サンダーバード＜劇場版＞

公開当時は００７を始めとするスパイ・アクション映画が大流行。その影響もあって、前半は国際救助隊と某国スパイ組織との戦いが描かれますが、それだけではありません。ミニチュア撮影を担当したデレク・メディングスは、００７のミニチュア特撮も担当していました。
従ってその出来映えの良さは世界でもトップ・クラス。
同じ時期に放映されていた円谷プロのミニチュア撮影があまりにもオモチャっぽく見えて、がっくり来たことを今でも鮮明に覚えています。
劇場公開版と同じくシネスコ（テクニスコープ）サイズで収録され、音声もマルチ・リミックスされています。是非とも大画面で見て下さい。

　Ｙｏｕｔｕｂｅでやってたので、最初はどうせ原語版だろうと思ってたら吹き替えだったので最後まで観てしまいました。
　この映画、子供の頃、映画館に連れて行ってもらった作品だったので懐かしいという気持ちで観なおしました。で、大人になっていろいろと気がついたこととかあったので徒然、思いつくことを書いてみようと思います。
　いくつになっても男というのは幼児性が抜けない。それは皆さん、自覚されていると思います。その夢を全部、叶えてくれるのが本作をはじめとするスーパーマリオネーションの世界だと思います。
　特にデレク・メディングス率いるミニチュアを中心とした特撮（サンダーバードはこの言葉じゃなきゃ！）が細部まで凝っているのは堪りません。冒頭で主役メカであるゼロＸ号１号機が滑走路上で機体主要部分に翼とか機首搭乗ユニットとかを接続していく、このシークエンスはサンダーバードのテレビ版でも見所の一つでしたが、ワイドスクリーンで長い機体に各部分をくっつけていく段取りの甘美さよ。メカ好きのマニアなら分かりますよね。
　同様に、機体主要部が滑走路まで出てくる場面では車輪が巻き上げる埃まで表現されているところとか、ロケットエンジンからの噴流がまっすぐ後方に伸びているところとか、機体や管制塔などの汚れ（これって模型製作している方ならお分かりだと思いますが、機体外板の継ぎ目の塗装のハゲや風雨による汚れなどの表現です。）とか、イチイチ、そうした細部に眼が行ってしまいました。よく言う「神は細部に宿る」ってやつです。
　で、次に眼が行くのは搭乗者がただ歩いて乗り組むのではなく、操縦区画ごとスライドして機首搭乗ユニットまで移動し、非常脱出装置へも座席ごとスライドして移動するという、テレビ版の１号や２号への搭乗シークエンスと同じなのも涙ちょちょ切れる場面ですね。英国人って未来では人間が歩かなくなってると思ってたのかな。でも、カッコイイから許す。バージルが２号へ乗り込む滑り台は実際に公園の滑り台で真似してみた方も一人や二人ではない筈だ。あれって最初、頭が下になるから怖いなぁと思ってたなんだけど、すぐ下に頭を支えるストッパーがあって、しばらく滑ると方向が９０度変わって足を下にして機体まで降りてくるんですね。
　閑話休題、仕掛けに関してはこれくらいにして物語の方へ話を変えますが、こちらはゼロX号１号機がフッドのスパイ行為によって作動不良になり墜落して２年後、２号機を火星に送り出す準備が始まっております。１号機の事故調査報告書では破壊工作と書かれてましたが、あのときの映像では機内の機器の写真を撮るのに夢中になっていたフッドが不注意で油圧シリンダーに足をはさまれたのが故障の原因だと思うんですが。
　で、２回目の発進から宇宙空間に出るまで国際救助隊が監視していて、フッドが搭乗員に化けていたのを見破るなどの騒動はありましたが無事、火星への軌道に乗るのに成功しました。この後、火星に到着するまでの穴埋めと思われるアラン・トレーシーの夢の話になっていますが、これは少し冗長ではないかと思います。ペネロープと一緒に宇宙空間にあるナイトクラブに行くという話ですが、そこでクリフ・リチャードＪｒ（もちろん歌はクリフ・リチャード本人）が歌を歌っているという件やペネロープの愛車“スーパーロイス”がナイトクラブの駐車場に停まるのに逆噴射するとか小ネタは面白いんですが。
　その後は危機また危機の連続です。火星に着陸したゼロＸ号の搭乗員が調査中に変わった形の岩を採取しようとしたら、それが生物で口から火の玉を吐いて探検車を攻撃してくるのが第一の危機。劇中ではその生物に名前はありませんでしたが、子供向けの雑誌では“ガンジャ”と名付けられていました。多分、“岩蛇”と書くんでしょう。子供のときにはガンジャが凶暴で探検車を襲ったように見ていたんですが、攻撃されたから反撃しただけだったんですね。
　次の危機は大気圏再突入の際に接続する筈のゼロX号の２号翼がコントロールできなくなり接続に失敗、破損して推力不足により墜落するしかなくなったことです。脱出装置も故障して搭乗員の命が危険にさらされている。ジェフ・トレーシーの判断で発信した１号、２号によりゼロX号の脱出装置を修理するという作戦を決行します。さて、国際救助隊は搭乗員を救うことができるのか。と言っても助かるというのは皆さん、お分かりでしょうが。
　で、エンドロールが英国海兵隊楽団が演奏するテーマ曲というのも洒落ていて楽しい。今回、サンダーバードということでとりとめのないレビューになっております。「何じゃこりゃ、よう分からん。」と思われた方にはお詫び申し上げます。それでは失礼。

