ＡＬＩ

「ＡＬＩ」は、スマスマにウィル・スミスが出演したときに、香取慎吾クンが話題にしていたことで、気になってました。モハメド・アリについては、アントニオ猪木さんとの試合を何となく知ってるくらいです。寝転がって相手の足を蹴ることが、卑怯な作戦なのかどうか…。お父さんたちが、みんな評論家のようになって、熱く語ってましたよね。「蝶のように舞い、蜂のように差す」というフレーズも、テレビで流される昔のＶＴＲを観て、本当に動きもパンチも速い人なんだなぁ、なるほど…と思ってました。

さて、本題。

ご本人のアリよりも、ウィル・スミスの方が数段男前なのはもちろんなんですが、観ていくうちに、本物のアリに思えてくる。後半は、もうアリにしか見えなくなってました。モハメド・アリは、孤高のボクサー。でも、とてもチャーミングな人ですね。それでいて、芯に強い部分を持ってます。もし自分だったら、とっくに折れてしまっていると思われる場面でも、ビッグマウスと呼ばれた独特な言動を貫き通す。シビレますね〜。そりゃ、女性が放っとかない訳ですよ。

この映画には、人種差別の問題や反戦運動など、社会的な背景が盛り込まれていて、それは避けて通れないものです。日本人だって有色人種。海外ではそれなりに区別や差別をされてます。ですが、アフリカ系の人たちのそれは、想像を絶するもの。以前アメリカで現地の友人（♂）と一緒に入ったお寿司屋さんに、肌の黒い職人さんがいたんですよ。自分がその人に注文していたら、友人が「信じられない！何でお前は平気なんだ」と驚くんです。「え、何が？」と聞くと、「日本人はみんな、黒い手で握って欲しくないって言う」…と。有色人種さえ有色人種を差別する。この問題は根が深いんですね。

自分は、紛れもない平和主義者ですが、それは平穏な環境の日本に生まれ育ったお陰でしょう。もしも兵隊さんになることが義務付けられている国に生まれていたら、周りのほとんどを敵に回してまで自分の主義を訴えられたかどうか。それより幼い頃から教育されていれば、何の疑いもなく戦争の必要性を信じてしまうかもしれない。アリの信念は尊敬に値します。永遠のチャンプ。ボクシングファンならずとも、男が憧れる生き方です。


☆役名＆キャスト☆

モハメド・アリ…ウィル・スミス
ドリュー・ブラウン…ジェイミー・フォックス
ハワード・コーセル…ジョン・ヴォイト
マルコムＸ…マリオ・ヴァン・ピーブルズ
アンジェロ・ダンディー…ロン・シルヴァー
ハワード・ビンガム…ジェフリー・ライト
ドン・キング…ミケル・Ｔ・ウィリアムソン
ソンジー…ジャダ・ピンケット・スミス
ベリンダ…ノナ・ゲイ

ハリウッド的エンターテイメントを求めると、肩透かしを食らいます。
この映画は、モハメド・アリというボクサーの伝記を優れた俳優達が演じたドキュメンタリーです。
アリの信仰と改名、徴兵拒否とタイトル剥奪、数々の名試合…それらの裏側を本人を基に忠実に再現されている（？）映画なのです。
脇役のジェイミー・フォックス、ジョン・ボイト（役に驚き！？）の演技はもちろんですが、やはり、アリになりきったウィル・スミスの勉強しつくした演技は注目です。
まくしたてるような早口とビッグマウス。試合でのステップからのジャブ等「そうそう、アリってそうだったよね！」と思わずニンマリ。
ファイトシーンもドラマティックに描いていないところがリアル。私の好きな、ロッキーのファイトシーンよりも数段リアルで上です。
この映画、特に感動もしなければ、２時間半という時間が長く感じてしまいます。そのように作ってありますから。
それでも、あえて言います。一見の価値ありです。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

９０円レンタル５弾目かな　これも過去漁り映画のひとつかとシカトしてたんだけど　スカパの「マイアミ・バイス」を見直してマイケル・マンやっぱし良かったのでこちらを続けて見てみました

当時は遠くからカシアス・クレイを応援していて　モスリムへの入信　徴兵拒否など詳しいことがわからず　ネットなどないからねニュースも途絶えてそのうち消息がわからなくなる状態に一喜一憂　いまようやくその間の全貌がわかったかな

冒頭はサム・クックで始まるのがかっこいいね　物語はカシアス・クレイからモハメッド・アリに変わるあたりから始まる　その昔はなんでイスラム教モスリムなんかになったのか訝しかったんだけど　今ではボクなんかはイスラム教が一番平和でいいんじゃないかと思っている　映画の中ではあまりクローズアップされないけど　アリの口からはっきり言わしているね　神の前で平等がイスラムの重要な教えであることを　アリはそれに忠実なのだ　ここはポイントね　この映画に刺激を感じないとしたら　それはアリの早くからの宗教的な真面目な性格から破天荒な映画的ドラマは生まれないってことと　事実上権力にキャリアを潰されてしまったので　二重に映画的エピソードに欠ける事になってるわけだ

マイケル・マンはそれでも　リングの上のアリの戦いだけでなく　政治・宗教がらみの戦いに消耗したアリ　それでも戦うアリに視点をはっきり定めているので少しも退屈しないのだ　リングを降りたアリを取り囲む都市のハードな描写なんかはマンの真骨頂だ　後半のクライマックスなんて「インヴィクタス」そのものなんだからびっくらこくよ　すごい先見の明だW　ここにアリX猪木戦が入ったら脱力で映画は何がなんだかわからなくなっちまうよ　でも猪木は武道館でこの映画の試写でウィル・スミスとダーッとやっちまったわけでこれもまたすごいエピソードだ　ちなみに猪木ボンバイヤのボンバイヤって　やつを倒せ　って意味だと初めて知った　へ〜アフリカ語ですか

６０年代牧師さんも戦っていた時代から世界はまた大きく変わってしまった　はっきり敵味方のわかる殺し合いから　わけわからん大量殺戮の時代へ　ボクシングのようなスポーツが社会を鋭く反映するような時代からいまや　真央ちゃんの時代へ　いいんだか悪いんだか　アリのような一スポーツ選手が孤独に戦っていた遠い昔の出来事を知るのもいいんじゃないかしらね　お勧めのスポーツ？映画です

思わずDVDを買ってしまいました。
モハメド・アリが大変魅力的に描かれています。
Will　Smithがさすがの好演。

確かに長い。宗教が絡んでくるので多少難解になり、たるい部分があります。ある程度の予備知識がなくては難しい映画かも。

それにしてもアリ、Lady's Manですね（苦笑）

なぜか、ボクシングと縁があるわたし。

プロになったおともだちがいて、
なんとなく特別なものになっていった。
父が、わたしの幼少期にボクシングのテレビばっかり見てたのも
影響しているのかな。
就職してからも、プロになった先輩と出逢った。

で、アリのこともぼんやり知っていて、
デートで見に行ったのがこの映画。
ほほう、そうだったのか、へえって知識にはなった。

別のとこにも書いちゃったが、
この前、2回目、井岡さんにも会った。
ちっちゃいけど、握力がすごいひと。