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アラバマ物語 / グレゴリー・ペック

アラバマ物語 /ロバート・マリガン

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映画賞受賞作品

旧作

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解説・ストーリー

ピューリッツァ賞を受賞したH・リーの『ものまね鳥を殺すには』を劇作家H・フートが脚色、後に「サンセット物語」などの社会派ドラマを多く手掛ける製作パクラ=監督マリガンのコンビが映画化した問題作。不況の風吹く1932年、南部のアラバマ州。幼い息子と娘を抱える弁護士フィンチに、暴行事件で訴えられた黒人トムの弁護の任が下る。だが偏見根強い町の人々は黒人側に付いたフィンチに冷たく当たるのだった……。

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「アラバマ物語」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

ピューリッツァ賞を受賞したH・リーの『ものまね鳥を殺すには』を劇作家H・フートが脚色、後に「サンセット物語」などの社会派ドラマを多く手掛ける製作パクラ=監督マリガンのコンビが映画化した問題作。不況の風吹く1932年、南部のアラバマ州。幼い息子と娘を抱える弁護士フィンチに、暴行事件で訴えられた黒人トムの弁護の任が下る。だが偏見根強い町の人々は黒人側に付いたフィンチに冷たく当たるのだった……。

「アラバマ物語」 の作品情報

作品情報

製作年:

1962年

製作国:

アメリカ

原題:

TO KILL A MOCKINGBIRD

受賞記録:

1962年 アカデミー賞 主演男優賞
1963年 カンヌ国際映画祭 ゲーリー・クーパー賞
1962年 ゴールデン・グローブ 男優賞(ドラマ)

「アラバマ物語」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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洋画・邦画

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国内・海外ドラマ

5,400
タイトル以上

アニメ

9,200
タイトル以上

R-18

210,000
タイトル以上

CD

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1〜 5件 / 全54件

陪審員制という裁判の恐ろしさ ネタバレ

投稿日:2007/09/22 レビュアー:こんちゃん

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 法廷物のパイオニアという評判を聞いて、鑑賞したのですが、その部分に関しては今ひとつ期待に応えてはくれませんでした。法廷における検察と弁護側の丁々発止の論戦を期待していると、ちょっと肩すかしかもしれません。どちらかというと「スタンド・バイ・ミー」や「グロウイング・アップ」のような、子供がだんだんと成長していく様を描く中に弁護士の父ちゃんが居て、裁判もからむという展開です。

 ケチケチさんやリナさん、エイちゃん、よふかしさん、kazuponさんと私のお気に入りレビュアーの方々が絶賛されるのもよくわかるのですが、あえて反対意見を・・・。
 グレゴリー・ペック演ずるアティカス・フィンチは確かに高潔な紳士であり、「アメリカの良心」を体現しているでしょう。その演技も素晴らしい物です。が、あまりにもステレオタイプであり、理想の父親像過ぎるのではないかと思ってしまうのです。
 結果的にトムを救うことは出来ませんでした。その原因は、検事の「何故、メイエラの頼みをいつも受けていたのか」と言う問いに対するトムの言葉が、全員白人である陪審員の反感を買ったのでしょう。しかし、それ以前にアカデミックに蕩々とトムの無実を確信しているとブチあげたアティカスのスタンドプレーも、その一因だったのではないかと思うのです。
 その段階で、常識ある人間ならトムが実際には無実であることは分かり切っていたはずなのに、あの演説を聞いていて、
「あ、この裁判負けるな」
と思ってしまったのです。そこには「アメリカの良心」と共に「アメリカの傲慢」が垣間見えていたような気がするのです。現代のアメリカでも、この作品のアティカス・フィンチは理想の父親像として、未だに高い評価を受けているそうです。そのメンタリティには
「アメリカは世界のリーダーたる存在でなければ」
「アメリカは常に正しい」
という自負があるのだろうと思うのです。そして、正義を貫いたとしても裁判には負けてしまうアティカスを見ながら、
「ベトナムでも湾岸でもイラクでも、アメリカは正しい行動をした。しかし、正しい者が常に勝てる訳じゃないんだ」
と自己弁護でもしているかのような、うがった見方をしてしまうのです。

 映画として鑑賞するには、素晴らしい作品であることに間違いありません。子供達の生き生きとして、なおかつ現実の社会の矛盾に戸惑ったり、未知の世界への冒険にワクワクする様など、その描き方も子役達の演技も秀逸です。そして、自分の生きる姿によって、子供達に正しい姿を教えていける父親が、アメリカでも日本でも無くなっている今、理想とされるのもよくわかります。ですが、人種差別のなんたるかを実感できない日本人の私にとっては、アメリカの良心・正義を感じると共に傲慢さも感じ取れてしまうのです。

