リンカーン/秘密の書

ティム・バートンとのコラボが続くセス・グレアム・スミスの小説をスミス自ら脚本化。
元アメリカ大統領・リンカーンは実はヴァンパイアハンターだったという発想が凄いです。
母親が奴隷商人のバンパイア、バーツ（マートン・ソーカス）に殺されるところを目撃した少年リンカーン（ベンジャミン・ウォーカー）は母の仇を討つために、バンパイア・ハンターとなることを決意。昼は雑貨店で働きながら、法律を勉強し、夜はヴァンパイアが苦手とする銀製のオノで魔物退治に勤しみます。
バンパイアたちが食料調達のために奴隷制度を悪用していることを知り、奴隷解放運動を推進するべく、政治家への道を歩み出します。

奴隷解放や南北戦争などの歴史の裏にヴァンパイア在りという設定は、結構史実と辻褄が合っていて上手くストーリー展開に組み込まれていると思いました。
大統領就任とか南北戦争とか、実際のリンカーンのエピソードに絡めたストーリーも、荒唐無稽ながら中々面白かったです。

逃げるバーツを追いかけるリンカーンの背後に凄まじい勢いで迫ってくるのは、多数の馬。群れの間を超スピードで走りながら別の馬に飛び移りながらの格闘シーンは超アクロバット。炎で崩れ落ちる大鉄橋などのシーンは、スピーディーでVFXを駆使した映像は中々迫力がありました。スローモーションを多用した独特の映像は、血しぶきも多量なのに、あまりグロさは感じられなかったところは良かったです。
バンパイアものとしてのホラー要素とか、アクション要素とか、歴史ファンタジー要素とかが、それぞれ緩く組み合わさっていて、不思議な味わいを醸し出していて楽しめました。

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何と！ 製作費６,９００万ドルも投じた「まとも」な「アクション・スリラー」

子供の頃にヴァンパイアに母を殺された「リンカーン」
大人になり仇討ちのためヴァンパイア・ハンターの元で修業。
すっかり斧の達人になるも世に蔓延るヴァンパイアは無数にいた・・
やがて時代は奴隷制度を巡る論争が激化。
親友の黒人やあらゆる人権を守るため、武器を置き政治家の道を歩む事に。
大統領になるや南北戦争勃発。
劣勢の連合国はヴァンパイアに協力を求め合衆国を一気に攻め立てる。
戦争でヴァンパイア軍団を倒すため大量の「銀」を戦場へ届けようとするのだが
それを阻止しようとするヴァンパイア達の奇襲攻撃により「リンカーン」は窮地に・・

本作はちゃんとした「Ａ級」映画であり優れ物であった。
もし本作が「スピルバーグのリンカーン」の後に公開されていたら
バチモンと見なされ誰も見向きもしない運命を辿っていたのかも知れない。
そう思うと「タイミング」は本当に重要だ。
「２０世紀フォックス・ジャパン」の宣伝の仕方が下手だったためあまり有名にならなかったが
結局は救世主とも言える世のレビュアー達の口コミで人気に火がついたと言っても過言ではない。

雰囲気的にホラーと思われがちだが残酷描写は一切期待してはならぬ。
誰もが知っている歴史を奇想天外に「創り変える」のはオモロい試みである。
おふざけ一切無しの「渾身のアイデア作品」チョ〜おススメだ。

設定からして、まともな映画でないことは容易に想像できたけど
期待以上のバカすぎるストーリーでかなりウケました。
一般的にはクソ映画だろうけど、僕はこういう酷過ぎて笑える映画は好きです。

黒人の友達・ウィルが奴隷商人バーツの手下に鞭でシバかれているのを見て
思わず斧で殴りかかってしまうほど血気盛んな少年エイブ。
ある晩、家で母がバーツに殺されるのを目撃する（パパはどこに行ってたの？）
数年後、大人になったエイブは復讐のためバーツを殺そうとするが、バーツがヴァンパイアだったため返り討ちに。
ヘンリー師匠に助けられ、彼のもとでヴァンパイアハンターになるため修行することになる。
このヘンリー、なぜか常に日焼け止めを塗り、超人的なパワーを持つ怪しさ１００％の人物なのだが
純粋なエイブは微塵も疑わない。
ちなみに、この映画のヴァンパイアも今流行のトワイライト方式で昼間も活動可。
でも、なぜか銀が弱点（それって狼男じゃ・・）

