酒とバラの日々 / ジャック・レモン
酒とバラの日々
/ブレイク・エドワーズ
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全体の平均評価点: (5点満点)
(14)
解説・ストーリー
仕事のハケ口を酒で紛らわせる夫に、妻もまた寂しさを酒で振り払おうとした。いつしかアルコール中毒にまで落ちてしまった二人だったが、お互いのためにも子供のためにも力を合わせて必死に更生しようとする。夫婦の愛の絆、アルコール中毒の恐ろしさをリアルに描いた問題作。
仕事のハケ口を酒で紛らわせる夫に、妻もまた寂しさを酒で振り払おうとした。いつしかアルコール中毒にまで落ちてしまった二人だったが、お互いのためにも子供のためにも力を合わせて必死に更生しようとする。夫婦の愛の絆、アルコール中毒の恐ろしさをリアルに描いた問題作。
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「酒とバラの日々」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
仕事のハケ口を酒で紛らわせる夫に、妻もまた寂しさを酒で振り払おうとした。いつしかアルコール中毒にまで落ちてしまった二人だったが、お互いのためにも子供のためにも力を合わせて必死に更生しようとする。夫婦の愛の絆、アルコール中毒の恐ろしさをリアルに描いた問題作。
「酒とバラの日々」 の作品情報
「酒とバラの日々」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
酒とバラの日々の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
117分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DLR11161 |
2006年09月29日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
9枚
|
0人
|
0人
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酒とバラの日々の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
117分 |
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1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DLR11161 |
2006年09月29日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
9枚
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0人
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ユーザーレビュー:14件
酒もバラも無縁のワタシ。
投稿日:2018/05/27
レビュアー:ぴよさん
『酒とバラの日々』っていやぁ、オスカー・ピーターソンでしょ…と思ったら
この元映画との乖離、甚だしかった。あの軽妙なタッチが感じられたのは映画の
なんとか前半部分だけ。マンシーニの美しいメロディーによって、悲劇的なドラマ
が補色効果のように浮き上がってくる。
このメロに歌詞をつけたジョニー・マーサーという人もかなりの酒乱だったようで
酔って暴れた次の日に、迷惑をかけた相手にバラを贈っていたという。いやおい。
そしてそもそもの元ネタは、イギリスの詩人クリストファー・ドーソンの一篇。
「酒とバラの日々は長くは続かない。
私たちの進む道は
おぼろげな夢の中から
しばし顔をのぞかせ
やがて夢の中に
その扉を閉ざしてしまう」
夢のように華やかな時は、はかなく消えてゆくものだ。それらが消えていった時に
残るものはあるのだろうか、という哀しげな詩だ。
言うまでも無く、映画タイトルから、酒とバラの日々「は続かないもの」の部分が
省略されている。『ジョニーは戦場に行った』から「不具になって帰ってきた」が
省略されているように(違うか)
溌剌としていたジャック・レモンとリー・レミックが、アルコールによって壊れ
ていく。この映画の興味深いところは、この時代の映画に特有の「こうなれば
いいよね」という道筋を平気で外してくる事。前半と後半が別物映画ベスト10が
あればベスト3に入るかもしれない。俳優の顔ぶれと、マンシーニの旋律によって
予想されるベクトルは、ついに目指されない。ふとエンドマークが出た後の当時の
劇場の雰囲気を想像してしまう。希望も破滅も提示され無い。エンドロールの無い
時代だから、ぶった切られた気分で席を立つことになったろう。
全てを見返して、改めてオープニングに流れる『酒とバラの』を聴くと、それが
強烈な皮肉となって聞こえてくる。悲劇を悲劇として喧伝しないことで、より
悲劇性が真に迫ってくるという、良く出来た例だ。
(ykk1976さんの映画会・第90回)
このレビューは気に入りましたか?
