候補者ビル・マッケイ / ロバート・レッドフォード
候補者ビル・マッケイ
/マイケル・リッチー
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(9)
解説・ストーリー
民主党によって上院議院選挙に担ぎ出された若手弁護士。だが、手段を選ばない選挙戦の裏側を知ってしまった彼は、抱いていた理想とのギャップに翻弄されていく……。策謀渦巻く選挙戦と、その歯車に組み込まれてしまった男を描いたM・リッチーの力作。
民主党によって上院議院選挙に担ぎ出された若手弁護士。だが、手段を選ばない選挙戦の裏側を知ってしまった彼は、抱いていた理想とのギャップに翻弄されていく……。策謀渦巻く選挙戦と、その歯車に組み込まれてしまった男を描いたM・リッチーの力作。
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「候補者ビル・マッケイ」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
民主党によって上院議院選挙に担ぎ出された若手弁護士。だが、手段を選ばない選挙戦の裏側を知ってしまった彼は、抱いていた理想とのギャップに翻弄されていく……。策謀渦巻く選挙戦と、その歯車に組み込まれてしまった男を描いたM・リッチーの力作。
「候補者ビル・マッケイ」 の作品情報
「候補者ビル・マッケイ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
候補者ビル・マッケイの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
111分 |
日本語・英語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DLR01022 |
2005年09月29日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
8枚
|
0人
|
0人
|
候補者ビル・マッケイの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
111分 |
日本語・英語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DLR01022 |
2005年09月29日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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ユーザーレビュー:9件
これがアメリカの選挙戦か!お勧めします。
投稿日:2005/11/17
レビュアー:Yの3乗
衆議院選挙中、某夕刊紙で紹介されていた作品だったので、レンタルしてみました。
なかなか凄い!
元知事の父を持つハンサムな若き弁護士である主人公が、選挙のプロたちに上院議員選に担ぎ出される。
選挙参謀、TVCMのプロ、スピーチライター、ファッションコーディネーター、イベントクリエーターというプロフェッショナルたちがよってたかって繰り広げられる選挙戦!
信じるところを好きに発言しても良いという条件で出馬したはずなのに・・・
投票当日までも続けられる選挙戦!
老獪なベテラン議員に果たして勝てるのか?
やがて迎える皮肉な?結末?
今思えば、主人公はクリントンにもダブってみえます。
ロバートレッドフォードも若くてハンサム!
面白かった、お勧めします。
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6人の会員が気に入ったと投稿しています
政治というショービジネスの舞台裏
( ネタばれあり)
政治というのは演劇だなと思います。 というか、そもそも人間というのが役を演じる動物と言うべきか。
人気投票である選挙はショービジネスに通じるところがあるし、キャラが立つ役者でないと勝つことはできない。
この映画はアメリカの上院議員選挙を描いているけれど、アメリカの政治家のキャラは、テレビを使ったイメージ選挙の走りと言われる1960年の大統領選挙の、民主党ケネディと共和党ニクソンそれぞれのイメージをずっと踏襲していると思います。