 それから、少々長いです。2時間越えは必要ないのではないでしょうか。冒頭の、子供達の交流部分は、もう少し整理することが出来るような気がしますが・・・。


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ハーパー・リー ネタバレ

投稿日:2007/03/15 レビュアー:よふかし

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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『カポーティ』で、カンザスの一家殺人事件の取材に同行するハーパー・リーをキャサリン・キーナーという女優さんが実に感じよく演じていた。彼女が初めての小説を出版して、それがたいへんな評判となり、やがて映画化もされるというサクセス・ストーリーが、『冷血』の執筆がうまくいかないカポーティの焦燥にうまく対比されていた。
 ご存知のように、この『アラバマ物語』が、原題を『物まね鳥を殺すこと』といって、ハーパー・リーの唯一の小説を映画化したものだ。とても面白く、感動的な作品だ。『カポーティ』の中でこの映画のプレミアの場面があって、ひとりカポーティが憮然としている様子が可笑しかった。この映画が素晴らしいこと、また幼い日のカポーティがモデルとなっている少年が描かれていることは、おそらくあちらでは共通の認識になっているので、カポーティが「大して面白くなかった」とつぶやくところでは、笑いが起こったのではないかと思う。
『アラバマ物語』『冷血』『カポーティ』という三つの映画、また原作の小説などを合わせて眺めてみると、カポーティとハーパー・リーというふたりの友情が、虚実入り混じりながら、時空を越えて胸に迫ってくるような気がして、とても不思議で幸福な感じがする。
 もっともカポーティは小説『冷血』で富と名声を十分過ぎるほどに得たことで、その後次第に書けなくなった(のだと思う)。ハーパー・リーはこの一作目がベストセラーとなり、その後作品を発表していない。

 映画『アラバマ物語』は、黒人差別がまだ当たり前だが、そのうえで社会がまだ一定の均衡を保っている1930年代の南部の町を舞台にしている。ハーパー・リー自身がモデルとされるおてんば少女スカウト、その兄ジェム、カポーティがモデルとされる隣家のディル。三人の子どもたちが、様々なできごとと冒険を通して、人種差別や貧困といった、それまで見えなかった社会の実相に目を開き、弁護士の父グレゴリー・ペックの困難な闘いを間近に見て、公正とはどういうことなのかを学んでいく。
 映画は白人娘に対する暴行罪で逮捕された黒人青年をめぐる父親の奮闘と、二十年以上家から出てこない近所の青年(あるいは怪物)ブー・ラッドリー(bloodly?)を一目みたいと画策する三人のいたずらっ子の冒険を基調として進む。子ども時代にはこういう幽霊話が不可欠だ。この二つの物語が見事に交わるラストは、実に感動的だ。
 ペックや子どもたち、偏屈な老人や逮捕された黒人青年など、演技陣が実に素晴らしい。とくに、特典映像の中でペックが賞賛していたけれど、出演時間はほんの少しのロバート・デュヴァルの存在感の見事さにはため息が出てしまう。詳しくは書けないけれど、下手をすれば映画を台無しにしかねないところで、これがデビューというデュヴァルは、素晴らしい名演を見せてくれた。
 他の方が紹介しているように、この映画とペック演じるアティカス弁護士がアメリカで愛され続ける理由はなんだろう? 彼は非暴力を貫く信念の人であり、他人の立場に立つことの大切さを子どもたちに説いてやまない思いやりの人であり、人種差別を憎むが急激な社会変動も望まない。その彼が、映画のラストで下す結論は・・・・・・。もっとも大事なのは、心の中にあるルールであるということだろうか(是非はともかく、そこからアメリカ人の理想が浮かび上がってくるような気もする)。

 映画がとても面白かったので、未読だった小説『アラバマ物語』(暮しの手帖社)を読んでみると、これまた実に面白く、寝食を忘れそうなほどである(こういう本を絶版にしない版元に敬意を表する)。ハーパー・リーが協力しただけあって、映画は原作を見事に映像化していることが分かったが、ディル=カポーティの役回りは映画より小説のほうが大きい。スカウトとは結婚を誓い合った仲であったり、ブーをめぐる冒険でもいちばん熱心で、でもいちばん怖がりなのもディルだったりするのである。
 映画『アラバマ物語』は85点。

