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わが命つきるとも / ポール・スコフィールド

わが命つきるとも /フレッド・ジンネマン

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映画賞受賞作品

旧作

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解説・ストーリー

16世紀のイギリスを舞台に、権力に屈しなかったトーマス・モアの半生を描いた歴史ドラマ。時の国王ヘンリー8世は、王妃と離婚して別の女性と結婚しようとしていた。だが、トーマス・モアは、断固としてこれに反対、ついに国王の怒りを買ってしまう……。重厚なキャストと、絵画のような映像に支えられた堂々たる作品で、アカデミー作品・監督・主演男優(P・スコフィールド)・脚色・撮影・衣装デザインなど主要なオスカーを総嘗めにした秀作。

作品情報

製作年:

1966年

製作国:

アメリカ

原題:

A MAN FOR ALL SEASONS

受賞記録:

1966年 アカデミー賞 作品賞
1966年 ゴールデン・グローブ 作品賞(ドラマ)
1966年 NY批評家協会賞 作品賞

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「わが命つきるとも」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

16世紀のイギリスを舞台に、権力に屈しなかったトーマス・モアの半生を描いた歴史ドラマ。時の国王ヘンリー8世は、王妃と離婚して別の女性と結婚しようとしていた。だが、トーマス・モアは、断固としてこれに反対、ついに国王の怒りを買ってしまう……。重厚なキャストと、絵画のような映像に支えられた堂々たる作品で、アカデミー作品・監督・主演男優(P・スコフィールド)・脚色・撮影・衣装デザインなど主要なオスカーを総嘗めにした秀作。

「わが命つきるとも」 の作品情報

作品情報

製作年:

1966年

製作国:

アメリカ

原題:

A MAN FOR ALL SEASONS

受賞記録:

1966年 アカデミー賞 作品賞
1966年 ゴールデン・グローブ 作品賞(ドラマ)
1966年 NY批評家協会賞 作品賞

「わが命つきるとも」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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1〜 5件 / 全15件

「孤高の人」トマス・モアを通して描く「魂の自由」のドラマ ネタバレ

投稿日:2010/01/12 レビュアー:ロキュータス

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

フレッド・ジンネマンは、不条理に逆らい、不利な状況にも意地と反骨をつらぬこうとする者たちを描いてきた映画監督です。

孤立無援で悪に立ち向かう保安官、理不尽な軍隊組織の中で人間らしくあろうとした下級兵士、信仰と教会のありように苦悩する尼僧、罠を承知で意地を通す革命闘士、一匹狼の暗殺者、ナチズムと闘う女たちを。

本作は原題「A Man for All Seasons」(すべての季節の男 つまり順風な時も逆境でも変わらない人)。

絶対君主ヘンリー八世が離婚しローマ教会から離脱して英国国教会の長なることに抵抗して処刑された「孤高の人」トマス・モアを描きますが、狂信者、宗教の恐ろしさを描いた話ではないです。

彼は港のマリーさんがレビューに書かれたように「信仰に殉じたのではなく、自己自身に殉じた」男です。
その生涯を描いたというより、トマス・モアに仮託して「心の自由」とは何か、「個人の尊厳」とは何かを描いた作品と言えましょう。

力あるものは、時に恣意的に決めた事柄に従わない者を敵と見なす仕掛けに人々を参加させ、支配しようとします。
そうした力の乱用に対抗するよりどころが法ですが、法も権力は恣意的に変えます。

では最終的に、善悪や権利のよりどころは、近代ならば自然法ですが、この時代では神ですね。  権力者も自分も超越している存在としての神をよりどころに、心の自由を闘う男の話です。

親をホロコーストで殺され、自身も赤狩りで苦しんだリベラルなドイツ出身のユダヤ系アメリカ人のジンネマンの、これも代表作の一つでしょう。

原作戯曲・脚色はロバート・ボルト。
1960年に本作を発表、ロンドン公演の好評から依頼されて初めて脚本を書いた作品が『アラビアのロレンス』。  以後、テビッド・リーン作品を書いていきます。

さらにブロードウェイでの成功を経て本作は映画化されアカデミー賞の作品賞・脚色賞を獲り、舞台・映画でずっとトマス・モアを演じてきたポール・スコフィールドが主演男優賞に。 (ぼくが初めて観たのはテレビで、吹替をしたのは小山田宗徳でした。)

