インド夜想曲

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フランス人、ロシニョール（ナイチンゲール）がボンベイ、マドラス、ゴアと南インドを消えた友人を探す旅に出ている・・・旅は終わらないって感じの話。
ロシニョールに扮するジャン=ユーグ・アングラードが超、イケてます。
美形の男がひとり旅をするって、こんな素敵なものはないですね。

冒頭のボンベイのマリン・ドライブ辺りの風景が、もうたまらん。
キイロと黒のタクシーとオートリクシャーがウロチョロしているのが、インドだなーって感じ。
私は南インドは行かなかったんだけど、お部屋に届いた新聞でマリン・ドライブの写真を見て、
いいところだなーと思ってたので、この映画の始まりがマリン・ドライブだったのがとっても気に入りました。廃墟っぽいビルやゴミゴミした街の様子・・・
まさに、インドです。

ロシニョールは友人探しの旅に出ているはずなのに、
途中から、インドって国の持つ混迷（カオスって言うんですか？）に巻き込まれていつの間にか、
自分探しにすり替わっていった様子。
ロシニョールはかろうじて、身なりだけはちゃんとしてたけれど、やはり混乱してるみたい。
私も混乱と自分の限界を見せつけられた感じがしたので、この映画は他人事とは思えません。

インドにはさまざまな貌があります。
外国人ひとりの旅って言うのも。
私が見て来たインドに、
この映画が一番近かったも知れないです。

一風変わった映画で，評価は分かれる気がします。
私はその独特なストーリー展開と神秘的な雰囲気が気に入りました。

主人公ロシニョルがフランスからインドで消息を絶った知り合いを探しに行くというのがストーリーですが，主人公もその知人もいったい何なのかは明かされずに話が進み，いったいこの先どこへ行くのか見当もつかないまま，場面がムンバイ，チェンナイ（マドラス），ゴアへと移り変わり，それぞれの場所で不気味（失礼！）な人たちに出会います。インドの風景が楽しめるのかと思ったら，それはこの映画の主旨ではないらしく，ミステリアスな場所としてだけ描かれていました。でも，南インドの蒸し暑い空気と喧騒はよく伝わってきました。

途中，印象に残っているのは，主人公が占い師に出会い，占ってもらったところ，占い師が主人公のことは占えない，主人公の姿が見えないからと告げられた場面。いやー，ぞっとしましたが，それは話の伏線だったことが後になって分かりました。

最後にゴアに行ってついに探している知人に会うという瞬間，ここがクライマックスですが，ここは秘密に。フリオ・コルタサルの小説のような現実と物語が入れ換わるというスリルが味わえます。

観終わった後，自分は本当に存在しているんだろうかという気分にさせてくれる，印象深い作品でした。