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親の信頼を受けて、成長する子どもの姿がとても頼もしい

投稿日:2007/04/18 レビュアー:花ちゃん

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しっかりとした作品

投稿日:2003/10/25 レビュアー:SKY MESSAGE

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★★★☆ その正義はどこから来るのか ネタバレ

投稿日:2007/09/25 レビュアー:ガラリーナ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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本作は黒人の人権問題とスカウトと言うひとりの少女の成長物語という、一見して合いづらいモチーフがしっかりと融合していることがすばらしい部分だと思う。「白人たちが黒人は悪いことをすると思ってしまう感性」と「スカウトがブーのことを怖いと思っている感性」は、見事にオーバーラップしている。それは、本質をしっかりと見ないことがもたらす恐怖である。物語の結末から見ると、その間違った見識を正しく取り戻すのは、大人の白人たちではなく、少女であるスカウトの方。だから、この作品はスカウトの物語として観た方が私にはしっくり来る。人権問題に焦点を当てながら本作を見ていると、どうも納得しがたい感情が残ってしまうのだ。

主人公アティカスの生き方を否定するつもりは毛頭なく、むしろ偏見に立ち向かった勇気と正義感にあふれた人物だと思う。しかしながら、視点をどんどん引いていって作品全体を眺めた時に感じるのは、白人特有の奢りなのだ。アティカスは未だに「アメリカの父」とも呼ばれるシンボリックな存在のようだが、現代アメリカ人(白人)が自己を投影してしまうような人物像に、私はいささか懐疑の念を禁じ得ない。(まあ、ちょっとひねくれた見方なのかも知れないが、笑)。

それは、アティカスの行為の源を「正義感」という概念に頼るのかどうか、という点に尽きると思う。本作の制作は1962年とある。キング牧師の有名な“I Have a Dream”の演説が1963年のことだから、黒人の人権運動が活発に行われる中、このような映画が制作されたこと自体は、意義あることなのだろう。しかしながら、時を経て、アティカスの行動と世界を牛耳ろうとする現代アメリカのメンタリティに共通点を見いだしてしまう。むしろ、アティカスにはトムを助けたい「個人的な理由」があった方がすっと心に馴染む。おそらく善人を絵に描いたようなアティカスという人物を素直に受け入れられないのは、今の私がアメリカ人が示す「正義」に首を傾げたくなることが多いからだ。

原作者はハーパー・リーという女性であり、自伝的物語として発表したのだけれども、グレゴリー・ペックという当代随一の人気俳優を起用したことで、アティカスは理想の父として祭りあげられる。それは、果たしてハーパー・リーの本意だったのだろうか。「善き白人像」を広く知らしめるために本作は作られたのか、と言う思いがチラリと頭をかすめる。このあたりのニュアンスは、原作を読めばわかることなのかも知れない。機会があればぜひ読んでみたいと思う。

と、締めくくって投稿しようと思ったら、こんちゃんさんが「アメリカの傲慢を感じる」と書かれている。ああ、似たような感想をお持ちになる方がいたんだ、とちょっとほっとしました。

このレビューは気に入りましたか? 9人の会員が気に入ったと投稿しています

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ユーザーレビュー

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陪審員制という裁判の恐ろしさ

投稿日

2007/09/22

レビュアー

こんちゃん

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 法廷物のパイオニアという評判を聞いて、鑑賞したのですが、その部分に関しては今ひとつ期待に応えてはくれませんでした。法廷における検察と弁護側の丁々発止の論戦を期待していると、ちょっと肩すかしかもしれません。どちらかというと「スタンド・バイ・ミー」や「グロウイング・アップ」のような、子供がだんだんと成長していく様を描く中に弁護士の父ちゃんが居て、裁判もからむという展開です。