やがて一人前のハンターになったエイブはヘンリーの指示でイリノイへ
昼はカタギの仕事、夜はヴァンパイアハンターとして働きづめの日々を送る（過労死するで！！）
プライベートもリア充。ヘンリーの教えなんて無視して、店にやって来たメアリーと速攻で交際。
隠し持っていたハント用の銀の斧が見つかりそうになったので、ごまかすために、とっさにプロポーズしちゃいました（笑）

その後、とある事情でヴァンパイアのボス・アダムの舞踏会に行くことになったエイブは
そこで「黒人は奴隷＆実はヴァンパイアのエサ」という南部の惨状を知り、奴隷解放のため政界に本格参戦。
ヘンリーが「黒人はエサになっても良いじゃん。それより南部とモメる方がヤバいよ」と言ったのに腹を立て、彼とも袂を分かつ。

そして時は流れ、エイブは大統領に・・・て、ちょっと待てい！！
その間、アダムの軍団は何をしとったんや！！と思ったら何と
彼らは南軍に参戦、圧倒的な強さで北軍は大ピンチに・・
どうやら南部の人達は自軍にヴァンパイアがいても気にならないみたい。ていうか
ヴァンパイアの存在自体が秘密でも何でもないらしい・・メチャクチャなストーリーにはもう笑うしかない。

で、何だかんだで「やっぱ言論だけじゃダメじゃん、殺るときゃ殺らねば」てことで
エイブはアダム軍団との最終決戦へ。
長年のブランクなど、ものともせずメッチャ強いエイブ。友達のウィルも、なぜか同じくらい強いのには爆笑。

歴史通りに当然、北軍が勝つんだけど
この後、あんなに強かったエイブがアッサリ暗殺されちゃうのね・・と思うと
何だかホロ苦い気分になるのでした。

見てる時、「リンカーン役の俳優、どこかで見たような顔なのよね…」と気にしていたら
「そーだ！リーアム・ニーソンに似てる！」と気づきました（似てません？）
そう思い始めたらもう彼にしか見えなくなってきて、「リーアムにしたかったけど、
年齢的に無理だから似た人にしたのかな…」なんて余計なことを考えるヒマがあるほど
この映画には没頭できませんでしたね^^;

馬が走る中のアクション、列車でのアクションなど見どころも多かったし
思いっきり斧を振り回してヴァンパイアをやっつけるのは見てて気持ちがよかったけど
物語は設定が大胆すぎてムリがあったのかな…弾けきれてなかったような。

長い年月を描いているのもあり、ドラマ面が薄味で人物の気持ちが
あまり伝わってこなかったのが残念。
でもまあ娯楽作だからいいのかな。

びっくりしました！
まったく予備知識ゼロで見たので、まさか、まさか、ヴァンパイア退治の映画だったとは、
このタイトルから予想もしていなかった展開に驚きながらも楽しめました。
エイブラハム・リンカーンの史実に肉付けしながら、巧みに彼がヴァンパイアー・ハンターであったことを描いていきます。
南北戦争の際、南軍の兵士は実はほとんどがヴァンパイアで、
あまりの強さに人間は太刀打ちできず、そのために敗北しそうになっていた北軍を
機知と勇気とあっと言わせる仕掛けて勝ちに持っていったところなぞ痛快でした。
宿敵のヴァンパイアの親分との戦闘シーンは、スピード感、ハラハラ感たっぷりで、手に汗握りました。
けっこう血しぶきが飛ぶシーン満載なれど、所詮やつらはヴァンパイアと思えば、爽快です（笑）
面白かったです。

あと、リンカーンを演じるベンジャミン・ウォーカーがどうしてもリーアム・ニーソンに見えて仕方ありませんでした。
凄い似てますよね？
血のつながりはないのでしょうか？