ルードヴィヒ 神々の黄昏 / ヘルムート・バーガー
ルードヴィヒ 神々の黄昏
/ルキノ・ヴィスコンティ
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(4)
解説・ストーリー
カットされていた1時間近くのシーンを復元した完全版で、ルードヴィヒ2世の生涯を描く壮大なドラマ。19歳の若さでバイエルン国王となったルードヴィヒ2世は、作曲家ワグナーに心酔し国費をつぎこむ。彼は従姉妹のエリザベートを恋するあまり、ソフィーとの婚約を破棄してしまう。やがて、1866年にオーストリアとの戦いに敗れ、ワグナーにも裏切られたルードヴィヒは、失意のどん底に突き落とされ、突如謎の死を遂げる。 JAN:4988111850362
カットされていた1時間近くのシーンを復元した完全版で、ルードヴィヒ2世の生涯を描く壮大なドラマ。19歳の若さでバイエルン国王となったルードヴィヒ2世は、作曲家ワグナーに心酔し国費をつぎこむ。彼は従姉妹のエリザベートを恋するあまり、ソフィーとの婚約を破棄してしまう。やがて、1866年にオーストリアとの戦いに敗れ、ワグナーにも裏切られたルードヴィヒは、失意のどん底に突き落とされ、突如謎の死を遂げる。 JAN:4988111850362
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「ルードヴィヒ 神々の黄昏」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
カットされていた1時間近くのシーンを復元した完全版で、ルードヴィヒ2世の生涯を描く壮大なドラマ。19歳の若さでバイエルン国王となったルードヴィヒ2世は、作曲家ワグナーに心酔し国費をつぎこむ。彼は従姉妹のエリザベートを恋するあまり、ソフィーとの婚約を破棄してしまう。やがて、1866年にオーストリアとの戦いに敗れ、ワグナーにも裏切られたルードヴィヒは、失意のどん底に突き落とされ、突如謎の死を遂げる。 JAN:4988111850362
「ルードヴィヒ 神々の黄昏」 の作品情報
「ルードヴィヒ 神々の黄昏」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ルートヴィヒ デジタル修復版の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
237分 |
日 |
伊:リニアPCMモノラル |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DABR5036 |
2017年07月07日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
7枚
|
0人
|
0人
|
ルートヴィヒ デジタル修復版の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
237分 |
日 |
伊:リニアPCMモノラル |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DABR5036 |
2017年07月07日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
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0人
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ユーザーレビュー:4件
美に耽溺した国王・・・ルートヴィヒ2世
1972年。ルキノ・ヴィスコンティ監督作品。
バイエルン(ミュンヘン)国王ルートヴィヒ2世の即位(19歳)から、
その死(1986年49歳)までを側近の証言を進行役に、忠実に追っている。
ルートヴィヒ2世の功績として名高いのは、ワーグナーの最大のスポンサーであったこと。
国庫を贅沢に浪費してオペルハウスを建設。
また国政を放棄して、城の建設に没頭して、有名なノイシュヴァンシュタイン城や、古城を買い取って建設したヘレンキームゼー城や、
リンダーホーフ城を建設した。
有名な地下湖を泳ぐ白鳥。
そのアイデアは独創的である。
国庫をあまりに贅沢に歯止めなく浪費したためと、奇行のため、
家臣はこぞって彼の失脚を画策すると、彼を幽閉してしまう。
映画は本当に絢爛豪華。
ヴィスコンティは私財を投げ打って製作したと聞くが、当時のお金で、
数百億円を超える製作費だと思われる。
国王の地位についた人間の生き方。
真っ当に議会と協力して国政に当たる。
しかし、ルートヴィヒ2世の関心と欲望は、国庫から金を引き出し、
ワーグナーを後援すること。
名城を建設すること。
そして父親譲りの男色家であった。
召使いは美青年。少年の水浴シーンはヴィスコンティ映画に付きもののシーンである。
ルートヴィヒ2世を演じるヘルムート・バーガーの、国王が乗り移ったような怪演は素晴らしい。
目力そして狂気を孕む表情には、反面、自信の無さが覗く。
生涯でただ一人愛したエリーザベト(ロミー・シュナイダー)にも、
汚れた自分を恥じて会うことは出来なかった。
(それにしても虫歯の酷さとリアルさ・・当時の歯科技術はお金が無尽にあっても、治療不可能だったのか?)
