえ閉院する非常事態だ。救外も患者さんを盥回しにする看過できない事例も有るが、米国は患者を選べ応召義務も無い。お金の無い患者を公然と拒否するが、「ER」は例外で貧困層が殺到し重篤者を棲み分ける為に、トリアージ(治療優先順)で線引く。風邪で朝来て夕方受診と言うのも冗談では済まない実話だ。

生活保護制度で弱者の方が心置きなく救急車を呼ぶ、これが当たり前と思う人は本作を見て愕然とする。日本の保険は好きな時に好きな病院へ行ける(フリーアクセス制度)。米国は日本の公的保険に近い出来高払も有るが、マネージドケアが大半だ。これは医療費を抑制する為に設けた釈義で、患者は保険会社が指定した医師へ最初に掛かる(門番医制)。以上の典型例が本作で登場する。

米国の問題点に「自由診療」も有る。日本も規制改革で「混合診療」として具体的な検討を始めた。保険適用と保険適用外が含まれる診療は全てが保険適用外で自己負担に為るが、解禁すると個々の支払が可能。一見良い話に聞こえるが、混合診療を導入して公的保険の財政支出を抑制したい、結論在りきな政府の思惑も見え隠れする。

特定療養費制度の枠組みを拡充すれば、高度先進医療は保険適用と成り、患者さんが増えれば費用を抑える事も可能。混合診療を導入すると公的保険の範囲は狭まり、自由診療が増えれば患者さんの負担は増大、収入格差が医療格差に繋がる。米国の様に民間保険で補う事は自然の流れと、本末転倒な結論に至る。改革の下で外資系保険会社が参入し、洗脳とも呼べる大量の広告で不安を煽る。もはや地域の自助や個人の善意で済まない事象が目前に忍び寄る。

「ジョンQ」も医療制度の不備を掲げたが矛盾も有る。本作も米国の暗部ばかり描いて諸外国はパラダイスと謳う。この手法は一歩間違えば日本の保険制度を、社会主義と批判する事も簡単。しかし演者の立ち位置を論じる作品では無い。Michael Moore監督の抜群のセンスで綴られる実話の数々は分かり易く、しかし痛烈に現実を叩き付ける。

実態を把握する事が最優先、議論はそれからでも遅く無い、先ずは行動を起こすべきと語る監督の、一点の曇りも無いスタンスを支持する。揺ぎ無い視点が有ればこそ、米国を声高に批判するドキュメンタリーに終らせず、建設的で温かい目線すら感じる。社会主義と民主主義との優位性すら揺らぐ辺りに、この問題の真の闇も感じる。

日本の国民皆保険制度は皆さんが等しく納める税金を使い、応分の費用を皆で負担し合って成り立つ制度。欧米で標準とされる高度先進医療を受ける権利も当然で、それと国民が等しく同じ医療を受ける公的保険との整合性も大切。本作が皆さんの一考に為ればと切に願う。

「富める者は貧しきを支える、それが民主主義」の台詞が本作の全てを物語る・・・私には決して対岸の火事に思えない。

最後まで読んで頂き有難うございました。
 

庶民を容赦なく切り捨てる医療保険制度と保険会社

投稿日

2008/04/11

レビュアー

ミルクチョコ

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冒頭に出てくる保険に入っていない人の、切断された指の接合が薬指は1万2千ドル、中指なら6万ドル、どっちを直す?というシャレにもならない話に驚かされます。
保険に入っていても油断はできないという現状。
多分誇張表現も入っているのでしょうが、アメリカでは、大半の医者の給料はHMO(健康維持機構)という民間の保険会社が支払い、その査定もいかに保険会社に利益をもたらしているかで決まるらしい。保険請求を却下すればするほど、昇進していく恐ろしいシステム。
挙句の果てに、命を守るはずの病院が、医療費の払えない患者を路上に棄てるという始末!心底恐ろしくなってしまいます。

