わるいやつら

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とにかく今のベテラン俳優さん達は若いときから演技が上手いです。そして.一人一人が自分の個性を最大限に活かしています。五人の女性が出てきますが.それぞれのキャラクター付けがしっかりしていて観やすく飽きません。その中でも.個人的には梶芽衣子さんの腹黒くて高飛車でしかっりした悪女に惹かれました。少しストーリーに物足りなさがあったかなと思うものの...個人的には5人の女性が鉢合わせて欲しかったかな（笑）あと.まだ売れる前の小林稔侍さんや蟹江敬三さんがちらっと出てきた時になんか得した気分になれました。

今度テレビで、米倉涼子なんかが出演してやるらしい。
ちょっと古いが、その都度、顔ぶれを変えてリメイクされ、役者の度量を見せるのにはこの上ない話だろう。

片岡孝夫が、あんまり好みではないので、尽くす女達の気持ちがイマイチピント来なかったが、男に翻弄される女、女に身を滅ぼす男の馬鹿さ加減がよくわかる。

テレビと比べてみるとおもしろそうなので、そっちも楽しみだ。

　正直に言って、ミステリー系の映画などとは言えないくらいトリックらしきものは感じませんでしたが、それ以上に面白い一本でした。（ただ、人によって評価が分かれる可能性が高いので、お勧めはしかねます。シェークスピア系の映画が好きな人であれば高く評価できる一本かもしれません。）

　まず、最初にインパクトが強いのは宮下順子さん演じる婦長でしょう。どことなく、他のキャラと異なり本当に主人公を愛していたかのように思え、主役級の役を演じていますがこの映画中で殺され役の人を含めたメイン級のキャラで最も”わるくない”人物を演じている点もポイントかもしれません。（彼女が好きな人はこれを借りると満足できるかも・・・。）

　その他に出てくる主役級の人物はそれぞれまさに”わるいやつら”そのものでしたから、よけいに婦長の純粋さ？が光っているようにも思えました。（ただし、これも私の感想かもしれないです。人によって見方が異なる可能性が高いと思います。）

　イントロとしては、まず浮気者で既婚者にも関わらず、多数の女性と付き合っていた主人公戸谷が多数の女性を始末？して隆子と結婚しようと画策して・・・。と言ったところでしょう。

　何度か見たらその度に評価が変わりそうな一本です。そのため、お勧めはし難いですが多数の女性と１人の男による権謀術数の物語として考えたらこれに勝てる話は多くはなさそうです。その意味でなら文句なくお勧めの一本。

松本清張さん原作の名作小説を野村芳太郎監督により映画化という当時の鉄板銘柄なのかと。
本作品の他にも米倉涼子さん主演で連続テレビドラマ化された2007年版以前にも
数回映像化されるほどの人気ぶり。

人気の秘訣は、社会的地位のある開業医という権威を悪用し
愛人たちを利用しながら犯罪に手を染めていった主人公が、
さらにその上をいく”わるいやつら”によってその目論見が狂っていくという
痛快さにあるのだと思っています。

それを堪能するには、2時間では尺が足りなさすぎるのかと。
やはり、金田一耕助の連続テレビドラマシリーズぐらいの尺がないと
主人公の悪行三昧が伝わらず、追い詰められていく様が楽しめない。

ただ、この時代の松竹映画はすさまじく
松坂慶子さんを隆子役にチセ役を梶芽衣子さん。
主人公を演じる片岡孝夫さんを追い詰める刑事役に緒形拳さん等
俳優陣が超豪華！

松本清張さんの原作モノとしては、作品に深みを感じることもありませんが
豪華キャストによる華やかさは見応えあり、森英恵さんによるファッションショーシーンも
イタさを超越した新鮮さを感じます。

隆子役は当時の松坂慶子さんが適役で
米倉涼子さんだと秘めたる”たくましさ”がにじみ出てしまうような気がしたかも。

”女性は20代まで”といった原作が連載されていた1960年当時の風潮が
今となっては信じられない。
当時と比べると雰囲気はマシになっているのかも？
（梶芽衣子さんのしたたかな美しさに痺れてしまいましたわっ！）

“院長の戸谷”、小説を読んだ時の自分の想像とはかなり違う。当時の片岡孝夫では、プレイボーイという雰囲気はないように思います。あくまでも私の意見ですが。