7人の会員が気に入ったと投稿しています
継続は破壊なり。
(ネタばれあり)
主演が『 お熱いのがお好き 』『 あなただけ今晩は 』などのジャック・レモン、監督が『 グレート・レース 』『 ピンク・パンサー 』シリーズなどのブレイク・エドワース、そして音楽がヘンリー・マンシーニという顔ぶれでこのタイトルだと、ロマンチックなラブコメディだと想像してしまうけれど、アルコール依存症を正面から描いたシリアスな作品です。
実際、冒頭このカップルの出会いのシーンのムードは、ロマンチックなラブコメディのような展開だけど、だんだんといつの間にか深刻な話に変わっていくのがすごい。
ジャック・レモンの名演はもちろんなのだけれど、清楚で輝いているリー・レミックの崩れていく様子がみごと。
本作は、『 十二人の怒れる男 』と同様に、先に評判となったテレビ版があって映画化された作品でテレビ版(1958年)のキャストはクリフ・ロバートソンとバイパー・ローリー、義父役は同じチャールズ・ビックフォード。 演出はジョン・フランケンハイマー。
ブレイク・エドワースのコメンタリーによると、主演の二人が自分を監督に指名したと言っているが、ジャック・レモンはエージェントからブレイク・エドワースが監督だとして話を持ち掛けられている。 話は食い違うけれど、どちらかの記憶違いか、間に入った人間がそれぞれに違うことを言って企画に誘ったかはわからない。
ちなみにブレイク・エドワースによると、グレゴリー・ペック主演という話もあったらしい。
ジャック・レモンによれば、こんな話では客が来ないと映画会社はどこもやりたがらず、ワーナーにはラストはみんな立ち直るハッピーエンドという約束で企画を通したが、ラストシーンの撮影を一番後回しにして、撮り終えるとレモンはパリに行って撮り直しさせないようにしたラストだったそうです。
ちなみにアクターズ・スタジオ・インタビューでジャック・レモンは自分自身もアルコール依存とカミングアウトして、司会のジェームズ・リプトンを驚かせました。
まあ、もしこれが数年後のアメリカン・ニューシネマの時代だったら、家出した妻が酒ほしさに男に抱かれるセックスシーンがあったろうし、カラー作品だったらもっと生々しかったかもしれない。監督がシドニー・ルメットやジョン・フランケンハイマーだったらどうか。 たとえば日本映画で同じテーマだったら武満徹あたりがやっていそう。 本作でアカデミー主題歌賞を獲ったヘンリー・マンシーニの甘い音楽で、ブレイク・エドワースの作風だから、ほどぼどで重くなくて、救われるところがあるかもしれない。
子ども時代、アルコール中毒のことを知ったのは、映画やテレビだと思いますが、その頃は単純にだらしがない、甘ったれてるとだけ思いました。
大人になると、実際に泥酔して乱れている人間にも接しますし、また自身はアルコール依存ではないものの、ある意味わかってきて、身につまされます。
ぼくの場合も過食症で、緊張したり、イライラすると食べずにいられないですし、またひきこもりの経験もありますし、またのどがカラカラになって、つばが出なくなり、胃が痛むような身体の状態になってしまうココロの状態は経験もあり、わかります。
その自縄自縛の、堂々巡りの悪循環の心理状態は理解できます。 よく陥りますから。
間違っている、ダメなこととわかっていても繰り返すのは、一種の自傷行為であるからでしょうか。 反省する、懲りるというのは大切なのですが、少し回路がずれると、自分はどうせだめな人間という烙印を自分に押してしまって、またやってしまう。
反省と卑下、信頼と甘やかしには違いはあるけど、言葉どおりにはなかなかいかない。
失敗はしたけれど自分は立ち直れる、という自己肯定をどうするかが実は難しいと思います。
( ykk1976さんの映画会 第90回のレビュー)
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5人の会員が気に入ったと投稿しています
また1日を飲まずに過ごせた。
投稿日:2018/05/20
レビュアー:さっちゃん
