天国でまた会おう / ナウエル・ペレ・ビスカヤー
天国でまた会おう
/アルベール・デュポンテル
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(12)
解説・ストーリー
人気ミステリー作家ピエール・ルメートルの同名小説を映画化しセザール賞で5冠に輝いた感動クライム・エンタテインメント。第一次世界大戦直後のパリを舞台に、2人の帰還兵が辿る数奇な運命をペーソスを織り交ぜシニカルに綴る。主演はナウエル・ペレス・ビスカヤールと本作の監督も務めているアルベール・デュポンテル。1918年、休戦目前の西部戦線。生き埋めにされたアルベールは、若い兵士エドゥアールに助けられるが、その際エドゥアールは顔に重傷を負ってしまう。休戦を迎え、2人がパリに戻ってみると、戦没者は称えられる一方、生き延びた帰還兵に対しては世間はあまりにも冷淡だった。仕事も恋人も失ったアルベールは、家に戻りたくないというエドゥアールの願いを聞き入れ、彼の戦死を偽装すると、身分を偽り2人で暮らし始めるのだったが…。 JAN:4988013908314
人気ミステリー作家ピエール・ルメートルの同名小説を映画化しセザール賞で5冠に輝いた感動クライム・エンタテインメント。第一次世界大戦直後のパリを舞台に、2人の帰還兵が辿る数奇な運命をペーソスを織り交ぜシニカルに綴る。主演はナウエル・ペレス・ビスカヤールと本作の監督も務めているアルベール・デュポンテル。1918年、休戦目前の西部戦線。生き埋めにされたアルベールは、若い兵士エドゥアールに助けられるが、その際エドゥアールは顔に重傷を負ってしまう。休戦を迎え、2人がパリに戻ってみると、戦没者は称えられる一方、生き延びた帰還兵に対しては世間はあまりにも冷淡だった。仕事も恋人も失ったアルベールは、家に戻りたくないというエドゥアールの願いを聞き入れ、彼の戦死を偽装すると、身分を偽り2人で暮らし始めるのだったが…。 JAN:4988013908314
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「天国でまた会おう」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
人気ミステリー作家ピエール・ルメートルの同名小説を映画化しセザール賞で5冠に輝いた感動クライム・エンタテインメント。第一次世界大戦直後のパリを舞台に、2人の帰還兵が辿る数奇な運命をペーソスを織り交ぜシニカルに綴る。主演はナウエル・ペレス・ビスカヤールと本作の監督も務めているアルベール・デュポンテル。1918年、休戦目前の西部戦線。生き埋めにされたアルベールは、若い兵士エドゥアールに助けられるが、その際エドゥアールは顔に重傷を負ってしまう。休戦を迎え、2人がパリに戻ってみると、戦没者は称えられる一方、生き延びた帰還兵に対しては世間はあまりにも冷淡だった。仕事も恋人も失ったアルベールは、家に戻りたくないというエドゥアールの願いを聞き入れ、彼の戦死を偽装すると、身分を偽り2人で暮らし始めるのだったが…。 JAN:4988013908314
「天国でまた会おう」 の作品情報
「天国でまた会おう」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
天国でまた会おうの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
117分 |
|
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
PCBE76090 |
2019年08月02日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
18枚
|
0人
|
0人
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天国でまた会おうの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
117分 |
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
PG-12 |
PCBE76090 |
2019年08月02日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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ユーザーレビュー:12件
