冬の猿 / ジャン・ギャバン
冬の猿
/アンリ・ベルヌイユ
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全体の平均評価点: (5点満点)
(12)
解説・ストーリー
フランス映画界が誇る新旧2大スター、ジャン・ギャバンとジャン=ポール・ベルモンドが共演を果たしたヒューマンドラマ。親子ほど歳の離れたふたりの男の触れ合いを描く。
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「冬の猿」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
フランス映画界が誇る新旧2大スター、ジャン・ギャバンとジャン=ポール・ベルモンドが共演を果たしたヒューマンドラマ。親子ほど歳の離れたふたりの男の触れ合いを描く。
「冬の猿」 の作品情報
「冬の猿」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
冬の猿の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
99分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/フランス語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
TCDR4068 |
2005年07月27日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
1枚
|
0人
|
1人
|
冬の猿の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
99分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/フランス語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
TCDR4068 |
2005年07月27日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
1枚
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1人
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ユーザーレビュー:12件
・・・そして長い冬眠に入っていく男の話し
世界地図の何処かの国を無造作に切り取ってその中の人々の生活をちょっとのぞいて見ました、といった感じの映画。
戦争中、中国でのカルチャーショックで刺激的な経験をした一人の男。中国に自分だけの特別な思い入れがある。
フランス北部の小さな町で退屈な生活をおくっている男達は、皆儚くも美しい夢を見ている。 そして現実を生きていかなければならない辛さと戦っている。 女も同じなんですけどね(笑)。
それでもある時、ある事がきっかけで突然男達は発散する。 子どもに返るのだ。
男のロマンと言えばかっこいいけど、単にわがままなだけにしかみえないんですが。
そしてまた、何事もなかったかのように元の生活に戻っていく・・・。
これだけの話しなのに、丁寧なつくりで俳優陣もなかなかいい。「映画を観た」という実感が強く残る不思議な映画だ。
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5人の会員が気に入ったと投稿しています
聖なる酔っ払いの、見果てぬ夢
ジャン・ギャバン56歳。
ジャン・ポール・ベルモンド29歳。
二人の共演作です。
老境に差し掛かったノルマンディーの、田舎町でホテルを経営する
ギャバン。
そこにある夜ベルモンドが、泊りに来ます。
酒を注文するベルモンドにギャバンは、酒を出さないと断ります。
ギャバンは1944年のドイツ軍の大空襲の日に、妻に断酒を
誓うのです。
彼の虚しさの正体は、案外、その「断酒」にあるのかもしれないと
思ったりしました。
ギャバンは、何か虚しいのです。
昔、中国に戦争で行った時の「揚子江」が、思い出されてなりません。
もちろん、本当は「揚子江」を、もう一度訪ねたいのだと思います。
歳を取ること・・・年寄りになると、諦めなければならない事が増えます。
出来ない事も増えます。
そんな彼の心を、かき乱す若い男がベルモンド。
フラメンコを踊り、
街で闘牛士の真似をして、
そして遂にギャバンは、酒をたらふく飲んで騒いで、
