ムーンライズ・キングダム

12歳の子どもたちによる駆け落ち騒動を、周囲の反応を交えてユーモラスに描いた作品です。
里親から厄介者扱いされていたサム（ジャレッド・ギルマン）は、ある朝無断でボーイスカウトを脱退し、1年前に“運命”を感じたスージー（カーラ・ヘイワード）と共に秘密の入り江を目指します。駆け落ちに気づいた大人たちは大騒ぎし、やがてふたりはボーイスカウトたちに追い詰められていきます。
小さな恋人たちの逃避行に、豪華キャストが脇を固め、ウェス・アンダーソン監督新作は、少年少女の“ひと夏の冒険”を遊び心たっぷりに描いていて、クスクス笑いとハートウォーミングなテイストを醸し出していました。

二人が出会ったのは一年前、教会でお芝居が上演された時。
スージーはキレやすく自分の世界に籠りがちな文学少女、いつも双眼鏡で周囲を見渡していた彼女は母親（フランシス・マクドーマンド）と島に一人だけの警官・シャープ（ブルース・ウィルス）の不倫現場を見てしまいます。
一方、両親を亡くし里親の元で暮らすサムは変わり者と見なされ、ボーイスカウトのキャンプ地でも仲間とはうまくいっていない上に、里親から面倒見きれないと言われています。
互いに居場所がない二人は強く惹かれあい、一年間文通を続けた後、ついに駆け落ちを実行します。

仏頂面のスージーと、メガネ男子なサムのカップルが可愛いです。　子どもなんだけど、彼らは大人以上に切実で、真剣なんですよね
彼らの純愛に、大人の恋も交えて、　ウィットに富んで、反面シニカルなテイストも織り込み、　単純に若い二人の逃避行だけでは終わらない妙な人間交差が面白かったです。
孤独な警官や、頼りないボーイスカウトの隊長など、子供たちに翻弄される大人たちの意外な優しさと正義感を発揮している様子は、　案外、大人のキャストたちの方が楽しんでるみたいでした。このキュートな駆け落ちを追跡する、大人達のあたふたぶりが楽しいです。
子供の頃、自分も身に覚えのあるようなひと夏の冒険を描いた、とてもハッピーな気持ちになれる映画でした。

映画館で見ました。美しくて、かわいくて、くすっと笑えて、ちょっと過激で、じんとくる…魅力たっぷりのすばらしい作品でした。
でも好みが分かれると思います。「すっごく退屈なだけ」という評価の人もいました^^;

（少しネタバレ気味かもしれません）

少年と少女が駆け落ちして、島は大騒ぎ！
…という、シンプルな物語で、一見ユルい感じがするけど、実は緻密に考えられている作品だ。
かわいくて色遣いがきれいで抜群のセンスが感じられる映像には、すべてムダなく意味が込められていると思う。

ゆるーい展開だけど、時々いきなり過激なことがおこり、度肝を抜かれる＼(◎o◎)／！
（えーそれはないだろう…と思うけど、ムーンライズキングダムなら、アリよね。）
すぐまた元のトーンに戻るんだけど…このアクセントがすごく面白い。

そして、登場人物が魅力的♪
エドワード・ノートン演じるボーイスカウト隊長は「数学教師は副業。本業は隊長。」と言う位、マジメに一生懸命頑張ってるのに、
隊員の駆け落ち事件が起こってしまう… うーん、いるよね、こういう人！

ヒロインの少女は、家族に問題児だと思われている。（と、本人は思っている）
大好きな双眼鏡は、遠くのものが近くに見える魔法の道具。でもイヤなものが見えることもある…。

警官役はブルース・ウィリス。
ちょっと冴えない人物を、何とも言えない味わいを醸し出して演じていた。
「俺様が一番」的な役しかしないのかと思ってたら…すばらしい演技！
（「ＬＯＯＰＥＲ」見た時、大根だなんて思って、ゴメンナサイm(__)m ）

冒頭にかかった、音楽の授業の鑑賞で聴いたことあるような、管弦楽の入門レコードがエンディングにも流れ、
そこに込められた監督のメッセージがしっかり伝わってきた。

イノセントでマジメな人たちばかりが住む、ムーンライズ・キングダム。
人間って、こんなにすてきなんだね♪ハートが温かくなる作品だった。

ただ生きているだけの毎日の繰り返しのここから逃げ出したい、と思うことはある　けど　思うだけ。
そんな勇気はない　信念はない　体力もない　お金もない......　だいたい逃げていくとこがない。
諦めて　そんなゼイタクな事を妄想する自分を戒めて　しっかりあきらめて　埋没生活へ。
考えないようにしているそれを思い出させてくれる残酷さが魅力のウェス・アンダーソン監督。
映像だけでなくその体内もますますシメントリー化していってる。
いつ、どこで、どんな状況で観てもはまるところがある安心感もシメントリー。
いざという時のウェスアンダーソン。生優しくないところがますます繊細になってる。
レッドフォードの腹に刺さった鋏とスヌーピーの喉を貫いた矢には震撼した。

逃げ場はあるから逃げなくても大丈夫なこともきちんと解説してくれて、目頭熱くなった。
今は　人生ウッド・ブロックあたり。トライアングルまではまだまだ。

最初から最後までウェス・アンダーソンワールドです。
独特の色使い
独特のテンポ
独特の世界観
ウェス好きにはたまらんでしょう。

私は、この監督さんの作品って今ひとつ乗り切れないことが多くて・・・
でもこの作品は、変わりものと呼ばれる少年と少女の甘酸っぱい恋のお話に
懐かしい香りがして、なんとも胸がキューンとなるお話でした。

ただ、ショックだったことは、中盤まであの人がエドワード・ノートンだとは気が付きませんでした(^_^;)
なんか老け方が激しいんですけど！
かなりショックでした。

観てみにゃ、分からん、ウェス・アンダーソン作品♪ｗ（激沈することも多々・・・笑）

まるで紙芝居を観ているかのような、真横に滑っていくカメラが
『ファンタスティックMｒ.FOX』を経て、更に磨きが掛かったような気がしました

豪華なキャスティングは毎度のことですが
今回の主人公は子供たち

初恋です☆

ハッキリ言って、感動しましたね〜♪
淡くて甘酸っぱい初恋を
ウェス・アンダーソンは、こう表現しますかーー！？

彼の映画の登場人物は
ブロークン・ハートな人が、多いんですね
それを、媚びない淡々とした目線と、独特なタッチで描いているのが特徴なんですが
ともすれば、それが賛否両論を呼ぶんですけど
今回に至っては
もう

彼の映画の中なら、傷ついてもいい！

とさえ、思ってしまうような完成度でした♪

最後のビーチのワンカットなんて
とんでもない余韻を残していくし
楽しかった思い出が、走馬灯のように蘇ってくるんです

最高に美しいワンシーンでした♪

ブルース・ウィリスは、色んな映画でポリスやってますけど
これだけ、他のイメージに引っ張られないのは、スゴイ
それぞれがキチンと単品として成り立ってるんですよね
上手い人なんですね〜（今更？ｗ）

少年の問題
少女の問題
大人の事情
いろんな思いが渦巻いてます
ポップなだけでなく
すごく繊細に切り込んでもいます
大胆なほどの、黄色い配色と共に
胸の中にチクリとした感触を残して
その傷跡が、後になってあたたかくもあります

やられたな〜・・・♪