際立つ脚本の面白さと神秘なる仮面
投稿日:2019/08/03
レビュアー:なんの因果
(2017年製作・フランス)
時には「脚本が残念」と書いてしまうワタクシですが、「天国でまた会おう」この作品は脚本、ストーリィ展開が大変素晴らしいと感じました。
第一次大戦のフランスとドイツの戦いも終末が見えてきた1918年秋。
爆発で砂塵がもうもうと吹き上げる中で穴に落ちて(落とされたのかも知れない)窒息寸前だった兵士アルベール。
引き上げて、砂を吐かせてくれたのが友人のエドゥアール(ペレーズ・ビスカヤール)でしたが、彼も次の瞬間に爆弾に吹き飛ばされ、顔の下半分が無くなるという重傷を負います。
病院で痛がるエドゥアールに盗んできたモルヒネを与えるアルベール。戦争から帰還しても補償もなく仕事もない中、アルベールは必死にエドゥアールを介護した。
1年が経過してエドゥアールはやや回復して、顔半分を覆う美しい仮面を造りはじめます。
絵の才能のある彼なので、芸術的な素晴らしい仮面たち。白っぽいお面は、口の形を上下にしただけで「喜び」か「怒り」を表現する。
さて、二人は二人の全てを奪った国家、戦争でもうけた商売人たちへ復讐しようと、ある詐欺を計画します。
ある程度お金がたまったら南アフリカへ行ってやり直そうと考えたのでした。(アルベールには、実家に帰りたがらないエドゥアールのための計略もあった)
いろいろなエピソードが詰め込まれている印象ですが、冒頭の戦争場面はラストの憲兵尋問の場面に繋がります。
数分の間に登場する人物の数奇なつながり。
アルベールが見た「友人のテリウーは背中から撃たれた」という事実の意味。
これだから人生は面白い!と私はこみ上げるものがありました。
テリウーとその父、エドゥアールと(長年彼を待ち続けた)その父、
天国で思い切り、語り合ってほしいと思いました。
このレビューは気に入りましたか?
9人の会員が気に入ったと投稿しています
仮面の下に隠したもの
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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監督:アルベール・デュポンテル(2017年・仏・117分)
原作:ピエール・ルメートル『天国でまた会おう』
映画を観る前に原作小説を読んだ。
文庫本で上・下巻2冊にもなる長編を、よく117分にまとめ上げたものだと思う。
映画は原作とは違って、モロッコの憲兵隊に捕まったアルベールが、これまでの経緯を説明する形で始まる。
フランス兵士のアルベール(アルベール・デュポンテル)とエドゥアール(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)が、休戦を目の前にして過酷な運命を背負ってしまった。
それは戦争がもたらした訳ではなく、戦争を続けたかったプラデル中尉のせいであり、プラデルが如何に狡猾で計算高く、執拗で卑怯な人物であるかを、順を追って語るのだった。
軍の上層部から出された休戦命令を無視して、プラデルは二人の兵士を偵察に出し、必要のない戦闘を誘発した。
アルベールは偵察に言った二人の背中に銃弾の痕があるのを見て、彼らを撃ったのは味方だと気づく。同時に、彼を見つめるプラデルの冷たい視線にも。
アルベールは逃げようとしたが穴に落ちて生き埋めになってしまった。
土の中で必死にもがいていたところを辛うじてエドゥアールに助けられるが、エドゥアールは砲弾を受けて顔の下半分を失ってしまった。
エドゥアールの父は銀行も経営する資産家であり、政界にも顔が利き、“総裁(プレジデント)”とも渾名される大物だった。
エドゥアールは、そんな父の元へ帰ることも、生きていることを知られるのも嫌がった。
エドゥアールの父との確執については、劇中、モノクロの回想シーンで描かれる。
パリに戻ってからは、アルベールとエドゥアールの一蓮托生とも言える人生が始まった。
ある時、新聞で「戦没者追悼記念碑」のデザイン募集記事が載り、これがフランス国家や戦没者の身内や関係者を騙す詐欺のきっかけとなる。
エドゥアールにとっては、それ(記念碑のデザインはするが、お金だけを取って作らない)が「戦争」「富」「権力」への反抗であり復讐でもあるかの如く、嬉々として計画に没頭していった。
気弱なアルベールには、エドゥアールとの生活も、詐欺の計画も、非常な精神的負担と罪悪感をもたらすのだが、成り行きでエドゥアールの父の銀行の経理係として就職することになり、結果、悪事を加速させることとなってしまった。