「花火」を打上げます。
綺麗な、派手な花火が夜空を飾ります。
ベルモンドは去り、ギャバンは憑き物が落ちたように、
老人の生活を自分の中で、認めたのだと思います。
人生の「夢」や「諦め」
そんな事を感じさせる「深いコクのある」ビンテージ・ワインの
ような余韻でした。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
酒癖の悪い二人がおこす大騒動
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
こういう映画大好きです!!「勝手にしやがれ」のジャン=ポール・ベルモンドが出演しているということで見てみたのですが、こんなにいい映画だとは思いませんでした。
舞台はノルマンディーの田舎町。娘に会いに来たガブリエルと禁酒を誓ったホテルのオーナー、アルベールとの交流を描いた作品です。若いころは酒癖の悪さで周囲にたくさん迷惑をかけていたアルベールですが、戦争の際に逃げた地下室で妻に禁酒を誓って以来アメをなめることによって、その誓いを守ってきました。しかしある日これまた最高に酒癖の悪い男ガブリエルが客として滞在するようになってから、アルベールの誓いは徐々に崩されていきます。
このアルベールの心の動きがとても丁寧に描かれていて、飲酒の開放とガブリエルとのシンクロ率が高まっていく様子がとてもおもしろかったです。個人的には「青髭の店」がとても気になりました。「霧のむこうの不思議な町」という小説を知っている人なら、あのなんでもありそうな雑貨やさんに、いたく好意を持つことだと思います。
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感情を背中でみせるジャン・ギャバン
投稿日:2015/09/24
レビュアー:趣味は洋画
ヴェルヌイユ監督作品だけに、前々から注目していた映画。念願叶ってやっと観ることができた。1966年の作品だが、永く日本未公開の時代が続き、ギャバン没後20周年記念企画として1996年冬に初公開されたようである。
舞台はフランス・ノルマンディーの田舎町。1944年6月5日、つまりノルマンディー上陸作戦が敢行された前日が、最初のシーンとして登場する。
白黒映像の長い海岸線...ドイツ兵の小隊の行進...戦時下の強烈な印象が脳裏に焼き付く...
この海辺の街外れの娼館バーでは、ホテル主人のアルベール(ジャン・ギャバン)が居酒屋の主人エノー(ポール・フランクール)と飲んだくれている。
のっけからギャバンの‘飲んだくれ’の演技が実に上手い。
しかも、昔の中国での海軍時代を懐かしみ、酒の勢いもあって、当時の自分に入り込んでいる。
ギャバンの奥さん役はシュザンヌ・フロン。 52年「赤い風車」の演技が印象深かったが、すっかり落ち着いたベテラン女優の貫禄が漂う。(64年「大列車作戦」にも出ていた)
ギャバンは禁酒を近い、10年余りの月日が流れる...
ガブリエル・フーケ(ジャン・ポール・ベルモンド)という若い男が、ギャバンの経営するホテルに着くが、彼もまた豪快な酒飲みの男だった。一騒動も二騒動も起こすが、ギャバンはなぜか若い頃の自分をみているようで、ガブリエルに親近感を覚える...
特別に際立つシーンがあるわけではなく、どこにでもある日常が描かれているだけなのだが、観終わって言葉にならない切なさ、哀感、そういったものが感じられる不思議な映画だ。
それを味わうことが出来、逆に満足感も残る。
ジャン・ギャバンの演技、存在感は抜群で、今まで観たギャバンの映画とは一味違った役柄にもかかわらず、相変わらず‘背中でみせる役者’の真骨頂ぶりはさすがだ。
昔、軍人として中国に居たときの感傷に浸っているところなどは、子供っぽいところもある。
妻を愛している態度も見え隠れするが、10年以上も禁酒している中、‘食事にワインをたしなむ程度の飲み方では物足りない!’と、日ごろの生活から解き放たれたい...と男の願望を口にする。
若きベルモンドを諭す場面はあるものの、決して非難はしない。
ベルモンドが闘牛士のタップで踊るシーンがあるが、負けじとギャバンも歌い踊るシーンがある。
ユーモアも感じられ、フィルム・ノワールで名を馳せた面影とは別の顔だ。
男の幼稚さ、子供っぽさ、我がまま、力強さ、迫力、切なさ、哀愁、冷たさ、愛情...
いろんな感情を背中でみせることのできる数少ない俳優、それがジャン・ギャバンだ。
ラストシーン、列車が通り過ぎるホームで、一人無表情のままベンチに座り込む...
このときのギャバンの背中も、何かを物語っている...
