王と鳥 / パスカル・マゾッティ
全体の平均評価点: (5点満点)
(21)
解説・ストーリー
フランス初の長編アニメーション映画「やぶにらみの暴君」を、監督のポール・グリモー自ら当初の構想通りに改作した傑作アニメ。2006年、スタジオジブリ提供により本邦初となる劇場公開が実現。広大なタキカルディ王国。天高くそびえた宮殿の最上階にある秘密の部屋。そこに飾られた3枚の肖像画。美しい羊飼いの娘と煙突掃除の青年、そして孤独な王。娘と青年は、2人の仲を引き裂こうとする王から逃れるため、絵の中から抜け出してしまう。2人を追って肖像画の王も絵から飛び出してくる。一方、娘と青年は一羽の鳥に案内されて、迷路のような複雑な階段を駆け降りていく…。
フランス初の長編アニメーション映画「やぶにらみの暴君」を、監督のポール・グリモー自ら当初の構想通りに改作した傑作アニメ。2006年、スタジオジブリ提供により本邦初となる劇場公開が実現。広大なタキカルディ王国。天高くそびえた宮殿の最上階にある秘密の部屋。そこに飾られた3枚の肖像画。美しい羊飼いの娘と煙突掃除の青年、そして孤独な王。娘と青年は、2人の仲を引き裂こうとする王から逃れるため、絵の中から抜け出してしまう。2人を追って肖像画の王も絵から飛び出してくる。一方、娘と青年は一羽の鳥に案内されて、迷路のような複雑な階段を駆け降りていく…。
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「王と鳥」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
フランス初の長編アニメーション映画「やぶにらみの暴君」を、監督のポール・グリモー自ら当初の構想通りに改作した傑作アニメ。2006年、スタジオジブリ提供により本邦初となる劇場公開が実現。広大なタキカルディ王国。天高くそびえた宮殿の最上階にある秘密の部屋。そこに飾られた3枚の肖像画。美しい羊飼いの娘と煙突掃除の青年、そして孤独な王。娘と青年は、2人の仲を引き裂こうとする王から逃れるため、絵の中から抜け出してしまう。2人を追って肖像画の王も絵から飛び出してくる。一方、娘と青年は一羽の鳥に案内されて、迷路のような複雑な階段を駆け降りていく…。
「王と鳥」 の作品情報
「王と鳥」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
王と鳥の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
84分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/サラウンド/フランス語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
KWX323 |
2007年04月04日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
9枚
|
0人
|
0人
|
王と鳥の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
84分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/サラウンド/フランス語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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KWX323 |
2007年04月04日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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ユーザーレビュー:21件
「気をつけたまえ。この国は今、罠だらけだからな。」
投稿日:2010/09/06
レビュアー:まみもぉ
”飛び出す絵本”は子供心に驚きでした。
ぺったんこのいつもの絵本を開くと、目の前に盛り上がってくる風景や動物…
何度も何度も閉じては開き、至福のひととき。
これは、その時の子供心をさらに天上へと押し上げてくれた作品。
飛び出してそして動く”絵本”です。
輪郭やその動き、私は何色!と言い切れる美しい色彩…
昔、子供だった大人の目に、
何度も閉じては開きたくなる…あの楽しい飛び出す絵本の感覚を
思い出させてくれました。
”絵本”は、見る読むだけのものではありません。
参加するもの。その時の自分の感情をプラスして補い、入りこめるもの。
だから、表紙を開く度、違う世界。
このポール・グリモー監督の”絵本”『王と鳥』なら、
叱られた時は、あの小鳥がかわいい
好きな人とけんかした時は、ライオンが愛おしい。
伝わらない想いに悶々としている時は、
あのお城、今まで気がつかなっかった扉や柱が、
目の中に不思議満載で飛び込んでくる…
子供はそういう「参加」の天才。大人は?
ストーリーを追っていると不満が出てきて、文句言いたくなるかもしれません。
とられてしまった自分の大切な宝物(『やぶにらみの暴君』)を、
やっと取り返して、壊れたところ直したり、逆に壊してくっつけたり、
秘密の扉や、これから芽の出る種をしこんだり、
あちこち細工したグリモー監督。
大切に大切に育てられて出来上がったその宝物…
もっと壊れてしまった?そのままの方がよかった?
蓋が重くて宝箱が開かなくなった?