民主党は、ケネディの持つ若々しく、清新で、知的でハンサムなキャラで、カーター、クリントン、そしてオバマがそれに続く。
一方の共和党はニクソンの毒気のある、アクの強いやり手のオヤジのキャラで、レーガン、ブッシュ父子がそう。
最近は演劇というより見世物化していて、トランプなんかまるっきりプロレスで言うヒールで、アメリカ国民がそれを面白がっているところがコワい
ともあれ、本作のビル・マッケイも民主党のケネディ・タイプ、本作の頃が全盛期のロバート・レッドフォードはまさに適役。
妻が乗馬が趣味のセレブであり、ハンサムなスター候補に寄って来る女たちがいて、それを後半部屋に連れ込んでしまう描写を見ると、この映画の頃にはすっかり政治の裏側が知れていたということなんでしょう。
ロバート・レッドフォードは、このころ人気絶頂ですが、俳優としてアカデミー賞にノミネートは『 スティング 』の一度きり。 美男スターにハリウッドは嫉妬するのか。
監督賞は『 普通の人々 』で獲り、サンダンス映画祭を主催したり、『 大統領の陰謀 』を映画化するなど政治意識が高くて、映画人としては尊敬されているけれども、一家言持つところが煙たがられるのか、業界には群れない孤高の人という印象が僕には強い。
選挙参謀役のピーター・ボイルは『 ヤング・フランケンシュタイン 』のモンスター役とも、『 タクシー・ドライバー 』の先輩運転手役とも全然違うところがカメレオン俳優だなと思います。
父親のバージェス・メレディスは、若い頃の『 ニノチカ 』ではグレタ・ガルボ演じる鉄仮面女に恋して翻弄される優男でしたが、歳を重ねて『 ハッド 』『 合衆国最後の日 』『 チャンス 』などではシブい老人を演じてました。
本作では最初ビル・マッケイが反抗するのもわかると思わせ、やがてあの父親の血が彼にも流れているのだとわかってくる重要な役どころでした。
監督は『 がんばれ ! ベアーズ 』のマイケル・リッチー
政治家を志したビル・マッケイが、次第に語るべき内容を失い、舞台に立てたその時には、その演劇の台本を書く者、演出を行う者は別にいるというのは、今の政治のむなしさを突いていると思います。
退屈で下手な芝居に、もうみんな飽き飽きしちゃっているけど、何とかならないでしょうか。
(ykk1976さんの映画会・第70回のレビュー)
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5人の会員が気に入ったと投稿しています
若いレッドフォード 政治家の資質
「候補者ビル・マッケイ」(1972年、米国、カラー、112分)。
監督はマイケル・リッチー。前年に「白銀のレーサー」(1971)が、R・レッドフォード主演、ジーン・ハックマン共演で米国劇場公開されています。
原題は、「THE CANDIDATE」です。J・フランケンハイマーの「影なる狙撃者」(1962)の原題は「The Manchurian Candidate」で「満州風の(満州で洗脳された)大統領候補」でした。「Manchurian」を引けば、「大統領候補」となります。
青年「ビル・マッケイ」(ロバート・レッドフォード)は、今の政治に失望し、政治運動に参加するうち、自分には何かできることはないかと思い、マスコミに注目され、劇画的な市民会話をお膳立てさせられ、本人が意識する以上の「スター」に祭り上げられる。
政治家として何の実績もなく、話題性ばかりで、ハンサムと多少の滑舌の良さで、ついに上院議員候補にまで昇ってしまう。神輿に担ぎ上げられてしまう。
人気のある候補者には、利権絡みの人間が蟻のように参集する。「選挙参謀」「ディベートの達人」「最高のメイクアップアーティスト」「30年ぶりに名乗り出てくる遠い親戚の一団」。彼が一つ、ため息をもらすと、「マッケイは環境問題に積極的」という「偽」情報をマスコミにリークする選挙参謀。
「ビル・マッケイ」は選挙を戦う。
彼の指向性は、バラク・オバマの政策と似ている。保険制度を作る。その財源として海外(ベトナム戦争)を終結させ、戦費・軍費を縮小する。この理想主義は、失敗に終わるだろう。どちらも中途半端になって、足を引き合う。
