葛城事件 / 三浦友和
全体の平均評価点: (5点満点)
(24)
解説・ストーリー
無差別殺傷事件を引き起こした犯人の父親を主人公に、腐心して築き上げた理想の家庭が、ふとしたことから歯車が狂いはじめ、壮絶な崩壊の道を辿っていくさまを鮮烈に描き出した衝撃の家族ドラマ。主演は三浦友和、共演に南果歩、新井浩文、若葉竜也、田中麗奈。監督は「その夜の侍」の赤堀雅秋。親から引き継いだ金物屋を営む葛城清。美しい妻・伸子と2人の息子に恵まれ、東京の郊外に念願のマイホームを建てることもでき、思い描いてきた理想の家庭が完成したかに思われた。しかし清の理想への執着が、いつしか家族を抑圧的に支配してしまっていた。従順に育ってきた自慢の長男・保は会社からリストラされたことを誰にも言い出せず、デキの悪い次男・稔はバイトも長続きせず、“一発逆転”を夢みる日々だったが…。 JAN:4988003842253
無差別殺傷事件を引き起こした犯人の父親を主人公に、腐心して築き上げた理想の家庭が、ふとしたことから歯車が狂いはじめ、壮絶な崩壊の道を辿っていくさまを鮮烈に描き出した衝撃の家族ドラマ。主演は三浦友和、共演に南果歩、新井浩文、若葉竜也、田中麗奈。監督は「その夜の侍」の赤堀雅秋。親から引き継いだ金物屋を営む葛城清。美しい妻・伸子と2人の息子に恵まれ、東京の郊外に念願のマイホームを建てることもでき、思い描いてきた理想の家庭が完成したかに思われた。しかし清の理想への執着が、いつしか家族を抑圧的に支配してしまっていた。従順に育ってきた自慢の長男・保は会社からリストラされたことを誰にも言い出せず、デキの悪い次男・稔はバイトも長続きせず、“一発逆転”を夢みる日々だったが…。 JAN:4988003842253
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「葛城事件」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
無差別殺傷事件を引き起こした犯人の父親を主人公に、腐心して築き上げた理想の家庭が、ふとしたことから歯車が狂いはじめ、壮絶な崩壊の道を辿っていくさまを鮮烈に描き出した衝撃の家族ドラマ。主演は三浦友和、共演に南果歩、新井浩文、若葉竜也、田中麗奈。監督は「その夜の侍」の赤堀雅秋。親から引き継いだ金物屋を営む葛城清。美しい妻・伸子と2人の息子に恵まれ、東京の郊外に念願のマイホームを建てることもでき、思い描いてきた理想の家庭が完成したかに思われた。しかし清の理想への執着が、いつしか家族を抑圧的に支配してしまっていた。従順に育ってきた自慢の長男・保は会社からリストラされたことを誰にも言い出せず、デキの悪い次男・稔はバイトも長続きせず、“一発逆転”を夢みる日々だったが…。 JAN:4988003842253
「葛城事件」 の作品情報
「葛城事件」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
葛城事件の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
120分 |
|
日:ドルビーデジタルステレオ |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
KIBR1855 |
2017年01月11日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
44枚
|
0人
|
0人
|
葛城事件の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
120分 |
|
日:ドルビーデジタルステレオ |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
KIBR1855 |
2017年01月11日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
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ユーザーレビュー:24件
偽りだらけの家族が歩んだ救いなき末路
無差別殺人事件の加害者家族の葛藤を描く人間ドラマ。
原作の同名舞台劇を手掛けた赤堀雅秋が監督を務めます。
東京の郊外に住む平凡な家族、葛城家の二男の稔(若葉)が駅で通行人を無差別に切りつける殺傷事件を起こし、彼に死刑判決が下ります。そんな稔と獄中結婚した謎の女性順子(田中麗奈)が葛城家の家族から話を聞く中で父清(三浦友和)の支配に耐えかね崩壊した一家の姿が浮き彫りになります。
