紳士協定 / グレゴリー・ペック
紳士協定
/エリア・カザン
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解説・ストーリー
ユダヤ人差別をテーマにし、アカデミー作品・監督・助演女優賞(セレステ・ホルム)を得た骨太な作品。監督は「ブルックリン横丁」などで知られる名匠エリア・カザン。一人のジャーナリストが、アメリカの反ユダヤ主義を調査するため、自らユダヤ人と偽って取材をする。ユダヤ人の立場になって初めて分かる様々な差別。出版社自体にも存在する偏見と闘いながら、真の正義を追求していく姿を感動的に描く。
ユダヤ人差別をテーマにし、アカデミー作品・監督・助演女優賞(セレステ・ホルム)を得た骨太な作品。監督は「ブルックリン横丁」などで知られる名匠エリア・カザン。一人のジャーナリストが、アメリカの反ユダヤ主義を調査するため、自らユダヤ人と偽って取材をする。ユダヤ人の立場になって初めて分かる様々な差別。出版社自体にも存在する偏見と闘いながら、真の正義を追求していく姿を感動的に描く。
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「紳士協定」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
ユダヤ人差別をテーマにし、アカデミー作品・監督・助演女優賞(セレステ・ホルム)を得た骨太な作品。監督は「ブルックリン横丁」などで知られる名匠エリア・カザン。一人のジャーナリストが、アメリカの反ユダヤ主義を調査するため、自らユダヤ人と偽って取材をする。ユダヤ人の立場になって初めて分かる様々な差別。出版社自体にも存在する偏見と闘いながら、真の正義を追求していく姿を感動的に描く。
「紳士協定」 の作品情報
「紳士協定」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
紳士協定の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
119分 |
日本語・英語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語 2:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
FXBR1077 |
2002年12月18日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
12枚
|
0人
|
0人
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
2:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
紳士協定の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
119分 |
日本語・英語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語 2:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
FXBR1077 |
2002年12月18日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
12枚
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1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
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ユーザーレビュー:19件
生真面目すぎて退屈
投稿日:2006/03/25
レビュアー:吟遊旅人
ユダヤ人差別問題を真正面からとりあげた社会派作品。真正面から。そう、あまりにも真正面から。あまりにも生真面目に。おもしろみもなく。この映画の最大の欠点はユーモアがないこと。さらに言えば、「正義」が大手を振って歩いている堅苦しさが退屈を生んでいることだ。