「オバマ」前・大統領は、最初は話題性があり、アフガン戦争とイラク戦争の終結、日本のような「国民皆保険制度の確立」を公約に当選した。しかし、議会運営、公約実現ができず、レームダックになり、言わなくてもよい「米国は世界の警察ではない」という無力発言の結果、中東では、まずイスラム国の跋扈を招き、ロシアとシリアの共闘を招き、北朝鮮の核査察への圧力を放棄し、中国の暴力的な台頭を招いた。理想だけで実行能力がない無力な男だった。
「ビル・マッケイ」の時代は、「ウォーターゲート」で失脚したR・ニクソンの後継として副大統領から昇格したJ・フォードの共和党大統領が執務中。素人の「マッケイ」には敵わない民主党候補のジミー・カータがいた。当選後、人気取りと、ノーベル平和賞狙いのためにさまざまな紛争地や共産国に遊行し、ずいぶん空手形を切ったのではないか。ソ連に媚び、中国に媚び、朝鮮半島を甘やかした。
当時の日本の歴代首相も、原爆を落とした米国の顔を伺いながら、国防の問題をごまかしてきた。
「ビル・マッケイ」は、どのような生き方をするか。
TV討論会の準備で、彼は想定問答の愚劣さに堪えきれず、笑う。
彼を押し上げる選挙参謀は、「マーヴィン・ルーカス」(ピーター・ボイル)だが、「ルーカス」は、「ビル」の虚無感を高揚させることはできない。
う
レッドフォード演じる「ビル」は、「ビル・クリントン」とは対極にある別人です。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
銀河鉄道は飛び立たない。
投稿日:2016/07/15
レビュアー:ぴよさん
妙な味わいの政治映画だ。アメリカで「選挙物」となれば、そりゃあもう
権謀術数の限りを尽くしたエゴと裏切りのエモーショナル祭りを予想するわ
けで、この映画でも当時にしてはかなり赤裸々に選挙のバックステージを
描いてはいる。冒頭から現れるのがビル・マッケイその人で無く、選挙プロ
のルーカスであるところから既に、この映画の主人公は候補者マッケイでは
ない、ということが示唆される。実際、ビルの演説よりもルーカスの前説の
方に重きが置かれたりしている。候補者達の主張は、マーケティング的で
相対的だ。
いやそれでも、観客の期待するところは、未だ初々しきレッドフォードが
用意されたレールから銀河鉄道のように飛び出し逸脱していく姿なのだが、
それを思わせながら、脱線どころか力無くブレーキを踏む姿を映し出す。
列車が急停車することで、逆に、周りの景色だけが前に飛び出してしまう。
本質を忘れ、祭りに浮かれる乗客達の姿を相対的に浮き上がらせるのだ。
アメリカの観客は当然ながら、これを実在の政治家達と重ね合わせて観た
のだろう。マッケイ陣営がオープンカーでパレードを企画するくだりでは、
「何かが起こる」と思わずにはいられないし、いかにも共和党なジャーモン
議員の言動が、ニクソンチックなのもお約束。
監督のマイケル・リッチーと言えば名篇『がんばれベアーズ』。あの作品も
勝負のドラマを前面に描きながら、実は勝ち進むことが最終目標じゃないと
ちょっと停車させちゃう感じが、少し本作とも重なる。(あちらは人生の一つ
の在り方として、こちらは大いなる皮肉としてだが)そのへんはリッチーさん
の人生観なんじゃないかなと思う。
いったい民主主義とは、選挙とは、と思わずにはいられないのが、今般の
「我々の選挙」だ。相も変わらず著名人を担ぎ上げる政党、それにまんまと
投票しちゃう有権者。こんなに情報が精査出来る世の中にあって、それでも
まだ旧来的な選択が行われる。70年代アメリカのバカ騒ぎをを冷笑する資格は
私たちには、まだ無い。
( ykk1976さんの映画会・第70回 )
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
魑魅魍魎の世界へようこそ。
投稿日:2016/07/16
レビュアー:さっちゃん
三連休で昨日、自宅に帰ってきましたが、出迎えたワンコに跳びつかれて顔をしこたま舐めまわされて小一時間は離れませんでしたので、しばらく呆けておりましたので、1日遅れの映画会レヴューと相成りました。
さて、アメリカの国会議員や大統領選挙では選挙コンサルタントが候補のイメージを演出するということは聞いておりましたが、本作では、その裏側が赤裸々に描かれております。このあたりはジョン・F・ケネディとリチャード・ニクオンの大統領選のテレビ討論の際に、すでにイメージ戦略が使われたということですから、70年代初頭の頃は、かなり完成していたでしょうね。