父親と家庭の在り方に一石を投じる問題作。
葛城家の期待の星だった長男・保(新井浩文)はリストラされたことを誰にも言えず自殺、妻・伸子(南果歩)は精神のバランスを崩し、「ダメ男」と父親に罵られ続けた次男・稔(若葉竜也)は駅構内で無差別殺傷事件を引き起こします。絵に描いたような家庭の不幸が、一見普通の両親、普通の家庭から生み出されたことが衝撃です。
浮かび上がるのは圧倒的な父親・清の存在です。大したことない男が、家庭にいるだけで抑圧の塊として君臨します。
いつも虚勢を張って生きているのも、辛いのじゃないかと思います。もう少し家族に自分の本当の姿をさらす事が出来たら、家族は幸せだったのではないかと思いました。
きっと、本当の家族の温かさを知らないのでしょうね。
かなり重いストーリーですが、三浦友和の演技の素晴しさに脱帽です。
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25人の会員が気に入ったと投稿しています
モンスター
傲慢。ひとりよがり。強権的。
そんな男に支配された家庭は、いつの間にか崩壊の道をたどっていた。
妻は精神を病み、期待の星だった長男はリストラされたことを言い出せず命を絶つ。
そして、凶悪事件を起こす次男。
もしこんな男が夫だったら、父親だったら、
こんな男に長年支配されて生きてきたら、おかしくなっても仕方ないと思う。
死刑判決をうけた次男が、父親の方をみて笑う姿は、まるで
「ざまあみろ。これがお前への復讐だ。」とでも言っているようだった。
しかし、つまらないことで見栄を張ったり、執拗にクレームをつけたりと、
時にとんでもない小物ぶりを発揮する姿に、三浦友和演じる主人公ばかりを非難する気持ちになれないでいた。
考えてみれば、ある一定の年齢以上の男性って、
程度の差こそあれ、こんな風にひとりよがりで支配的なんじゃないかなとも思うし、
マイホームを建て、家族を養い、一国一城の主として君臨することが美徳だった時代もあったのだから。
むしろ嫌いだったのは、田中麗奈演じる次男と獄中結婚する女性。
次男が凶悪な犯罪を起こしたのは、家族の愛を知らなかったからだと決めつけて、
愛の力で彼を立ち直らせたいという彼女の偽善的な主張には嫌悪感しかなかった。
だから、終盤の主人公の彼女に対する言葉にはちょっと溜飲が下がる思いもあった。
しかし本当に驚いてしまったのはこの後。
次男の事件の前と後の時制を行ったり来たりして語られてきた物語の、時制を表すキーアイテムだった主人公の杖。
それに頼ることなくスタスタと歩き出す姿に、えっ?これは演出ミスなの?とびっくり。
観直してみると、始めの方で
「次男の事件のストレスで足が悪くなった。」と主人公自らが言っている。
だけど、これって全くの嘘だった、単に世間の同情を引くための演技だったってこと。
同情的な気分が一気に覚めました。モンスターだったんだ、この男。
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9人の会員が気に入ったと投稿しています
殺人を『罪』と自覚しない殺人者
無差別殺人事件を起こした次男を持つ父親・葛城清(三浦友和)と、
次男と獄中結婚する女性(田中麗奈)を中心にSTORYは進みます。
父親・清もまた、ある意味『悪びれず無反省に堂々としている』
この父親の精神力にも、驚きますが、
死刑廃止論者の女性・田中麗奈の死刑囚と、獄中結婚する・・・
という『考え方』にも、違和感を覚えます。
犯罪加害者の家族も12分に辛い人生を送り、
運命を狂わされる話しはよく聞きます。
『赤の他人』だから、手に掛け易い。
顔も知らない他人だから、罪の意識を持たない。
最近の殺人の動機が『殺してみたかった・・・』と、聞くと、
人間離れしていて、怒りの持って行き場所もない・・・
そんな時代です。
葛城家の人々は強権的な父親・清のもとで、事件前から、
家庭は崩壊していたようでした。
三浦友和と、田中麗奈の力強い演技が光りました。
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5人の会員が気に入ったと投稿しています
冷蔵庫の牛乳パック
「葛城事件」(2016年)。赤堀雅秋・監督。
男が、自宅の塀に書かれた落書きを消す場面から始まる。
庭に水を撒きながら「バラが咲いた」と歌う。
一本の蜜柑の木から、青い実をもいで、かじる。
木は、初めてマイホームを建てたとき、子供たちの成長を見守るために、ここに植えたものだった。
被告の青年が裁かれる法廷の場面が、併行する。
裁判官が「主文」を読むことで、一瞬、不安になった被告は、傍聴席を振り返る。