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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アルコール依存症というのは治らない病気(「症」というんだから病気のうちだと思います。)だそうで、これはなだいなださんの本(治療する側)や吾妻ひでおさんの「失踪日記」「アルコール病棟」(治療される側)などから得た知識です。
依存症と診断されて専門の病院に入院し、治療と断酒会などの活動によって何年も飲まないでいた人が、古い友達と会って、一杯だけならと飲んで逆戻りというケースが良くあるそうで、飲めば振り出しなのだそうです。本作でも、ジョー(ジャック・レモン)が酒をやめたあとに二度に亘って飲んで病院に戻るというシーンがあります。そのきっかけが、最初はまったく酒を飲まなかった妻のカーステン(リー・レミック)というのが皮肉ですが、夫婦それぞれが一緒に住んでいても孤独というのが彼らが堕ちていく原因かなとは思います。この辺りの人間観が厳しいのは監督がコメディも上手なブレイク・エドワーズだからかもしれません。
そう考えるとジャック・レモンが主役というのも本作の成功の鍵だと思えます。ときおり挟まれるユーモアがなければ本作のトーンはただ暗いだけだったでしょう。ときにユーモアもあり、それがアルコール依存症の恐ろしさを一層、際立たせる。
もちろん、ジャック・レモンとリー・レミックの演技がなければ、その演出も成功しなかったに違いありません。ジャック・レモンが酒瓶を隠した温室で植木鉢を放り投げ、転げまわって酒を探す下り。リー・レミックを連れ戻すのに失敗して飲んでしまい、さらに酒を求めて閉店した酒屋から盗み、失敗し、拘束衣をきせられて暴れる下り。また、リー・レミックが依存症が進むに連れて、身なりにもかまわなくなり、次第にやつれていく様子など二人の演技を見ていると本当に泥酔してるんじゃないかと思うほどの迫力があります。それとカーステンの父親役のチャールズ・ピックフォードがジャック・レモンに言う「ここにいたときはビールさえ飲まなかった。」という悲痛な叫びには、同じ父親として感情移入してしまいました。
冒頭でアルコール依存症は治らない病気だと書きました。だから、今日一日を飲まないで過ごせるように努力することしかできないそうです。物語の幕切れも、リー・レミックを見送ってアパートの窓越しにジャック・レモンを捉えたカットの明滅する「BAR」のネオンサインが彼女を断ちなおさせることができるかどうか心細い未来を暗示しているようです。
あ、最後に劇中でも出てきましたアルコール依存の互助組織(アルコホリック・アノニマス略してA.A)が、もう50年代末頃にはアメリカにあったということで、社会の中でアルコール依存への対策が、そんなに早くからとられていたのか、それとも無視できないほど依存症患者がいたのか、どっちなんでしょう。
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
ある意味タイムリーな……
題名から想像していた優雅なものとはほど遠いストーリーです。
また阿呆な邦題かと思ったんですが、原題「Days of Wine and Roses」そのまま。
「Wine」はともかく「Roses」は一体何なのか。(父の温室の薔薇?)
まぁ、ある意味タイムリーな内容に、「映画会、何か憑いてる?」と妙に関心もするのですが。
(最近大騒ぎの某アイドルの不祥事。敢えて病名はソレと断定します。)
はい、「アル中のおはなし」とは言ってしまえばそれまでで、でも今に至る永遠の問題を取り上げた一本です。
「夫は仕事に行き詰まり、妻は寂しさに耐えかねて酒に溺れた」と、文字にすれば「何甘えてんねん(怒)」な原因ですが、正直他人事とは思えません。
かく言う自分も「ストレスで大食い」人間で、お菓子かアルコールか、満腹で動きが鈍化か酒乱で躁状態かの違いはあれど、問題の根っこは同じでは無いでしょうか。
「逃げる」先が飲食物の過剰摂取ってんですから、先進国ならではの贅沢病で、文明病とも言えるのでは無いかとも。
