フィラデルフィア物語

　キャサリン・ヘプバーンは日本ではオードリーに比べあまり人気はありませんが、アメリカでは絶大な人気を誇ります。この人は美貌という意味では日本人にはあまりピンと来ないのですが、頬骨が張って凹凸のしっかりした顔というのは、美人に見えるらしいですね。近頃ではキルスティン・ダンストがちょっとそんな感じ。
　育ちが良くて、頭が良くて、快活で、自立した精神の持ち主という役どころが多いような気がしますが、ヘプバーン自身もまさにそういう人でした。
　この『フィラデルフィア物語』は、彼女の友だちが書いた舞台劇で主演を張ったヘプバーンが権利を持っていて、映画化に際してもほとんどプロデューサーのような役割を果たしたことが、自伝に書かれています。女優を美しく撮ることにかけてはぴか一のジョージ・キューカーを選んだのも彼女のようです。
　ケイリー・グラント、ジェームス・スチュワートと豪華な配役の恋愛コメディ、その顔ぶれを見ているだけで楽しいともいえるのですが・・・。映画としてはどうでしょう。ヘプバーンは実に素晴らしいのですが、男優二人はいわば脇の扱いで、魅力が生かしきれていない感じがします。
　ヘプバーンによるヘプバーンのための映画、水着まで披露して奮闘する彼女を中心に世界は回るのです。
　やや余談ながら、お金持ち、上流階級、成功者は正しいというアメリカ社会の前提にたってこの映画は作られており、だからアメリカの観客はヘプバーンに好感を持つと思うのですが、僕は少しだけ違和感を感じてしまいました。５０点。

paroleさんに褒めていただいて舞い上がって柄にもないことをしたせいか、かえって困惑させてしまった気配が濃厚で、恐縮しています。もちろん、いつも読んでいて、映画の見方は違っても、好きなレビュアーさんばかりなのです。というか違うから面白いですね。ストレートな言い方よりもギャグを先に考えてしまうたちなので、家人にもよく叱られます。最近は五歳児にも叱られています。

　さてそれはともかく、paroleさん反応いただきありがとうございました。見方が違って実に面白く嬉しく思いました。
　もちろんタイプも違ってほとんど関係のないオードリーを引き合いに出したのは、大好きなキャサリンのほうの昔の映画をもっと観てほしいなという思いからで、二人を比較することを意図したものではありません（そこはparoleさんもわかっていただいていると感じます）。この映画はキャサリン・ヘプバーンを見せる、魅せるためにこそある、まさにスターの映画ですね。キューカーのこういう作品の手触りというか雰囲気は、僕も好きです。
　でも、スターのための映画ですから、当たり前ですが、のんびりもしています（もしもっとタイトな編集にすれば、コメディとしては面白くなっても、艶は失われるでしょうね）。男優ふたりもここではヘプバーンのためにこそ存在していると感じられ、同時期のルビッチやホークスの作品を思い起こすと、つい、もったいないなあと感じてしまいます。で、肝心のヘプバーンももっとおきゃんな可愛い感じが出せたのではないかなとも思います。
　というわけで、真綿のような優しい映画ですが、その分歯がゆいところもある。それで「普通」というくらいのニュアンスの５０点（点数はもちろんお遊びですが）をつけたというところです。
　paroleさんはいつもオードリー、ワイラーに厳しいので（笑）、それはまた別の作品で。
　

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西欧人と日本人とのカップルを見て違和感を感じたことはありませんか? こんな素敵な男性なのに、その相手の日本人は・・・?　ってやつです。私だけが特にそう感じているのかとも思ったのですが、どうやらそうではないらしく同様の意見をしばしば耳にしますし、西欧人の友人を持つ人から、彼らは美醜の感覚が違うみたいだと言う意見を聞いたこともあります。どうやら、彼らは西欧的な美人には余り関心が無く、日本的な、あるいは東洋的な容貌に惹かれるらしい、と。もっとも、彼らが好むのは、西欧人が想定している日本的な美人と言うことになりますので、私自身「私の彼女は日本的な美人だ」と紹介された西欧人男性の言葉に、その本人の写真を眼にして大きく首を傾げたこともあります。