死刑判決の場合は、主文の前に刑を告知することが多いからだ。
(僕は、死刑にならないかもしれない。)
大問題を語り、小さな権威をかざし、足元の自分の家の統治に失敗した父を、三浦友和が演じる。
「就職のことについて『あんた」にどうのこうの言われたくない」と思っている次男。
『あんた』と言われている父は、毎日、自転車で坂をのぼり、親から継いだ「葛城金物店」に通う。
冷蔵庫の牛乳をコップに注がず、紙パックの口からそのまま飲む。
自分の不満を、社会問題にすり替えて、突然、切れる。
こういうキャラクターは、父と、次男に、共通している。
四人の家庭。父(三浦友和)、母(南果歩)、長男(新井浩文)、次男(若葉竜也)。
長男は、優秀で従順で、父が勉強してろよというと、「青空」という漢字をいつまでもノートに筆写していた、と父は自慢する。
次男は、それが嫌で、いつも逃げ出そうとしていた、と父は自嘲する。
父は、言うことをきかない次男を「お前は駄目だ」と言う。母は守ろうとする。次男は、長男に嫉妬する。
父という暴君に逆らえないまま、家族は歪んでいく。
長男は、大学を出て、営業職に就いた。結婚し、子どもができた。
やがて、「押しが弱い」性格を突かれ、リストラされ、毎日、公園へ「出勤」するようになる。
石のベンチに座り、パズルを解いている。
煙草の吸い殻を捨てて、公園から出ていく。
彼は戻って、吸い殻を拾う。風が強く鳴る。
コンビニのレシートの裏に書かれた長男の言葉を読み、「捨ててくれ」と父は言う。
それを見ていた次男は、くすっと笑う。
母は、長男の嫁を責めるが、逆に「嘘つき!」と、家族の虚妄について逆襲され、無言になる。
このときの南果歩の顔は、印象に強く残る。
彼女は、突然、酔った夫から抱かれ、「やっと分かった わたし、最初からあなたのことを好きじゃなかった」と言っていた。
「カナブン」の話は、彼女の狂気の明瞭な始まり。
「ミンミンミン元気なこと」と、病院で女(田中麗奈)に言う。
「一発逆転」という言葉の虚しさと、行動の無責任さ。
暴君に逆らえなかった家族の弱さ。これは、一つの「聖家族」なのだ。
「主文」のあとで、死刑を告げられた次男は、少し笑って、傍聴席の父を振り返る。
田中麗奈。次男と獄中結婚し、彼の心の闇を解こうとする人物の役。
この役を設定しないと、この映画は成り立たない、虚しく、必須のキャラクターだ。
彼女が「サウナ」状態の狭い部屋のことを話すと……少し光はあったように感じた。
音楽は、窪田ミナの室内楽。
どこの家族でも、悲劇は起こりうるということを、この曙光のような、挽歌のような、ほの明るい室内楽が補足している。
枝は折れるはずさ、と多寡をくくっていたら、麺をずるると喉に吸いこむ音で、「やられた」と思った。
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
葛城事件
投稿日:2017/02/04
レビュアー:片山刑事
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
通り魔殺人を起こした息子を持つお父さんとその家族たちの話。
抑圧的で家族とはかくあるべしという強固な考えを持つ日本の家父長制みたいな人物で、もはや絶滅危惧種なんではないかというキャラクターで不快指数高くて凄かったです。もはやどの年代が見てもこんなお父さん嫌だと思ってしまうのではないかと感じる人間で外食先でクレーマーになり奥さんや子どもたちを抑えつける。ひたすら周囲の人間を委縮させていきます。家族が抑えつけられるのを見ているこちら側も苦しかったです。
なぜこんな事件を起こしたのか。なぜこんな家庭になったのか。そこに至る過程は一切描かれず。殺伐とした人生を垣間見えて家族を持つのが、生きるのが嫌になる映画でした。
現在と過去が交互に描かれていきますが、テンポよく切り替わってくわけでもなく。ただただ普通に描かれるだけなので退屈に感じる部分もありました。それに次男が通り魔事件を起こす直接的なシーンがありますが、見せ場だとは思いますが、ただ刺される人たちが棒立ちで突っ立ってるだけなので、リアリティより象徴的なシーンとして描かれるのも個人的には残念でした。
そして食事するカットが多くて、食事のカットが映画としてただでさえ美しくないのに。この映画はわざと不快に映るようにしているのも画面を直視するのが辛くて不快でした。
通り魔がなぜおきるのか? 死刑制度についての問いかけなのか? もう少し掘り下げてほしかったです。
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
偽りだらけの家族が歩んだ救いなき末路
投稿日
2017/01/09
レビュアー
ミルクチョコ