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インディアン・サマー
投稿日:2013/11/09
レビュアー:ひろぼう
「冬になると迷った子猿が里に下りてくる」という中国のたとえ話がキーワードの本作。いぶし銀のギャバンが若きベルモンドを我が子のように扱うことがその話と重なるようだ。
ギャバン演じるホテルの主人はある誓いによって15年間酒を断っていた。フランスはノルマンディーの海辺に立つそのホテルに、ベルモンド演じる風来坊の若い男がやって来る。この男、浴びるほど酒を飲み、その挙句必ず騒ぎを巻き起こす。その無軌道ぶりが酒飲みだった頃の主人に似ているようで、主人は男に親近感を抱く。また男も、水兵だった主人の中国での昔話に、自分のスペインでの思い出話と通じるものを感じ、主人を慕うようになる。
酒は本来、肴を適度につまみつつその風味を楽しむものなのだが、酔うことだけが目的になりがちでもある、ってのは自分だけではないだろう。腑の奥にほんのりと温かい火が灯ると共に、湧き上がる酩酊感に心浮き立つものを感じる。それにより現実から5センチばかり遠ざかることもでき、過去に未来に思いを馳せる力が増すようだ。
しかし飲酒の効能は良いことばかりではなく、むしろ悪いことへの作用が多い。酔っ払いにはケンカは付き物だし、体にも悪影響を与える。それも若い頃ならまだしも、いい歳して管をまいている姿は醜悪だ。その、ぐだくだな話の多くが自慢と未練だからだ。
人の一生を四季に例えると、成長の春と発展の夏、熟成の秋に、切り捨てる冬となるだろうか。自分の人生に折り合いをつける時期、それが冬なのかもしれない。
しかし冬とはいえ、まれに春のような暖かい日差しが射すことがある。小春日和と呼ばれるそれを、主人は男と共に味わったのかもしれない。
そして、長い冬への備えができたのかもしれない。
冒頭の戦闘シーンはノルマンディ上陸作戦なのか。横長ショットで繰り広げられる実写のアクションは、CG全盛の今には無い臨場感を覚える。それは終盤の車を牛に見立てた闘牛や花火のシーンにも感じられた、本物だけが持ち得る力と勢いなのだ。
派手な演出は無く終始淡々と物語は進むのだが、ラストの主人のまるく曲がった背中と、「そして・・」というモノローグにドキリとさせられた。
冬への蓄えをそろそろ始めなければならんのか、いやまだ大丈夫とか、いろいろ考えされられた作品であった。
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ユーザーレビュー
・・・そして長い冬眠に入っていく男の話し
投稿日
2006/12/16
レビュアー
Kinoko
世界地図の何処かの国を無造作に切り取ってその中の人々の生活をちょっとのぞいて見ました、といった感じの映画。
戦争中、中国でのカルチャーショックで刺激的な経験をした一人の男。中国に自分だけの特別な思い入れがある。
フランス北部の小さな町で退屈な生活をおくっている男達は、皆儚くも美しい夢を見ている。 そして現実を生きていかなければならない辛さと戦っている。 女も同じなんですけどね(笑)。
それでもある時、ある事がきっかけで突然男達は発散する。 子どもに返るのだ。
男のロマンと言えばかっこいいけど、単にわがままなだけにしかみえないんですが。
そしてまた、何事もなかったかのように元の生活に戻っていく・・・。
これだけの話しなのに、丁寧なつくりで俳優陣もなかなかいい。「映画を観た」という実感が強く残る不思議な映画だ。
聖なる酔っ払いの、見果てぬ夢
投稿日
2016/10/02
レビュアー
カマンベール
ジャン・ギャバン56歳。
ジャン・ポール・ベルモンド29歳。
二人の共演作です。
老境に差し掛かったノルマンディーの、田舎町でホテルを経営する
ギャバン。
そこにある夜ベルモンドが、泊りに来ます。