で、テーマとは別に、私がまず気になったのが、ビル・マッケイ(ロバート・レッドフォード)に目をつけるコンサルタントのマーヴィン・ルーカス(ピーター・ボイル)であります。あれ、この俳優さんの名前、どっかで見た覚えがあるよね。そうです。以前の映画会で取り上げた『ヤング・フランケンシュタイン』のクリーチャーをやった人ではありませんか。コメディとポリティカル・フィクションの違いとはいえ、随分、印象が変わるものであります。
この人が中心になって田舎町の自然保護などに尽力しているビル・マッケイをカリフォルニア州の上院議員として民主党から担ぎ出すことになる訳ですが、最初は自分の主張をそのまま出せばいいと言っていたのが、選挙戦が進行するに連れて、避けていた元州知事の父親(メルヴィン・ダグラス)に協力を仰いだり、主張が異なる労働組合の委員長とも手を結んだりと次第に権力のしがらみに絡めとられていく様がリアルであります。
裏方だった筈のコンサルタントがだんだん、主導権を握っていく様は、まるでメフィストフェレスに操られるファウストといった感もあります。ピーター・ボイルという俳優さんの存在が、この映画を支えている部分は、かなり大きいと思います。また、父親役のメルヴィン・ダグラスですが、この人の存在感も大きい。確か、『合衆国最後の日』では、チャールズ・ダーニング演じる無能なアメリカ大統領の親友で、大統領の最期を看取る役でした。今回は権謀術数の政治の世界をくぐり抜けて生きてきた老獪な男を、ちょっといやらしいくらいに表現しております。
あと、エンドロールで気がついたんですが、結構な人が自分自身の役で出演されております。画面では名前の出たナタリー・ウッドくらいしか分かりませんけど。テレビ局もキャスターも本物というのもドキュメンタリー的な演出を狙ったものでしょうか。ビル・マッケイの遊説の姿を捉えた映像も、しばしば逆光であったり、取材フィルムのような感覚なのでそう思えます。
ビル・マッケイとしての主張が得票のためのキャッチフレーズと化し、言葉だけが空回りする空疎さを車中でのビルの、あばばばばとふざけるカットで、うまく表現しております。この空虚さは、ラストのビルの「僕はこれから何をすればいいんだ?」とマーヴィンに問いかけるとまどった表情と、最期に挿入される空っぽの控え室の映像で頂点に達し、その直後に暗転して断ち切られることにより完璧に表現されたと思います。
西洋のことわざに「竜を追う者は最期に自分も竜になる。」というのがあるそうですが(いささか記憶が怪しいのですが。)ビルも竜を狩ろうと追いかけていく過程で竜になってしまったのかもしれません。
実は、この映画を観たのが参院選の投票日だったこととアメリカでも大統領選が進行していることもあり、色々と考えてしまいました。今では日本でも規模は違うと思いますが、イメージにより当確を左右するコンサルタントが背後にいるそうですから、それを考えると、自分の判断はどのくらい影響するんだろうなどと虚無的な方向へ思考が向かいそうになるのですが「絶望は愚か者の結論」という事場もあるので、政治について考えることはやめたくないと思いました。実際、今回の選挙の結果は私達の生活にすぐに反映されることになるんですからね。
(ykk1976さんの映画会:第70回)
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3人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
これがアメリカの選挙戦か!お勧めします。
投稿日
2005/11/17
レビュアー
Yの3乗
衆議院選挙中、某夕刊紙で紹介されていた作品だったので、レンタルしてみました。
なかなか凄い!
元知事の父を持つハンサムな若き弁護士である主人公が、選挙のプロたちに上院議員選に担ぎ出される。
選挙参謀、TVCMのプロ、スピーチライター、ファッションコーディネーター、イベントクリエーターというプロフェッショナルたちがよってたかって繰り広げられる選挙戦!
信じるところを好きに発言しても良いという条件で出馬したはずなのに・・・
投票当日までも続けられる選挙戦!
老獪なベテラン議員に果たして勝てるのか?
やがて迎える皮肉な?結末?
今思えば、主人公はクリントンにもダブってみえます。
ロバートレッドフォードも若くてハンサム!