無差別殺人事件の加害者家族の葛藤を描く人間ドラマ。
原作の同名舞台劇を手掛けた赤堀雅秋が監督を務めます。
東京の郊外に住む平凡な家族、葛城家の二男の稔(若葉)が駅で通行人を無差別に切りつける殺傷事件を起こし、彼に死刑判決が下ります。そんな稔と獄中結婚した謎の女性順子(田中麗奈)が葛城家の家族から話を聞く中で父清(三浦友和)の支配に耐えかね崩壊した一家の姿が浮き彫りになります。
父親と家庭の在り方に一石を投じる問題作。
葛城家の期待の星だった長男・保(新井浩文)はリストラされたことを誰にも言えず自殺、妻・伸子(南果歩)は精神のバランスを崩し、「ダメ男」と父親に罵られ続けた次男・稔(若葉竜也)は駅構内で無差別殺傷事件を引き起こします。絵に描いたような家庭の不幸が、一見普通の両親、普通の家庭から生み出されたことが衝撃です。
浮かび上がるのは圧倒的な父親・清の存在です。大したことない男が、家庭にいるだけで抑圧の塊として君臨します。
いつも虚勢を張って生きているのも、辛いのじゃないかと思います。もう少し家族に自分の本当の姿をさらす事が出来たら、家族は幸せだったのではないかと思いました。
きっと、本当の家族の温かさを知らないのでしょうね。
かなり重いストーリーですが、三浦友和の演技の素晴しさに脱帽です。
モンスター
投稿日
2017/01/23
レビュアー
パープルローズ
傲慢。ひとりよがり。強権的。
そんな男に支配された家庭は、いつの間にか崩壊の道をたどっていた。
妻は精神を病み、期待の星だった長男はリストラされたことを言い出せず命を絶つ。
そして、凶悪事件を起こす次男。
もしこんな男が夫だったら、父親だったら、
こんな男に長年支配されて生きてきたら、おかしくなっても仕方ないと思う。
死刑判決をうけた次男が、父親の方をみて笑う姿は、まるで
「ざまあみろ。これがお前への復讐だ。」とでも言っているようだった。
しかし、つまらないことで見栄を張ったり、執拗にクレームをつけたりと、
時にとんでもない小物ぶりを発揮する姿に、三浦友和演じる主人公ばかりを非難する気持ちになれないでいた。
考えてみれば、ある一定の年齢以上の男性って、
程度の差こそあれ、こんな風にひとりよがりで支配的なんじゃないかなとも思うし、
マイホームを建て、家族を養い、一国一城の主として君臨することが美徳だった時代もあったのだから。
むしろ嫌いだったのは、田中麗奈演じる次男と獄中結婚する女性。
次男が凶悪な犯罪を起こしたのは、家族の愛を知らなかったからだと決めつけて、
愛の力で彼を立ち直らせたいという彼女の偽善的な主張には嫌悪感しかなかった。
だから、終盤の主人公の彼女に対する言葉にはちょっと溜飲が下がる思いもあった。
しかし本当に驚いてしまったのはこの後。
次男の事件の前と後の時制を行ったり来たりして語られてきた物語の、時制を表すキーアイテムだった主人公の杖。
それに頼ることなくスタスタと歩き出す姿に、えっ?これは演出ミスなの?とびっくり。
観直してみると、始めの方で
「次男の事件のストレスで足が悪くなった。」と主人公自らが言っている。
だけど、これって全くの嘘だった、単に世間の同情を引くための演技だったってこと。
同情的な気分が一気に覚めました。モンスターだったんだ、この男。
殺人を『罪』と自覚しない殺人者
投稿日
2017/01/20
レビュアー
カマンベール
無差別殺人事件を起こした次男を持つ父親・葛城清(三浦友和)と、
次男と獄中結婚する女性(田中麗奈)を中心にSTORYは進みます。
父親・清もまた、ある意味『悪びれず無反省に堂々としている』
この父親の精神力にも、驚きますが、
死刑廃止論者の女性・田中麗奈の死刑囚と、獄中結婚する・・・
という『考え方』にも、違和感を覚えます。
犯罪加害者の家族も12分に辛い人生を送り、
運命を狂わされる話しはよく聞きます。
『赤の他人』だから、手に掛け易い。
顔も知らない他人だから、罪の意識を持たない。
最近の殺人の動機が『殺してみたかった・・・』と、聞くと、
人間離れしていて、怒りの持って行き場所もない・・・
そんな時代です。
葛城家の人々は強権的な父親・清のもとで、事件前から、
家庭は崩壊していたようでした。
三浦友和と、田中麗奈の力強い演技が光りました。
冷蔵庫の牛乳パック
投稿日
2017/03/03
レビュアー
ちゅく
「葛城事件」(2016年)。赤堀雅秋・監督。
男が、自宅の塀に書かれた落書きを消す場面から始まる。
庭に水を撒きながら「バラが咲いた」と歌う。
一本の蜜柑の木から、青い実をもいで、かじる。
木は、初めてマイホームを建てたとき、子供たちの成長を見守るために、ここに植えたものだった。
被告の青年が裁かれる法廷の場面が、併行する。
