ふたりの男とひとりの女

とってもおバカで下ネタ連発で下品な映画だけど、あまり嫌味は感じませんでした。これはジム・キャリーのキャラクターのなせる業でしょうか。
特に特筆すべきは彼の動き、二重人格を表現する彼のパントマイムはとても人間の動きとは思えません。まるでCGキャラクターを見ているようです。こんな役を出来るのは彼くらいのものでしょう。私は海外のコメディは「言葉の問題」からかセンスが違うのか、あまり面白いと思わないのですが、この映画はそんな私にも分かりやすいコメディでした。

多重人格はテーマが重いだけにサスペンスやホラーなどでは、よく題材として取り上げられますが、この映画ではコメディとして二つの人格をうまく使っています。

あくまでコメディなので、あまり目くじらを立てて見ないように。

下品だけど、おもしろいのが大好きな人にはぜひオススメ作品です。
ただ、ジム・キャリーのひとり芸の真骨頂という感じなので、
彼のおもしろさが無理な人には向かないでしょう。

わたしは、ファレリー兄弟の下品ネタもジム・キャリーも大好きなので、
かなり楽しめました。
今回は、他作品よりかなり下ネタ多目です。
その上、動物虐待や子どももいじめたりするシーンもあるので、
そういうのが苦手な方は見ない方がいいと思います。
でも、全体的には、愛ある映画ですよ。

原題の「Ｍｅ、Ｍｙｓｅｌｆ、Ｉｒｅｎｅ」というタイトルすてきですよね。
邦題はイマイチだけど、映画の内容には合っています。

要するにジム・キャリーが精神分裂で二重人格になって
最終的には二つの人格が一人の女性を取り合うっていう
もう最後のこの辺までくればジムの独り舞台(笑)
彼を受け付けない人は絶対見てはいけません♪

モロ下品な下ネタ、動物虐待
ちょっぱなから小人症の黒人さんと取っ組み合いで
ファレリー兄弟の得意技のオンパレードで大爆笑
なんですが・・・
そもそも、なんでチャーリー(ジム・キャリー)が精神分裂したのかって言うと
奥さんに浮気の上に子どもまでつくられ
挙句の果てには捨てられるっていう・・・
しかも浮気相手のＤＮＡを持つ子どもたちは優秀
仕事場の同僚には白い目で見られ
町の住人からはコケにされ・・・
それでも笑い飛ばして、溜め込んで、なんとかやってきたチャーリーも
ついに彼の中で何かが壊れてしまうのです

駐禁を注意したチャーリーが車の持ち主に鍵を投げられた時
あの時の顔・・・
捨てられた子犬みたいな潤んだ目
こんな僕だって傷付いてるんだって訴えるような表情
下品でおバカなんだから笑い飛ばせばいいものを
なぜか考えてしまうんですよ
人ってみんな同じ・・・

ホワイティが「なんでそんな白いねん！」って言われた時
あの時のチャーリーと同じ、捨て犬みたいな表情に、ハッ・・・っとしました
障害者だからとかではなく、人だからみんな違って
人だからみんな思うところも違う
だけど根付いているものはみんな同じ・・・
まるごとジム・キャリーとお下劣おバカな映画の影に
ファレリー兄弟の「とにかく人が好き」っていう気持ちが
まるで、あぶり出しのように浮かび上がってきて
自分自身でも意外な作品でいろいろ考えてしまいました

ジム・キャリーの角刈りだけはちょっと不満ですが・・・(笑)

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この映画は予告編やティーザーがかなり面白かったかも…とちょっと思いました。
ティーザーはかなり『メリーに首ったけ』と同レベルの映画の紹介として作られてて、かなり映画の出来を期待させられるものでした。
そんな予告編を観て高まった期待から考えると、ちょっと内容はいまいちだったかも。

しかしながら、単純に笑えました。
下品なところもご愛嬌。オバカな笑いが好きな人には全然気にならないはず。
ジム・キャリー演じる二重人格の発作と、不死身の牛にはかなりムリがありましたが（笑）、
チャーリーの息子3人は、口は悪いが天才的頭脳を持ち、さらに父親思いという設定がエエ感じだったし、
ホワイティもなかなか味のあるキャラでした。

お下劣な映画ということは否定できませんが、私は結構ほんわかできましたよ。

ストーリーはハチャメチャで変な話です。
でも、ジム・キャリーの顔芸と一人芝居は見ものです。
なんであんなに顔が動かせたり、身体も自由自在に動かせるんでしょう？
本当に器用な人だと思います。

レニー・ゼルウィガーもいつも通りキュートな役です。
すべてを包み込んで癒すような優しさが彼女の魅力ですね。

ちょっと気になるのが、下ネタが多すぎること。
あんなに下ネタ満載でなくっても、十分笑いが取れるのに・・
と、ちょっともったいない気もします。

万人ウケはしないでしょうが、私は結構楽しみました。