最後に、
ルキノ・ヴィスコンティ監督(1906~1976年)
古典のような作品から、大昔の監督と思われるかもしれませんが、
「ルートヴィヒ/神々の黄昏」と同じく、1972年公開の映画には、
「ゴッドファーザー」フランシス・F・コッポラ監督。
「ポセイドン・アドベンチャー」も同じく1972年の作品なのです。
決して過去の人ではありません。
だからどうした!!と言われれば、
映像美と人間洞察も、映画の重要なテーマと、答えたいと思います。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
欧州の没落・最後の輝き・そしてアフリカ
私見では、アフリカ大陸が、最後に残ると思う。
人類はそこから誕生し、そこに帰るのだ。
民族紛争が多く、国家の態を為していない地域が多いのに、なぜ、と問われるだろう。
人間の活気が膨張しているアフリカに、人類最後の光はあると僕は信じる。
これから、優秀な作家・詩人は、アフリカから輩出してくると思う。
同時に、法学者、科学者、化学者、物理学者も、アフリカから出てくるだろう。
「ルードヴィヒ」は、西欧貴族が、自分の富を、どう処理するかという問題を描くのではなく、体現した映画だ。
監督のヴィスコンティ(1906〜1976)は、労働者には分配せず、自分の映画でその全てを費消した。
少年のころ、ヘルマン・ヘッセ(1877年〜1962年)の「デミアン」という小説を読み、「ふーん」と思った。大きな翼が、ヨーロッパを覆っている。この見上げる翼は、「僕らの終わりを告げている」と主人公の「デミアン」は思う。上へ広がる翼ではない。上から下に落ちてくる、影の翼、悪魔の眼の傘のようなものだと。
ヘッセと同世代のO・A・G・シュペングラー(1880〜1936)が、「西欧の没落」という著書を発表する。そこに書かれたのは、共産主義の自己崩壊への必是、自由主義の自己崩壊への警告であった。
ヘッセは、「デミアン」の後、東洋の思想に救いを求める。そして、「ガラス玉演戯」の球体に閉じこもる。作家は、閉じこもることができる。それが、作家の自由である。
シュペングラーの文化経済論は、「保守革命」という実に曖昧な結滞に陥(おちい)っている。「保守革命」とは、何という甘言であろうか。
前置きが長くなりました。
ヴィスコンティ「ルードヴィヒ 神々の黄昏」(1972年、イタリア/フランス/西ドイツ、カラー、237分)。
ルードヴィヒ2世(1845〜1886)は、ドイツの皇帝であった。
彼の政治的功績は無いであろう。南ドイツ(バイエルン)に封じられたあと、当地の戦略(対・イタリア、対・フランス)を無視して、享楽を貪った。
けれども、その芸術的功績は、二つある。
一つ。 ワーグナー(1813〜1883)にたぶらかされて、彼の楽劇に国家資金の多くを与えたこと。今、ワグネリアンが通うバイロイトがその結実だ。
2世とワーグナーの時代に築かれ、今も続き、「ワグネリ」アン」の聖地になっている。
もう一つ。 美しい城を築いた。「ノイシュヴァンシュタイン城」の建設。これは、山の中腹に立った城で、「世界文化遺産」になっていなくても、実に美しい城だ。
僕は、ワーグナーの信者ではないし、ワーグナーは、大博打師、悪人だったと思っている。彼に「たらしこまれる」人が多いのを傍観、ふしぎに思う者だ。
映画は、今、城の地下の馬場、従姉のエリーザベト(ロミー・シュナイダー)が白馬を乗りこなすのを映している。
そのとき、ルードヴィヒ(ヘルムート・ヴァガー)は、まだ少年で、ただ憧れていたのだった
次に二人が会うとき、それぞれの状況は、緊迫している。