妙な知恵とプライドが邪魔をして、それをまた「認めない」ので始末が悪いんです。
自分を客観視出来るか出来ないかが、治癒への分かれ道なんでしょう。
回復の道を歩み始めた夫と、益々落ちる妻の対比が鮮やかに描かれています。
でも、「ストレスからの大食い」はしっかり認めつつ、それでも止められない私は単なる食いしん坊なのか、本心「認めていない」だけなのか、さて……。
夏に向かうこの時期に、この二の腕にお腹はちょっと……かなりマズイんですけどねぇ。
どうしてもコメディアン・イメージのジャック・レモンですが、狂気さえ感じられる熱演・怪演でした。
リー・レミックも、凜としたキャリア・ウーマンからの崩れ方が凄まじく、とりわけ酔っぱらい演技が素晴らしかったです。
しっかし、どんなに泥酔していても酒瓶はしっかり持ったまま、一滴もこぼさないのには関心しきりでした(笑)。
ある意味夫婦と「同類」の私ですが、最も共感出来たのは妻の父親で、随分な迷惑を被りいつまでも心配の尽きない彼の今後を想うと暗澹としてしまいます。
ふらふらと行く妻の向こうにはバーの看板が。
それでも夫は妻に手を差し伸べるのか、諦めて見捨てるのか、どちらとも取れるエンディングです。
一見回復したように見える夫も、本当に大丈夫なんでしょうか。
もやっと後味の悪いエンディングに、現代への繋がりが見えるようでした。
(ykk1976さんの映画会・第90回)
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
辛い、切ない!!!
投稿日:2007/06/08
レビュアー:isoko
アメリカにはアル中をテーマにした秀作がいくつかありますね。
「失われた週末」「リービング・ラスベガス」
この3作に共通しているのは、音楽が秀逸で、こころに沁みる、ことです。
アメリカの病理は麻薬・銃・アルコールでしょうが、特にアルコール中毒者を描かせると、なぜか哀愁に満ちた佳作になります。
ニコラス・ケイジも「リービング・ラスベガス」が最高でした。
アメリカ人がウイスキーを生(き)であおるシーンは西部劇から今日まで綿々と描かれていて、「水割り、ちびちび」の日本人には粋に見えますが、アル中患者を誘発してる側面も否めないと思うのですが、いかがでしょう?
このレビューは気に入りましたか?
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ユーザーレビュー
酒もバラも無縁のワタシ。
投稿日
2018/05/27
レビュアー
ぴよさん
『酒とバラの日々』っていやぁ、オスカー・ピーターソンでしょ…と思ったら
この元映画との乖離、甚だしかった。あの軽妙なタッチが感じられたのは映画の
なんとか前半部分だけ。マンシーニの美しいメロディーによって、悲劇的なドラマ
が補色効果のように浮き上がってくる。
このメロに歌詞をつけたジョニー・マーサーという人もかなりの酒乱だったようで
酔って暴れた次の日に、迷惑をかけた相手にバラを贈っていたという。いやおい。
そしてそもそもの元ネタは、イギリスの詩人クリストファー・ドーソンの一篇。
「酒とバラの日々は長くは続かない。
私たちの進む道は
おぼろげな夢の中から
しばし顔をのぞかせ
やがて夢の中に
その扉を閉ざしてしまう」
夢のように華やかな時は、はかなく消えてゆくものだ。それらが消えていった時に
残るものはあるのだろうか、という哀しげな詩だ。
言うまでも無く、映画タイトルから、酒とバラの日々「は続かないもの」の部分が
省略されている。『ジョニーは戦場に行った』から「不具になって帰ってきた」が
省略されているように(違うか)
溌剌としていたジャック・レモンとリー・レミックが、アルコールによって壊れ
ていく。この映画の興味深いところは、この時代の映画に特有の「こうなれば
いいよね」という道筋を平気で外してくる事。前半と後半が別物映画ベスト10が
あればベスト3に入るかもしれない。俳優の顔ぶれと、マンシーニの旋律によって
予想されるベクトルは、ついに目指されない。ふとエンドマークが出た後の当時の
劇場の雰囲気を想像してしまう。希望も破滅も提示され無い。エンドロールの無い
