キャデラック・マン

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なんでリストに入れたのか思い出せないまま観始めたんですが、すぐ分かりました。アナベラ・シオラ狙いだったんです。「ジャングル・フィーバー」でファンになって以来贔屓にしております。脇役が多くあまり目立たない女優ですが、私は大好きです。この映画では正に脇役そのものですが、意外にもイタリア系正統派美人っぽく映っていてキレイでした。
それはさておき、この映画ロビン・ウィリアムズがコメディアンから演技派へ転身しかかった頃の作品らしく、駆け出しの頃のティム・ロビンスとの掛け合いは楽しいけれど、脚本が練れて無いんで映画としては全然面白くなかったですが、私個人的にはいろいろと感じるものがあり、最後までしっかり観てしまいました。
ジョーイという、女たらしの不良中年やり手カーセールスマンが主人公ですが、私自身社会人としては35年間ずっと「営業（英文の名刺ではSales)」ですし、「女たらし」と言えるほどモテた訳じゃありませんが、彼の女性との関わり方には何となく同感出来るものがあり、結構身に詰まされました。
だいたい、世のサラリーマンの3割くらいは「営業」やってるハズで、かなりの多数派を占めているんですが、アメリカでも日本でも、テレビでも映画でも、登場する営業マン、セールスマンは現実と非常に乖離してる、というのが私の長年の実感でして、これはつまり芸能界（作家、脚本家を含めて)の人間にとって「営業」という職業はどうやら理解の外にあるらしい、と思わざるを得ません（村上龍が「13歳のハローワーク」で「営業という職業を紹介するのは非常に困難」と言っていたのは実に深い洞察だと思います）。
営業（セールス）とはつまり「モノ」の良さを「アピール」することで、モノそのものの「良し悪し」はモノ自体で決まっているから、「営業」の「良し悪し」は結局「口が上手か下手か」で決まる、従って「やり手」セールスマンというのは須らく「口が上手くて」「モノが悪くても売りつけるのが上手い」、つまり「いい加減な」ヒトということになる。これが芸能界から見た（いや、もしかしたら「営業」を知らない、分かって無い人たち全般から見た）「営業」の一般的理解でしょう。この映画でもジョーイのセールスマンぶりは正にそのように描かれています。
ま、「営業」論はこのくらいにして、私がさらに「身に詰まされた」のはジョーイの「女性関係」のほうでして、とにかく「手当たり次第」「いい加減」を絵に描いたような「女たらし」です。同僚の美人社員を日課のように口説いて「女に対する敬意が無い」とすげなく断られても「まだ脈がある」と平然としてる。
私にはとても真似出来ませんが（本当です）、気持はかなり同感してしまいます。「いい女」のストライクゾーンが広い、と言うか、自分のストライクゾーンに入る「いい女」は全て口説かずにいられない、と言うか。
そして、この映画の作者は「営業」の理解は全然ダメですが、「男女」関係についてはなかなかの深い洞察力を持っているのではないか？と思わせます。「いい加減」を絵に描いたような女たらしのジョーイですが、元夫人にも、金持ちの不倫妻にも、現恋人の若いデザイナーにも間違いなく「モテてる」んですが、それはジョーイの一人一人の女性に対しての「誠実さ」「敬意」ゆえであって、全体としては「いい加減」でも、個々の場面では相手と親身に向き合うという、（私に言わせれば）「営業」の極意と通じるものがある、と勝手に感じ入りながら観ていたわけです。
こーいうのを「我田引水」鑑賞法と言うんでしょうね。

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期待はしてなかったけど、前半のロビン・ウィリアムスのもてもてぶりと、リストラ寸前の状況を説明するための描写が、長くてだらだらしてて、危うくリタイアしそうになった。しかし、目的は、ティム・ロビンスを見ることだったので、がまんがまん。

それにしても、ティム・ロビンスは、どうしてこう、衝動的で、それでいて、肝っ玉の小さい役が似合うんでしょうか。しかも、この映画では、絶望的に頭が悪いと来ている。逆上してマシンガンをぶっぱなし、あせりまくり、あわてふためく、テンション高い芝居が見物。