裁判官が「主文」を読むことで、一瞬、不安になった被告は、傍聴席を振り返る。
死刑判決の場合は、主文の前に刑を告知することが多いからだ。
(僕は、死刑にならないかもしれない。)
大問題を語り、小さな権威をかざし、足元の自分の家の統治に失敗した父を、三浦友和が演じる。
「就職のことについて『あんた」にどうのこうの言われたくない」と思っている次男。
『あんた』と言われている父は、毎日、自転車で坂をのぼり、親から継いだ「葛城金物店」に通う。
冷蔵庫の牛乳をコップに注がず、紙パックの口からそのまま飲む。
自分の不満を、社会問題にすり替えて、突然、切れる。
こういうキャラクターは、父と、次男に、共通している。
四人の家庭。父(三浦友和)、母(南果歩)、長男(新井浩文)、次男(若葉竜也)。
長男は、優秀で従順で、父が勉強してろよというと、「青空」という漢字をいつまでもノートに筆写していた、と父は自慢する。
次男は、それが嫌で、いつも逃げ出そうとしていた、と父は自嘲する。
父は、言うことをきかない次男を「お前は駄目だ」と言う。母は守ろうとする。次男は、長男に嫉妬する。
父という暴君に逆らえないまま、家族は歪んでいく。
長男は、大学を出て、営業職に就いた。結婚し、子どもができた。
やがて、「押しが弱い」性格を突かれ、リストラされ、毎日、公園へ「出勤」するようになる。
石のベンチに座り、パズルを解いている。
煙草の吸い殻を捨てて、公園から出ていく。
彼は戻って、吸い殻を拾う。風が強く鳴る。
コンビニのレシートの裏に書かれた長男の言葉を読み、「捨ててくれ」と父は言う。
それを見ていた次男は、くすっと笑う。
母は、長男の嫁を責めるが、逆に「嘘つき!」と、家族の虚妄について逆襲され、無言になる。
このときの南果歩の顔は、印象に強く残る。
彼女は、突然、酔った夫から抱かれ、「やっと分かった わたし、最初からあなたのことを好きじゃなかった」と言っていた。
「カナブン」の話は、彼女の狂気の明瞭な始まり。
「ミンミンミン元気なこと」と、病院で女(田中麗奈)に言う。
「一発逆転」という言葉の虚しさと、行動の無責任さ。
暴君に逆らえなかった家族の弱さ。これは、一つの「聖家族」なのだ。
「主文」のあとで、死刑を告げられた次男は、少し笑って、傍聴席の父を振り返る。
田中麗奈。次男と獄中結婚し、彼の心の闇を解こうとする人物の役。
この役を設定しないと、この映画は成り立たない、虚しく、必須のキャラクターだ。
彼女が「サウナ」状態の狭い部屋のことを話すと……少し光はあったように感じた。
音楽は、窪田ミナの室内楽。
どこの家族でも、悲劇は起こりうるということを、この曙光のような、挽歌のような、ほの明るい室内楽が補足している。
枝は折れるはずさ、と多寡をくくっていたら、麺をずるると喉に吸いこむ音で、「やられた」と思った。
葛城事件
投稿日
2017/02/04
レビュアー
片山刑事
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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通り魔殺人を起こした息子を持つお父さんとその家族たちの話。
抑圧的で家族とはかくあるべしという強固な考えを持つ日本の家父長制みたいな人物で、もはや絶滅危惧種なんではないかというキャラクターで不快指数高くて凄かったです。もはやどの年代が見てもこんなお父さん嫌だと思ってしまうのではないかと感じる人間で外食先でクレーマーになり奥さんや子どもたちを抑えつける。ひたすら周囲の人間を委縮させていきます。家族が抑えつけられるのを見ているこちら側も苦しかったです。
なぜこんな事件を起こしたのか。なぜこんな家庭になったのか。そこに至る過程は一切描かれず。殺伐とした人生を垣間見えて家族を持つのが、生きるのが嫌になる映画でした。
現在と過去が交互に描かれていきますが、テンポよく切り替わってくわけでもなく。ただただ普通に描かれるだけなので退屈に感じる部分もありました。それに次男が通り魔事件を起こす直接的なシーンがありますが、見せ場だとは思いますが、ただ刺される人たちが棒立ちで突っ立ってるだけなので、リアリティより象徴的なシーンとして描かれるのも個人的には残念でした。
そして食事するカットが多くて、食事のカットが映画としてただでさえ美しくないのに。この映画はわざと不快に映るようにしているのも画面を直視するのが辛くて不快でした。
通り魔がなぜおきるのか? 死刑制度についての問いかけなのか? もう少し掘り下げてほしかったです。
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