さらに、プラデルが自分の姉と結婚したことを知ったエドゥアールは、プラデルへの復讐も計画に入れる。
プラデルの人物描写も原作に比べると生ぬるい気がしたが、エドゥアールの目論見どおり、彼の不正が白日の下にさらされることになる。
私は、プラデルの策略に乗らなかった役人に拍手喝采した。彼にとっては恵まれない役人人生だったが、神の前に恥ずかしいことは何一つないだろう。
どう考えても救いの無い内容なのだが、脚本に原作者のピエール・ルメートル氏が名を連ねたこともあり、小説に遜色のない出来栄えとなった。
プラデルの最後は、戦場でアルベールに起きたことの皮肉な再現となったのだが、映画用に用意されたシーンである。
暗く非情な物語を僅かながらも彩ってくれたのは、エドゥアールの作る仮面だった。
彼の芸術的才能を活かして作られた美しい仮面。その美しい仮面に傷ついた顔と心を隠した。
小説では文章による描写で想像するだけだったが、映像となって映し出された仮面の数々は、精巧で奇抜なもの、口角を上げ下げすることで感情を表現するもの、お札をライオンのたてがみのように顔の周囲に飾ったもの、孔雀のような鳥の顔等々、多彩で美しかった。
彼がホテルのバルコニーから飛び立つ時が、その孔雀の仮面だった。
小説では彼のホテルに向かう父の運転する車にエドゥアールが飛び込むのだ。
バルコニーから落ちる映像に比べて、車に撥ねられた孔雀の方が、天に舞って行くように思えたが、本作のラストでは父の謝罪と、父・息子の抱擁もあり、幾分、救いがあったように思う。
しかしながら、エドゥアールの最後の行動は衝撃的で、その彼の行為について考え込んでしまうことになった。
父との和解が可能なのに、何故?との疑問は当然湧き上がる。
私が思うには、エドゥアールが仮面をつけてでも生きていけたのは、幼い頃からの父への反発、憎しみが原動力となっていた。その生きる原動力が父の謝罪で消えて無くなったのだ。
自分の失った下顎を父に見られ、憐憫や後悔が父の顔に浮かぶだろうことも、彼には耐えられなかったのではないだろうか。
また、憲兵隊の責任者がアルベールに恩情をかけるのも映画化に当たっての変更点ではあるが、アルベールの正義心に対する免除でもあり、後味の悪さを残さない秀逸な結末だったと私は思う。
このレビューは気に入りましたか?
8人の会員が気に入ったと投稿しています
深い感動に包まれるラスト・・深みのある物語り
2017年(フランス)監督・主演・アルベール・デュポンテル
セザール賞13ノミネート5部門受賞(監督・脚色・撮影・美術・衣装デザイン(仮面でしょ?!)
原作も権威あるゴンクール賞受賞作品。
原作者のピエール・ルメートルは世界に衝撃を与えた「その女アレックス」の著者と言った方が通りがいいですね。
前置きはさておき、映画も芸術の香り高く、だが復讐を果たす爽快さもあり、帰還兵ふたりの厚い友情、そして顔を半分吹き飛ばされた戦友エドゥアールの哀しみ・・と盛りだくさん。
兎も角一言では言い尽くせない深い映画でした。
第一次世界大戦と時代は古いのですが、映画は斬新で新鮮です。
やはり戦争の悲惨さ。
主人公エドゥアールとアルベールの運命を狂わせた上官のブラデル中尉の悪行に怒りの矛先は向かいます。
第一次世界大戦末期、休戦の電報を握りつぶして「突撃!!」と命令するブラデル中尉。
そのせいでエドゥアールは口から下半分を失い、声も失います。
彼は実はフランス総裁の御曹司のエドゥアール。
父を嫌悪するエドゥアールは、バケモノのようになった自分を哀しみ、
父親に会わないために別人の名前を得るのです。
もちろんエドゥアールに命を助けて貰ったアルベールは、命の限り彼に尽くします。
才能あるアーティストのエドゥアールは、自ら手製の仮面を被ります。
この仮面が見せ場の一つです。
プロの仮面制作者の方が制作した仮面は実に多種多彩で、
オペラ座の怪人風とか、鳥人の嘴をつけた仮面などエドゥアールの喜怒哀楽を余す所なく表現してくれます。
個人的に果たして欲しかったのは、もちろんブラゼル中尉への復讐。
父親のフランス総裁の片腕で姉の夫としてブラゼルは存在しているのですから・・・
話しは二転三転して、国家から金を巻き上げるある詐欺事件に発展するのです。
この顛末は観て頂くとして・・
ラストは胸のすく素晴らしい余韻なのですが、
戦争を命令して私服を肥やし、戦う兵士を死に追いやる政治家、経済界の重鎮などなどに深い怒りを覚えました。
人生を戦争によって奪われたエドゥアールの絶望感が、心に迫る映画でした。
このレビューは気に入りましたか?
