ナイト・スリーパーズ

環境破壊を憂えるジョシュ（ジェシー・アイゼンバーグ）とディーナ（ダコタ・ファニング）は、
SNSで知り合った元海兵のハーモンと組み、ダム爆破を決行する。
ダムは決壊し、川岸にいたキャンパーが犠牲になった。
ディーナは罪悪感に駆られ精神的に不安定になってしまう…

ケリー・ライヒャルト監督作品。
ダム決壊は爆発音だけで描写され、スペクタクルなシーンはない。
ジョシュの焦燥や喪失、孤独が際立つ心理劇という印象。
丸い天窓から見える曇り空、湖の水没林、煌めくガラスのプリズム、
露を置いたキャベツの葉など、静かで乾いた映像が美しい。

農場のリーダーが発した「ダムの破壊はバカの仕業だ」
「何も為していない」という言葉に、ジョシュは沈黙するだけだ。
原題は「Night Moves」
深夜、ジョシュたちはボートNight Moves号でダム爆破に向かう。
Night Moves（夜遊び）の後に、ジョシュが辿り着いたのは…

序盤、ディーナは勤務先のスパにジョシュを伴い
「ここで待て」と言って立ち去る。
彼女が指示した場所からは、スパを利用する全裸の女性客が見えた。
（一言も喋らず静かに動く女性達の様子は、どこか宗教的で沐浴のよう…）
ジョシュはいたたまれずその場を離れる。
ディーナには女性客への気遣いが全くないのか、ジョシュを男性だと思っていないのか…
どちらにせよ、彼女はジョシュを何とも思っていなかったようだ。
不安定になった彼女が頼ったのはジョシュではなく、ハーモンだったのだから…
どこまでいっても持たざる者のジョシュだった…

ジョシュ、ディーナ、ハーモンの背景は、ほぼ描かれていない。
ジョシュは農場、ディーナはスパで働き、ハーモンは逮捕歴のある元海兵だという程度だ。
環境問題だけが3人を結びつけており、テロ決行後には離れていくだけの関係。
「誰も傷つかない」はずだったテロは、犠牲者を出した。
環境破壊に憤りながら不燃ゴミを無造作に廃棄し、
テロに走るだけで犯行声明も出さない。
3人は、ダムを破壊しただけの独善の人だった…

ケリーライカートも有名になって来たね 未見の今作如何でしょうか
グリーンピースのよりも過激な環境テロリズムに走る3人の顛末
しかしダム爆破は音響だけ 事件もクライムサスペンスも特に念入り
に描こうとはしない と言って彼等のイデオロギーも大した事なく
犯罪の現象学とでも言おうか

で これが何とも面白く厳しい話だが心地良い 面白さでは次回作
以上なのではないか ひたすら事件後の日常生活で行くわけだが
そこに事件でのたった一人の犠牲者が出る事に及んでの 罪の意識
ダコタファニングが深刻に心的障害を受けるだろう

西洋人て 何でも行き着くとこまで行くんで怖いんだよね 州議会
まで襲ってしまう 2048年には汚染で釣りも不可能になってる筈
の美しい湖が舞台で シンプルなボートの登場も上手い 原題は
ナイトなので心象風景としても なかなかのものだ

主人公達が当然不安がるだろう すべてが曖昧 何があっても説明は
無し いつの間にか噂になっていて 共同生活から疎外される主人公
免許証偽造エピソードは重要な細部 偽造犯罪程度の成果しかない
テロ行為 誰も傷付けないとゆう虫の良い破壊活動 良心の痛みと
刑務所恐怖

結局 人は ある枠の中でしか生きる事は出来ないのか 逸脱した者
革命を行わんとする者に訪れるグレーゾーン それは宗教と法の
世界への端緒 こりゃドフトエフスキーかもね 地味ながら退屈する
間がない しっかりした演出力でケリーはモノホンの映画作家です

ソーシャル・ネットワークでマークザッカーバーグを好演していたジェシー・アイゼンバーグが観たくて借りました。

結論からいうと、この作品、とっても暗い。

環境保護に傾倒している若者三人が主人公で、自然を破壊し続ける人間に、自然保護を考えさせるために、ダムの破壊を計画します。
途中、計画がうまく運ばなかったり、ハラハラさせられるシーンの連続です。
音声も少なく、役者さん同士の会話も少なく、淡々としています。
カメラアングルが、まるで自分がそこにいるかのように見せる撮り方をしているので臨場感がありました。

ただ、作品としては流れがスローで途中、退屈に感じてしまいました。
ジェシー・アイゼンバーグをはじめ、ダコタファニングにしても、演技派の俳優さんが出ているのでなんとか最後まで観ましたが、オチの部分に「えーっそんな感じのオチ？」という違和感のあるお話でした。
予告とだいぶイメージが違いました。

もう一度、観るか、と言われると微妙ですが、こういう思想の人も世の中にはいるんだな、と実感しました。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

どうやらラジカルな環境保護派とおぼしき３人。
”環境保護のためにアクションを”ということで、魚道の造られていないダムの爆破を企画。
なんだけれど・・・
準備できているはずの爆薬の素（窒素系肥料）が不十分だったり
一人が前科もちであったり
知人がいないはずの土地に知人がいたり
無人のはずの実行地点に沢山のキャンパーがいたり
と、とにかく杜撰な計画。
にも関わらず実行に移したものだから、無関係の人が命を落とす羽目に。
ビビって不安定になる主人公達。
どうなることやら。というお話。

ジャケ写と説明文からは、ダム爆破計画が中心のサスペンスぽく感じられますが、
実際には”サスペンス”というよりは”ドラマ”という仕立て。
静かな目の作品で、少なくともバリバリの”サスペンス”という作品ではないことを承知の上でなら。

一応早送りながらも最後まで見ましたが（確認しましたが）まったく見せ所もないというか
実に面白みの無い作品でした、ジェシーアイゼンバーグに期待していたのですが。。。