フランダースの犬　劇場版

１９７５年に放送されたアニメ「フランダースの犬」を観た事がありませんでした。
なんとなくのキャラやストーリーぐらいは知ってたけど。
そんな状態で初めて観た、この劇場版。
もう１５、６年前の話です。
涙が止まりませんでした。
涙が枯れませんでした。
ネロに。
パトラッシュに。
なぜそこまでに・・・・
どうして運命は・・・・・
どうして大人はわかってくれないんだ・・・
どうして助けてくれないんだ・・・
特に終盤は画面が見えなくなるほどに泣き続けました。
もう嗚咽です。
悲しくて。
悲しくて。
ただひたすらに悲しくて。
それなのにネロはあたたかくて。
パトラッショはあたたかくて。
あんな小さな二つの命が。
後々まで彼らの周りの人々の心を照らす灯りになるように。
この物語が教えてくれること。
それを肝に銘じて生きていきたい。
そう思わせる素晴らしい作品だと思います。
なりたくない大人の見本。
なりたい大人の見本。
こんな気持ちを持っていたいという見本。
それに大人も子供もありません。

浅井健一率いるSHERBETSの曲に「moon light river」というのがあります。
浅井さんはその曲でこう歌っています。

♪悲しいときはいい　それだけ心がキレイに近づくからさ

ハっとしました。
ズシンと響きました。
そしてやはり悲しくなりました。
そのとおりだからです。
きっと、ボクの心も「フランダースの犬」を観てるときは、とても「キレイ」に近づいていたんだと思います。
と、同時に「見ていない状態では？」という疑問もわいてきます。
自問自答。
自分を省みる。
きれいなこころ。
そんな宝物を持っている人でありたいですね。

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　知人から「子供の頃、フランダースの犬の読書感想文を書いたことがある」と聞き、私は一度も読んだことがなく、話しに付いていけませんでした。読書は苦手だし、でもタイトルは有名なので、あらすじくらいは知っておこうと思い、手っ取り早い方法として、映画版で借りてみました。
　なんて悲しい物語だろうと思いました。ネロ少年は何ひとつも悪いことはしていないのに、こんなにも艱難辛苦が次々と降りかかり、いや、必ず救いだってあるはずだとの観客の淡い期待さえ、流れる水のように消えてしまうのです。
　これをどう受けとめれば良いのか。ルーベンスの絵画を頂点として、なにか神のような見えない存在を信じなければ、この物語の説明ができません。そういう意味では、子供向けの物語というより、年齢を問わず観るべき崇高な、あるいは解釈がむずかしい物語といっても良いのかもしれません。
　ネロ少年は１５歳ほどなのになぜあれほどルーベンスの宗教絵画を崇拝できるのか。おじいさんの信仰心に影響されたのか、それとも少年自身から自然に生まれた気持ちなのか、神童のようで不思議でもあります。

　もっとも印象に残ったのは、弱ったおじいさんと一緒に食事をするときの晩です。「うれしいな。なんだかとっても幸せな気分だ」
　家族や愛する人と食事ができる時間を、幸せと感じるこのセリフに、私はスッと自然に共感することができました。それはふつうのことかも知れませんが、何でもない日常に幸せがあるのだと思わせられました。
　おそらく泣ける映画ベストいくつかに入る映画ではないでしょうか。
　私は凡人だからこの映画のネロ少年を見ていると、”正直者が馬鹿をみる”の感想を持ってしまったので、読書感想文を書いたら０点でしょうね。★★★★★

これは辛い。これがネロ少年の人生だとしたら、救いはあるのか。
こぎたない大人たち。
ラストシーンが救いなのか。

でも、それではあまりにも残酷だ。わたしの人生なら、納得いかない。
今のキラキラアニメを見ていると、能天気すぎてちゃらすぎてついていけない。
ただ、この頃の古いアニメって、あまりに境遇がひどかったり悲惨すぎるものが多くて重苦しい気分になる。