8人の会員が気に入ったと投稿しています
文句つけ難い傑作
戦争がもたらす理不尽な悲劇を
どこかユーモラスに
どこか叙情的に
どこかスリリングに
友情と優しさの絆を描いた傑作ではないでしょうか。
モロッコの警察に捕まったアルベールが
戦友エドゥアールとの、ことの件を語るところから
物語は始まります。
理不尽な爆撃で顔半分を失った美しい青年エドゥアール。
絵の天才である彼が作る仮面は
どれも個性的で美しく、時にはユーモラスに表情を作り出す。
そして彼は戦死したことにしてパリの片隅で戦友アルベールと生きていくのです。
言葉は発することが出来るものの
聞き取ることが出来ないアルベールは
戦争孤児となった少女ルイーズに通訳をしてもらいます。
何故彼女には理解できるのは不明だけど、そのやり取りもなんとも楽しいのです。
パリ片隅で貧しく暮らす3人は、大胆な詐欺を計画します。
詐欺を計画する中で絶妙に絡んでいく人間関係。
エドゥアールの富豪の父と姉。
そこに加わる戦争狂のプラデル中尉。(ドイツよりたちが悪いとアルベールは語る)
詐欺計画の真の目的が次第に明らかになっていきます。
ラストは何と称するべきか。
切なくて悲しくも、一筋の爽やかな風が吹き渡るような気持ちで
物語は終わりを迎えます。
バックに流れる音楽もまた素晴らしく、これは傑作だと思いました。
なにより、エドゥアールを演じるナウエル・ペレーズ・ビスカヤートの仮面の下に覗く
美しい瞳が忘れられません。
このレビューは気に入りましたか?
7人の会員が気に入ったと投稿しています
因果は巡る糸車
投稿日:2019/11/15
レビュアー:さっちゃん
まず、最初にぴよさんにお礼を言わねばなるまい。こんな極上の映画を見つけてくれてありがとうと。
俯瞰で軍用犬を追いかける冒頭からラストのモロッコの町の風景まで文句のつけようがない。
それにしてもいくつかのフランス映画を観てきて思うのだけれど、フランス映画の特徴がよく表れた映画ではないだろうか。その一、フランス人の生きることに対する熱情が描かれていること。ロクデナシのブラデルは戦争でも戦後も、ずるく立ち回って快適な生活を手に入れているし、戦後、銀行への復職がかなわず惨めな暮らしをしていたアルベールもエドゥアールの計画がうまくいって金に困らなくなるとエドゥアールの実家のメイドとつきあい始める。結構な年齢にもかかわらず。
その二、フランス人は国家に代表される権力を信じない。それでギャングや犯罪者を主役にした映画が多いのかもしれない。本作でも二人の帰還兵が企てるのは戦没者を顕彰しようとする記念碑のコンペティションを利用した詐欺であり、終盤近くのパーティでは戦争を始めた国家の指導者、軍人、戦争でもうけた奴らに対する告発を行う。
停戦の命令を握りつぶしたブラデルのために砲撃で生き埋めになりかけたアルベールと彼を救う際に顎をなくしたエドゥアール。生死の境をさまようエドゥアールの夢の中で彼と家族の関係が観客に分かる演出は巧みで、その後、彼が家に帰ることを拒むのが納得できる。
昔、NHKの『映像の世紀』で身体の欠損した部位を補綴する装具が第一次大戦の結果、発達したということを知ったのだが、エドゥアールは自身の美術の腕前で仮面を作る。国が支給する傷をごまかすためのものではなく自身の気持ちを表現するために。負傷してから声がほとんど出せないエドゥアールの感情が観客に伝わってくるのはビスカヤートの演技力によるものだが、この仮面を使った演出の力もあるだろう。
とにかく、脚本も演出も演技も生きている人間を描くのに使われたと思う。善人も悪党も複雑なのだ。エドゥアールの父である銀行家のマルセルもブラデルの悪事を隠蔽する片棒をかついだかと思うと息子の親友だったアルベールに優しくしたり、彼の娘(エドゥアールの姉)マドレーヌもおとなしいだけのお嬢さんと見せかけて夫のブラデルに最後に辛辣な言葉を浴びせるしたたかな女性だったり。