さて、舞台劇と映画は少し違います。
舞台では平民マシューという役が狂言回しとして大きな役割を果たします。
(後にチャールトン・へストンが、戯曲により近い形でテレビ・ドラマを制作し、トマス・モアを演じました。 
夫人役はこの映画でアン・ブーリンを演じたヴァネッサ・レッドグレーヴでした)

平民マシューは、最初はトマス・モアの召使でしたが彼の失脚で暇を出されます。
お偉い人たちの横暴さ、わが身の不運、モアの頑固さを影で毒づきながら、保身のために日和見となり、その後牢番、陪審員となって行きます。 
舞台上の抽象的な役割なので、モアは接しているマシューの変化に気づきません。
(映画化に際しては、作者ボルト自身が向かない設定としてカットしました。)

劇の最後、トマス・モアは首斬り役人に、
「さあ、おそれずに職務を果たしてくれ。 この私を神のみもとに送る仕事なのだから」と告げて、処刑されます。
首斬り役人が自ら覆面を剥ぐと、それはマシューでした。
「 あたしは息をしている・・・・・みなさんも息をしてるでしょうね?
 いいもんじゃありませんか、息をしてるってことは?
 生きてくことは別にむつかしいことじゃない・・・ただトラブルをおこさなきゃいいんです。  
 どうしても起こすはめになったら、当然予期されてるようなトラブルにしておくんですな。
  ま、そんなことは申し上げなくてもよくご存知でしょうがね。
  では、おやすみなさいまし。 
  もしあたしたちがどこかで鉢合わせしたら、どうかこの顔をお忘れなく」

自嘲にみちた、勝手気ままな、憂いを含んだ表情で 幕が降りる。 (小田島雄志・訳)

今、私たちの「心の自由」は大丈夫でしょうか。

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そこまで信仰に忠実で命も厭わない、という人が信じられない

投稿日:2009/07/15 レビュアー:bokensdorf

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信念を貫きたまえ、…確か「友愛」だったね。 ネタバレ

投稿日:2009/11/05 レビュアー:港のマリー

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 と、わが総理大臣閣下にトーマス・モアはアドバイスするでしょうか。友人ノーフォーク公に語ったように。

 国王及びその取り巻きの言うことをきかなければ、ほんとうに首が飛ぶ(斧で叩き切られる)時代、己の心の譲れぬ一線を守り通して処刑された男の物語。「重厚」とのイントロダクションの評、間違ってはいませんが、ジンネマン演出は抑制が重ねられているようで決して昂ぶりません。最後の瞬間まで端正で無駄な重さがありません。安定した背景に対話する人物を配置する構図は舞台劇のようですが、表情のアップを巧みに取り入れて映画ならではの説得力をもたせています。P・スコフィールドの、とても英雄や聖人とは思えない、どこか疲れたような、こんなことはうんざりだというような、風貌、演技もとてもよかった。モアのなかにある「近代人の特性」、本音と建て前、公と私の分裂に苦しむ、に着目した魅力的な人物造形であると思います。

 さて、モアはヘンリー8世の離婚とアン・ブーリンとの再婚を認める「王位継承法」と国王を英国国教会の長と定める「国王至上法」に賛同しないかどで政敵クロムウェルらに追及されるのですが、それに抗して彼のとる戦術がおもしろい。「沈黙」なのです。王の離婚についてもローマ教会からの分離独立についても、もちろん内心では絶対に許し難いと思っているのですが、何も語らない。これらの法のもとで「誓うか」と問われれば「誓わない」と答えても、その訳は言わない。おまけに「宣誓しないという理由で裁くことはできないだろう」とやり返す。
「沈黙だけが私の安全を守る道なのだ」(これ使えそう)
クロムウェルに「沈黙は否定を意味する」と突っこまれれば、法律家らしく「ふつう法廷では沈黙は承認とみなされる」と鮮やかに切り返す。「法は推測ではなく真実を要求する」もいい言葉です。
 ロバート・ボルトの脚本はウィットに富んで名言もいっぱい、久しぶりに台詞を堪能する映画に出会いました。

