人狼　ＪＩＮ−ＲＯＨ

なんとも評価の難しい映画やねー・・・

普通に今までの（っていうか通常の）映画を観るように観てしまうと、非常に解りにくくて頭がこんがらがってしまう作りになってる・・・

非常に感覚的な説明をするけど、"言葉"を感じて"映像"を読む映画っていう感じ（わかりにくー）

面白い方法やけど、いくらなんでも解りにくい(情報を処理しきれへん）よなー・・・これは狙いなんやろかなー・・・それとも天然なんやろかなー・・・

右脳も左脳もフル回転させて観んと理解でけへん作りやから・・・

・・・自分の頭では全く理解でけまへんでした（;^＿^A

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相当、"言葉"（≒文章、詩など）に触れてて、かつ"映像"（≒絵画、デザインなど）にも触れてる人で無いと、スッとははいってけーへんと思うんで、そういう人にのみオススメです（°∀°）b

自分は多分ぜーんぜん理解できてないけど、面白かった（興味深かった）んでそこそこの評価をしときます♪

個人的満足度　72点！

どこまでも雄の匂いのするタッチの物語。レッド・パージだとか全共闘革命だとか、そっち系の危険な香りが果てもなく漂うような世界観。主筋となる部分にはヒロインも絡んできて重要なファクトを占めてるとはいえ、全体としてみればやはりどこまでも「男の世界」。権力闘争だとか諜報戦だとか、燻されすぎて煙たいくらいの中年のおっさんが山ほど出てきて策謀を繰り広げる、その様ときたら。ドライすぎなのでは？と思うほどどこまでも、どこまでも枯れたこのつくり。なかなか大したモノだと思います。銃撃戦でズタズタに撃ちまくられボロクズのように死んでゆく姿だとか、かなり拘ってかきこまれているので、間違っても子供向け作品ではありません。

　映画の場合、例えばそれが誰の映画かという時に、○○主演作とか、△△監督作と表現することが多いと思うのですが、そういう表現に即して言うと本作は、押井守ではなく沖浦啓之監督作品ということになります。
　何でも、企画段階で、スポンサーのバンダイビジュアルが押井守監督・脚本はまかりならんと却下したとかしないとか。で、白羽の矢が立ったのがアニメーターの沖浦啓之。押井守は最終的に脚本のみで、その後の製作には一切口出ししなかったらしい。
　ともあれ、そんな形で製作された本作は、押井守による一連の『ケルベロス・サーガ』の中の一作なのですが、オレは藤原カムイの漫画版『犬狼伝説』をちらっと読んだくらいで、実写映画の『紅い眼鏡』『ケルベロス　地獄の番犬』は押井守の実写映画はあまり観たいとは思わないという理由で、観ていないため、これがどういう位置づけにあるとかそんなことは分かりません。ひとつはっきり言えるのは、本作が好き嫌いは別にして、作画レベルが極めて高い一作だということ。アニメーションとしての動きは当然のことながら、昭和３０年代後半と思われる首都の風景は卓越。セピアがかった色調の世界に思わず見入ってしまいます。
　アニメーションの楽しみ方のひとつに、「絵」を見ることの快感があるとすれば、本作は（少なくともオレにとって）間違いなく快感を与えてくれるものでした。
　ただし、監督でなくとも押井守が脚本を書いている以上、一筋縄ではいかない（分かりにくいとも言う？）ストーリーで、これを受け入れられるか否かでも本作に対する思いは変わってくるでしょう。なかなか簡潔には説明しにくいストーリーですが、一言でいうならやっぱり“狼と赤頭巾の物語”、劇中の言葉を借りれば“人と関わりを持った獣の物語”でしょうか（余計に分かりませんね・・・）。
　劇中で赤頭巾と呼称される存在に愕然とし、救いのないラストは後を引きます。

　“そして、狼は、赤頭巾を・・・”
　冷酷な言葉です・・・。

　

　これは沖浦啓之監督作ですが、原作・脚本が押井守。内容はモロに押井ワールドです。
　パラレルワールドによるもう一つの「戦後」の可能性を描いており、舞台は１９６０年代前半、日本は米国ではなくドイツの統制下にあったという設定です。「赤ずきん」がモチーフになっていて、左翼勢力（アカだから赤ずきん）と警察、さらに警察内部の対立の中、少女と首都警察の青年との恋愛を描いています。
　設定も含めてストーリーがやや分かりにくいのですが、よーく考えるととてもよく出来ています。架空の東京の描写が凄くよくて見応えがあり、秀作だと思いました。風景だけでこんなに魅了される作品はアニメーションではなかなかないと思います。冒頭のセクトの騒乱など、とってもリアルで素晴らしいです。どうにも暗いラストまで、緊張感も持続しておりました。
　ストーリーの分かりずらさゆえ、今ひとつ、主人公の青年の気持ちが分からないのは残念ですが、ドラマとして見応えのある映画でした。
　最近は「（よく言われる意味での）マンガ」みたいな実写映画も多いわけですが、この作品なんかその意味でいうと、実写っぽいですよね。

　同じ警察組織の中で、内部闘争して、互いにつぶしあうような内容で、共通の敵、国民の敵、公共の敵というものが出る話ではないので、映画にするような物語ではないのではないかと思う。
　場面場面のシーンとしての見せ場は、大人のアニメとして、見ごたえはあったものの、物語の内容がどうも気に入らない。
　パーフェクトブルーのような、個人の中の戦いならば、非常に感情移入しやすく、すごく面白いと言えるが、これはどうだろう。