そして、それぞれの登場人物が絡み合い(ブラデルがマドレーヌと結婚したのもそうだが。)それぞれの人生を歩いていく。ブラデルの皮肉な最期がアルベールの戦場での生き埋めと符合していたり(アルベールがあのとき背負っていたのはエドゥアールが作った馬の首だと思うのだ。)、モロッコで捕まったアルベールの運命が警察署長と彼の過去が重なっていたために思わぬ方向に向かうことになるのも物語として良くできているとしか言えない。
何だか豊穣すぎてとりとめのないレビューになったけど、最後にもう一度、ぴよさんありがとうと言いたい。こういう邂逅があるからやめられないです。
(ykk1976さんの映画会 第99回)
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
際立つ脚本の面白さと神秘なる仮面
投稿日
2019/08/03
レビュアー
なんの因果
(2017年製作・フランス)
時には「脚本が残念」と書いてしまうワタクシですが、「天国でまた会おう」この作品は脚本、ストーリィ展開が大変素晴らしいと感じました。
第一次大戦のフランスとドイツの戦いも終末が見えてきた1918年秋。
爆発で砂塵がもうもうと吹き上げる中で穴に落ちて(落とされたのかも知れない)窒息寸前だった兵士アルベール。
引き上げて、砂を吐かせてくれたのが友人のエドゥアール(ペレーズ・ビスカヤール)でしたが、彼も次の瞬間に爆弾に吹き飛ばされ、顔の下半分が無くなるという重傷を負います。
病院で痛がるエドゥアールに盗んできたモルヒネを与えるアルベール。戦争から帰還しても補償もなく仕事もない中、アルベールは必死にエドゥアールを介護した。
1年が経過してエドゥアールはやや回復して、顔半分を覆う美しい仮面を造りはじめます。
絵の才能のある彼なので、芸術的な素晴らしい仮面たち。白っぽいお面は、口の形を上下にしただけで「喜び」か「怒り」を表現する。
さて、二人は二人の全てを奪った国家、戦争でもうけた商売人たちへ復讐しようと、ある詐欺を計画します。
ある程度お金がたまったら南アフリカへ行ってやり直そうと考えたのでした。(アルベールには、実家に帰りたがらないエドゥアールのための計略もあった)
いろいろなエピソードが詰め込まれている印象ですが、冒頭の戦争場面はラストの憲兵尋問の場面に繋がります。
数分の間に登場する人物の数奇なつながり。
アルベールが見た「友人のテリウーは背中から撃たれた」という事実の意味。
これだから人生は面白い!と私はこみ上げるものがありました。
テリウーとその父、エドゥアールと(長年彼を待ち続けた)その父、
天国で思い切り、語り合ってほしいと思いました。
仮面の下に隠したもの
投稿日
2020/06/24
レビュアー
kazupon
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
監督:アルベール・デュポンテル(2017年・仏・117分)
原作:ピエール・ルメートル『天国でまた会おう』
映画を観る前に原作小説を読んだ。
文庫本で上・下巻2冊にもなる長編を、よく117分にまとめ上げたものだと思う。
映画は原作とは違って、モロッコの憲兵隊に捕まったアルベールが、これまでの経緯を説明する形で始まる。
フランス兵士のアルベール(アルベール・デュポンテル)とエドゥアール(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)が、休戦を目の前にして過酷な運命を背負ってしまった。
それは戦争がもたらした訳ではなく、戦争を続けたかったプラデル中尉のせいであり、プラデルが如何に狡猾で計算高く、執拗で卑怯な人物であるかを、順を追って語るのだった。
軍の上層部から出された休戦命令を無視して、プラデルは二人の兵士を偵察に出し、必要のない戦闘を誘発した。
