ハイ・ライフ

「ハイ・ライフ」（2018年、米国／英国／ドイツ／フランス／ポーランド、カラー、110分）。

宇宙船の中に若い男と赤ん坊が一人ずつ。他の乗組員はいないのか？
この宇宙船のミッションは何か。
土の上に植物が生えた場所があるが、これは宇宙船の中に作られた人工林か？　何のための場所か？
時折、地球での（らしい）映像が挿入されるが、宇宙船との脈絡がはっきりしない。

開始20分ほど経過して、最初の男「モンテ」（ロバート・パティンソン）たち死刑囚・終身刑囚の男女９人が、刑の執行免除と引き換えに、女医「ディブス」（ジュリエット・ビノシュ）の実験材料になり、この宇宙船「７」に乗船していたことが、やっとわかる。
ここまでの置いてきぼり感は半端ないが、「？」の連続は、このあとも続く。
女医の実験というものが、明確ではない。男女の精子・卵子を集め、人工授精で子供を作ろうとし、その結果、誕生したのがこの赤ん坊なのだろう。赤ん坊の「父」は「モンテ」で、母は彼の地球時代からの友人の「ポイジー」（ミア・ゴス）であろう。しかし、宇宙空間で人工授精によって赤ん坊を誕生させ育てることに、どんな科学的意義があるのか？　重力差や放射線によって人体に悪影響があるということは予想できても、メリットが理解できない。目的地はブラックホールだというが、ブラックホールに近づき、その中に入って何をしようとするのか？　ブラックホールはやっと最近、撮影が成功されたが、その中がどうなっているのはもちろん誰にもわからない。しかし、ＳＦ作品であれば、荒唐無稽であっても何らかの解答を示すべきではなかったのではないか？

地球を旅立ち、太陽系を出て、３年を経過し、乗組員たちの心体に変調が起こりはじめ、一人ずつ死んでいき、ついに女医も死亡する。これじゃ実験もできないではないか？
宇宙船と地球の場面、現在と過去の場面が説明なく交代・挿入されるのが、混乱に輪をかける。

難解と言われながら傑作とされるキューブリック「2001年宇宙の旅」やタルコフスキーの「惑星ソラリス」「ストーカー」は、こんな置いてきぼりを食らわしたりしない。映像に惹き付けられていくうち、物語はおのずとわかる仕組み（脚本）になっている。

難解を装い、観客を混乱させるこの映画は、娯楽でも芸術でもない、一人よがりの典型だ。
本当は★１にしたかったのだが、ジュリエット・ビノシュで★１追加。

ジェームスグレイの「アドアストラ」に続いて こちらもびっくりの おフランス
クレールドゥニのSFとは どちらもトンデモと思う人が多いだろうけども
アブストラクトな時空間での人間ドラマと捉えれば良いでしょう あるいはまた
シュールレアリスムでもいいかも

今作も アドアストラに同じ 冒頭から父と子が出て来る この赤ん坊が ブラピに
よう似てるのよw あら でも女の子だった あそこが そしてこちらでも主人公以外
乗組員がバタバタ倒れて 宇宙空間に放り出される お猿に代わりに犬が出て来る

アドアストラのビッグバジェットな予算は付かずの こじんまりとした美術造型
で頑張ります ほとんどカーペンター「ダークスター」マリオバーバ「ヴァン
パイアの惑星」並み お話は太陽系外宇宙へと飛ばされた 死刑囚達のモルモット
実験 勿論ノーリターン 宇宙空間における生殖の研究 その医師がジュリエット
ヴィノシュ このおばはんはほとんど魔女で 腰までかかる黒い長髪がエロ過ぎ
まるで生き物で ひとりH部屋で強烈なエクスタシィへ みんなここで一人Hで
乗組員同士のHは御法度なのです 性の煉獄状態 この人間ドラマがポイントなの
劣情とポエムが同居する 神代辰巳が演出しても面白いかも

何とつうか何でえ となる目的地はブラックホール 物語も何もかも そこが終点
つう事なのよ 意味なのよ 主人公の体外受精により産まれたベビーは文字通り
スターチャイルドなのね だから宇宙規模の駄法螺「2001」を意識しているのは
間違いなく それの思いっきり生々しいエロスの人間ドラマとしてリプロダクト
しているわけなのでしょうね

映画は クレールドゥニの様に自由に作られねばならない！

観ていて常に？マークなのは、登場人物が何のためにいるのかが全く不明だという点。主人公のセリフでブラックホールのエネルギーを活用する調査のため船がむかっているのはわかるが、科学者が一人も乗っていないのに囚人だけでそんなミッションができるのか？
ジュリエット・ビノシュが演じる女医が実験を行うのも、本人の自己満足以外の何物でもない。制作者はおそらく囚人の子供でも命は大切ですよ、と言いたいのだろうが膨大な予算がかかっている宇宙船の中でやる意味がない。この映画をSFと呼ぶにはあまりにもSF的要素がなく、かといってアート的なビジュアルがあるわけでもない。
最後まで観ていてストレスがたまる映画。

2018年（独/仏／英/ポ/米)『ショコラ』の女性監督・クレール・ドゥニ作品。

意味不明で説明不足そして消化不良気味に思えました。

元死刑囚たち9名が、宇宙実験のために、無限のエネルギーを持つ・・・とされる《ブラックホール》を目指します。
狂った医師のジュリエット・ビノシュ。
彼女も自分の赤子と夫を殺した死刑囚です。
乗員の精子を採取して試験官ベイビーの作成に熱中している・・・(これって任務なの？)
ビノシュは妖しく、黒髪をなびかせて存在感は抜群でした。
もう一人の主役は『トライライト』のロバート・パティルソン。
現状に流されない冷静な男を好演。

案の定、乗員同士の軋轢やストレスで、地獄絵のような様相に・・・
けれど具象的、説明的な映画ではないので、観客の想像に任されます。

最後まで観ても、ウーン、結論は言いたいことは、なんだったんでしょうかね(笑)

　囚人を使い宇宙船で謎の実験。
　だけど研究者がいないのよね。
　……もはや意味不明。
　素人だけでなにをさせたいのか。
　生殖実験なのだが、これが本当に意味不明。

　戻ってこれないような状況でどうさせようというのか。

　ブラックホールの実験もしているのだが、本職もなく素人だけなのがますます意味不明。



　結局たくさん死んで、最後はなにがしたかったのか。