漁港の肉子ちゃん

監督：渡辺歩（2021年・日本・アニメ・97分）
原作：西加奈子の小説『漁港の肉子ちゃん』

企画・プロデュースは、明石家さんま。肉子ちゃんの声は大竹しのぶで、キクりんの声はCocomi。
Cocomiは、あの木村拓哉と工藤静香の長女だけど、キムタクを大好きなさんまさんのプロデュースだものねー、と思いながら観てみた。
でも、意外にCocomiの声も良かったし、上手だと思った。アニメなどでは（例えば、コナンとか）声優じゃない人が抜擢されて、それが下手だったり、声が気になり出すとまったく集中できなくなるのだけど。これは大丈夫だった。

肉子ちゃんこと見須子（みすじ）菊子。その娘・喜久子（キクりん）。これが表札になると「子」の文字が三つで、まるで女三人家族みたいだと、キクりんの持ちネタみたいになってた。（笑）
身長１５１センチ、体重６７．４キロの肉子ちゃんは、苦労にもめげずに明るい。その明るさからは過去の辛い体験（殆どが男に貢いだ挙句に捨てられる）など微塵も感じさせない。男に捨てられる度に娘の手を引いて、住む土地を替える肉子ちゃんの半生を娘キクりんの目を通して語られる。キクりんは肉子ちゃんとはちっとも似ていない。体型も正反対のやせっぽちで、目も大きく可愛い。
　いくつかのエピソードの中で、キクりんの友達マリアちゃんとの喧嘩が、自分の思い出と重なる部分があって、―きっと、誰もが体験することなのだろう―何か甘酸っぱい気持ちになった。
顔を動かす（これは映像で確認して！）癖のある二宮の言うことばが、彼の心の広さと優しさが出ていて良かった。
焼肉屋のサッサンも男気があり、その言葉によってキクりんの固まった心が解けていくようだった。
ずっと観ていくと、これはキクりんの物語だったのだと思う。
ラストではシンミリ泣かされるかも。
画も綺麗でよかったけれど、肉子ちゃんはもう少し可愛いデブだと思うんだけどなあ。

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明石家さんまプロデュースにメイン声優が大竹しのぶとくれば、どうせ
「生きてるだけで丸儲け」な感動的な家族物語じゃないかと、在庫が少ないのを幸い、
レンタルも気が進まなかった本作。
確かに後半は涙なくして観られない、心揺さぶられる作品ではありました。

で、『肉子』というストレートな表現、これはナニ？
『デブ』と言ったら「いじめ」で『肉子』と呼べば親近感ですか？よくわからんセンス。

肉子さん（本名・菊子）38歳は、16歳で水商売に入り、これまで4回も男に騙された。
男の借金を代わりに返済し、次の男には何百万も貢ぎ、次の男にも貢いだ挙げ句、逃げられた。
最後の男を追って、見つからず北陸の小さな漁村に住み着いたわけである。
（ここまで学習しない女も珍しい。それにしても、かなりの借金を数年で完済したのがすごい。やれば出来る女である。
恨み言は言わず、底抜けに明るい。○○がつくポジティヴ・デブであった。）

しかし、私（くまげら）は知ってのとおり、意地悪かつ毒舌なレビュアーである。
今、格差の底辺にいるのが、技能や学歴のないシングルマザー、てっとり早い現金商売を
求めて夜間の危険な仕事や、実態のないブラック企業に所属してみたりするが・・。その間、乳幼児はどうしろと。

11歳になった喜久子がつぶやく。
『私の人生は結構ロクでもなかった』
『過酷な人生を歩んできた肉子ちゃん』
『男が出来たらまたここを去るかもしれない不安』
そう、喜久子は新しい土地に来るたび、母に手を引かれながらも不安でいっぱいだったのだ。
（しかし、生みの親でないと知っているので甘える事も出来ない。そんな喜久子を肉子は
シッカリ者と感じていた。）
肉子に喜久子を押し付けた実の母、みいちゃんもたいがいである。
（金持ちの男と結婚して幸せになった。）
はぁ？　結婚相手を説明するのに「金持ち」という言葉しかないんかい！
金持ちだから幸せだと？ふぅ〜ん・・。

さて、北陸漁村の「うをがし」という焼肉店で仕事を得た肉子さん、店主である「サッサさん」の好意でグラスボート
（船底がガラスになってて水中観察用のボート）にすんでいるのであるが、日本では水上では住民票はとれない。
（おそらくサッサさんの住所で届け出してると思われる）
あと、みいちゃんは、アパートで産婆さんもなく喜久子を出産したが、母子手帳もなく、色々、手続き上の心配を思う。

ユーモラスな作風ではあるが、問題含みのような気がする。
ブサイクな女に借金を押し付けたり、面倒を見て貰いながらトンズラする男たち。
「望まれて生まれてきたんだよ」と喜久子を諭すサッサじいさんや、頼りになりそうな級友の二宮君も「男」ではあるが。

明石家さんまプロデュースのアニメ映画です。

見須子 菊子（みすじ きくこ）と
娘の喜久子（きくこ）は、
親子で（漢字は違いますが）同じ名前です。
それで区別する為なのか、母親の菊子は 皆から『肉子』と呼ばれています。

映画のタイトルは『漁港の肉子ちゃん』ですが、主人公は 小学５年生の娘の方。
良いお話なのですが、虫やカモメや鳥居までが喋るので、とても違和感が有りました。


※　最後まで観ると、何故 親子で同じ名前なのかや、虫などが喋る理由なども分かります。

世の中金余ってるんだね。こんなつまらない映画に金使うんだから。
企画段階で普通ボツでしょう。それともさんま忖度アニメ映画ですか？
話しはかりますが、CVは声優を使ってください。下手な俳優（女優）勘弁してくれ。声を聴くととてもおきれいでない顔が頭の中に出てきてしまうので。

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まず観終わった感想からいうと、格別面白くもなかったけど、悪くもなかった。
そんな感じでした。

細かいことを言いますが、監督として、何を作品に込めたのか？
観る側に何を伝えたかったのか？
それがイマイチ伝わってきませんでした。

肉子さんという独特のキャラ。
なんでも前向きにとらえ、素直に元気に生きる肉子さん。
作品の全体的なキャラの作画の中で、唯一現実味の無いアンバランスさ。
そしてリアルっぽく描かれた肉子の子供のキクコやほかの人々。
この作画ギャップはありましたが、力押しで乗り切った感があります。

本職の声優さんをあまり使っていませんでしたが、作品に上手くマッチングしていて良かったと思います。
それぞれの特徴を生かした手腕はお見事でした。
大竹しのぶさんも、声優さんとしての新たな一面が引き出されて良かったです。
キクコさんを演じたCocomiさんも上手でした。

キャラが多く、ストーリーもとっちらかった感がありました。
そのためか、それぞれのエピソードを描き切れず中途半端になった点は、なんかもったいない気がします。
でもこれだけの作品を作り切ったのはすごいと思います。

たまに、さんまさんの懐かしいギャグが出て来ていました。
また気が向いたら新しい作品を期待です。