新婚道中記

監督：レオ・マッケーリー（1936年・米・91分・モノクロ）

「北北西に進路を取れ」のケーリー・グラント繋がりの鑑賞です。
本作のケーリー・グラントが、あまりに若々しくてビックリしました。
それもそのはず。「北北西〜」出演時は55歳、本作ではまだ32歳です。

ジェリー（ケーリー・グラント）は、妻のルーシーにフロリダに行くと嘘をついて家を留守にし、友人たちと遊び歩いていました。
嘘がバレないように、わざわざ日焼けサロンで肌を焼くことも忘れません。
そして帰宅すると、ルーシー（アイリーン・ダン）はいません。
間もなくルーシーも帰宅しますが、アルマンという男性と一緒です。ルーシーが歌を習っている教師だと紹介し、彼の車が故障して安ホテルで一泊したと言います。
何もなかったとルーシーは言いますが、ジェリーは信じません。
また、ルーシーもジェリーの嘘に気付きます。フロリダ土産のオレンジに、「カリフォルニア産」の刻印があったからです。
互いに浮気はしていないのですが、不信感を募らせた二人は離婚することになりました。
興味深いと思ったのですが、離婚は認められても、離婚が成立するのは6か月後なのです。
別々に別れて暮らす二人。
互いに新しいパートナーを見つけるのですが、行く先々で出会ってしまうのです。
そして、自分以外の男性と一緒にいるルーシーが気になるジェリー。ルーシーも同様です。
互いに新しい相手との仲を裂こうとするのが、何とも可笑しい。（笑）

クレジットでは、ルーシー役のアイリーン・ダンが先です。
若々しく見えますが、彼女の方がケーリー・グラントよりも7歳年上。先輩なんですね。
アイリーン・ダンは、『アンナとシャム王（1946年）』でアンナを演じた人でした。
これからの鑑賞予定に入っている『邂逅』では、シャルル・ボワイエの相手役・テリーを演じているようです。
溌剌と演じている彼女に、ケーリー・グラントは食われている感じです。
どうってこともないですが、気楽に楽しめました。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

平均的なラブコメと言ってしまってはそれまでか。脚本、というかセリフはきびきびとして粋だ。主演女優の表情はすごく演技できていると思った。

原題はThe Awful Truth、ひどい真実とでも訳すのだろう。
知らなければ良い事を知ってしまったが故のゴタゴタというニュアンスなのだろう。

若い夫婦が些細なことでお互いに不信感を募らせ、売り言葉に買い言葉で離婚しそうになる。
離婚は60日後に成立するという裁判所の決定も出る。
決定が出た時、互いに握手をしたのが印象的だった。

その60日間のゴタゴタが楽しいし、お互いの気持ちの繊細さが伝わってくる。
決して感情を露にせず、相手を思いやっているし、紳士的な対応が印象に残る。

離婚が成立する期限の夜は、成り行きで一緒に泊まることになり、しみじみ言葉を交わす。

すべては人の感じ方次第
感じ方が違えば状況も違っていたはず
・・・・

君は同じだけど
僕は馬鹿だけどでも今は違う。
僕は変わったよ
また元に戻るさ
変な形で

もう疑わない！

と日本語に訳すと軽妙ではないから
英語のままなんとか頑張ると楽しい。

アイリーン・ダンが輝いている。

若かりし頃のケイリー・グラントがいかにハンサムだったか分かる映画ですが、ストーリーはいまいち。しかしテンポがよく笑えるところも多いので、コメディー好きにはおすすめ。