面白かった、お勧めします。
政治というショービジネスの舞台裏
投稿日
2016/07/15
レビュアー
ロキュータス
( ネタばれあり)
政治というのは演劇だなと思います。 というか、そもそも人間というのが役を演じる動物と言うべきか。
人気投票である選挙はショービジネスに通じるところがあるし、キャラが立つ役者でないと勝つことはできない。
この映画はアメリカの上院議員選挙を描いているけれど、アメリカの政治家のキャラは、テレビを使ったイメージ選挙の走りと言われる1960年の大統領選挙の、民主党ケネディと共和党ニクソンそれぞれのイメージをずっと踏襲していると思います。
民主党は、ケネディの持つ若々しく、清新で、知的でハンサムなキャラで、カーター、クリントン、そしてオバマがそれに続く。
一方の共和党はニクソンの毒気のある、アクの強いやり手のオヤジのキャラで、レーガン、ブッシュ父子がそう。
最近は演劇というより見世物化していて、トランプなんかまるっきりプロレスで言うヒールで、アメリカ国民がそれを面白がっているところがコワい
ともあれ、本作のビル・マッケイも民主党のケネディ・タイプ、本作の頃が全盛期のロバート・レッドフォードはまさに適役。
妻が乗馬が趣味のセレブであり、ハンサムなスター候補に寄って来る女たちがいて、それを後半部屋に連れ込んでしまう描写を見ると、この映画の頃にはすっかり政治の裏側が知れていたということなんでしょう。
ロバート・レッドフォードは、このころ人気絶頂ですが、俳優としてアカデミー賞にノミネートは『 スティング 』の一度きり。 美男スターにハリウッドは嫉妬するのか。
監督賞は『 普通の人々 』で獲り、サンダンス映画祭を主催したり、『 大統領の陰謀 』を映画化するなど政治意識が高くて、映画人としては尊敬されているけれども、一家言持つところが煙たがられるのか、業界には群れない孤高の人という印象が僕には強い。
選挙参謀役のピーター・ボイルは『 ヤング・フランケンシュタイン 』のモンスター役とも、『 タクシー・ドライバー 』の先輩運転手役とも全然違うところがカメレオン俳優だなと思います。
父親のバージェス・メレディスは、若い頃の『 ニノチカ 』ではグレタ・ガルボ演じる鉄仮面女に恋して翻弄される優男でしたが、歳を重ねて『 ハッド 』『 合衆国最後の日 』『 チャンス 』などではシブい老人を演じてました。
本作では最初ビル・マッケイが反抗するのもわかると思わせ、やがてあの父親の血が彼にも流れているのだとわかってくる重要な役どころでした。
監督は『 がんばれ ! ベアーズ 』のマイケル・リッチー
政治家を志したビル・マッケイが、次第に語るべき内容を失い、舞台に立てたその時には、その演劇の台本を書く者、演出を行う者は別にいるというのは、今の政治のむなしさを突いていると思います。
退屈で下手な芝居に、もうみんな飽き飽きしちゃっているけど、何とかならないでしょうか。
(ykk1976さんの映画会・第70回のレビュー)
若いレッドフォード 政治家の資質
投稿日
2019/08/28
レビュアー
ちゅく
「候補者ビル・マッケイ」(1972年、米国、カラー、112分)。
監督はマイケル・リッチー。前年に「白銀のレーサー」(1971)が、R・レッドフォード主演、ジーン・ハックマン共演で米国劇場公開されています。
原題は、「THE CANDIDATE」です。J・フランケンハイマーの「影なる狙撃者」(1962)の原題は「The Manchurian Candidate」で「満州風の(満州で洗脳された)大統領候補」でした。「Manchurian」を引けば、「大統領候補」となります。
青年「ビル・マッケイ」(ロバート・レッドフォード)は、今の政治に失望し、政治運動に参加するうち、自分には何かできることはないかと思い、マスコミに注目され、劇画的な市民会話をお膳立てさせられ、本人が意識する以上の「スター」に祭り上げられる。
政治家として何の実績もなく、話題性ばかりで、ハンサムと多少の滑舌の良さで、ついに上院議員候補にまで昇ってしまう。神輿に担ぎ上げられてしまう。
