パリで一緒に

意外とレビューが少ない。オードリー35歳の作品。子供の頃テレビで観た。子供の眼には「パリの観光案内」の映画だった。ストーリーはつまらなかったが、いま見直してもつまらない。オードリーのお着替えを観る映画だ。パリを知らない人にも観光映画として薦められる。ヨーロッパというのは50年じゃ何も変わらないのである。

オードリーの衣装は今でも通用する。しかもこれが35歳であんな服を着ているのが感心する。もっと若く見える。あとはカメオ出演が何人もいるらしいが、今の人はどれが誰だか分からないだろう。オードリーの当時の夫、メル・ファーラーがパトカーのドライバーでカメオ出演しているそうだが、どの人だか分からない。

「ローマの休日(1953)」から10年目の映画だが、演技もイメージもあまり変わっていない。この人がイメージも演技も変わるのは「暗くなるまで待って(1967)」だろう。この映画はオードリーの可愛さ【35歳だが】が牽引力になっている映画だと思う。そこが観たいならとってもお薦めの映画だ。

※しかしオードリーの映画って「黙ってオードリーを観る映画だ」というレビューばかりになっている気がする。

当たり障りの無い映画。
あっという間にキスしてみたり、適当に恋してみたりと
希薄な内容ながら、マレーネ・ディートリッヒをたった
１シーン（しかも台詞なし！）のみ使うといった
湯水のようなキャスティングにはびっくり。そして勿体ない。

割と年のいっているスランプの脚本家に、どうして恋心を
抱いたのか・・・私には理解に苦しむ。
適当に売れそうなタイトルだけつけて、内容は次々と変更。
たったの２日間でこの展開、うーん。

脚本家が脚本を語り、それをタイプするタイピストが、
その脚本の実写としてともに主演を勤め、
「劇中映画」と実際のストーリーが交互に展開、
お互いの気持ちがシンクロして…というような映画なわけですが、
これはもうストーリーが良いの悪いの言う映画ではないですね。
まさに（まだ数本しか観てませんが）ヘップバーン映画らしいというか、
「すぐにウットリしちゃうちょっと流されやすい美人」という
いかにも男が好きそうな女性像をヘップバーンに演じさせ、
ラブコメっぽく作り上げる、というお決まりのパターン。
そもそも僕自身が恋愛モノに辛いというせいもあるんでしょうが、
特に取り立てて面白かったぜ！という部分はありません。
ヘップバーンで無ければ成り立たない映画だろうし、
時代性としても今「作る」にはしんどい。
ただ、「観る」なら別でしょう。
ヘップバーンで無ければ成り立たないというのは、
＝ヘップバーンだからこその魅力が全開とも言えるわけで、
まーやっぱりこの人はキュート。
かわいいとか綺麗とか言うより、「キュート」っていう言葉が似合う。
この映画の時点で30代半ばなんですよねー。
ふとした瞬間に若干歳を感じる面はあったと思いますが、
それでもやっぱりめちゃくちゃ若いしキュート。
超かわいい。（結局かわいいって言っちゃうっていう）

結局ヘップバーンありきで「ヘップバーンを観ましょうね」という映画なので、
内容についてどうこう書こうとも思いません。
ただ、今でこそ「劇中映画」という作りは珍しくないかもしれませんが、
言葉遊びの面白さなんかもちょっとあったりして、その辺は結構楽しめるかもしれません。
…にしても、やっぱり「劇中映画」の展開とか演出自体、時代を感じる面は否めないんですが。
もっとも、その辺の古さがいい、「やっぱ映画ってこれだよね」って
思いたくなるのもわかる気はします。
平和な空気というか、「あざとさ」の見えない作りというか。
僕は別にハマりはしませんでしたが、
この時代の映画が持つ特有の雰囲気はやっぱりあると思うし、
そこにヘップバーンが彩りを添える味わいの良さ、みたいなのはわかります。
今の時代にこれだけ華のある人っていうのは、時代背景的にももう出てこないでしょうからね…。

まったく女っ気の無い腰痛（ちょっとよくなってきました）親父が言うのもなんですが、
「男の人ってどういう仕草が好きなんだろう？」とか思う女性は、
ヘップバーンを観ると結構勉強になったりするんじゃないかなぁと思うんですがどうでしょうか。
彼女は確かに見た目も抜群ですが、実は多分、
動きとか表情の方が「男キラー」っぷりを発揮してるんじゃないか…と思うんですよねぇ。
もっとも僕もそれなりの歳なので、僕の見方自体古い可能性は否めませんが。
でも彼女の魅力は普遍的なものがあると思うんだけどなぁ…。

タイトルから、ヘップバーンのさわやかな恋愛ドラマかと思いました。どちらかというとパリ舞台のパロディーいっぱいのラブ・コメですね。「ローマの休日」から約10年後。「マイ・フェア・レディー」直前で「シャレード」（まだ見てないよ）と同じ頃の映画です。

ヘップバーンは「ローマの休日」の初々しさはないけれど、思ったより背が高いんだ。ドレスのきれいな着こなしやスリムで上品な雰囲気はさすがです。少しハスキーな声はかわいくて印象的ですね。キスシーンが多いのには少しびっくり！

プロットはケイト・ハドソンの「あなたにも書ける恋愛小説」にそっくり！　脚本家リチャード（ウィリアム・ホールデン）が２日で映画の脚本を書かないといけなくて、ステノグラファーにガブリエル・シンプソン（ヘップバーン）を雇って・・・。

パロディー。タイトルは「パリは燃えているか」、それから、「カサブランカ」、「ティファニーで朝食を（雨の中の猫・・）」とかいっぱい入っていると思います。

悪くはないけれど、「ローマの休日」的なさわやかさは感じませんでした。オードリーにとても興味を持ちました！これから彼女の作品を見てみたいと思います。

脚本家が主人公の作品ですがこの映画の脚本ははっきりいって面白くない。(-_-;)　だからストーリー的には全くおすすめできないのですが、
オードリーのファッション、軽快な音楽、そしてちらっと登場する往年の大スターのカメオ出演など、別の意味でおすすめ出来る作品です。
オードリーにメロメロだったホールデンは作品の内容よりも共演出来て幸せ！だったのか不幸だったのか、それも興味深いところです。