酒を注文するベルモンドにギャバンは、酒を出さないと断ります。
ギャバンは1944年のドイツ軍の大空襲の日に、妻に断酒を
誓うのです。
彼の虚しさの正体は、案外、その「断酒」にあるのかもしれないと
思ったりしました。
ギャバンは、何か虚しいのです。
昔、中国に戦争で行った時の「揚子江」が、思い出されてなりません。
もちろん、本当は「揚子江」を、もう一度訪ねたいのだと思います。
歳を取ること・・・年寄りになると、諦めなければならない事が増えます。
出来ない事も増えます。
そんな彼の心を、かき乱す若い男がベルモンド。
フラメンコを踊り、
街で闘牛士の真似をして、
そして遂にギャバンは、酒をたらふく飲んで騒いで、
「花火」を打上げます。
綺麗な、派手な花火が夜空を飾ります。
ベルモンドは去り、ギャバンは憑き物が落ちたように、
老人の生活を自分の中で、認めたのだと思います。
人生の「夢」や「諦め」
そんな事を感じさせる「深いコクのある」ビンテージ・ワインの
ような余韻でした。
酒癖の悪い二人がおこす大騒動
投稿日
2008/05/11
レビュアー
はとみ
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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こういう映画大好きです!!「勝手にしやがれ」のジャン=ポール・ベルモンドが出演しているということで見てみたのですが、こんなにいい映画だとは思いませんでした。
舞台はノルマンディーの田舎町。娘に会いに来たガブリエルと禁酒を誓ったホテルのオーナー、アルベールとの交流を描いた作品です。若いころは酒癖の悪さで周囲にたくさん迷惑をかけていたアルベールですが、戦争の際に逃げた地下室で妻に禁酒を誓って以来アメをなめることによって、その誓いを守ってきました。しかしある日これまた最高に酒癖の悪い男ガブリエルが客として滞在するようになってから、アルベールの誓いは徐々に崩されていきます。
このアルベールの心の動きがとても丁寧に描かれていて、飲酒の開放とガブリエルとのシンクロ率が高まっていく様子がとてもおもしろかったです。個人的には「青髭の店」がとても気になりました。「霧のむこうの不思議な町」という小説を知っている人なら、あのなんでもありそうな雑貨やさんに、いたく好意を持つことだと思います。
感情を背中でみせるジャン・ギャバン
投稿日
2015/09/24
レビュアー
趣味は洋画
ヴェルヌイユ監督作品だけに、前々から注目していた映画。念願叶ってやっと観ることができた。1966年の作品だが、永く日本未公開の時代が続き、ギャバン没後20周年記念企画として1996年冬に初公開されたようである。
舞台はフランス・ノルマンディーの田舎町。1944年6月5日、つまりノルマンディー上陸作戦が敢行された前日が、最初のシーンとして登場する。
白黒映像の長い海岸線...ドイツ兵の小隊の行進...戦時下の強烈な印象が脳裏に焼き付く...
この海辺の街外れの娼館バーでは、ホテル主人のアルベール(ジャン・ギャバン)が居酒屋の主人エノー(ポール・フランクール)と飲んだくれている。
のっけからギャバンの‘飲んだくれ’の演技が実に上手い。
しかも、昔の中国での海軍時代を懐かしみ、酒の勢いもあって、当時の自分に入り込んでいる。
ギャバンの奥さん役はシュザンヌ・フロン。 52年「赤い風車」の演技が印象深かったが、すっかり落ち着いたベテラン女優の貫禄が漂う。(64年「大列車作戦」にも出ていた)
ギャバンは禁酒を近い、10年余りの月日が流れる...
ガブリエル・フーケ(ジャン・ポール・ベルモンド)という若い男が、ギャバンの経営するホテルに着くが、彼もまた豪快な酒飲みの男だった。一騒動も二騒動も起こすが、ギャバンはなぜか若い頃の自分をみているようで、ガブリエルに親近感を覚える...