アルベールは偵察に言った二人の背中に銃弾の痕があるのを見て、彼らを撃ったのは味方だと気づく。同時に、彼を見つめるプラデルの冷たい視線にも。
アルベールは逃げようとしたが穴に落ちて生き埋めになってしまった。
土の中で必死にもがいていたところを辛うじてエドゥアールに助けられるが、エドゥアールは砲弾を受けて顔の下半分を失ってしまった。
エドゥアールの父は銀行も経営する資産家であり、政界にも顔が利き、“総裁(プレジデント)”とも渾名される大物だった。
エドゥアールは、そんな父の元へ帰ることも、生きていることを知られるのも嫌がった。
エドゥアールの父との確執については、劇中、モノクロの回想シーンで描かれる。
パリに戻ってからは、アルベールとエドゥアールの一蓮托生とも言える人生が始まった。
ある時、新聞で「戦没者追悼記念碑」のデザイン募集記事が載り、これがフランス国家や戦没者の身内や関係者を騙す詐欺のきっかけとなる。
エドゥアールにとっては、それ(記念碑のデザインはするが、お金だけを取って作らない)が「戦争」「富」「権力」への反抗であり復讐でもあるかの如く、嬉々として計画に没頭していった。
気弱なアルベールには、エドゥアールとの生活も、詐欺の計画も、非常な精神的負担と罪悪感をもたらすのだが、成り行きでエドゥアールの父の銀行の経理係として就職することになり、結果、悪事を加速させることとなってしまった。
さらに、プラデルが自分の姉と結婚したことを知ったエドゥアールは、プラデルへの復讐も計画に入れる。
プラデルの人物描写も原作に比べると生ぬるい気がしたが、エドゥアールの目論見どおり、彼の不正が白日の下にさらされることになる。
私は、プラデルの策略に乗らなかった役人に拍手喝采した。彼にとっては恵まれない役人人生だったが、神の前に恥ずかしいことは何一つないだろう。
どう考えても救いの無い内容なのだが、脚本に原作者のピエール・ルメートル氏が名を連ねたこともあり、小説に遜色のない出来栄えとなった。
プラデルの最後は、戦場でアルベールに起きたことの皮肉な再現となったのだが、映画用に用意されたシーンである。
暗く非情な物語を僅かながらも彩ってくれたのは、エドゥアールの作る仮面だった。
彼の芸術的才能を活かして作られた美しい仮面。その美しい仮面に傷ついた顔と心を隠した。
小説では文章による描写で想像するだけだったが、映像となって映し出された仮面の数々は、精巧で奇抜なもの、口角を上げ下げすることで感情を表現するもの、お札をライオンのたてがみのように顔の周囲に飾ったもの、孔雀のような鳥の顔等々、多彩で美しかった。
彼がホテルのバルコニーから飛び立つ時が、その孔雀の仮面だった。
小説では彼のホテルに向かう父の運転する車にエドゥアールが飛び込むのだ。
バルコニーから落ちる映像に比べて、車に撥ねられた孔雀の方が、天に舞って行くように思えたが、本作のラストでは父の謝罪と、父・息子の抱擁もあり、幾分、救いがあったように思う。
しかしながら、エドゥアールの最後の行動は衝撃的で、その彼の行為について考え込んでしまうことになった。
父との和解が可能なのに、何故?との疑問は当然湧き上がる。
私が思うには、エドゥアールが仮面をつけてでも生きていけたのは、幼い頃からの父への反発、憎しみが原動力となっていた。その生きる原動力が父の謝罪で消えて無くなったのだ。
自分の失った下顎を父に見られ、憐憫や後悔が父の顔に浮かぶだろうことも、彼には耐えられなかったのではないだろうか。
また、憲兵隊の責任者がアルベールに恩情をかけるのも映画化に当たっての変更点ではあるが、アルベールの正義心に対する免除でもあり、後味の悪さを残さない秀逸な結末だったと私は思う。
深い感動に包まれるラスト・・深みのある物語り
投稿日
2019/08/04
レビュアー
カマンベール
2017年(フランス)監督・主演・アルベール・デュポンテル
セザール賞13ノミネート5部門受賞(監督・脚色・撮影・美術・衣装デザイン(仮面でしょ?!)
