赤ひげ

西武新宿線　所沢から小江戸号に乗って新宿に帰る途中
隣に座っているおばさんをよく見ると黒澤映画の名スクリプター
「野上照代」さんでした　色々お話をして　「赤ひげ」の雪のシーン　「市民ケーン」「シェルブールの雨傘」など数ある雪のシーンでも　山崎努　桑野みゆき　が初めて会うあの雪のシーンが一番好きだと言うような話をしました　野上さんは撮影の苦労話
二木てるみの眼光を表現するのに手術用のライトを使った話とか貴重なエピソードを教えてくださいました　帰り際村木さん　斉藤さん　矢野口さんも同じ電車に乗ってるのよと言うので見ると
「村木与四郎」美術「斉藤孝雄」カメラ「矢野口文雄」録音
と言った世界で彼らしか表現できない　kurosawa の世界を
作り出す黒澤組の面々でした
思えば「赤ひげ」こそ最後の黒澤映画ではなかったでしょうか

なかなか面白い。黒澤明の作品はとかく長いものが多く、その長さに余り必然性が感じられらず無駄な長さと思うことが少なくないのだが、3時間長のこの作品には余り長さを感じなかった。何故か。それは、この作品は表面的な主役である三船敏郎は実は狂言回しであり、実質的な主人公と言える加山雄三の様々なエピソードの断片集と言えるような作りになっているからだと思う。もちろん、黒澤明がそんなことを意図したとは思えないし、個々のエピソードには流れや繋がりがあり見方によっては加山雄三の成長過程を辿るような形態となっているのだが、各々のエピソードが良い意味で個性的で際立っているため、断片集のような印象を持ってしまったのだ。そのことが結果としては全体の流れにスピード感をもたらし、ともすれば弛緩しがちな黒澤作品にテンポをもたらしたのではなかろうか。また、一つのエピソードの主役とも言える頭師佳孝が非常に良かった。この時は10歳程度の役柄の子役なのだが、ちゃんと子役の演技を、それもそれなりに見事に演じているところがなかなか凄い。そう言えばこの頭師佳孝は、後に同じ黒澤作品である「どですかでん」で主格を演じた後に、テレビドラマ「飛び出せ！青春」で穂積ぺぺとコンビを組んで落ちこぼれ学生を演じていたっけ。今思うとあの演技も悪くはなかったけれど、「赤ひげ」における演技の方が遙かに凄い。

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山本周五郎は大好きな作家です。

時代物の人情話を書かせたら天下一品だと思っております。

そして監督も「黒澤明」！

原作を裏切らず、良くもここまでリアリズムを追求できるものだと感心してしまいました。

これで3度目の観賞なのですがｗ

途中、「休憩」のスーパーが入り、本当に10分ほどの休憩になります。ズーッと黒みが流れてます。

今までは飛ばしましたが、今回は上映当時の気分に戻って、
トイレに行き、アイスコーヒーを飲み、休憩を楽しみました。

休憩用の音楽を書いている佐藤勝さんも凄いｗ

音楽屋サンとして最高です。

照明も随所に工夫があり、唸らせてくれます。

特に人物に当たる照明でキャッチアイは強い明りで人情話の中に狂気や不条理を強く印象づけてくれます。

大がかりなセットの緻密な崩壊にも驚かせてくれます。
きっと今なら、ＣＧでしょう。

この映画の良いところを上げたらきりがありませんが、
思いつくまま書くと・・・。

�@原作を超えた映画は珍しい。
�A豪華キャストを黒澤明が見事に演出している。
�B子役の仁木てるみ、逗師佳孝が素晴らしい演技をしている。
�B今は懐かしい、杉村春子（ああ、杉村先生が走っているｗ）七尾玲子、三津田健の文学座キャストに、東野英次郎、野村昭子の俳優座キャスト対決が素晴らしい。（中でも、杉村春子先生を大根で叩く野村昭子さんは笑えました・・・多分現場でも大笑いだったでしょう。大根＝下手くそな役者・・・黒澤監督の遊び心ですね）
�C加山雄三が凛としていて気持ちが良い。
�D内藤洋子の美しさ！
�E山崎努の鬼気迫る芝居。
�F太陽をバックに仁王立ちするアングルの素晴らしさ。
�G嗚呼、この人も出てる、この人も出てると発見できる楽しさ。
�Hご飯を食べるシーンは「家族ゲーム」で森田芳光がｒｅｓｐｅｃｔしてます。
�Iああ、映画って良いですね！

100点これを見ずして、映画を語る無かれ。必見。

黒澤明の名作とされていますが、本当でしょうか？子供とのセリフのやりとりが棒読みっぽくないですか？赤ひげのセリフがあまりに正義ぶって嘘くさくないですか？私は正直言って辟易しました。最後のアクションはさすが黒澤だと思いましたが、ドラマ部分はヒューマニストの悪い部分が出てしまったような気がします。もっとも、当時はこれで良かったのかも知れませんが。

テレビドラマ「大岡越前」で見る小石川養生所は、此処で描かれているのとは格段に小奇麗だったという印象があります。
本作の中で描かれる小石川養生所は、ここを初めて訪れた保本（加山雄三）に、果物の腐った臭いがすると言わせています。
黒澤明 MEMORIAL:赤ひげ (小学館DVD&BOOK) の中で、山田洋次が「赤ひげ」の制作秘話など語っているそうですが、この小石川養生所のセットはほぼ実物大ということです。
クランクインの数ヶ月前からスタッフ総出で、このセットの建物の柱、床など、経年変化のリアリティーが出るように磨いたり作りこんだりしたのだそうです。
江戸の市中の様子、町並み、太鼓橋など、こんな私でさえ注意を引かれる映像でした。
強風に舞い上がる土埃など、わざとらしいほどの凄まじさ。（目にゴミが入りそうで、思わず目をつぶりたくなります）
崖崩れの様子、地震で崩壊した江戸の町の瓦礫など、CGもない時によくぞここまでと思わせるリアルさでした。

主人公は「赤ひげ」の三船敏郎なのでしょうが、新米の保本の方がストーリーの中心にいるように思われます。
保本の目と体験を通して、社会の底辺に暮らす貧しい人々の生活や、赤ひげがそういった人々に、どのようにして医療を施していくのかを描いています。
いくつかの訳有りのエピソードを展開しつつ、若き医師の保本が自らの見聞と体験を通して、赤ひげの指導を受けながら成長していく物語です。
子役の二木てるみと頭師佳孝の演技が印象的で、とくにラスト部分での頭師佳孝が演じる長坊が、別れの挨拶に来た時の演技、死の淵をさまよっている時の目つきなど、鬼気迫るものがありました。
また、今は懐かしい役者さんたちが出演していて、それも違った楽しみでした。