 ケチケチさんやリナさん、エイちゃん、よふかしさん、kazuponさんと私のお気に入りレビュアーの方々が絶賛されるのもよくわかるのですが、あえて反対意見を・・・。
 グレゴリー・ペック演ずるアティカス・フィンチは確かに高潔な紳士であり、「アメリカの良心」を体現しているでしょう。その演技も素晴らしい物です。が、あまりにもステレオタイプであり、理想の父親像過ぎるのではないかと思ってしまうのです。
 結果的にトムを救うことは出来ませんでした。その原因は、検事の「何故、メイエラの頼みをいつも受けていたのか」と言う問いに対するトムの言葉が、全員白人である陪審員の反感を買ったのでしょう。しかし、それ以前にアカデミックに蕩々とトムの無実を確信しているとブチあげたアティカスのスタンドプレーも、その一因だったのではないかと思うのです。
 その段階で、常識ある人間ならトムが実際には無実であることは分かり切っていたはずなのに、あの演説を聞いていて、
「あ、この裁判負けるな」
と思ってしまったのです。そこには「アメリカの良心」と共に「アメリカの傲慢」が垣間見えていたような気がするのです。現代のアメリカでも、この作品のアティカス・フィンチは理想の父親像として、未だに高い評価を受けているそうです。そのメンタリティには
「アメリカは世界のリーダーたる存在でなければ」
「アメリカは常に正しい」
という自負があるのだろうと思うのです。そして、正義を貫いたとしても裁判には負けてしまうアティカスを見ながら、
「ベトナムでも湾岸でもイラクでも、アメリカは正しい行動をした。しかし、正しい者が常に勝てる訳じゃないんだ」
と自己弁護でもしているかのような、うがった見方をしてしまうのです。

 映画として鑑賞するには、素晴らしい作品であることに間違いありません。子供達の生き生きとして、なおかつ現実の社会の矛盾に戸惑ったり、未知の世界への冒険にワクワクする様など、その描き方も子役達の演技も秀逸です。そして、自分の生きる姿によって、子供達に正しい姿を教えていける父親が、アメリカでも日本でも無くなっている今、理想とされるのもよくわかります。ですが、人種差別のなんたるかを実感できない日本人の私にとっては、アメリカの良心・正義を感じると共に傲慢さも感じ取れてしまうのです。

 それから、少々長いです。2時間越えは必要ないのではないでしょうか。冒頭の、子供達の交流部分は、もう少し整理することが出来るような気がしますが・・・。


ハーパー・リー

投稿日

2007/03/15

レビュアー

よふかし

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『カポーティ』で、カンザスの一家殺人事件の取材に同行するハーパー・リーをキャサリン・キーナーという女優さんが実に感じよく演じていた。彼女が初めての小説を出版して、それがたいへんな評判となり、やがて映画化もされるというサクセス・ストーリーが、『冷血』の執筆がうまくいかないカポーティの焦燥にうまく対比されていた。
 ご存知のように、この『アラバマ物語』が、原題を『物まね鳥を殺すこと』といって、ハーパー・リーの唯一の小説を映画化したものだ。とても面白く、感動的な作品だ。『カポーティ』の中でこの映画のプレミアの場面があって、ひとりカポーティが憮然としている様子が可笑しかった。この映画が素晴らしいこと、また幼い日のカポーティがモデルとなっている少年が描かれていることは、おそらくあちらでは共通の認識になっているので、カポーティが「大して面白くなかった」とつぶやくところでは、笑いが起こったのではないかと思う。
『アラバマ物語』『冷血』『カポーティ』という三つの映画、また原作の小説などを合わせて眺めてみると、カポーティとハーパー・リーというふたりの友情が、虚実入り混じりながら、時空を越えて胸に迫ってくるような気がして、とても不思議で幸福な感じがする。
 もっともカポーティは小説『冷血』で富と名声を十分過ぎるほどに得たことで、その後次第に書けなくなった(のだと思う)。ハーパー・リーはこの一作目がベストセラーとなり、その後作品を発表していない。

 映画『アラバマ物語』は、黒人差別がまだ当たり前だが、そのうえで社会がまだ一定の均衡を保っている1930年代の南部の町を舞台にしている。ハーパー・リー自身がモデルとされるおてんば少女スカウト、その兄ジェム、カポーティがモデルとされる隣家のディル。三人の子どもたちが、様々なできごとと冒険を通して、人種差別や貧困といった、それまで見えなかった社会の実相に目を開き、弁護士の父グレゴリー・ペックの困難な闘いを間近に見て、公正とはどういうことなのかを学んでいく。
 映画は白人娘に対する暴行罪で逮捕された黒人青年をめぐる父親の奮闘と、二十年以上家から出てこない近所の青年(あるいは怪物)ブー・ラッドリー(bloodly?)を一目みたいと画策する三人のいたずらっ子の冒険を基調として進む。子ども時代にはこういう幽霊話が不可欠だ。この二つの物語が見事に交わるラストは、実に感動的だ。
 ペックや子どもたち、偏屈な老人や逮捕された黒人青年など、演技陣が実に素晴らしい。とくに、特典映像の中でペックが賞賛していたけれど、出演時間はほんの少しのロバート・デュヴァルの存在感の見事さにはため息が出てしまう。詳しくは書けないけれど、下手をすれば映画を台無しにしかねないところで、これがデビューというデュヴァルは、素晴らしい名演を見せてくれた。
 他の方が紹介しているように、この映画とペック演じるアティカス弁護士がアメリカで愛され続ける理由はなんだろう? 彼は非暴力を貫く信念の人であり、他人の立場に立つことの大切さを子どもたちに説いてやまない思いやりの人であり、人種差別を憎むが急激な社会変動も望まない。その彼が、映画のラストで下す結論は・・・・・・。もっとも大事なのは、心の中にあるルールであるということだろうか(是非はともかく、そこからアメリカ人の理想が浮かび上がってくるような気もする)。