ユダヤ人の振りをすることによって自ら被差別体験をしようという発想そのものにわたしは大いに胡散臭いものを感じるし、「僕は差別を憎む」「差別されている者の前で傍観することは差別に荷担したことになる」ともっともな意見を眉間に皺寄せて言われると、いかに男前のグレゴリー・ペックにでも、「ちょっと待ってよ」と言いたくなる。フィルの主張はことごとく正しい。あまりにも正しくて、反論の余地はない。けれど、わたしは彼よりも「わたしはユダヤ人を差別しないわ。でも、自分がユダヤ人でなくてよかったと思っている」と言う婚約者キャシーの方に魅力を感じてしまう。いや、魅力というよりも、それが「ふつうの人々」の正直な意見であり、そのような揺らぎをもっときちんと掘り下げていくことによってしか、社会的差別というものはなくならないだろうと思うのだ。
また、差別の実相はいくつかつまびらかになるが、その原因については掘り下げることなく中途半端にお茶を濁す脚本にも不満だ。だからこそ、「差別はいけない」という一般論が空疎に聞こえるのだろう。
生硬な告発の言葉だけでは、きっと世の中は何も変わらない。これに比べれば、同じ「被差別者の振りをする」映画でも、「メルシー!人生」のほうが遙かにおもしろかった。
ユダヤ人資本なしには成り立たないハリウッドらしい作品と言える。ユダヤ人が激しく差別されるこういう時代もあったということを若い人が知ることも意味があると思うが、作品じたいの出来はお奨めできたものではない。
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当時は画期的だったのでしょうが…
投稿日:2005/01/07
レビュアー:ケチケチ
今の時代に見ると、やっぱり古くささと嫌みを感じてしまいます。47年という時代にユダヤ人差別を問題定義した映画としては、画期的なものだったでしょうし、当時としては珍しいヒロインが結婚に失敗した女性という設定も、この時代の偏見を描くストーリーを支えるための材料だったのだと思います。社会問題を扱うにも物語の基本の骨組みがラブストーリーなのもこの時代らしさでしょうか。重要なことは台詞で語っていた時代の映画ですから、正義を押しつけられる感じがするのも目をつぶって見る必要があるかもしれません。
映画が語るのは、主人公フィル(グレゴリー・ペック)の婚約者であるキャシー(ドロシー・マクガイア)に代表される、普通の人々が抱く差別心です。直接的に差別を行う人間ばかりが問題ではなく、真の問題は差別を目の当たりにして見て見ぬふりをすること、自分は圏外だという立場を取る人々だとこの映画は語ります。映画は問題定義のレベルで終わってしまいますが、現代の感覚でこの映画を作るなら、このキャシーの感覚をもっと掘り下げる必要があるのではないかと思います。そのあたりまで踏み込んでいるのが、スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」でしょう。
映画終盤、自らの差別を知ったキャシーの行動を受けて、フィルの母親が「急に長生きしたくなってきた」と語り出します。「来世紀は冷戦も原爆もない世界かもしれない。世界中の人が自由に一緒に生きてるの」この台詞は、21世紀の現代だからこそ、より一層虚しく感じられました。
この映画、日本では88年まで劇場未公開だったそうです。単一民族の日本人にとっては縁のない物語という判断だったのでしょうか。半世紀以上も前の映画ですから、現代の感覚で見れば、古くささと踏み込みの甘さを感じてしまいますが、当時としては画期的な映画だったのだろうと思います。5段階評価は、3。
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私は作品に拍手を送る
投稿日:2013/04/15
レビュアー:趣味は洋画
監督のエリア・カザンは著名な監督で、彼の生い立ちや信条的なものにはあえて触れませんが、この作品は「反ユダヤ主義」に対して果敢な挑戦を行ったジャーナリストの姿を通し、当時のアメリカの恥部をえぐりだした勇気ある作品です。にもかかわらず、作品に批判的なコメントが多いのは残念です。当時のアメリカには「非米活動委員会」なるものがあり、多くの映画人が影響を受けている事実があります。アメリカに限らず、どの国にも、その時代によって様々な問題を抱えていた歴史があり、それを理解する(勉強できる)手段として、「映画」は欠かせません。受け止め方は人それぞれですが...私は正直に言って、この作品に心から拍手を送ります。 アカデミー賞関係では、まず作品賞と監督賞を受賞。ノミネートには主演男優でG・ペック、主演女優にD・マクガイア、助演女優にA・リヴェアの名がありますが、やっぱりキラリと光っているのは、助演女優賞を受賞したセレステ・ホルムでしょう。 ユダヤ人のデヴィッドを演じたジョン・ガーフィールドは、1952年に39歳の若さで心臓病で死去。子役のトミーを演じているのは、後に名優となるディーン・ストックウェルです。