エリーザベト(ロミー)オーストリア皇后エリーザベト(ロミー・シュナイダー)であり、彼女は船で渡ってくる。
ルードヴィヒ2世(ヘルムート)は嬉しく、しかも、おどおど迎える。
エリーザベトは「ワーグナーを放逐しなさい。さもないとあなたが危うくなる」と決然と言う。
それが最後の忠告だった。
ルードヴィヒ2世は、酒、麻薬漬けにされ、1886年に湖で水死する。
エリーザベトは、その後、彼女の賢さで生き延びたが、1898年に暗殺される。
ドイツ圏が、軍事クーデターによって、プロイセンになっていく過程だ。
このドイツが、1次大戦で負け、相手国(特にフランス)に債務を背負ったことで、国内で「ハイパー・インフレ」が起こり、
「ナチズム」の台頭を見る。
ヒトラーのアジテーション(煽動)に酔い、彼を首相にし、やがて、「国家元首」とする。そして「第三帝国」は破滅する。
この狂人は、負け戦を悟ったあと、「ドイツのあらゆる工場、文化遺産」を「破壊せよ」という指令を下す。
国家元首たることを自ら名乗った男が、国家を破壊せよという。これは、異常である。
ドイツは、敗戦によって、東西に分断された。なぜならば、狂人が、国家を破壊せよと言ったからだ。
日本は、1945年8月15日、負けたが、国土・国民を破壊せよという者は、いなかった。
ここが、日本とドイツの決定的な違いです。
「ルードヴィヒ」から、遠くに来てしまったが、この映画を見て、考えたのは、上記です。
ヴィスコンティは、西欧の没落、貴族の没落を意識して、財産をすべて映画に投下したことが、潔いと思う。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
貴族社会の退廃と没落を荘厳なタッチで描く
投稿日:2019/01/27
レビュアー:趣味は洋画
ルードウィヒ 神々の黄昏(1972年イタリア・西ドイツ・フランス、カラー237分)
19世紀後半のバイエルン(ドイツ南部)国王、ルードウィヒ二世が、退廃と倒錯した愛のうちに破滅していく姿を荘厳なタッチで描き出したヴィスコンティ晩年の代表作。
18歳の若さでバイエルン国王となったルードウィヒ二世(ヘルムート・バーガー)は、オーストリア皇帝の妃となっている従姉のエリザベート(ロミー・シュナイダー)に想いを寄せている。彼は政治や軍事には関心が乏しく、ひたすら芸術の保護に金を使っていた。中でもワーグナー(トレヴァー・ハワード)に心酔し、国家の財政に影響を及ぼすほどの巨費を投じて後援している。エリザベートはそんなルードウィヒに、もっと政治に力を入れるよう戒め、自分の妹ゾフィー(ソニア・ペトロヴァ)との結婚を勧める...。
この映画はルキノ・ヴィスコンティ監督のドイツ三部作(69年「地獄に堕ちた勇者ども」、71年「ベニスに死す」)の終幕を飾る作品といわれ、上映時間は184分であった。そしてヴィスコンティの死後、カットされていた1時間ちかくのシーンを復元し、再編集された完全版として甦ったのが本作である。最初は堅苦しい感じが否めないが、物語の進行に沿って理解度は深まる。
何といっても、主人公ルードウィヒを演じたヘルムート・バーガーの鬼気迫る演技に圧倒される。
彼は69年「地獄に堕ちた勇者ども」で、マレーネ・ディートリッヒばりの女装で登場、異常性格者の役で強烈な印象を残した。本作出演時のバーガーは28歳頃であろうか、若年ながら髭を誂え、映画の前半は我儘横暴に振る舞う国王を堂々と演じ切っている。そして後半、狂気を増していく度合いが深まるにつれ、目の周辺が赤く染まり、歯が抜け落ちていく。
ルードウィヒは声を荒げる。
‘全員逮捕だ! 血が出るまで鞭を打て!’ ‘目をえぐりだしてやる!’
