長崎ぶらぶら節

九州一周旅行した！
随所に見たことがある建物が・・・
長崎チャンポンはうまかった！

すばらしい映画でした。最初から、最後までズット胸の詰まる思いで見ていました。吉永小百合さんの魅力が、一際際立っています。NHKの「夢千代日記」の魅力に繋がるところがあります。
　映像やバックの音楽も特筆に価するなと思いましたが、小唄？三味線、日本舞踊、そして、日本女性の心根の優しさ、すばらしさが、凝縮されて描かれています。明治から大正の景色、町並みなども手抜きなく、日本の昔の情緒たっぷりに描かれています。日本の文化のすばらしさを再確認させられました。

いろんな人の悲しみが、そして悲しみを隠し持ちながら強くやさしく生きようとする人達の心根が、見るものにぐっと伝わってくる佳作だと思います。
　年老いた独り身の芸者の悲しみ、代々続く大店の跡取りに生まれてしまった者の悲しみ、貧しい家の子の悲しみ、親を知らない子の悲しみなど、いろんな悲しみが描かれながらも、それぞれが自分の運命に翻弄されつつも、人に対する思いやりを決して失わない生き方が心に染み入ってきます。
　特に親を知らないお喜美が、自分に優しくしてくれた愛八を自分の母親に違いないと思い込み（もちろん違うのだが）、それを心の支えにして生きていこうとする姿に、胸がかきむしられる想いでした。
　古きよき日本の美の表現も心地よく、いい時間を過ごさせていただきました。

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　今年は小百合様の映画を１０本は見るぞという決意でディカスでかりることにしました。というわけで、なかにし礼さまのファンでもありまして、彼の自伝以外の作品としてとても期待をしてわくわくと読んだ作品の映画化。蛍が長崎の町の入り口で少女を囲むイントロダクションに泣けました。これだけで、この映画は凄いと思いました。狐の嫁入りとか、日本の季節の変化を自然に現すビジァル描写が最近の映画からは消えました。
小百合様のキューポラにもお化け煙突とか玉川の土手のかけっことかの、リアリティがありました。明治大正の時代の貧しい家に生まれた少女は、娼婦や芸者やまあ、ともかくそういう春を売る商売に売られました。小学校を卒業するくらいの歳で春を売る街に売られたのが現実です。そこで歌や踊りを仕込まれ、小股を開くのだけが芸ではないという付加価値を持ったのが芸者さんたちです。
　でもお客さんたちは男ばかりですので、所詮太古からの女の職業は娼婦か女房だけだったので、歌が上手い、踊りが上手い、とかだけでは、職業として自立はできなかったのです。大棚の経営者、今で言う社長さんというパトロンをつかまなければ、きちんとした教育を受けられなかったのです。まあ、そういうわけで、とても貧しい家に生まれた少女の人生の格闘の映画なのですが、それをとても粋にヤナセにあっけんからんとして演じた小百合様に100点。なかにしさんの原作ではとても不細工な芸者として描かれていたから、小百合様ではミスキャストと思っていましたが、とてもよくってずっと泣いていました。これはキューポラに次ぐ傑作です。

原作読んでませんので内容はいまひとつ。
でも吉永小百合さんの魅力で最後まで観てしまいました。
明治・大正・昭和という時代を生きた、実在の長崎芸者の話。
登場人物はそれぞれ自分の運命に悩みつつ受け入れざるを得ない状況で生きている。
主人公は長崎の歌探しをするうちに自分の原点を思い出す歌に出会う。
他人のために生き続けたような主人公に感心します。