私がミシガン州に住んでいた時に、流産をしたのですが、我が家は日本の保険に入っていたので、自費で先払いで、後で支払いがあるという形なのですが、日本の保険会社は、出産と流産は適用外で、全額自己負担になってしまい貧乏な我が家にとっては痛手だったのですが、むちゃくちゃな請求額ではなかったような気がします。
あと、ボランティアの地域医療が進んでいて、娘がランプの白熱球に触ってしまった時に、やけどをしてしまったのですが、応急処置と薬をくれて、タダでした。風邪を引いたときもタイレノーるを飲みなさいと薬を渡されて無料でした。こういうボランティアは進んでいるなぁ〜と感心してしまいましたが、もっと深刻な病気になった時には、こういう問題が発生してしまうのでしょうね。

後半は諸外国の状況が語られ、キューバで医療を無料で受けられる感動的なシーンになっていたのですが、これも恐ろしい現実です。
イギリスで「ゆりかごから墓場まで」は有名な言葉ですが、これを掲げたのは、労働党のアトリー内閣、カナダの公的医療保険制度を作りあげたトミー・ダグラス氏は、社会主義の協同連邦党党首、ちなみにキーファ・サザーランドの祖父だそうです。
諸外国の医療制度は、目を見張るものがありましたが、現実問題として国民はどの位税金を負担しているのかとか、負の部分も知りたいと思ってしまいました。

日本でも保険料が払えなくて、健康保険証を取り上げられてしまったという話も耳にしますが、規制緩和という聞こえの良い言葉にちょっと騙されてしまったという面も少なくないと思います。
一部が富を独占するという問題は、アメリカだけではないような気がします。この映画は、アメリカに追従してしまう日本に、痛烈な警鐘となっているような気がします。

人事ではない恐ろしさ

投稿日

2008/03/16

レビュアー

パープルローズ

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健康保険に加入していない人が4700万人もいるというアメリカ。
この映画はその人たちに焦点をあてるのではなく、それなりに高額な保険料を払って民間の健康保険に加入していながら、いろいろな理由をつけられて(ほとんど「難癖」状態)保険が使えない人たちの実態を取材しています。

事前に知らせていなかったから救急車が使えない(瀕死の状態で、どうやって救急車を使うことを申請しろというのか)、
過去のささいな病歴をほじくりかえしてキモセラピーを受けさせない(yeast infectionなんて誰でもなりますって!私もガンの治療を受けられないってこと??)、
切断してしまった2本の指のうち、どちらか1本にしか保険がおりないなど、
保険会社の儲け主義とそのあこぎなやり方には唖然としてしまいました。

しかし、この映画には今までのマイケル・ムーア作品のような毒が感じられません。お得意の「突撃レポート」もなし。
さらにムーアは、イギリス、カナダなどの医療保険の実態を取材し、Really?? Noway!と驚いてみせていますが、ほんとにそんなにすばらしいのかな?という感じはしました。アメリカよりはいいのかもしれませんが、どんな制度にも欠陥はあるだろうし、鵜呑みにするのは危険な気はします。

ただ、さすがに見せ方がうまいので、最後までひきこまれました。スターウォーズ調とか、笑ってしまいました。
911の際ボランティア活動に従事した人の多くが、呼吸器系の病気を発症しながら、政府からなんの保証も受けていないという事実はショックでした。ムーアは彼らをキューバのグァンタナモに連れていって、治療を受けさせます。(このへんのパフォーマンスがちょっと臭いのですが。)
国の危機に善意で働いたというのに、何の保証もなく高額の治療費に苦しんでいた女性。自分が飲んでいる薬がキューバでは10分の1以下の値段で買えることを知ったときに流した悔し涙。私も思わず泣いてしまいました。

さらに、治療費が払えない患者を路上に置き去りにする病院。私はアメリカで出産の経験がありまして、たまたま出産をカバーする保険に入っていたので(保険料は会社持ち)、ほとんどお金もいらなくて、「アメリカってなんていい国なんだろう!」と思っていたのですが、この路上置き去り病院が、私が出産した病院と同じ系列の病院だったのはショックでした。

お金がなければ簡単な治療も受けられない、一方で医療技術はどんどん進歩していて、一部のお金持ちはその恩恵を受けることが出来る。(こういう話は「グレイズ・アナトミー」にもでてきます。)医療に競争原理が持ち込まれると、とどのつまりはそういうところに行き着くのだろうし、日本にいる私たちも無縁ではない。そう思うととても怖い映画でした。

ようやく観ました。

投稿日

2009/02/15

レビュアー

KEE

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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なんか後回しになっていた、この作品。