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ホロコースト映画について その2
(ネタばれあり)
古代から今にいたるまでユダヤ人が迫害された歴史は長いけれども、近代以降、ユダヤ人の活躍と社会進出には目覚ましいものがあります。 逆にだからこそか、一方での反ユダヤ主義の規模と激しさも増していきました。
映画史においてもそうで、創作から産業にいたるまで、ユダヤ人の活躍と存在感は大きい一方、たとえばアメリカではハリウッドが長年反ユダヤ主義からの攻撃の対象となってきました。
ドイツでナチスが台頭する以前、第一次世界大戦から1930年代にいたるまでの時期、すでにアメリカでは自動車王ヘンリー・フォードやカトリック教会などからの反ユダヤ主義が力を持っていて、ユダヤ人が多いハリウッドの映画会社経営陣はむしろなるべく刺激しないように、矛先を避けてきたようです。
それでもナチス台頭後の1937年『 ゾラの生涯 』がアカデミー作品賞を獲るのは、反ユダヤ主義に対抗するハリウッド映画人の意思の表れと言えます。
しかし第二次大戦がはじまり、アメリカが中立政策を取っていた間は、ヘイズ・コードはイギリスを贔屓しすぎず、ドイツをあまり刺激しすぎない「 公平中立 」を求めます。
当時駐英大使でRKOの経営者だったジョゼフ・ケネディ(JFKの父親)もそういう立場だったようです
ですのでチャップリンが1940年『 独裁者 』を撮る時には、制作前から周囲は難色を示し、圧力を受けたようです。 公開できたのは、彼が配給会社ユナイテッド・アーチスツを持っていたからです。
もっともチャップリンは後年自伝の中で、当時強制収容所の深刻な実態を知らなかった、知っていたら恐ろしくて果たして撮ったかはわからない、と述べています。
アメリカが参戦すると一転して状況が変わり、戦意高揚映画でドイツは敵として描かれます。
当時の時代の空気を表すエピソード。
モデルだったローレン・パコールはハワード・ホークス夫人に見出され、1944年ハワード・ホークス作品『 脱出 』で女優となり、スターになります。
差別を恐れてユダヤ人であることを公表していなかった彼女は、彼女にとっては恩師のホークスが撮影時に発した反ユダヤの発言に凍り付きます。
ハンフリー・ボガートと恋仲になった彼女は、破局になる恐怖を感じながら、必死の覚悟でカミングアウトし、それがどうしたと答えたボギーの言葉に感激し、二人は結婚しました。
第二次大戦が終わり、イタリア・リアリズムのみならず世界中の映画界が、平和な新しい時代をつくる希望と意欲に燃えていたわけですが、冷戦を背景に赤狩りが始まり、保守派からリベラルへの激しい突き上げがなされていきます。
( つづく )
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気恥ずかしい
投稿日:2010/08/23
レビュアー:忙中有閑
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
テーマが「反ユダヤ主義」となっているので、最近ちょっと内田樹センセの本で興味を持っていたので借りました。確かに「反ユダヤ主義」を告発するジャーナリスト(グレゴリー・ペック」のオハナシですが、テーマは別でしたね。
(1)正義を「理解」するだけで「悪と闘う」ことをしないヒトは「悪」と同等、又はそれ以上に悪質である。
(2)結婚に必要なのは「愛」でも「理解」でも無い。共に「悪」と闘う「同志」となる「覚悟」である。
1947年、マッカーシズム以前の左翼的理想主義全盛期にその旗手の一人であったエリア・カザンの作品とは言え、私が高校から大学へ入る頃(1970年前後)にヘルメット被ってタオルで顔を隠しゲバ棒振りまわしてた先輩たち(後に「団塊の世代」と呼ばれる連中)の口調そのまんまで観ていて顔が赤くなりました。しかしこの映画、アカデミー作品賞取ってるんですね。アメリカも日本も経済の調子が好い時期には理想主義が罷り通るんですねぇ。
ただ、上記した2つの命題は気恥ずかしさをちょっと抑えてよく考えてみると、「真なり」とは言えないまでも「偽なり」と言い切るのはそれほど簡単ではありません。現代ではこんなことをマトモに人に問いかけて来るヤツはいませんから、考えることも無いでしょうけど。「何が正義で何が悪なのか分からない」ので「闘う」相手も「分からない」から命題そのものが無意味、とでも答えますかね?