顔面の表情などはメイク効果もあるだろうが、心底ルードウィヒに成りきっていた証しの、一つの現れあろうか。そしてラストシーンの真相は明らかにされておらず、謎に包まれている。
監督のルキノ・ヴィスコンティ自身も名門貴族の出身である。彼の作品では、貴族階級の没落を描いたものが目立つし、豪華絢爛たるプロダクション・デザインは特筆に値する。
(本作ではマリオ・キアーリ、マリオ・シッシが担当)
そして貴族社会の描写に切り離せない衣装デザイン。本作ではイタリアの著名デザイナー、ピエロ・トージが担当、ヴィスコンティ作品の常連である。
編集は俳優マルチェロ・マストロヤンニの実弟、ルッジェーロ・マストロヤンニ。
共演陣も華やかで、前述のロミー・シュナイダーの美しさには息を呑む。数多い彼女の出演作品の中でも、抜群の存在感を示した。
ほかにも、シルヴァーナ・マンガーノ、ゲルト・フレーベ、ヘルムート・グリーム、ウンベルト・オルシーニ、ジョン・モルダー・ブラウン、マルク・ポレル等、ヨーロッパの名優が顔をそろえている。
ルキノ・ヴィスコンティとヘルムート・バーガーの私的関係には、触れないでおこう。
周知のとおり、野暮なハナシだ。
それにしても、自滅してゆく貴族に注がれるヴィスコンティの眼差しは、どこまでも冷徹で鋭い。
最後になりましたが、とてつもなく長いこの映画を観る引き金となった「ちゅく」さんのレビューに、心から感謝申し上げます。
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
4時間もかけて観る価値はない
投稿日:2021/08/05
レビュアー:モモイチゴ
ルードヴィヒ2世の生涯を豪華絢爛に描くが、国民目線がどこにもない。だれる。
このレビューは気に入りましたか?
1人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
美に耽溺した国王・・・ルートヴィヒ2世
投稿日
2019/02/08
レビュアー
カマンベール
1972年。ルキノ・ヴィスコンティ監督作品。
バイエルン(ミュンヘン)国王ルートヴィヒ2世の即位(19歳)から、
その死(1986年49歳)までを側近の証言を進行役に、忠実に追っている。
ルートヴィヒ2世の功績として名高いのは、ワーグナーの最大のスポンサーであったこと。
国庫を贅沢に浪費してオペルハウスを建設。
また国政を放棄して、城の建設に没頭して、有名なノイシュヴァンシュタイン城や、古城を買い取って建設したヘレンキームゼー城や、
リンダーホーフ城を建設した。
有名な地下湖を泳ぐ白鳥。
そのアイデアは独創的である。
国庫をあまりに贅沢に歯止めなく浪費したためと、奇行のため、
家臣はこぞって彼の失脚を画策すると、彼を幽閉してしまう。
映画は本当に絢爛豪華。
ヴィスコンティは私財を投げ打って製作したと聞くが、当時のお金で、
数百億円を超える製作費だと思われる。
国王の地位についた人間の生き方。
真っ当に議会と協力して国政に当たる。
しかし、ルートヴィヒ2世の関心と欲望は、国庫から金を引き出し、
ワーグナーを後援すること。
名城を建設すること。
そして父親譲りの男色家であった。
召使いは美青年。少年の水浴シーンはヴィスコンティ映画に付きもののシーンである。
ルートヴィヒ2世を演じるヘルムート・バーガーの、国王が乗り移ったような怪演は素晴らしい。
目力そして狂気を孕む表情には、反面、自信の無さが覗く。
生涯でただ一人愛したエリーザベト(ロミー・シュナイダー)にも、
汚れた自分を恥じて会うことは出来なかった。
(それにしても虫歯の酷さとリアルさ・・当時の歯科技術はお金が無尽にあっても、治療不可能だったのか?)
