死んでもいい

　『フリーズ・ミー』『ＧＯＮＩＮ』『ＧＯＮＩＮ２』『人が人を愛することのどうしようもなさ』『夜がまた来る』・・・ここ半年くらいの間に観た石井隆監督作。ここまでくると、ともかく観られる石井監督作は全部観てみようかという気になりまして、この大竹しのぶ＆永瀬正敏の『死んでもいい』を観てみました。
　とりあえず・・・何と言えばいいのでしょう。長回しが多いんです。ただしそれらは例えば『ザ・プレイヤー』『ブレイキング・ニュース』『カミュなんて知らない』（とりあえず思いついたやつだけ）などのように、カメラを縦横に動かして撮ったようなものでなく、基本的に固定もしくは直線的に役者を追いかけるだけの、その殆どを役者に委ねたようなカットばかり。それが良いとか悪いとかってのはないんですが、チャプター画面にわざわざ「長回し」と表記して「長回し」をやけに強調しているのがあざといというか何というか。そんなに強調するほど際立っているとは思えないもんで。ただ、長回しを委ねられた役者、大竹しのぶと永瀬正敏は段取りを感じさせない自然な演技で応えていて、これは流石やなあと思いました。
　また、大竹しのぶは当時３５歳くらいでしょうか。とびきりの美人だとか色気があるとかいうふうには普段思わなかったのですが、永瀬正敏とのベッドシーン（ここも一応長回し）で、だんだんと喘ぐ声が大きくなってくる姿に「女」であることを見せつけられたようでドキッとしてしまいました。
　ただ、映画全体でいうと、「不倫の果ての救われない末路」を描いたものでとにかくラストは気が滅入ります。永瀬正敏演じる青年、信が人妻である名美（大竹しのぶ）に惚れてしまうというのは男として共感の範疇にありますが、途中からの行動は到底共感できるものではなく嫌悪感すら覚えてしまいます。実は前半は、ちょっとええかなと思いながら観ていたのですが、最終的に観終わった後に残ったのは、なんともいえない後味の悪さだけでした。あまりにも室田日出男が哀れやないかい！


　・・・へこたれずに次、『ヌードの夜』を観ます・・・。

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１０ヶ月ぶりの邦画のエロ見レビューです。
これやると“お気に入り登録してくれてる人”が減るんですよね〜
“５００レビュー達成記念”という事でお許し下さい。^^

大竹しのぶ　のエロ見です。

・チャプタ７
永瀬正敏が大竹しのぶを襲い、大竹しのぶが『鍵閉めてきて』と言うシーン。何も見えないが、エロい

・チャプタ８
永瀬正敏と大竹しのぶのシーツに包まっての絡み。０．３秒見える。

大竹しのぶの演技の上手さに改めて感心しました。エロく無い人なのにエロく見える。

このころの大竹しのぶって、なんか艶があるし、永瀬正敏は若くて無茶な感じ。
大竹しのぶと永瀬正敏で不倫の組み合わせってどうなんだろう？と思っていたけど、観ていると惹かれあう二人の演技力が怖いくらいだった。

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これは「郵便配達は二度ベルを鳴らす」（あー、タイトル長い）でしょう。

それなら大竹さんにセクシーな悪女の魅力がないと、永瀬君が色恋にトチ狂って犯罪までいくモチベーションが保てない。

大竹さんも永瀬君も若い。若い魅力はありますが、大竹さんに若い男が引きつけられるようなセクシーさは…　奇麗ですけど…

一瞬映る永瀬君のかわいい顔のアップは、彼のあどけなさが出ていますが、それが後半の犯罪に結びつかない。

二人が引き寄せられる必然は、多少説明的で、でもまあ、わかりますが、旦那を殺すまでの激しさとか、ねちっこい情念は感じられなかった。
木場のシーンは哀愁があっていいのですが、どこにもブルースが聞こえないのです。

石井隆監督は、まとめるのは上手いから、見終えるとそれなりに良かったように感じます。
それと石井作品は、今では脱がないようなベテラン女優さんが、若い時にお脱ぎになってるのでつい手が出てしまう。

この作品では、一瞬だけ大竹さんの胸が見えますが、それ目当てだとつまんないです。

ところで、今の日本で、悪女ができそうな女優さんといったら。
夏木マリさんとか…　
米倉涼子さんは少しやってますが、どうでしょう。
若手では、柴崎コウさんならできそうな気がします。

日本には妖艶な悪女というものは、昔の歌舞伎や浄瑠璃の世界にはいたかもしれませんが、今では、佐渡のトキなみでしょうか。

最近、とみに気弱でいい人ばかりの映画が目立ちますが、もっと思い切った悪の魅力が出せる役者さんよやそういう辛口映画にお目にかかりたい。
目力（めじから）と中身のある女優さんにもっと挑戦してもらいたい分野です。

なんかなー。浅はかだとも思うし、当然だとも思うし、
人間なんてもろいとも思うし、怖いとも思いました。この映画を観て。
今は亡き室田さんも若いな。
永瀬くんは無茶なことする役で、無茶しすぎではあります。
当時のほうが、この映画を観て受ける、いろんな意味での衝撃は大きかったかと思います。
今の時代、こんなことが起きても驚かないというか、現にありそうだし。

こんなに永瀬くんのお尻が見られる映画はほかにないと思います（笑）