遊び

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ぱらぱらとめくっていた映画本の　この作品のことを書いた部分を読んだ後に　かんぬきさんのレヴューが最新投稿にあったので　記憶のそこからこのシネマのことがおぼろげに浮かんできました　「くちずけ」と並んで初期の作品だとばかり思っていたんですが　なんと増村保造監督48歳の48番目の作品なんですね　びっくり

青春をもっとも純粋に集約する初恋映画である　と監督は述べている　まさにその初々しさは　大門正明のような　つまらんチンピラに　貧しくて馬鹿そうでも関根恵子のような　素敵な女の子が恋してくれる　ずっと観客の若者にも　親近感がもてることにも　なっているわけです　思わず大門に自分を重ね合わせてしまったりするのです

かんぬきさんは　構成に難があって　最後のほうでは感心できなくなると書いていながら　「風と共に去りぬ」くらい感動したみたいな　どっちなんじゃいって感じなんですが笑　ボクが読んでた本の山田宏一おじさんの文章を引用させてもらうと「ラストシーンは悲しい死出の旅立ちと言うよりは　むしろ明るく陽気な狂気にも似た　甘えに思いっきり溺れた　夢と恋の逃避行への出発のようにみえる」とのことです　やはりそれまでの緊張ある展開から映画の終息に向けての　手抜きではもちろんなく　観客がどこかほっとする　開放感のような結末にもっていってるのであると思います　また　「セックスチェック第二の性」のような　お話としてはばかばかしい内容の作品にあっての　あのさわやかに投げやりなラストのように　それは監督のテンションの高い演出の後にふっと見せる　照れのようなものかもしれません

しかし増村映画特有のテーマ　純粋な情熱にすべてを賭ける人々の戦いの苦悩と恍惚もここにはあるのであり　それは「彷徨する青春の絶望のあがき」（同書）なのであるのでしょう

1972年僕は高校3年生だった。学校をサボっては映画を見に行っていた。大阪には洋画では大毎地下や戎橋劇場。邦画では池田中央第１第2劇場。神戸にも京都にも2本立て3本立てで映画が安く見ることができる映画館がずいぶんあった。
「遊び」はそんな時にそんなところで見た映画。日記を読み返したが、どこで何時見たかはっきりしない。

2007年の11月某日、「続3丁目の夕日always」を見て来て帰りにふと、青春時代に見たこの映画のことを思い出してもう一度見てみたくなった。

「貧しくて不幸で寂しくてひたむきで美しい愛」

女工とチンピラは関根恵子と大門正明。チンピラの兄貴は蟹江圭三。松坂慶子もゴーゴー（今のディスコ？）の場面で一瞬出ている。大映の末期の頃の作品だ。

ホテルの洋式トイレが珍しく、ご馳走が鶏のモモ肉で‥

初めてこの映画を見たとき、私はこの二人に自分の境遇を重ねて見ていたように思う。今回35年振りなのに殆どののシーンを覚えているのに驚いた。

母子家庭の僕は現実を逃避して、月3000円の奨学金の殆どを映画に費やしていた。
この年、出席日数が足りず落第した。

一夜のアバンチュールというつまらないテーマにもかかわらず、緊張感のある展開。最後まで一気に見せてくれますが、鑑賞後、勢いが冷めてから冷静に評価すると、人におすすめするほどのものではありません。
古くささとか、セットのチープさとか、そんなことはどうでもいい。致命的なのは物語の構成です。終わりに近付くほど盛り上がるべきところ、逆にしぼんでしまった感じなのです。
前半は「この２人、これからどうなるの！？」と息もつかせぬ展開なのが、後半、お互いに好き好き言い始めると、こちらとしては、「死のうが生きようが２人一緒なら幸せってことでしょ、ならもう結末なんかどうでもいいじゃん」…という感じになってしまいました。
逆転劇、驚くようなオチでもあれば良かったのですが。
評価できる点としては、怒涛の勢いだけはあったということですね。恋愛中心でここまで凄まじい推進力を持った映画は『風と共に去りぬ』以来かもしれません（あれ？すごいじゃん）

初心な田舎娘がチンピラに騙されるんだけど、少女のあまりの純真さに元々は純朴だったチンピラは絆され、何時しか二人は愛し合うようになるけど、ヤクザはそんなに簡単に辞められない。本当に困ったもんですね。最後はどうなるんだろう？

本当に安い二人の安い話なんだけど、こんなに胸を打たれてしまうなんて。役者の素晴らしさもあるだろうけど何より、増村監督の演出が素晴らしいんだろうな。

　チンピラ（18歳童貞）が兄貴に献上するために少女（16歳処女）を引っかけるが，あまりに純な彼女に恋をしてしまい，二人で駆け落ちするという話。ストーリー自体はかなりベタ。

　普段から働きづめの少女は，男と二人で高級旅館に泊まった際，夕食の食器をすべて洗面所で洗う。これを見たときはかなり笑ったが，男は素直に，良い奥さんになると感心していた。おいおい。

　愛し合った翌日，スッカラカンになった二人は，下着姿になって，湖に入り，穴の空いた木の船に捕まりながら，バタ足で向こう岸を目ざす。（しばらく経ってから，お互いが，自分は金槌であることをカミングアウト。しかし泳ぎ方を見る限り，けっこう上手。。。）

いろいろと突っ込みどころがある映画。