媚薬

説明では日本語音声もあるように書いてありますが？
間違いですか？

とにかくキム・ノヴァクが美しいです。妖しい美しさをもってまさしく魔女にピッタリ。
爆笑コメディではありませんが、不思議な雰囲気と豪華な俳優陣で嬉しくなります。
クリスマスのニューヨークもステキ！

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リチャード・クワインとキム・ノヴァクのツーショットが映画誌に載ったのを昔々何度か目にしたことがありました。
既婚の監督と女優の熱愛だったでしょう、見た目お似合いの二人とはいいがたく、エリザベス・テーラーにマイケル・トッド、ソフィア・ローレンにカルロ・ポンティ、マリア・カラスにオナシスといった‘男は見た目じゃない’系と美女のカップルでした。

キム・ノヴァクは本作のようなカラー作品の時のほうがモノクロより圧倒的にきれいです。リチャード・クワインがキムにぞっこんの時期なのか、なにしろ美しくキムを撮ることに集中した気配です。
キムの魔女っぽく赤と黒の衣装がきれい、足元に届きそうな長いストールの赤い柄がハイヒールの柄とおそろいでお洒落！
キムは演技がもっさりして好みの美女ではありませんが『媚薬』に限っては時々見惚れました。

全体にハイセンスというか垢抜けたというか、都会的なコメディで出演者は限られた人数でそれぞれ役を楽しんでいる風が伝わってきて、肩がこらずに観られました。
ジェームス・スチュアートの得体の知れない液体を飲む演技には爆笑しました。こんなこともしてたのねと彼に親近感を持ちました。

めまい同様、ジェイムス・スチュアートはキムノバックに騙される運命、そういう関係なんだ。キムのエエ女ぶりを楽しむ映画です。

媚薬（１９５８年アメリカ、カラー１０２分）

ジョン・ヴァン・ドルーテンの舞台劇「ベルと本とロウソク」を映画化、ニューヨークに住む魔女と、ある出版業を営む男の、最高にロマンティックな恋物語。

ニューヨークで古美術店を経営する美女ギリアン（キム・ノヴァク）。クリスマスイヴの夜、２階のアパートに住む出版社経営のシェパード（ジェームス・スチュアート）が帰宅すると、ギリアンの叔母クィーニー（エルザ・ランチェスター）が入り込んでいた。実はギリアンは不思議な魔術を操る魔女で、人間界に住むために、弟のニッキー（ジャック・レモン）や叔母にも魔法を禁じていた。シェパードが許婚のマール（ジャニス・ルール）を連れてきたことから、ギリアンはシェパードに対する恋の炎が一気に燃え上がる。しかしギリアンは、魔術で愛情を得たくはなかった．．．。

悪魔と人間の戦いはキリスト教誕生と同時に始まった（諸説あり）ことだが、都会の中で一般人に紛れて存在する魔族というのは、ハリウッド・コメディには多々あったジャンル。その最も典型的な例が、１９６４年〜米ＴＶ「奥様は魔女」であろう。

本作と同じ５８年「めまい」（アルフレッド・ヒッチコック監督）と並んで、絶頂期のキム・ノヴァクの妖しい美しさが印象的。まさにミステリアスな女優サンだ。
特に、真実の恋によって魔力を失った彼女が、魔女にはないはずの涙を流すシーンは忘れがたい。
プラチナ・ブロンドが美しい神秘的なキム・ノヴァクと、撮影監督のジェームス・ウォン・ハウの捉えた美しいニューヨークの風景、これが本作の魅力である。

ジェームス・スチュアートはいつもながらの誠実な ‘お人好し’ を好演しているが、ノヴァクの弟を演じたジャック・レモンが、ささやかな魔術で街灯を消していくシーンは小粋だった。