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3人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
生真面目すぎて退屈
投稿日
2006/03/25
レビュアー
吟遊旅人
ユダヤ人差別問題を真正面からとりあげた社会派作品。真正面から。そう、あまりにも真正面から。あまりにも生真面目に。おもしろみもなく。この映画の最大の欠点はユーモアがないこと。さらに言えば、「正義」が大手を振って歩いている堅苦しさが退屈を生んでいることだ。
ユダヤ人の振りをすることによって自ら被差別体験をしようという発想そのものにわたしは大いに胡散臭いものを感じるし、「僕は差別を憎む」「差別されている者の前で傍観することは差別に荷担したことになる」ともっともな意見を眉間に皺寄せて言われると、いかに男前のグレゴリー・ペックにでも、「ちょっと待ってよ」と言いたくなる。フィルの主張はことごとく正しい。あまりにも正しくて、反論の余地はない。けれど、わたしは彼よりも「わたしはユダヤ人を差別しないわ。でも、自分がユダヤ人でなくてよかったと思っている」と言う婚約者キャシーの方に魅力を感じてしまう。いや、魅力というよりも、それが「ふつうの人々」の正直な意見であり、そのような揺らぎをもっときちんと掘り下げていくことによってしか、社会的差別というものはなくならないだろうと思うのだ。
また、差別の実相はいくつかつまびらかになるが、その原因については掘り下げることなく中途半端にお茶を濁す脚本にも不満だ。だからこそ、「差別はいけない」という一般論が空疎に聞こえるのだろう。
生硬な告発の言葉だけでは、きっと世の中は何も変わらない。これに比べれば、同じ「被差別者の振りをする」映画でも、「メルシー!人生」のほうが遙かにおもしろかった。
ユダヤ人資本なしには成り立たないハリウッドらしい作品と言える。ユダヤ人が激しく差別されるこういう時代もあったということを若い人が知ることも意味があると思うが、作品じたいの出来はお奨めできたものではない。
当時は画期的だったのでしょうが…
投稿日
2005/01/07
レビュアー
ケチケチ
今の時代に見ると、やっぱり古くささと嫌みを感じてしまいます。47年という時代にユダヤ人差別を問題定義した映画としては、画期的なものだったでしょうし、当時としては珍しいヒロインが結婚に失敗した女性という設定も、この時代の偏見を描くストーリーを支えるための材料だったのだと思います。社会問題を扱うにも物語の基本の骨組みがラブストーリーなのもこの時代らしさでしょうか。重要なことは台詞で語っていた時代の映画ですから、正義を押しつけられる感じがするのも目をつぶって見る必要があるかもしれません。
映画が語るのは、主人公フィル(グレゴリー・ペック)の婚約者であるキャシー(ドロシー・マクガイア)に代表される、普通の人々が抱く差別心です。直接的に差別を行う人間ばかりが問題ではなく、真の問題は差別を目の当たりにして見て見ぬふりをすること、自分は圏外だという立場を取る人々だとこの映画は語ります。映画は問題定義のレベルで終わってしまいますが、現代の感覚でこの映画を作るなら、このキャシーの感覚をもっと掘り下げる必要があるのではないかと思います。そのあたりまで踏み込んでいるのが、スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」でしょう。
映画終盤、自らの差別を知ったキャシーの行動を受けて、フィルの母親が「急に長生きしたくなってきた」と語り出します。「来世紀は冷戦も原爆もない世界かもしれない。世界中の人が自由に一緒に生きてるの」この台詞は、21世紀の現代だからこそ、より一層虚しく感じられました。
この映画、日本では88年まで劇場未公開だったそうです。単一民族の日本人にとっては縁のない物語という判断だったのでしょうか。半世紀以上も前の映画ですから、現代の感覚で見れば、古くささと踏み込みの甘さを感じてしまいますが、当時としては画期的な映画だったのだろうと思います。5段階評価は、3。
私は作品に拍手を送る
投稿日
2013/04/15
レビュアー
趣味は洋画
監督のエリア・カザンは著名な監督で、彼の生い立ちや信条的なものにはあえて触れませんが、この作品は「反ユダヤ主義」に対して果敢な挑戦を行ったジャーナリストの姿を通し、当時のアメリカの恥部をえぐりだした勇気ある作品です。にもかかわらず、作品に批判的なコメントが多いのは残念です。当時のアメリカには「非米活動委員会」なるものがあり、多くの映画人が影響を受けている事実があります。アメリカに限らず、どの国にも、その時代によって様々な問題を抱えていた歴史があり、それを理解する(勉強できる)手段として、「映画」は欠かせません。受け止め方は人それぞれですが...私は正直に言って、この作品に心から拍手を送ります。 アカデミー賞関係では、まず作品賞と監督賞を受賞。ノミネートには主演男優でG・ペック、主演女優にD・マクガイア、助演女優にA・リヴェアの名がありますが、やっぱりキラリと光っているのは、助演女優賞を受賞したセレステ・ホルムでしょう。 ユダヤ人のデヴィッドを演じたジョン・ガーフィールドは、1952年に39歳の若さで心臓病で死去。子役のトミーを演じているのは、後に名優となるディーン・ストックウェルです。