あれに似てる、これあのシーンとそっくり…なんて比べながら考えながら、
大人の頭で観てると、くたびれて眠くなるかも知れません。
そうなったら、ふうっと眠くなったその時は、
あなたの中の「子供」に起こされてほしい。
『もっと読んでママ…』
『も一回読んでパパ…』
監督のしこんだ秘密の種から芽が出てくる…はず?
そんな作品です。
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12人の会員が気に入ったと投稿しています
スローなアニメ
投稿日:2007/06/27
レビュアー:neko
とってもゆったりとしたテンポ。
色も淡くて何だか懐かしい。
これは、とても素敵なアニメでした。
広大な宮殿で一人寂しく暮らす王様。
お金はたくさんあってわがまま好き放題の何ともブサイクな王様。この王様のインパクトだけは本当に笑ってしまう。
他のキャラクターはみんな可愛いというのに。
美しい羊飼いの娘と、煙突掃除の青年。王様から逃れるために2人は飛び出します。ここからがスローでありながら、とても目を瞠ります。広大な宮殿の、とても長い階段を駆け下りたり、迷路のようなお城の中をくるくると走り回る。ハラハラしながらも、建物の造りが楽しくて少しウキウキしてしまいます。
これはジブリのみならず、日本のイラストレーターの方々、結構影響を受けているのではないかなぁ。街並みや小さな家とかどこかで見た事ある様なかわいさです。
スローな中にも実はとても奥深い映画。
お城や、王様や、ロボットや、地下に暮らす人々に思いを馳せながら、たっぷりと鑑賞しました。
絵本や、童話が好きな方は迷わずチェック♪ですね。
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11人の会員が気に入ったと投稿しています
本作がなければ『カリオストロの城』は生まれなかった!
目ざとい方なら、レビュータイトルを読んで違和感を覚えられるかもしれません。『カリオストロの城』は1979年作で『王と鳥』も1979年作なのに何で?って。だから、本作については若干の解説をさせていただきます←出たぁ!必殺付け焼き刃!
まず簡単に言うと、本作『王と鳥』は1952年にフランス初の長編アニメーション映画として公開されたポール・グリモー監督作『やぶにらみの暴君』の、いわばディレクターズ・カット版です。
1952年当時、どうやら資金難等で製作が難航し、最終的にプロデューサーが監督の意に沿わぬ形で無理矢理完成させて公開された『やぶにらみの暴君』は、それでも高い評価を受け、多くのアニメーション作家に多大な影響を与えたそうです。日本での公開は1955年。当時本作を観た高畑勲、宮崎駿らにとっても衝撃的な作品だったようで、その影響はその後彼らが作ったアニメの中に色濃く表れているそうです。そんな風に高い評価を受けながらも、ポール・グリモー監督自身は『やぶにらみの暴君』には満足しておらず、自ら作品の権利とネガフィルムを買い取り、自分の納得する作品へ作り直したのが本作『王と鳥』(当時の邦題は『王様と幸運の鳥』)というわけなのです。
日本においてはビデオ、DVDという形で観ることが出来たものの、劇場公開はされていなかったのですが、2006年にスタジオジブリ提供という形で単館上映ながら、日本で初めて劇場公開されたのでした。
と、本作のアウトラインはこんな感じなのですが、それにしてもジブリがよく本作を公開したなあと思わなくもない。本DVDには、昨年の劇場公開初日に行われた高畑勲と爆笑問題太田の対談が収録されていて、その中で太田が高畑勲に「(本作の公開は)宮崎潰しですか?」とツッコミを入れているくらいですから。
『王と鳥』はアンデルセンの「羊飼い娘と煙突掃除人」が原作ということなのですが、ひとことで言うと“王との意に沿わぬ結婚を強いられる娘を取り戻す”物語。そう『カリオストロの城』なのです。
王が城内の移動に利用するのはエレベーター。城の最上階、王の秘密の部屋はまさしくクラリスが閉じこめられていたカリオストロ城の北の塔。床の落とし穴・・・等々等々。宮崎駿がどれだけこの作品に影響を受けていたかということがありありとうかがえます。個人的には、ルパン三世というフォーマットの中で、最大限のリスペクトとオマージュを捧げたというふうに受け取っているのですが、下手をするとそれこそパクリと言われかねないほどです。
興味のある方は是非ご覧になってください。1952年というのは、日本の長編カラーアニメーション映画『白蛇伝』よりもさらに前。それを考えると、いや考えるまでもなく、驚愕の一作です。
余談ですが、昨日だったか「めざましテレビ」で本DVDの紹介をしていたんですが(白状すると、それで本作を知って速攻借りて観たわけですが)、そこでジブリのプロデューサー鈴木氏が、「今だから言いますが、『カリオストロの城』製作時、宮崎駿監督ははっきりと“これは『王と鳥』のリメイクだ”と言っていたんです」なんてことを喋ってました。本人談ではないので、真偽は定かではありませんが、何となく予防線を張ったようなそんな印象を受けました。