つまり、美醜の感覚は多分に文化的なものであり、オードリーとキャサリーンの両ヘップバーンの人気が、アメリカと日本では逆なこともこのことに起因しているのではないかと思うのです。これはキャサリーン・ヘップバーン限ったことではなく、グラタ・ガルボだとか、マレーネ・デートリッヒだとかと言ったかつての銀幕の大スター達も、一般的な日本人の感覚からすると素直に絶世の美女と褒め称えることができないのではないでしょうか?　もっとも、これは人種的な問題というわけではなく、まさに文化に起因するもの、要するに映画がそうであるように慣れがもたらす影響が大きいと思っており、事実最近のスター達には日本とアメリカの好みの差は余りありません。

でも、やはり映画がそうであるように、この「慣れ」さえ体得してしまえば、表面に覆い被さっている文化的な、時代的な瘡蓋に依存しない、「本物」の良さを感じることができるようになるんだと思います。よふかしさんご指摘の通り、この作品はまさにヘップバーンのための、ヘップバーンによる、ヘップバーンの映画なのですが、ケイリー・グラントとジェームズ・スチュアートと言う当代きっての大スター達を脇役として手玉に取り奔放に振る舞うところなど、オードリーではとてもじゃないけれど演じられないと思うのです。初めて見たときには肉食獣っぽいと感じていたキャサリーンでしたが、今では私の中では絶世の美女の代表になっています。

なお、よふかしさんは違和感を理由に厳しい点数を付けられていますが、私は黄金時代のハリウッドらしい傑作だと思います。

　「アビエーター」のケイト・ブランシェットが素晴らしかったので久々に　あの誇り高いＫ・ヘッブパーンが見たくなりレンタルしました

　この物語自体はミュージカル「上流社会」で知ってはいたがグレース・ケリーとは違ったＫ・ヘッブパーンの魅力に溢れる作品で彼女のファン　私のような人間には珠玉の一本です

　所でシャンパンを飲むシーンが良く出てくるけどシャンパングラスについて考えたことあります？　最近結婚式なんかで使うのは　（シャンパンフルート）と呼ばれるナガ−イグラス　シャンパンの立ち上る泡を愛でるには最適と言う事で最近は人気です　映画で使われているのは（シャンパンクープ）と呼ばれる口広のグラス　これは時代によって流行　廃りがあるようですネ

　ウディー・アレンの「カイロの紫のバラ」　映画に生きがいを感じる人妻セシリアが映画の中で飲むシャンパンはジンジャエール　映画の中ではシャンパンはみんなそうなんですって　この映画ではシャンパンクープが使われるけど　映画的にはこの方が絵になりますね

　所でmakochanさんの勘違いは御尤もで　日本の洋画配給会社は一本ヒットすると似たようなタイトルを無秩序に連発します　デビット・リーン監督　Summer time の邦題は「旅情」Ｋ・ヘップバーンとロッサノ・ブラッツイーのつかの間の恋を描いたのはこっちです　

　花ちゃんさん　名前を呼んで頂いただけで恐縮です　

　柴詩又礼さん　マイケル・ダグラスの件・・・よくわかりません
「ワーキングガール」にジョン・キューザック（John cusack）が見当たらないと　言うレビューを見かけましたが　あの映画に出演しているのはお姉さんのジョーン・キューザック（Joan cusack)　そのレベルの勘違いかもしれませんネ

　

　

　　

　　

　

　　

　フィラデルフィアの令嬢トレイシーはバツイチ女性。
でも、処女ということは、夫は何をしていたのだろうかと考えてしまう。

　プライドの高い一見我儘な女性のようにも見えるが…本当は家族思いの聡明な女性。だが、浮気をしている父親と口論となる。反論する父親の文句が面白い

「浮気は若さを保つためさ…素晴らしい娘が家の中に居なければ外に探しに行くしかない…」なるほどね…と納得の一言

　あの三輪明弘さんが言った言葉を思い出しました
「なぜ亭主が女のところに行くか…自分が王子様になれるからよ…」家に帰って女房の罵声を浴びるよりも、浮気相手の所に行けば大事にしてくれる

　罵声を浴びせる娘の傍にいるよりも、優しくしてくれる娘のところへ行くというわけなのでしょう…

　男と女の考え方の相違と人を非難しているトレーシーにも気付かない大きな間違いを犯している。それを知ってからのトレーシーはとても素直で可愛いかった

　誰でも間違いを犯す、大事なのはその後の対処の仕方なのでしょうね…まずはこの映画もハッピーエンドのめでたしめでたしです。