主役二人はおもしろい顔合わせだったのだが、それだけかな。あれこれよそ見しても、けっきょく夫婦の絆が強調される、という結末も、お約束通り。

（ややネタバレです）


「それぞれの空に」（08）で、やっぱティム・ロビンスってイイな〜と思い、若いときの彼を見たくなって
1990年製作のこんな懐かしい作品を観直してみました。

いやぁ、面白かった〜。
レビュー少ないし、評価もさんざんでビックリだけど、個人的には生涯のベスト100に入れたいくらい
好きです。なので星１コおまけ（笑）。

ジョーイ（ロビン・ウィリアムス）は女たらしのカー・セールスマン。口八丁手八丁で客も口説くし、
女も口説く（笑）。あっちにもこっちにも彼女がいて大忙しの毎日だが、そんな彼にリストラの危機が！
今日12台売らなければクビと宣告されたセールの日、名刺を配りまくったおかげで店には
お客がわんさと詰めかけ、大混雑。そんな折り、銃を持った男ラリー（ティム・ロビンス）が店に押し入ってくる。
彼の妻はこの店で働いているのですね。そして「この中に俺の女房と寝てる奴がいるだろー！」と
マシンガン片手に、店内にいたスタッフと客全員、店に閉じ込めて籠城してしまう。
人質となった人々はみな恐怖に怯えるが、そんな中、ジョーイはこれまでのセールスマン人生で鍛えた話術と
人の心理を読んで巧みに操る能力で、少しずつラリーを説き伏せていく・・・ってなオハナシ。
（イントロダクションは間違い。彼はシロです）

私はこの時のロビン・ウィリアムスがわりと好きなんですよ。持ち味を生かしながらも、
やり過ぎてはいない。いつものウザ・キャラ一歩手前で、素直に応援できる。
そして、やっぱりティム・ロビンス！“大男総身に知恵が回りかね”を地でいくキャラが愉しい。
「さよならゲーム」（88）のときも可愛かったしなぁ。本人は知性派なのに、こういう役柄が上手いって
ホントかっこいいと思う。本作のラリーはちょっと精神疾患スレスレな感じが怖くも切ない感じがして
単なるアホ・キャラに堕してないところが素晴らしく魅力的だ。最後なんかちょっとウルッときてしまう。

とにかくこの籠城の様子が抜群に面白い。ジョーイのマシンガントークに撹乱させられて、目をキョロキョロさせながら
言うがままになってしまうラリー。２大俳優のこれぞ真骨頂という演技が見モノ。

冒頭で巨大な墓地を延々と映す空撮が暗示しているのは、この世の生には限りがあるということじゃないかな。
女にモテモテのジョーイは、彼女たちに何かをお願いされれば「断れない」、「女の喜ぶ顔を見ることが自分の幸せ」と言う男。
とにかく一人ひとりに対しては誠心誠意尽くしているのだ。結果、みんなに対して不実なんだけど（苦笑）。
目の前のことには一所懸命、誠意を尽くせる人なんだよね。だから、ラリーに対しても親身になって打開策を考えてあげた。

いいじゃん、こういうの、って思う。

女に一所懸命になって、思いっきり楽しんでいるのと同時に、車のセールスという仕事も一所懸命になって、
思いっきり楽しんでいる。
限られた人生を楽しんでいる。

そういう姿が、うん、イイと思うのだ。

ロビン・ウィリアムズが好きなので借りました。で、中身は。うーーーん、コメディなのかな？？？タイトルだけ見たらコメディだと思ったんですが、どうも違ったみたい。ある事件をきっかけに、アホみたいな女性関係について考え直すっていうことなのかな。ただこの設定であれば、もう少しドタバタをうまくできたような気がするのですが、うまく描けてませんでしたねぇ、残念。

まっ、不倫はあかんということで・・・

この２人のコメディとあってとっても楽しく見れました＾＾
製作は１９９０年なので、まだティムはとっても若い。
当時はそんなにメジャーではなかったそうです。
ロビン・ウィリアムスのマシンガントーク炸裂？と思ったのですが、そんなでもなかったなぁ。
でも、相変わらずの切れ味の良いトークは見れますよ。
でも何と言ってもティム!!　困った顔や仕草、取り乱し方・・どれをとっても良かった〜。
ストーリーは陳腐（笑）かもしれないけど、ライトな感覚で気軽に見ればいいかな？
今では大物俳優２人のＢ級映画を見れた♪と思うとそれも楽しいですね（笑）