 公の場では沈黙と法律家の答弁で終始しても、モア個人の心のうちでは誰にも消すことのできない炎が燃えさかっていました。カトリックへの篤い信仰がそれと言えるのですが、私が映画から得た印象では、信仰そのものより「信仰を貫く自分自身」への執着を強く感じました。信仰に殉じたのではなく、自己自身に殉じたのではないかと。
 真に神だけを求めたならば人里離れた修道院で祈りの生活を送ることもできたでしょうに、モアは欲望渦巻く俗世で大法院の地位にまで上りつめた。それなりの身の処し方を知っていたわけです。俗世での役割を演じる自分とそれを厭い神を求める自分。二つは常に葛藤している。最後は後の方自分を選んだわけで、宗教への熱狂的な帰依者とはひと味違う、どこまでも自分を棄てられない近代人の自意識を感じたのでした。

 最後の弁論、「キリスト教徒を法の力で屈服させることはできない」と、自己の良心を聖域として守り抜き、「生き得ぬ世なら生きようとは思わん」と世の中の方を拒否する。これぞ最高の「自己実現」だと、喝采しました。

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名画です

投稿日:2006/11/19 レビュアー:横浜のタマ

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生き様の美学・映像の美学

投稿日:2008/04/23 レビュアー:momo-eime

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ユーザーレビュー:15件

「孤高の人」トマス・モアを通して描く「魂の自由」のドラマ

投稿日

2010/01/12

レビュアー

ロキュータス

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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フレッド・ジンネマンは、不条理に逆らい、不利な状況にも意地と反骨をつらぬこうとする者たちを描いてきた映画監督です。

孤立無援で悪に立ち向かう保安官、理不尽な軍隊組織の中で人間らしくあろうとした下級兵士、信仰と教会のありように苦悩する尼僧、罠を承知で意地を通す革命闘士、一匹狼の暗殺者、ナチズムと闘う女たちを。

本作は原題「A Man for All Seasons」(すべての季節の男 つまり順風な時も逆境でも変わらない人)。

絶対君主ヘンリー八世が離婚しローマ教会から離脱して英国国教会の長なることに抵抗して処刑された「孤高の人」トマス・モアを描きますが、狂信者、宗教の恐ろしさを描いた話ではないです。

彼は港のマリーさんがレビューに書かれたように「信仰に殉じたのではなく、自己自身に殉じた」男です。
その生涯を描いたというより、トマス・モアに仮託して「心の自由」とは何か、「個人の尊厳」とは何かを描いた作品と言えましょう。

力あるものは、時に恣意的に決めた事柄に従わない者を敵と見なす仕掛けに人々を参加させ、支配しようとします。
そうした力の乱用に対抗するよりどころが法ですが、法も権力は恣意的に変えます。

では最終的に、善悪や権利のよりどころは、近代ならば自然法ですが、この時代では神ですね。  権力者も自分も超越している存在としての神をよりどころに、心の自由を闘う男の話です。

親をホロコーストで殺され、自身も赤狩りで苦しんだリベラルなドイツ出身のユダヤ系アメリカ人のジンネマンの、これも代表作の一つでしょう。

原作戯曲・脚色はロバート・ボルト。
1960年に本作を発表、ロンドン公演の好評から依頼されて初めて脚本を書いた作品が『アラビアのロレンス』。  以後、テビッド・リーン作品を書いていきます。

さらにブロードウェイでの成功を経て本作は映画化されアカデミー賞の作品賞・脚色賞を獲り、舞台・映画でずっとトマス・モアを演じてきたポール・スコフィールドが主演男優賞に。 (ぼくが初めて観たのはテレビで、吹替をしたのは小山田宗徳でした。)

さて、舞台劇と映画は少し違います。
舞台では平民マシューという役が狂言回しとして大きな役割を果たします。
(後にチャールトン・へストンが、戯曲により近い形でテレビ・ドラマを制作し、トマス・モアを演じました。 
夫人役はこの映画でアン・ブーリンを演じたヴァネッサ・レッドグレーヴでした)

平民マシューは、最初はトマス・モアの召使でしたが彼の失脚で暇を出されます。
お偉い人たちの横暴さ、わが身の不運、モアの頑固さを影で毒づきながら、保身のために日和見となり、その後牢番、陪審員となって行きます。 
舞台上の抽象的な役割なので、モアは接しているマシューの変化に気づきません。
(映画化に際しては、作者ボルト自身が向かない設定としてカットしました。)

