クロウ　飛翔伝説

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　ブルーレイのデッキを持っていないのにレヴューをするのは、本作が通常のＤＶＤで出ていないからです。アレックス・ブロヤス監督が注目された記念すべき作品であり、父の後を追って俳優の道を歩んでいたブランドン・リーが悲劇的な事故により亡くなった遺作でもあります。
　恋人と共に無法者に殺されたロック歌手が死者を導く鴉の力によって甦り、悪人たちに復讐をするという物語で、それに恋人たちと親しかった少女や警官たち街の住人が巻き込まれていくというダーク・ファンタシーです。
　父親譲りのブランドン・リーの身体の動きが素晴らしく、演技の面でも、愛するものを奪われた男の哀しみや怒りをうまく表していると思います。このまま俳優の道を歩めていたらと思うと残念です。
　そして本作の素晴らしさは、物語を覆っている闇の描き方です。実際に夜の場面が多いこともありますが、主人公の身体にぴったりした黒い衣装にピエロの化粧といういでたちが闇に浮かび上がる画というのは実に印象的です。復讐のシーンでも火や銃から迸る火炎といった光をバックの闇と対置する演出により主人公の怒りを表現しているように感じました。
　不死身に思えた主人公の弱点や主人公たちに加勢することになった街の住人の使い方もうまく、作品が単調なアクションに堕してしまうのを防いでいます。そして救いのラスト。レヴュアーもあの場面ではほっと息をついたものです。
　この作品の後、シリーズ化されましたがレヴュアーはそれらを視ていません。ＤＩＳＣＡＳさんの営業を邪魔する意図はないのですが、この物語はこれで完結したものと思いたいのです。小説の『鷲は舞い下りた』や『燃える男』の続編は読みたくないのと同じです。これらの作品をお読みになった方は、その意味がお判りだと思います。
　ブルーレイのデッキをお持ちなら是非お勧めします。

昔、まだレンタルビデオだった頃。ジャケのカッコよさとアメコミがオリジナルという事に惹かれて借りました。すごい昔だと思ってたけど、まだ１６年しか経ってなかったんですね。すごく好きだった映画として覚えていたのに、観てみたらほとんど覚えてなくて新鮮でした。

この映画の撮影中に命を落とし、これが遺作となったブランドン・リー。２８歳なんて若すぎる・・・。お父さんのブルース・リーも悔しいだろうな。

当時、今のような映画のテクノロジーが無かったにも関わらず、エリック（ブランドン）達の住んでいる町並みは「バットマン」のゴッサムシティの様な雰囲気。映像からもスタッフのこだわりがよく伝わってきます。
主演のブランドンもエリックというカリスマを備えたダーク・ヒーローを上手く演じています。独自のメイクアップも彼に合っています。ストーリーは復讐がテーマです。

生きていたら間違いなく素晴らしいアクション俳優として名を連ねたはず。シリーズももっと成功したでしょう。当時、観終わった後は本当に残念に思いました。

ブルーレイ仕様しかないのでしょうか。古いアクション映画の部類に入るのでしょうが、今見ても結構良い出来なのでたくさんの人に見てもらいたいなと思います。

特典映像の中の原作者のインタビューは興味がある方は是非観たほうがいいです。辛い半生過ごし、今に至る彼の話は興味深いです。作品への思い入れがよく伝わってきます。

余談ですが、ハリウッドでこの「クロウ」のリメイクの話があるそうです。まだ脚本が出来上がるという段階でキャスティングやその他はまだ未定だそうです。映画になれば是非見てみたいです。

かなり昔に地上派放送で観て面白かった記憶があるので、
もう一度観てみようと思って借りなおしました。

昔の作品だしチャチいかな、となめていてすみませんでした。
アレックス・プロヤス監督のダークさと愛を描く演出がすごく丁寧で、
全然薄っぺらくなかったです。
かなり残虐な復讐劇を繰り広げる主人公ですが、
恋人へのぶれない愛情、少女や警官との交流などにより、
自然と応援したくなります。
ウィットに富んだキャラクター設定も容姿と好相性。
派手なＣＧがない分、アクションはかなりガチバトルです。
設定からするとスーパーパワーを駆使できそうですが、
あくまで生身に武器持って頑張ってます。
それも応援したくなる一因でしょうか(笑)

シリアスでダークな内容ではありますが、意外と笑えるところがあります。
悪役の仕草、チョイ役警官の演技等にユーモアが仕込まれているので、
復讐ものが苦手な方でも、バランスよく楽しめるかと思います。

続編がいくつか出ましたが、やっぱりこの最初の作品が一番ジーンと来ます。
ブランドン・リー氏、夢をありがとう！