釣りバカ日誌　４

シリーズ第４作品目。黒澤明監督作品でお馴染みの佐藤勝さんが音楽を手掛けている。さり気なく、たゆとうような楽曲は、決して映像の邪魔はせず、それはそれは見事な出来映え。強く印象に残るものではない分、技術の高さをうかがわせる。（シロートの私が上から目線で失礼だが、ご容赦下さい）

ミチ子さんがメデタく妊娠して、もうすぐ臨月。ハマちゃんは生活費を稼ぐため、釣りに余念がない。
一方、スーさんは、営業三課に配属された甥の宇佐美和彦に頭を悩ませていた。妹夫婦から預かったものの、ピリッとしない。会社でも平気で「叔父さん」と呼び掛けて来る。然も、ハマちゃんの部下ときた。これは配属を間違ったかと後悔し始めていた。
案の定、和彦は、ハマちゃん家にお邪魔しては、ちょくちょく夕飯にあずかる始末。その上、“太田屋”の妹の町子に惚れてしまったから、さぁ大変。
兄に交際を反対された町子と和彦は、駆け落ちしてしまう。
……というお話し。

町子を演じるのは、当時のアイドルだった佐野量子さん。おっとりした甘い顔立ちのわりには闊達な性格そのままに、釣り舟屋の娘を元気に演じていた。ちなみに、何故かうちにファーストアルバムがある。(笑)
宇佐美和彦を演じるのは、尾見としのりさん。こちらは、あまり変わり映えがしないキャスティング。松竹の堅実さのせいなのか、日本の俳優の層が薄いのか、もう少し冒険が欲しいところだ。

ハマちゃん役は、西田敏行さん、スーさん役には三國連太郎さん、ミチコさん役を石田えりさん。レギュラ陣の配役は、盤石と言ったところ。
また、谷啓さんや戸川純さん、加藤武さんらの準レギュラ陣にも変更はない。

今回は、ハマちゃんの懲罰委員会は、ない。ちょっとザンネン。(笑)
その代わり、駆け落ちした若者２人を説得しにハマちゃんが和歌山に行くことになる。勿論、社命。ハマちゃんは公費で釣りが出来るとルンルンだ。スーさんは、そんなことは先刻承知。自分もヘリで和歌山へ。
――で、「東京に帰ろ」と正しい判断をした２人を余所目に、ハマちゃんとスーさんのはイカダ釣りを楽しむことになる。
微笑ましくてよいけど、全く威厳はないな。(笑)

和彦と町子の結婚式で来賓代表の挨拶を頼まれたハマちゃんだったが、予想通り、土壇場になってスピーチの内容を忘れてしまう。アタフタしているところにミチ子さんが産気づいたとの連絡が……。

病院でもドタバタがあり、どう見ても、ハマちゃんもスーさんも良識が欠落しつつある。つまらないバカ騒ぎが増えた。『男はつらいよ』の寅さんとタコ社長の喧嘩に較べると、どうも品がない。この違いの要因を考えているが、まだハッキリしない。そのうち思い至ることがあるだろう。
ま、ギリギリ大人の鑑賞にたえる作品に仕上がっていた。

ちなみに本作品は、第44作『男はつらいよ／寅次郎の告白』と同時上映だった。

オススメ！

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最初からストーリーがバレバレなありがちなお話でしたが
そこは浜ちゃんスーさんパワーで盛り上げ盛り上げ♪
愉快な出産シーンなどもあり、爆笑でした。