最後に、
ルキノ・ヴィスコンティ監督(1906~1976年)
古典のような作品から、大昔の監督と思われるかもしれませんが、
「ルートヴィヒ/神々の黄昏」と同じく、1972年公開の映画には、
「ゴッドファーザー」フランシス・F・コッポラ監督。
「ポセイドン・アドベンチャー」も同じく1972年の作品なのです。
決して過去の人ではありません。
だからどうした!!と言われれば、
映像美と人間洞察も、映画の重要なテーマと、答えたいと思います。
欧州の没落・最後の輝き・そしてアフリカ
投稿日
2017/06/06
レビュアー
ちゅく
私見では、アフリカ大陸が、最後に残ると思う。
人類はそこから誕生し、そこに帰るのだ。
民族紛争が多く、国家の態を為していない地域が多いのに、なぜ、と問われるだろう。
人間の活気が膨張しているアフリカに、人類最後の光はあると僕は信じる。
これから、優秀な作家・詩人は、アフリカから輩出してくると思う。
同時に、法学者、科学者、化学者、物理学者も、アフリカから出てくるだろう。
「ルードヴィヒ」は、西欧貴族が、自分の富を、どう処理するかという問題を描くのではなく、体現した映画だ。
監督のヴィスコンティ(1906〜1976)は、労働者には分配せず、自分の映画でその全てを費消した。
少年のころ、ヘルマン・ヘッセ(1877年〜1962年)の「デミアン」という小説を読み、「ふーん」と思った。大きな翼が、ヨーロッパを覆っている。この見上げる翼は、「僕らの終わりを告げている」と主人公の「デミアン」は思う。上へ広がる翼ではない。上から下に落ちてくる、影の翼、悪魔の眼の傘のようなものだと。
ヘッセと同世代のO・A・G・シュペングラー(1880〜1936)が、「西欧の没落」という著書を発表する。そこに書かれたのは、共産主義の自己崩壊への必是、自由主義の自己崩壊への警告であった。
ヘッセは、「デミアン」の後、東洋の思想に救いを求める。そして、「ガラス玉演戯」の球体に閉じこもる。作家は、閉じこもることができる。それが、作家の自由である。
シュペングラーの文化経済論は、「保守革命」という実に曖昧な結滞に陥(おちい)っている。「保守革命」とは、何という甘言であろうか。
前置きが長くなりました。
ヴィスコンティ「ルードヴィヒ 神々の黄昏」(1972年、イタリア/フランス/西ドイツ、カラー、237分)。
ルードヴィヒ2世(1845〜1886)は、ドイツの皇帝であった。
彼の政治的功績は無いであろう。南ドイツ(バイエルン)に封じられたあと、当地の戦略(対・イタリア、対・フランス)を無視して、享楽を貪った。
けれども、その芸術的功績は、二つある。
一つ。 ワーグナー(1813〜1883)にたぶらかされて、彼の楽劇に国家資金の多くを与えたこと。今、ワグネリアンが通うバイロイトがその結実だ。
2世とワーグナーの時代に築かれ、今も続き、「ワグネリ」アン」の聖地になっている。
もう一つ。 美しい城を築いた。「ノイシュヴァンシュタイン城」の建設。これは、山の中腹に立った城で、「世界文化遺産」になっていなくても、実に美しい城だ。
僕は、ワーグナーの信者ではないし、ワーグナーは、大博打師、悪人だったと思っている。彼に「たらしこまれる」人が多いのを傍観、ふしぎに思う者だ。
映画は、今、城の地下の馬場、従姉のエリーザベト(ロミー・シュナイダー)が白馬を乗りこなすのを映している。
そのとき、ルードヴィヒ(ヘルムート・ヴァガー)は、まだ少年で、ただ憧れていたのだった
次に二人が会うとき、それぞれの状況は、緊迫している。
エリーザベト(ロミー)オーストリア皇后エリーザベト(ロミー・シュナイダー)であり、彼女は船で渡ってくる。
ルードヴィヒ2世(ヘルムート)は嬉しく、しかも、おどおど迎える。
エリーザベトは「ワーグナーを放逐しなさい。さもないとあなたが危うくなる」と決然と言う。
それが最後の忠告だった。
ルードヴィヒ2世は、酒、麻薬漬けにされ、1886年に湖で水死する。
エリーザベトは、その後、彼女の賢さで生き延びたが、1898年に暗殺される。
ドイツ圏が、軍事クーデターによって、プロイセンになっていく過程だ。
このドイツが、1次大戦で負け、相手国(特にフランス)に債務を背負ったことで、国内で「ハイパー・インフレ」が起こり、
「ナチズム」の台頭を見る。
ヒトラーのアジテーション(煽動)に酔い、彼を首相にし、やがて、「国家元首」とする。そして「第三帝国」は破滅する。