 映画がとても面白かったので、未読だった小説『アラバマ物語』(暮しの手帖社)を読んでみると、これまた実に面白く、寝食を忘れそうなほどである(こういう本を絶版にしない版元に敬意を表する)。ハーパー・リーが協力しただけあって、映画は原作を見事に映像化していることが分かったが、ディル=カポーティの役回りは映画より小説のほうが大きい。スカウトとは結婚を誓い合った仲であったり、ブーをめぐる冒険でもいちばん熱心で、でもいちばん怖がりなのもディルだったりするのである。
 映画『アラバマ物語』は85点。

親の信頼を受けて、成長する子どもの姿がとても頼もしい

投稿日

2007/04/18

レビュアー

花ちゃん

しっかりとした作品

投稿日

2003/10/25

レビュアー

SKY MESSAGE

★★★☆ その正義はどこから来るのか

投稿日

2007/09/25

レビュアー

ガラリーナ

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本作は黒人の人権問題とスカウトと言うひとりの少女の成長物語という、一見して合いづらいモチーフがしっかりと融合していることがすばらしい部分だと思う。「白人たちが黒人は悪いことをすると思ってしまう感性」と「スカウトがブーのことを怖いと思っている感性」は、見事にオーバーラップしている。それは、本質をしっかりと見ないことがもたらす恐怖である。物語の結末から見ると、その間違った見識を正しく取り戻すのは、大人の白人たちではなく、少女であるスカウトの方。だから、この作品はスカウトの物語として観た方が私にはしっくり来る。人権問題に焦点を当てながら本作を見ていると、どうも納得しがたい感情が残ってしまうのだ。

主人公アティカスの生き方を否定するつもりは毛頭なく、むしろ偏見に立ち向かった勇気と正義感にあふれた人物だと思う。しかしながら、視点をどんどん引いていって作品全体を眺めた時に感じるのは、白人特有の奢りなのだ。アティカスは未だに「アメリカの父」とも呼ばれるシンボリックな存在のようだが、現代アメリカ人(白人)が自己を投影してしまうような人物像に、私はいささか懐疑の念を禁じ得ない。(まあ、ちょっとひねくれた見方なのかも知れないが、笑)。

それは、アティカスの行為の源を「正義感」という概念に頼るのかどうか、という点に尽きると思う。本作の制作は1962年とある。キング牧師の有名な“I Have a Dream”の演説が1963年のことだから、黒人の人権運動が活発に行われる中、このような映画が制作されたこと自体は、意義あることなのだろう。しかしながら、時を経て、アティカスの行動と世界を牛耳ろうとする現代アメリカのメンタリティに共通点を見いだしてしまう。むしろ、アティカスにはトムを助けたい「個人的な理由」があった方がすっと心に馴染む。おそらく善人を絵に描いたようなアティカスという人物を素直に受け入れられないのは、今の私がアメリカ人が示す「正義」に首を傾げたくなることが多いからだ。

原作者はハーパー・リーという女性であり、自伝的物語として発表したのだけれども、グレゴリー・ペックという当代随一の人気俳優を起用したことで、アティカスは理想の父として祭りあげられる。それは、果たしてハーパー・リーの本意だったのだろうか。「善き白人像」を広く知らしめるために本作は作られたのか、と言う思いがチラリと頭をかすめる。このあたりのニュアンスは、原作を読めばわかることなのかも知れない。機会があればぜひ読んでみたいと思う。

と、締めくくって投稿しようと思ったら、こんちゃんさんが「アメリカの傲慢を感じる」と書かれている。ああ、似たような感想をお持ちになる方がいたんだ、とちょっとほっとしました。

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