原作も権威あるゴンクール賞受賞作品。
原作者のピエール・ルメートルは世界に衝撃を与えた「その女アレックス」の著者と言った方が通りがいいですね。
前置きはさておき、映画も芸術の香り高く、だが復讐を果たす爽快さもあり、帰還兵ふたりの厚い友情、そして顔を半分吹き飛ばされた戦友エドゥアールの哀しみ・・と盛りだくさん。
兎も角一言では言い尽くせない深い映画でした。
第一次世界大戦と時代は古いのですが、映画は斬新で新鮮です。
やはり戦争の悲惨さ。
主人公エドゥアールとアルベールの運命を狂わせた上官のブラデル中尉の悪行に怒りの矛先は向かいます。
第一次世界大戦末期、休戦の電報を握りつぶして「突撃!!」と命令するブラデル中尉。
そのせいでエドゥアールは口から下半分を失い、声も失います。
彼は実はフランス総裁の御曹司のエドゥアール。
父を嫌悪するエドゥアールは、バケモノのようになった自分を哀しみ、
父親に会わないために別人の名前を得るのです。
もちろんエドゥアールに命を助けて貰ったアルベールは、命の限り彼に尽くします。
才能あるアーティストのエドゥアールは、自ら手製の仮面を被ります。
この仮面が見せ場の一つです。
プロの仮面制作者の方が制作した仮面は実に多種多彩で、
オペラ座の怪人風とか、鳥人の嘴をつけた仮面などエドゥアールの喜怒哀楽を余す所なく表現してくれます。
個人的に果たして欲しかったのは、もちろんブラゼル中尉への復讐。
父親のフランス総裁の片腕で姉の夫としてブラゼルは存在しているのですから・・・
話しは二転三転して、国家から金を巻き上げるある詐欺事件に発展するのです。
この顛末は観て頂くとして・・
ラストは胸のすく素晴らしい余韻なのですが、
戦争を命令して私服を肥やし、戦う兵士を死に追いやる政治家、経済界の重鎮などなどに深い怒りを覚えました。
人生を戦争によって奪われたエドゥアールの絶望感が、心に迫る映画でした。
文句つけ難い傑作
投稿日
2019/08/20
レビュアー
飛べない魔女
戦争がもたらす理不尽な悲劇を
どこかユーモラスに
どこか叙情的に
どこかスリリングに
友情と優しさの絆を描いた傑作ではないでしょうか。
モロッコの警察に捕まったアルベールが
戦友エドゥアールとの、ことの件を語るところから
物語は始まります。
理不尽な爆撃で顔半分を失った美しい青年エドゥアール。
絵の天才である彼が作る仮面は
どれも個性的で美しく、時にはユーモラスに表情を作り出す。
そして彼は戦死したことにしてパリの片隅で戦友アルベールと生きていくのです。
言葉は発することが出来るものの
聞き取ることが出来ないアルベールは
戦争孤児となった少女ルイーズに通訳をしてもらいます。
何故彼女には理解できるのは不明だけど、そのやり取りもなんとも楽しいのです。
パリ片隅で貧しく暮らす3人は、大胆な詐欺を計画します。
詐欺を計画する中で絶妙に絡んでいく人間関係。
エドゥアールの富豪の父と姉。
そこに加わる戦争狂のプラデル中尉。(ドイツよりたちが悪いとアルベールは語る)
詐欺計画の真の目的が次第に明らかになっていきます。
ラストは何と称するべきか。
切なくて悲しくも、一筋の爽やかな風が吹き渡るような気持ちで
物語は終わりを迎えます。
バックに流れる音楽もまた素晴らしく、これは傑作だと思いました。