この狂人は、負け戦を悟ったあと、「ドイツのあらゆる工場、文化遺産」を「破壊せよ」という指令を下す。
国家元首たることを自ら名乗った男が、国家を破壊せよという。これは、異常である。
ドイツは、敗戦によって、東西に分断された。なぜならば、狂人が、国家を破壊せよと言ったからだ。
日本は、1945年8月15日、負けたが、国土・国民を破壊せよという者は、いなかった。
ここが、日本とドイツの決定的な違いです。
「ルードヴィヒ」から、遠くに来てしまったが、この映画を見て、考えたのは、上記です。
ヴィスコンティは、西欧の没落、貴族の没落を意識して、財産をすべて映画に投下したことが、潔いと思う。
貴族社会の退廃と没落を荘厳なタッチで描く
投稿日
2019/01/27
レビュアー
趣味は洋画
ルードウィヒ 神々の黄昏(1972年イタリア・西ドイツ・フランス、カラー237分)
19世紀後半のバイエルン(ドイツ南部)国王、ルードウィヒ二世が、退廃と倒錯した愛のうちに破滅していく姿を荘厳なタッチで描き出したヴィスコンティ晩年の代表作。
18歳の若さでバイエルン国王となったルードウィヒ二世(ヘルムート・バーガー)は、オーストリア皇帝の妃となっている従姉のエリザベート(ロミー・シュナイダー)に想いを寄せている。彼は政治や軍事には関心が乏しく、ひたすら芸術の保護に金を使っていた。中でもワーグナー(トレヴァー・ハワード)に心酔し、国家の財政に影響を及ぼすほどの巨費を投じて後援している。エリザベートはそんなルードウィヒに、もっと政治に力を入れるよう戒め、自分の妹ゾフィー(ソニア・ペトロヴァ)との結婚を勧める...。
この映画はルキノ・ヴィスコンティ監督のドイツ三部作(69年「地獄に堕ちた勇者ども」、71年「ベニスに死す」)の終幕を飾る作品といわれ、上映時間は184分であった。そしてヴィスコンティの死後、カットされていた1時間ちかくのシーンを復元し、再編集された完全版として甦ったのが本作である。最初は堅苦しい感じが否めないが、物語の進行に沿って理解度は深まる。
何といっても、主人公ルードウィヒを演じたヘルムート・バーガーの鬼気迫る演技に圧倒される。
彼は69年「地獄に堕ちた勇者ども」で、マレーネ・ディートリッヒばりの女装で登場、異常性格者の役で強烈な印象を残した。本作出演時のバーガーは28歳頃であろうか、若年ながら髭を誂え、映画の前半は我儘横暴に振る舞う国王を堂々と演じ切っている。そして後半、狂気を増していく度合いが深まるにつれ、目の周辺が赤く染まり、歯が抜け落ちていく。
ルードウィヒは声を荒げる。
‘全員逮捕だ! 血が出るまで鞭を打て!’ ‘目をえぐりだしてやる!’
顔面の表情などはメイク効果もあるだろうが、心底ルードウィヒに成りきっていた証しの、一つの現れあろうか。そしてラストシーンの真相は明らかにされておらず、謎に包まれている。
監督のルキノ・ヴィスコンティ自身も名門貴族の出身である。彼の作品では、貴族階級の没落を描いたものが目立つし、豪華絢爛たるプロダクション・デザインは特筆に値する。
(本作ではマリオ・キアーリ、マリオ・シッシが担当)
そして貴族社会の描写に切り離せない衣装デザイン。本作ではイタリアの著名デザイナー、ピエロ・トージが担当、ヴィスコンティ作品の常連である。
編集は俳優マルチェロ・マストロヤンニの実弟、ルッジェーロ・マストロヤンニ。
共演陣も華やかで、前述のロミー・シュナイダーの美しさには息を呑む。数多い彼女の出演作品の中でも、抜群の存在感を示した。
ほかにも、シルヴァーナ・マンガーノ、ゲルト・フレーベ、ヘルムート・グリーム、ウンベルト・オルシーニ、ジョン・モルダー・ブラウン、マルク・ポレル等、ヨーロッパの名優が顔をそろえている。
ルキノ・ヴィスコンティとヘルムート・バーガーの私的関係には、触れないでおこう。
周知のとおり、野暮なハナシだ。
それにしても、自滅してゆく貴族に注がれるヴィスコンティの眼差しは、どこまでも冷徹で鋭い。
最後になりましたが、とてつもなく長いこの映画を観る引き金となった「ちゅく」さんのレビューに、心から感謝申し上げます。
4時間もかけて観る価値はない
投稿日
2021/08/05
レビュアー
モモイチゴ
ルードヴィヒ2世の生涯を豪華絢爛に描くが、国民目線がどこにもない。だれる。
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ルードヴィヒ 神々の黄昏