時代だから、ぶった切られた気分で席を立つことになったろう。
全てを見返して、改めてオープニングに流れる『酒とバラの』を聴くと、それが
強烈な皮肉となって聞こえてくる。悲劇を悲劇として喧伝しないことで、より
悲劇性が真に迫ってくるという、良く出来た例だ。
(ykk1976さんの映画会・第90回)
継続は破壊なり。
投稿日
2018/05/15
レビュアー
ロキュータス
(ネタばれあり)
主演が『 お熱いのがお好き 』『 あなただけ今晩は 』などのジャック・レモン、監督が『 グレート・レース 』『 ピンク・パンサー 』シリーズなどのブレイク・エドワース、そして音楽がヘンリー・マンシーニという顔ぶれでこのタイトルだと、ロマンチックなラブコメディだと想像してしまうけれど、アルコール依存症を正面から描いたシリアスな作品です。
実際、冒頭このカップルの出会いのシーンのムードは、ロマンチックなラブコメディのような展開だけど、だんだんといつの間にか深刻な話に変わっていくのがすごい。
ジャック・レモンの名演はもちろんなのだけれど、清楚で輝いているリー・レミックの崩れていく様子がみごと。
本作は、『 十二人の怒れる男 』と同様に、先に評判となったテレビ版があって映画化された作品でテレビ版(1958年)のキャストはクリフ・ロバートソンとバイパー・ローリー、義父役は同じチャールズ・ビックフォード。 演出はジョン・フランケンハイマー。
ブレイク・エドワースのコメンタリーによると、主演の二人が自分を監督に指名したと言っているが、ジャック・レモンはエージェントからブレイク・エドワースが監督だとして話を持ち掛けられている。 話は食い違うけれど、どちらかの記憶違いか、間に入った人間がそれぞれに違うことを言って企画に誘ったかはわからない。
ちなみにブレイク・エドワースによると、グレゴリー・ペック主演という話もあったらしい。
ジャック・レモンによれば、こんな話では客が来ないと映画会社はどこもやりたがらず、ワーナーにはラストはみんな立ち直るハッピーエンドという約束で企画を通したが、ラストシーンの撮影を一番後回しにして、撮り終えるとレモンはパリに行って撮り直しさせないようにしたラストだったそうです。
ちなみにアクターズ・スタジオ・インタビューでジャック・レモンは自分自身もアルコール依存とカミングアウトして、司会のジェームズ・リプトンを驚かせました。
まあ、もしこれが数年後のアメリカン・ニューシネマの時代だったら、家出した妻が酒ほしさに男に抱かれるセックスシーンがあったろうし、カラー作品だったらもっと生々しかったかもしれない。監督がシドニー・ルメットやジョン・フランケンハイマーだったらどうか。 たとえば日本映画で同じテーマだったら武満徹あたりがやっていそう。 本作でアカデミー主題歌賞を獲ったヘンリー・マンシーニの甘い音楽で、ブレイク・エドワースの作風だから、ほどぼどで重くなくて、救われるところがあるかもしれない。
子ども時代、アルコール中毒のことを知ったのは、映画やテレビだと思いますが、その頃は単純にだらしがない、甘ったれてるとだけ思いました。
大人になると、実際に泥酔して乱れている人間にも接しますし、また自身はアルコール依存ではないものの、ある意味わかってきて、身につまされます。
ぼくの場合も過食症で、緊張したり、イライラすると食べずにいられないですし、またひきこもりの経験もありますし、またのどがカラカラになって、つばが出なくなり、胃が痛むような身体の状態になってしまうココロの状態は経験もあり、わかります。
その自縄自縛の、堂々巡りの悪循環の心理状態は理解できます。 よく陥りますから。
間違っている、ダメなこととわかっていても繰り返すのは、一種の自傷行為であるからでしょうか。 反省する、懲りるというのは大切なのですが、少し回路がずれると、自分はどうせだめな人間という烙印を自分に押してしまって、またやってしまう。
反省と卑下、信頼と甘やかしには違いはあるけど、言葉どおりにはなかなかいかない。
失敗はしたけれど自分は立ち直れる、という自己肯定をどうするかが実は難しいと思います。