なにより、エドゥアールを演じるナウエル・ペレーズ・ビスカヤートの仮面の下に覗く
美しい瞳が忘れられません。
因果は巡る糸車
投稿日
2019/11/15
レビュアー
さっちゃん
まず、最初にぴよさんにお礼を言わねばなるまい。こんな極上の映画を見つけてくれてありがとうと。
俯瞰で軍用犬を追いかける冒頭からラストのモロッコの町の風景まで文句のつけようがない。
それにしてもいくつかのフランス映画を観てきて思うのだけれど、フランス映画の特徴がよく表れた映画ではないだろうか。その一、フランス人の生きることに対する熱情が描かれていること。ロクデナシのブラデルは戦争でも戦後も、ずるく立ち回って快適な生活を手に入れているし、戦後、銀行への復職がかなわず惨めな暮らしをしていたアルベールもエドゥアールの計画がうまくいって金に困らなくなるとエドゥアールの実家のメイドとつきあい始める。結構な年齢にもかかわらず。
その二、フランス人は国家に代表される権力を信じない。それでギャングや犯罪者を主役にした映画が多いのかもしれない。本作でも二人の帰還兵が企てるのは戦没者を顕彰しようとする記念碑のコンペティションを利用した詐欺であり、終盤近くのパーティでは戦争を始めた国家の指導者、軍人、戦争でもうけた奴らに対する告発を行う。
停戦の命令を握りつぶしたブラデルのために砲撃で生き埋めになりかけたアルベールと彼を救う際に顎をなくしたエドゥアール。生死の境をさまようエドゥアールの夢の中で彼と家族の関係が観客に分かる演出は巧みで、その後、彼が家に帰ることを拒むのが納得できる。
昔、NHKの『映像の世紀』で身体の欠損した部位を補綴する装具が第一次大戦の結果、発達したということを知ったのだが、エドゥアールは自身の美術の腕前で仮面を作る。国が支給する傷をごまかすためのものではなく自身の気持ちを表現するために。負傷してから声がほとんど出せないエドゥアールの感情が観客に伝わってくるのはビスカヤートの演技力によるものだが、この仮面を使った演出の力もあるだろう。
とにかく、脚本も演出も演技も生きている人間を描くのに使われたと思う。善人も悪党も複雑なのだ。エドゥアールの父である銀行家のマルセルもブラデルの悪事を隠蔽する片棒をかついだかと思うと息子の親友だったアルベールに優しくしたり、彼の娘(エドゥアールの姉)マドレーヌもおとなしいだけのお嬢さんと見せかけて夫のブラデルに最後に辛辣な言葉を浴びせるしたたかな女性だったり。
そして、それぞれの登場人物が絡み合い(ブラデルがマドレーヌと結婚したのもそうだが。)それぞれの人生を歩いていく。ブラデルの皮肉な最期がアルベールの戦場での生き埋めと符合していたり(アルベールがあのとき背負っていたのはエドゥアールが作った馬の首だと思うのだ。)、モロッコで捕まったアルベールの運命が警察署長と彼の過去が重なっていたために思わぬ方向に向かうことになるのも物語として良くできているとしか言えない。
何だか豊穣すぎてとりとめのないレビューになったけど、最後にもう一度、ぴよさんありがとうと言いたい。こういう邂逅があるからやめられないです。
(ykk1976さんの映画会 第99回)
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