劇の最後、トマス・モアは首斬り役人に、
「さあ、おそれずに職務を果たしてくれ。 この私を神のみもとに送る仕事なのだから」と告げて、処刑されます。
首斬り役人が自ら覆面を剥ぐと、それはマシューでした。
「 あたしは息をしている・・・・・みなさんも息をしてるでしょうね?
 いいもんじゃありませんか、息をしてるってことは?
 生きてくことは別にむつかしいことじゃない・・・ただトラブルをおこさなきゃいいんです。  
 どうしても起こすはめになったら、当然予期されてるようなトラブルにしておくんですな。
  ま、そんなことは申し上げなくてもよくご存知でしょうがね。
  では、おやすみなさいまし。 
  もしあたしたちがどこかで鉢合わせしたら、どうかこの顔をお忘れなく」

自嘲にみちた、勝手気ままな、憂いを含んだ表情で 幕が降りる。 (小田島雄志・訳)

今、私たちの「心の自由」は大丈夫でしょうか。

そこまで信仰に忠実で命も厭わない、という人が信じられない

投稿日

2009/07/15

レビュアー

bokensdorf

信念を貫きたまえ、…確か「友愛」だったね。

投稿日

2009/11/05

レビュアー

港のマリー

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 と、わが総理大臣閣下にトーマス・モアはアドバイスするでしょうか。友人ノーフォーク公に語ったように。

 国王及びその取り巻きの言うことをきかなければ、ほんとうに首が飛ぶ(斧で叩き切られる)時代、己の心の譲れぬ一線を守り通して処刑された男の物語。「重厚」とのイントロダクションの評、間違ってはいませんが、ジンネマン演出は抑制が重ねられているようで決して昂ぶりません。最後の瞬間まで端正で無駄な重さがありません。安定した背景に対話する人物を配置する構図は舞台劇のようですが、表情のアップを巧みに取り入れて映画ならではの説得力をもたせています。P・スコフィールドの、とても英雄や聖人とは思えない、どこか疲れたような、こんなことはうんざりだというような、風貌、演技もとてもよかった。モアのなかにある「近代人の特性」、本音と建て前、公と私の分裂に苦しむ、に着目した魅力的な人物造形であると思います。

 さて、モアはヘンリー8世の離婚とアン・ブーリンとの再婚を認める「王位継承法」と国王を英国国教会の長と定める「国王至上法」に賛同しないかどで政敵クロムウェルらに追及されるのですが、それに抗して彼のとる戦術がおもしろい。「沈黙」なのです。王の離婚についてもローマ教会からの分離独立についても、もちろん内心では絶対に許し難いと思っているのですが、何も語らない。これらの法のもとで「誓うか」と問われれば「誓わない」と答えても、その訳は言わない。おまけに「宣誓しないという理由で裁くことはできないだろう」とやり返す。
「沈黙だけが私の安全を守る道なのだ」(これ使えそう)
クロムウェルに「沈黙は否定を意味する」と突っこまれれば、法律家らしく「ふつう法廷では沈黙は承認とみなされる」と鮮やかに切り返す。「法は推測ではなく真実を要求する」もいい言葉です。
 ロバート・ボルトの脚本はウィットに富んで名言もいっぱい、久しぶりに台詞を堪能する映画に出会いました。

 公の場では沈黙と法律家の答弁で終始しても、モア個人の心のうちでは誰にも消すことのできない炎が燃えさかっていました。カトリックへの篤い信仰がそれと言えるのですが、私が映画から得た印象では、信仰そのものより「信仰を貫く自分自身」への執着を強く感じました。信仰に殉じたのではなく、自己自身に殉じたのではないかと。
 真に神だけを求めたならば人里離れた修道院で祈りの生活を送ることもできたでしょうに、モアは欲望渦巻く俗世で大法院の地位にまで上りつめた。それなりの身の処し方を知っていたわけです。俗世での役割を演じる自分とそれを厭い神を求める自分。二つは常に葛藤している。最後は後の方自分を選んだわけで、宗教への熱狂的な帰依者とはひと味違う、どこまでも自分を棄てられない近代人の自意識を感じたのでした。

 最後の弁論、「キリスト教徒を法の力で屈服させることはできない」と、自己の良心を聖域として守り抜き、「生き得ぬ世なら生きようとは思わん」と世の中の方を拒否する。これぞ最高の「自己実現」だと、喝采しました。

名画です

投稿日

2006/11/19

レビュアー

横浜のタマ

生き様の美学・映像の美学

投稿日

2008/04/23

レビュアー

momo-eime

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