人気のある候補者には、利権絡みの人間が蟻のように参集する。「選挙参謀」「ディベートの達人」「最高のメイクアップアーティスト」「30年ぶりに名乗り出てくる遠い親戚の一団」。彼が一つ、ため息をもらすと、「マッケイは環境問題に積極的」という「偽」情報をマスコミにリークする選挙参謀。
「ビル・マッケイ」は選挙を戦う。
彼の指向性は、バラク・オバマの政策と似ている。保険制度を作る。その財源として海外(ベトナム戦争)を終結させ、戦費・軍費を縮小する。この理想主義は、失敗に終わるだろう。どちらも中途半端になって、足を引き合う。
「オバマ」前・大統領は、最初は話題性があり、アフガン戦争とイラク戦争の終結、日本のような「国民皆保険制度の確立」を公約に当選した。しかし、議会運営、公約実現ができず、レームダックになり、言わなくてもよい「米国は世界の警察ではない」という無力発言の結果、中東では、まずイスラム国の跋扈を招き、ロシアとシリアの共闘を招き、北朝鮮の核査察への圧力を放棄し、中国の暴力的な台頭を招いた。理想だけで実行能力がない無力な男だった。
「ビル・マッケイ」の時代は、「ウォーターゲート」で失脚したR・ニクソンの後継として副大統領から昇格したJ・フォードの共和党大統領が執務中。素人の「マッケイ」には敵わない民主党候補のジミー・カータがいた。当選後、人気取りと、ノーベル平和賞狙いのためにさまざまな紛争地や共産国に遊行し、ずいぶん空手形を切ったのではないか。ソ連に媚び、中国に媚び、朝鮮半島を甘やかした。
当時の日本の歴代首相も、原爆を落とした米国の顔を伺いながら、国防の問題をごまかしてきた。
「ビル・マッケイ」は、どのような生き方をするか。
TV討論会の準備で、彼は想定問答の愚劣さに堪えきれず、笑う。
彼を押し上げる選挙参謀は、「マーヴィン・ルーカス」(ピーター・ボイル)だが、「ルーカス」は、「ビル」の虚無感を高揚させることはできない。
う
レッドフォード演じる「ビル」は、「ビル・クリントン」とは対極にある別人です。
銀河鉄道は飛び立たない。
投稿日
2016/07/15
レビュアー
ぴよさん
妙な味わいの政治映画だ。アメリカで「選挙物」となれば、そりゃあもう
権謀術数の限りを尽くしたエゴと裏切りのエモーショナル祭りを予想するわ
けで、この映画でも当時にしてはかなり赤裸々に選挙のバックステージを
描いてはいる。冒頭から現れるのがビル・マッケイその人で無く、選挙プロ
のルーカスであるところから既に、この映画の主人公は候補者マッケイでは
ない、ということが示唆される。実際、ビルの演説よりもルーカスの前説の
方に重きが置かれたりしている。候補者達の主張は、マーケティング的で
相対的だ。
いやそれでも、観客の期待するところは、未だ初々しきレッドフォードが
用意されたレールから銀河鉄道のように飛び出し逸脱していく姿なのだが、
それを思わせながら、脱線どころか力無くブレーキを踏む姿を映し出す。
列車が急停車することで、逆に、周りの景色だけが前に飛び出してしまう。
本質を忘れ、祭りに浮かれる乗客達の姿を相対的に浮き上がらせるのだ。
アメリカの観客は当然ながら、これを実在の政治家達と重ね合わせて観た
のだろう。マッケイ陣営がオープンカーでパレードを企画するくだりでは、
「何かが起こる」と思わずにはいられないし、いかにも共和党なジャーモン
議員の言動が、ニクソンチックなのもお約束。
監督のマイケル・リッチーと言えば名篇『がんばれベアーズ』。あの作品も
勝負のドラマを前面に描きながら、実は勝ち進むことが最終目標じゃないと
ちょっと停車させちゃう感じが、少し本作とも重なる。(あちらは人生の一つ
の在り方として、こちらは大いなる皮肉としてだが)そのへんはリッチーさん
の人生観なんじゃないかなと思う。
いったい民主主義とは、選挙とは、と思わずにはいられないのが、今般の
「我々の選挙」だ。相も変わらず著名人を担ぎ上げる政党、それにまんまと
投票しちゃう有権者。こんなに情報が精査出来る世の中にあって、それでも
まだ旧来的な選択が行われる。70年代アメリカのバカ騒ぎをを冷笑する資格は
私たちには、まだ無い。
( ykk1976さんの映画会・第70回 )
魑魅魍魎の世界へようこそ。
投稿日
2016/07/16
レビュアー
さっちゃん