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このアニメの古典的作品、スッゴイよ。
高畑勲さんと宮崎駿さんに影響を与えた作品、ジブリの原点といわれる「やぶにらみの暴君」(1952)のポール・グリモー監督による、いわば完全版(1980)。
やはり噂にたがわず、娯楽性にも芸術性にも富んだ傑作だと思うし、特典映像で太田光が言うとおり、「『カリオスとロの城』はパクリだったんだ」と言われかねないのに、あえて公開に尽力したスタジオ・ジブリの見識はすばらしいと思います。
大月書店・刊『王と鳥 スタジオ・ジブリの原点』から引用すると、「やぶにらみの暴君」の制作期間は5年、製作費5億フラン(約4億3000万円)作画40万枚と日本公開時のパンフレットは紹介しているという。
「七人の侍」(1954)の撮影期間は約1年、製作費1億3000万円、「白蛇伝」(1958)の作画期間10か月、製作費4000万円とのこと。
物量データだけでは映画の出来は測れないと承知しても、そのスケールはやはり大きい。
それでもなお、「やぶにらみの暴君」は予算上の都合で、製作者のアンドレ・サリュがポール・グリモー監督、脚本のジャック・プレヴェールの意志に反した形にまとめ上げて公開したバージョン。 日本公開でアニメ関係者のみならず、一般の映画批評でも高評価を得ていた。
ところが完全版として作られた「王と鳥」は、同書によれば"日本ではぞんざいに扱われてきた"そうです。 翻訳が”ずさん”だとかいろいろな理由で、むしろ「やぶにらみの暴君」と比べて不評だったそうです。
ようやく高畑勲さんが、新たに翻訳し、スタジオ・ジブリが新たにプレゼンテーションをすることで、注目を浴びました。
ところで、多くの人がそうでしょう、ぼくは「やぶにらみの暴君」も見てみたい。
監督は不本意でしょうが、見比べてみたいです。
一旦世に出たものは公共物であり、昔の作品を心の中に抱いている人も多いと思うのです。
その人たちの思いを共有したいけれど、無理な願望でしょうね。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
遊び心が楽しい
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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私は、この作品を見たいが為に、ディスカス会員になったといっても
過言でない!しかし、期待特大で鑑賞してしまった為に物足りなさがあった。
あまりに興味津々であったため、ホームページ等で情報を得すぎたのが
残念でならない。何気なく見たら、かなり満足したと思う。
この作品のテーマは、反勧善懲悪性だと思う。このあたりの描き方が
好評価に繋がっているみたい。けど、こういうテーマの映画って
けっこうある気がするし、現実でも戦争等で度々考えさせられる事柄で、
斬新なテーマではない。なので、私的には特別新鮮ではなかった。
それよりも、お城のカラクリや絵から飛び出す展開などの
アイディアとか、アニメなのに実写をのような引きのアングルとか
とても遊び心をくすぐられて、おもしろかった。
もう何回か見ようと思います。
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6人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
「気をつけたまえ。この国は今、罠だらけだからな。」
投稿日
2010/09/06
レビュアー
まみもぉ
”飛び出す絵本”は子供心に驚きでした。
ぺったんこのいつもの絵本を開くと、目の前に盛り上がってくる風景や動物…
何度も何度も閉じては開き、至福のひととき。
これは、その時の子供心をさらに天上へと押し上げてくれた作品。
飛び出してそして動く”絵本”です。
輪郭やその動き、私は何色!と言い切れる美しい色彩…
昔、子供だった大人の目に、
何度も閉じては開きたくなる…あの楽しい飛び出す絵本の感覚を
思い出させてくれました。
”絵本”は、見る読むだけのものではありません。
参加するもの。その時の自分の感情をプラスして補い、入りこめるもの。
だから、表紙を開く度、違う世界。
このポール・グリモー監督の”絵本”『王と鳥』なら、
叱られた時は、あの小鳥がかわいい
好きな人とけんかした時は、ライオンが愛おしい。
伝わらない想いに悶々としている時は、
あのお城、今まで気がつかなっかった扉や柱が、
目の中に不思議満載で飛び込んでくる…
子供はそういう「参加」の天才。大人は?