ミニチュアの精巧さ、ＳＦＸなど、技術的にはすごいと驚いた。
しかし、話の展開や各シーンがなんとなくまどろっこしい感じがした。
探査先の合体、離発着、サンダーバードの発進など、そのリアリティーをじっくり見せようとしているのだと思うが、時間がかかるなあと感じた。現実、ロケットなど発射する場合は、カウントダウンが始まるとワクワクしてくるが、映画だとその先が気になり正直イライラする。
時間の流れが昔に比べ今は早いためかもしれないが、自分自身がもうちょっとのんびりと映画を見れる感覚を持てたらと改めて思った。昔はこうでなかったのに。

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サンダーバード劇場版といっても，最近映画化された実写版とは別物。１９６６年に，スーパーマリオネーションで撮影された，ＴＶ版サンダーバードの拡大版だ。
今回は，映画版らしく，人類最初の火星探索ロケットゼロＸ号をめぐる壮大な物語となっており，主役はゼロＸ号。いきなり，バリーグレイの壮大なゼロＸのテーマに乗って，大がかりなゼロＸの組み立てシーンから映画が始まる。ゼロＸ号も，とにかく，大きいということがよく分かるモデルの作り方だ。しかも，この宇宙船，成層圏までは，無線で誘導されている有翼機で運ばれ，その後，有翼機を切り離して大気圏外に出るというこった打ち上げ方法。その結果，垂直に発射されるのではなく，飛行機のように滑走路を滑走しながら発進する。これがとても格好いい。ちゃんと，火星に到着し，探検車で，謎の火星生命と遭遇シーンまである。いたれりつくせりである。
ただ，ゼロＸが主役としてやたら目立った結果，肝心のサンダーバードが脇役となってしまい，その活躍がさほど魅力的ではないのがこの作品の欠陥か。実際，途中までは，サンダーバードのメカは監視活動をしているだけで，むしろ，ペネロープと彼女のピンクのロールスロイスが大活躍しているし，最後の最後にようやくサンダーバードが活躍する救命シーンも，派手なメカは使われず，極めて地味な作戦になっている。また，我らが敵役フッドも登場するのはいいのだが，これが，あのフッドかと思うほどのへなちょこぶりでがっくりしてしまう。
なお，このＤＶＤでは，英語版のほか，テレビ版サンダーバードで吹き替えを担当していた懐かしいメンバーが吹き替えをした日本語吹き替え版が収録されている。ただ，吹き替えは，２００３年に行われているので，メンバーが相当高齢化しており，何人か聞き苦しい人がいる。特に，この作品で大活躍するペネロープ役の黒柳徹子の呂律が怪しいのが残念だ。

なんと言っても特撮がものすごい。
思わず画面を見入ってしまう。
DVDだと裏方の話を見る事が出来、ものすごい苦労を
してたんだなあと感動してしまう。
内容も子供向けかと思ってたけど、大人も一緒に見れる
ファミリー向けなストーリー。
いやあ実によく出来ていて楽しかった。