戦争と人間　第二部　愛と悲しみの山河

僅かな年数ですが、日活はこの映画のためにロマンポルノを作って充当していたと聞きます。台所事情とは異なり素晴らしい作品になっています。戦前の中国、満州は耳で聞いてもなかなか映像が乏しく、そんな意味でも楽しかった。特に芦田伸介は満州国新京にいた人。

ソビエト連邦とソ連人監督への謝辞が入ってる、正真正銘の共産主義プロパガンダ映画その２。

２０歳くらいの吉永小百合は可愛いし、佐久間良子は色っぽい、石原裕次郎など往年の豪華キャストがみんな若い。しかもおっぱい丸出しのヌードが出てくる。男性ならば、目がくぎ付けになってしまう。

当時の善良な日本人はこれを見て、戦前の日本人はみんな、むなくそが悪くなるような極悪、卑劣な人間ばかりでだったと思うようになったのは理解できる。

この映画が作成された１９７０年頃は、北朝鮮は地上の楽園、と大新聞が報じて広く信じられてた。それで大勢の在日朝鮮人と日本人妻が北朝鮮に行った。また、中国は文化大革命の最中で、大新聞は礼賛したが、現在では、毛沢東の権力闘争で、約３千万の中国人が無意味に殺され、文化の大破壊と経済の停滞をもたらした大惨事だったことがわかっている。

主人公達の話はフィクションだが、歴史的事件をちりばめて事実であるかのように見せてるが、共産主義国のために歪曲、捏造してある。盧溝橋事件も、日本軍が始めたように思わせる画面展開になってる。また石原莞爾は、酒を全く飲まず接待も極度に嫌いだったのに、財閥の接待でぐいぐい酒を飲んでるシーンがある。

歴史を勉強するつもりでみると共産主義に洗脳されてしまうのは確実だが、戦闘シーンや満州の雰囲気などが臨場感があり、また、豪華キャストが若くて、それだけに注目するならばとっても楽しめる。

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　満州事変から始まり、戦争の気運が高まり官憲の取り締まりが厳しくなる中、いろんな階級、環境の人たちの恋愛が描かれていきます。

　たくさんの登場人物が出てきますが、財閥の息子さんの不倫だったり朝鮮人パルチザンの戦いとか医師と中国人の娘さんの抗日運動とか共産主義者の取り調べだったりとか。1つ1つがぶつ切りになっていて1つ終わってまた1つ始まってなので、序盤の展開とか果たして必要だったのかな?　と思う内容でした。
　
　とはいえ、日中戦争に至るまでの流れとかがよくわかって勉強になりました。マイノリティが弾圧されて戦争への道へと突き進む日本。二・二六事件や相沢事件や石井部隊なんかもダイジェストでしたが少し描かれて映像として見ることができました。
　
　満州軍の暴走なんかをもっと丁寧に描いてくれれば、どういう動きだったのかというのを知ることができたと思うので、いろんな恋愛を描くのではなくそういった部分をもっと描いてほしかったです。