ストーリーを追っていると不満が出てきて、文句言いたくなるかもしれません。
とられてしまった自分の大切な宝物(『やぶにらみの暴君』)を、
やっと取り返して、壊れたところ直したり、逆に壊してくっつけたり、
秘密の扉や、これから芽の出る種をしこんだり、
あちこち細工したグリモー監督。
大切に大切に育てられて出来上がったその宝物…
もっと壊れてしまった?そのままの方がよかった?
蓋が重くて宝箱が開かなくなった?
あれに似てる、これあのシーンとそっくり…なんて比べながら考えながら、
大人の頭で観てると、くたびれて眠くなるかも知れません。
そうなったら、ふうっと眠くなったその時は、
あなたの中の「子供」に起こされてほしい。
『もっと読んでママ…』
『も一回読んでパパ…』
監督のしこんだ秘密の種から芽が出てくる…はず?
そんな作品です。
スローなアニメ
投稿日
2007/06/27
レビュアー
neko
とってもゆったりとしたテンポ。
色も淡くて何だか懐かしい。
これは、とても素敵なアニメでした。
広大な宮殿で一人寂しく暮らす王様。
お金はたくさんあってわがまま好き放題の何ともブサイクな王様。この王様のインパクトだけは本当に笑ってしまう。
他のキャラクターはみんな可愛いというのに。
美しい羊飼いの娘と、煙突掃除の青年。王様から逃れるために2人は飛び出します。ここからがスローでありながら、とても目を瞠ります。広大な宮殿の、とても長い階段を駆け下りたり、迷路のようなお城の中をくるくると走り回る。ハラハラしながらも、建物の造りが楽しくて少しウキウキしてしまいます。
これはジブリのみならず、日本のイラストレーターの方々、結構影響を受けているのではないかなぁ。街並みや小さな家とかどこかで見た事ある様なかわいさです。
スローな中にも実はとても奥深い映画。
お城や、王様や、ロボットや、地下に暮らす人々に思いを馳せながら、たっぷりと鑑賞しました。
絵本や、童話が好きな方は迷わずチェック♪ですね。
本作がなければ『カリオストロの城』は生まれなかった!
投稿日
2007/04/05
レビュアー
ぶわつ
目ざとい方なら、レビュータイトルを読んで違和感を覚えられるかもしれません。『カリオストロの城』は1979年作で『王と鳥』も1979年作なのに何で?って。だから、本作については若干の解説をさせていただきます←出たぁ!必殺付け焼き刃!
まず簡単に言うと、本作『王と鳥』は1952年にフランス初の長編アニメーション映画として公開されたポール・グリモー監督作『やぶにらみの暴君』の、いわばディレクターズ・カット版です。
1952年当時、どうやら資金難等で製作が難航し、最終的にプロデューサーが監督の意に沿わぬ形で無理矢理完成させて公開された『やぶにらみの暴君』は、それでも高い評価を受け、多くのアニメーション作家に多大な影響を与えたそうです。日本での公開は1955年。当時本作を観た高畑勲、宮崎駿らにとっても衝撃的な作品だったようで、その影響はその後彼らが作ったアニメの中に色濃く表れているそうです。そんな風に高い評価を受けながらも、ポール・グリモー監督自身は『やぶにらみの暴君』には満足しておらず、自ら作品の権利とネガフィルムを買い取り、自分の納得する作品へ作り直したのが本作『王と鳥』(当時の邦題は『王様と幸運の鳥』)というわけなのです。
日本においてはビデオ、DVDという形で観ることが出来たものの、劇場公開はされていなかったのですが、2006年にスタジオジブリ提供という形で単館上映ながら、日本で初めて劇場公開されたのでした。
と、本作のアウトラインはこんな感じなのですが、それにしてもジブリがよく本作を公開したなあと思わなくもない。本DVDには、昨年の劇場公開初日に行われた高畑勲と爆笑問題太田の対談が収録されていて、その中で太田が高畑勲に「(本作の公開は)宮崎潰しですか?」とツッコミを入れているくらいですから。
『王と鳥』はアンデルセンの「羊飼い娘と煙突掃除人」が原作ということなのですが、ひとことで言うと“王との意に沿わぬ結婚を強いられる娘を取り戻す”物語。そう『カリオストロの城』なのです。