ホロコースト映画について その2
投稿日
2020/01/28
レビュアー
ロキュータス
(ネタばれあり)
古代から今にいたるまでユダヤ人が迫害された歴史は長いけれども、近代以降、ユダヤ人の活躍と社会進出には目覚ましいものがあります。 逆にだからこそか、一方での反ユダヤ主義の規模と激しさも増していきました。
映画史においてもそうで、創作から産業にいたるまで、ユダヤ人の活躍と存在感は大きい一方、たとえばアメリカではハリウッドが長年反ユダヤ主義からの攻撃の対象となってきました。
ドイツでナチスが台頭する以前、第一次世界大戦から1930年代にいたるまでの時期、すでにアメリカでは自動車王ヘンリー・フォードやカトリック教会などからの反ユダヤ主義が力を持っていて、ユダヤ人が多いハリウッドの映画会社経営陣はむしろなるべく刺激しないように、矛先を避けてきたようです。
それでもナチス台頭後の1937年『 ゾラの生涯 』がアカデミー作品賞を獲るのは、反ユダヤ主義に対抗するハリウッド映画人の意思の表れと言えます。
しかし第二次大戦がはじまり、アメリカが中立政策を取っていた間は、ヘイズ・コードはイギリスを贔屓しすぎず、ドイツをあまり刺激しすぎない「 公平中立 」を求めます。
当時駐英大使でRKOの経営者だったジョゼフ・ケネディ(JFKの父親)もそういう立場だったようです
ですのでチャップリンが1940年『 独裁者 』を撮る時には、制作前から周囲は難色を示し、圧力を受けたようです。 公開できたのは、彼が配給会社ユナイテッド・アーチスツを持っていたからです。
もっともチャップリンは後年自伝の中で、当時強制収容所の深刻な実態を知らなかった、知っていたら恐ろしくて果たして撮ったかはわからない、と述べています。
アメリカが参戦すると一転して状況が変わり、戦意高揚映画でドイツは敵として描かれます。
当時の時代の空気を表すエピソード。
モデルだったローレン・パコールはハワード・ホークス夫人に見出され、1944年ハワード・ホークス作品『 脱出 』で女優となり、スターになります。
差別を恐れてユダヤ人であることを公表していなかった彼女は、彼女にとっては恩師のホークスが撮影時に発した反ユダヤの発言に凍り付きます。
ハンフリー・ボガートと恋仲になった彼女は、破局になる恐怖を感じながら、必死の覚悟でカミングアウトし、それがどうしたと答えたボギーの言葉に感激し、二人は結婚しました。
第二次大戦が終わり、イタリア・リアリズムのみならず世界中の映画界が、平和な新しい時代をつくる希望と意欲に燃えていたわけですが、冷戦を背景に赤狩りが始まり、保守派からリベラルへの激しい突き上げがなされていきます。
( つづく )
気恥ずかしい
投稿日
2010/08/23
レビュアー
忙中有閑
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テーマが「反ユダヤ主義」となっているので、最近ちょっと内田樹センセの本で興味を持っていたので借りました。確かに「反ユダヤ主義」を告発するジャーナリスト(グレゴリー・ペック」のオハナシですが、テーマは別でしたね。
(1)正義を「理解」するだけで「悪と闘う」ことをしないヒトは「悪」と同等、又はそれ以上に悪質である。
(2)結婚に必要なのは「愛」でも「理解」でも無い。共に「悪」と闘う「同志」となる「覚悟」である。
1947年、マッカーシズム以前の左翼的理想主義全盛期にその旗手の一人であったエリア・カザンの作品とは言え、私が高校から大学へ入る頃(1970年前後)にヘルメット被ってタオルで顔を隠しゲバ棒振りまわしてた先輩たち(後に「団塊の世代」と呼ばれる連中)の口調そのまんまで観ていて顔が赤くなりました。しかしこの映画、アカデミー作品賞取ってるんですね。アメリカも日本も経済の調子が好い時期には理想主義が罷り通るんですねぇ。
ただ、上記した2つの命題は気恥ずかしさをちょっと抑えてよく考えてみると、「真なり」とは言えないまでも「偽なり」と言い切るのはそれほど簡単ではありません。現代ではこんなことをマトモに人に問いかけて来るヤツはいませんから、考えることも無いでしょうけど。「何が正義で何が悪なのか分からない」ので「闘う」相手も「分からない」から命題そのものが無意味、とでも答えますかね?
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