アメリカの保険制度には本当に苦しめられたので、これは身にしみてわかる。
私はAIUの留学生保険に入っていたのでフルカバーなんだけど、病院がすごく警戒して、「この保険は本物ではない」とかいって、実費を取ろうとするんだよね。
アメリカにもAIUのオフィスはあるので、そこの人と話をしてほしいといっても、「いやだ」と拒否られ、それならあとで保険会社に請求するから、保険会社のフォームに記入して欲しいといっても拒否。
いくら外国人がいないエリアといってもひどいと思いました。大体、アジア人はみんなボートピープルだと思われているエリアでした(笑)

傷口みただけで、「うちでは治療できない」と消毒もせず、保険のフォームに記入もせず、請求は$50.
別の病院を紹介して欲しいといっても、無視。
本当だったら、保険会社が払うので、キャッシュレスで診てもらえるはずなのに。
ありえない。

大学卒業して、就職して、この映画に出てくるシグマの保険に入ろうかなやんだけど、結局AIUのままにしてました。
なんか怖いもん。
アメリカの病院が、「保険会社が支払わないかも」ってそんな恐れている保険には入れない。

病院もひどいよ、本当に。
アメリカという国は、医療以外でも、お金を持っている人はどこまでも豊かにくらせるけど、そうでない人には大変な国です。


カナダとかヨーロッパの国は国保でタダなんだね。
この映画観てびっくりしました。
私もカナダに移住したい。

それにしてでも、全部タダっていうのも不思議ですよね。
よほど税金が高いのかな?
キューバの病院のシーンは感動した。
私がキューバに行ってもただで診てもらえるのかな?
キューバがすごく素敵な国にみえました。

日本はどちらかというとアメリカに近い気がします。
どこにでも行けるっていっても医療費はやっぱり高い。
こわいなあ。

ムーア作品の中では一番好きな作品になりました。

あまりにも酷い実情い唖然

投稿日

2008/10/26

レビュアー

MonPetit

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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「シッコ」とは病人(sicko)のこと。マイケル・ムーア監督が送るアメリカの保険制
度へのメス。アメリカは先進国の中では唯一、公的な国民皆保険制度を持たない
国とは知っていたけど、民間保険が十分にとってかわっているものだとばっかり
思ってました。ところが、内情はひどい。あまりにもひどい。マジでとても住めない
とまで思えてしまう。仕事中に誤って2本の指を切断してしまった男性の話、9.11
で救援活動して病気になった話等、たった123分なのだから氷山の一角である
ことを思うと背筋が凍る思いだ。

マイケル・ムーア監督は 「ボウリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」そして
「シッコ」とどんどん上手くなってきてますね。観ている人のことを少しだけ考え始
めたのだと思う(笑)「ボウリング・フォー・コロンバイン」は見ている人なんてどうで
もいいって感じが溢れてましたから。エンディング近くで彼を攻撃するサイトの管
理者の話がでてきたがマイケル・ムーアの懐の深さはなかなかのもので、自由
という国に生まれていながら矛盾する事実の数々に彼は戦いを挑みたいのだろう。
次も同じような作品を作るのだろうが、次はなんでしょ?

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ポストに返却

商品をポストに投函すればOK!

よくあるご質問

よくあるご質問

もちろん無料お試し期間中に退会することも可能です。 また、その場合は料金は一切かかりません。

無料お試し中も、都度レンタルは、有料でご利用いただくことができます。
また、無料お試し中に解約され、何らかの理由でレンタル商品を期日までにご返却いただけなかった場合に、追加料金が発生する場合がございます。

定額プランは1つの封筒に2枚入り、お届けいたします。
届いた往復封筒でポストへご投函いただき、当社配送センターにてご返却を確認できましたら次の封筒を発送致します。繰り返しでご登録のプラン枚数までご利用いただけます。

各プランはこちら

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  • 宅配レンタル 定額4プラン
    月額1,026円税込
    • DVD/CDが定額で月4枚レンタルできる!※1
    新規登録する
  • 都度課金 プラン
    無料会員 月額0円税込 ※都度レンタル時の費用は発生します
    • 月額無料で単品レンタルを楽しみたい方におすすめ!
    新規登録する

※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。

シッコ