王が城内の移動に利用するのはエレベーター。城の最上階、王の秘密の部屋はまさしくクラリスが閉じこめられていたカリオストロ城の北の塔。床の落とし穴・・・等々等々。宮崎駿がどれだけこの作品に影響を受けていたかということがありありとうかがえます。個人的には、ルパン三世というフォーマットの中で、最大限のリスペクトとオマージュを捧げたというふうに受け取っているのですが、下手をするとそれこそパクリと言われかねないほどです。
興味のある方は是非ご覧になってください。1952年というのは、日本の長編カラーアニメーション映画『白蛇伝』よりもさらに前。それを考えると、いや考えるまでもなく、驚愕の一作です。
余談ですが、昨日だったか「めざましテレビ」で本DVDの紹介をしていたんですが(白状すると、それで本作を知って速攻借りて観たわけですが)、そこでジブリのプロデューサー鈴木氏が、「今だから言いますが、『カリオストロの城』製作時、宮崎駿監督ははっきりと“これは『王と鳥』のリメイクだ”と言っていたんです」なんてことを喋ってました。本人談ではないので、真偽は定かではありませんが、何となく予防線を張ったようなそんな印象を受けました。
このアニメの古典的作品、スッゴイよ。
投稿日
2009/03/23
レビュアー
ロキュータス
高畑勲さんと宮崎駿さんに影響を与えた作品、ジブリの原点といわれる「やぶにらみの暴君」(1952)のポール・グリモー監督による、いわば完全版(1980)。
やはり噂にたがわず、娯楽性にも芸術性にも富んだ傑作だと思うし、特典映像で太田光が言うとおり、「『カリオスとロの城』はパクリだったんだ」と言われかねないのに、あえて公開に尽力したスタジオ・ジブリの見識はすばらしいと思います。
大月書店・刊『王と鳥 スタジオ・ジブリの原点』から引用すると、「やぶにらみの暴君」の制作期間は5年、製作費5億フラン(約4億3000万円)作画40万枚と日本公開時のパンフレットは紹介しているという。
「七人の侍」(1954)の撮影期間は約1年、製作費1億3000万円、「白蛇伝」(1958)の作画期間10か月、製作費4000万円とのこと。
物量データだけでは映画の出来は測れないと承知しても、そのスケールはやはり大きい。
それでもなお、「やぶにらみの暴君」は予算上の都合で、製作者のアンドレ・サリュがポール・グリモー監督、脚本のジャック・プレヴェールの意志に反した形にまとめ上げて公開したバージョン。 日本公開でアニメ関係者のみならず、一般の映画批評でも高評価を得ていた。
ところが完全版として作られた「王と鳥」は、同書によれば"日本ではぞんざいに扱われてきた"そうです。 翻訳が”ずさん”だとかいろいろな理由で、むしろ「やぶにらみの暴君」と比べて不評だったそうです。
ようやく高畑勲さんが、新たに翻訳し、スタジオ・ジブリが新たにプレゼンテーションをすることで、注目を浴びました。
ところで、多くの人がそうでしょう、ぼくは「やぶにらみの暴君」も見てみたい。
監督は不本意でしょうが、見比べてみたいです。
一旦世に出たものは公共物であり、昔の作品を心の中に抱いている人も多いと思うのです。
その人たちの思いを共有したいけれど、無理な願望でしょうね。
遊び心が楽しい
投稿日
2007/05/13
レビュアー
メ・モスケ君
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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私は、この作品を見たいが為に、ディスカス会員になったといっても
過言でない!しかし、期待特大で鑑賞してしまった為に物足りなさがあった。
あまりに興味津々であったため、ホームページ等で情報を得すぎたのが
残念でならない。何気なく見たら、かなり満足したと思う。
この作品のテーマは、反勧善懲悪性だと思う。このあたりの描き方が
好評価に繋がっているみたい。けど、こういうテーマの映画って
けっこうある気がするし、現実でも戦争等で度々考えさせられる事柄で、
斬新なテーマではない。なので、私的には特別新鮮ではなかった。
それよりも、お城のカラクリや絵から飛び出す展開などの
アイディアとか、アニメなのに実写をのような引きのアングルとか
とても遊び心をくすぐられて、おもしろかった。
もう何回か見ようと思います。
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