三連休で昨日、自宅に帰ってきましたが、出迎えたワンコに跳びつかれて顔をしこたま舐めまわされて小一時間は離れませんでしたので、しばらく呆けておりましたので、1日遅れの映画会レヴューと相成りました。
さて、アメリカの国会議員や大統領選挙では選挙コンサルタントが候補のイメージを演出するということは聞いておりましたが、本作では、その裏側が赤裸々に描かれております。このあたりはジョン・F・ケネディとリチャード・ニクオンの大統領選のテレビ討論の際に、すでにイメージ戦略が使われたということですから、70年代初頭の頃は、かなり完成していたでしょうね。
で、テーマとは別に、私がまず気になったのが、ビル・マッケイ(ロバート・レッドフォード)に目をつけるコンサルタントのマーヴィン・ルーカス(ピーター・ボイル)であります。あれ、この俳優さんの名前、どっかで見た覚えがあるよね。そうです。以前の映画会で取り上げた『ヤング・フランケンシュタイン』のクリーチャーをやった人ではありませんか。コメディとポリティカル・フィクションの違いとはいえ、随分、印象が変わるものであります。
この人が中心になって田舎町の自然保護などに尽力しているビル・マッケイをカリフォルニア州の上院議員として民主党から担ぎ出すことになる訳ですが、最初は自分の主張をそのまま出せばいいと言っていたのが、選挙戦が進行するに連れて、避けていた元州知事の父親(メルヴィン・ダグラス)に協力を仰いだり、主張が異なる労働組合の委員長とも手を結んだりと次第に権力のしがらみに絡めとられていく様がリアルであります。
裏方だった筈のコンサルタントがだんだん、主導権を握っていく様は、まるでメフィストフェレスに操られるファウストといった感もあります。ピーター・ボイルという俳優さんの存在が、この映画を支えている部分は、かなり大きいと思います。また、父親役のメルヴィン・ダグラスですが、この人の存在感も大きい。確か、『合衆国最後の日』では、チャールズ・ダーニング演じる無能なアメリカ大統領の親友で、大統領の最期を看取る役でした。今回は権謀術数の政治の世界をくぐり抜けて生きてきた老獪な男を、ちょっといやらしいくらいに表現しております。
あと、エンドロールで気がついたんですが、結構な人が自分自身の役で出演されております。画面では名前の出たナタリー・ウッドくらいしか分かりませんけど。テレビ局もキャスターも本物というのもドキュメンタリー的な演出を狙ったものでしょうか。ビル・マッケイの遊説の姿を捉えた映像も、しばしば逆光であったり、取材フィルムのような感覚なのでそう思えます。
ビル・マッケイとしての主張が得票のためのキャッチフレーズと化し、言葉だけが空回りする空疎さを車中でのビルの、あばばばばとふざけるカットで、うまく表現しております。この空虚さは、ラストのビルの「僕はこれから何をすればいいんだ?」とマーヴィンに問いかけるとまどった表情と、最期に挿入される空っぽの控え室の映像で頂点に達し、その直後に暗転して断ち切られることにより完璧に表現されたと思います。
西洋のことわざに「竜を追う者は最期に自分も竜になる。」というのがあるそうですが(いささか記憶が怪しいのですが。)ビルも竜を狩ろうと追いかけていく過程で竜になってしまったのかもしれません。
実は、この映画を観たのが参院選の投票日だったこととアメリカでも大統領選が進行していることもあり、色々と考えてしまいました。今では日本でも規模は違うと思いますが、イメージにより当確を左右するコンサルタントが背後にいるそうですから、それを考えると、自分の判断はどのくらい影響するんだろうなどと虚無的な方向へ思考が向かいそうになるのですが「絶望は愚か者の結論」という事場もあるので、政治について考えることはやめたくないと思いました。実際、今回の選挙の結果は私達の生活にすぐに反映されることになるんですからね。
(ykk1976さんの映画会:第70回)
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- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
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候補者ビル・マッケイ