特別に際立つシーンがあるわけではなく、どこにでもある日常が描かれているだけなのだが、観終わって言葉にならない切なさ、哀感、そういったものが感じられる不思議な映画だ。
それを味わうことが出来、逆に満足感も残る。
ジャン・ギャバンの演技、存在感は抜群で、今まで観たギャバンの映画とは一味違った役柄にもかかわらず、相変わらず‘背中でみせる役者’の真骨頂ぶりはさすがだ。
昔、軍人として中国に居たときの感傷に浸っているところなどは、子供っぽいところもある。
妻を愛している態度も見え隠れするが、10年以上も禁酒している中、‘食事にワインをたしなむ程度の飲み方では物足りない!’と、日ごろの生活から解き放たれたい...と男の願望を口にする。
若きベルモンドを諭す場面はあるものの、決して非難はしない。
ベルモンドが闘牛士のタップで踊るシーンがあるが、負けじとギャバンも歌い踊るシーンがある。
ユーモアも感じられ、フィルム・ノワールで名を馳せた面影とは別の顔だ。
男の幼稚さ、子供っぽさ、我がまま、力強さ、迫力、切なさ、哀愁、冷たさ、愛情...
いろんな感情を背中でみせることのできる数少ない俳優、それがジャン・ギャバンだ。
ラストシーン、列車が通り過ぎるホームで、一人無表情のままベンチに座り込む...
このときのギャバンの背中も、何かを物語っている...
インディアン・サマー
投稿日
2013/11/09
レビュアー
ひろぼう
「冬になると迷った子猿が里に下りてくる」という中国のたとえ話がキーワードの本作。いぶし銀のギャバンが若きベルモンドを我が子のように扱うことがその話と重なるようだ。
ギャバン演じるホテルの主人はある誓いによって15年間酒を断っていた。フランスはノルマンディーの海辺に立つそのホテルに、ベルモンド演じる風来坊の若い男がやって来る。この男、浴びるほど酒を飲み、その挙句必ず騒ぎを巻き起こす。その無軌道ぶりが酒飲みだった頃の主人に似ているようで、主人は男に親近感を抱く。また男も、水兵だった主人の中国での昔話に、自分のスペインでの思い出話と通じるものを感じ、主人を慕うようになる。
酒は本来、肴を適度につまみつつその風味を楽しむものなのだが、酔うことだけが目的になりがちでもある、ってのは自分だけではないだろう。腑の奥にほんのりと温かい火が灯ると共に、湧き上がる酩酊感に心浮き立つものを感じる。それにより現実から5センチばかり遠ざかることもでき、過去に未来に思いを馳せる力が増すようだ。
しかし飲酒の効能は良いことばかりではなく、むしろ悪いことへの作用が多い。酔っ払いにはケンカは付き物だし、体にも悪影響を与える。それも若い頃ならまだしも、いい歳して管をまいている姿は醜悪だ。その、ぐだくだな話の多くが自慢と未練だからだ。
人の一生を四季に例えると、成長の春と発展の夏、熟成の秋に、切り捨てる冬となるだろうか。自分の人生に折り合いをつける時期、それが冬なのかもしれない。
しかし冬とはいえ、まれに春のような暖かい日差しが射すことがある。小春日和と呼ばれるそれを、主人は男と共に味わったのかもしれない。
そして、長い冬への備えができたのかもしれない。
冒頭の戦闘シーンはノルマンディ上陸作戦なのか。横長ショットで繰り広げられる実写のアクションは、CG全盛の今には無い臨場感を覚える。それは終盤の車を牛に見立てた闘牛や花火のシーンにも感じられた、本物だけが持ち得る力と勢いなのだ。
派手な演出は無く終始淡々と物語は進むのだが、ラストの主人のまるく曲がった背中と、「そして・・」というモノローグにドキリとさせられた。
冬への蓄えをそろそろ始めなければならんのか、いやまだ大丈夫とか、いろいろ考えされられた作品であった。
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冬の猿
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