( ykk1976さんの映画会 第90回のレビュー)
また1日を飲まずに過ごせた。
投稿日
2018/05/20
レビュアー
さっちゃん
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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アルコール依存症というのは治らない病気(「症」というんだから病気のうちだと思います。)だそうで、これはなだいなださんの本(治療する側)や吾妻ひでおさんの「失踪日記」「アルコール病棟」(治療される側)などから得た知識です。
依存症と診断されて専門の病院に入院し、治療と断酒会などの活動によって何年も飲まないでいた人が、古い友達と会って、一杯だけならと飲んで逆戻りというケースが良くあるそうで、飲めば振り出しなのだそうです。本作でも、ジョー(ジャック・レモン)が酒をやめたあとに二度に亘って飲んで病院に戻るというシーンがあります。そのきっかけが、最初はまったく酒を飲まなかった妻のカーステン(リー・レミック)というのが皮肉ですが、夫婦それぞれが一緒に住んでいても孤独というのが彼らが堕ちていく原因かなとは思います。この辺りの人間観が厳しいのは監督がコメディも上手なブレイク・エドワーズだからかもしれません。
そう考えるとジャック・レモンが主役というのも本作の成功の鍵だと思えます。ときおり挟まれるユーモアがなければ本作のトーンはただ暗いだけだったでしょう。ときにユーモアもあり、それがアルコール依存症の恐ろしさを一層、際立たせる。
もちろん、ジャック・レモンとリー・レミックの演技がなければ、その演出も成功しなかったに違いありません。ジャック・レモンが酒瓶を隠した温室で植木鉢を放り投げ、転げまわって酒を探す下り。リー・レミックを連れ戻すのに失敗して飲んでしまい、さらに酒を求めて閉店した酒屋から盗み、失敗し、拘束衣をきせられて暴れる下り。また、リー・レミックが依存症が進むに連れて、身なりにもかまわなくなり、次第にやつれていく様子など二人の演技を見ていると本当に泥酔してるんじゃないかと思うほどの迫力があります。それとカーステンの父親役のチャールズ・ピックフォードがジャック・レモンに言う「ここにいたときはビールさえ飲まなかった。」という悲痛な叫びには、同じ父親として感情移入してしまいました。
冒頭でアルコール依存症は治らない病気だと書きました。だから、今日一日を飲まないで過ごせるように努力することしかできないそうです。物語の幕切れも、リー・レミックを見送ってアパートの窓越しにジャック・レモンを捉えたカットの明滅する「BAR」のネオンサインが彼女を断ちなおさせることができるかどうか心細い未来を暗示しているようです。
あ、最後に劇中でも出てきましたアルコール依存の互助組織(アルコホリック・アノニマス略してA.A)が、もう50年代末頃にはアメリカにあったということで、社会の中でアルコール依存への対策が、そんなに早くからとられていたのか、それとも無視できないほど依存症患者がいたのか、どっちなんでしょう。
ある意味タイムリーな……
投稿日
2018/05/15
レビュアー
まりこ
題名から想像していた優雅なものとはほど遠いストーリーです。
また阿呆な邦題かと思ったんですが、原題「Days of Wine and Roses」そのまま。
「Wine」はともかく「Roses」は一体何なのか。(父の温室の薔薇?)
まぁ、ある意味タイムリーな内容に、「映画会、何か憑いてる?」と妙に関心もするのですが。
(最近大騒ぎの某アイドルの不祥事。敢えて病名はソレと断定します。)
はい、「アル中のおはなし」とは言ってしまえばそれまでで、でも今に至る永遠の問題を取り上げた一本です。
「夫は仕事に行き詰まり、妻は寂しさに耐えかねて酒に溺れた」と、文字にすれば「何甘えてんねん(怒)」な原因ですが、正直他人事とは思えません。
かく言う自分も「ストレスで大食い」人間で、お菓子かアルコールか、満腹で動きが鈍化か酒乱で躁状態かの違いはあれど、問題の根っこは同じでは無いでしょうか。
「逃げる」先が飲食物の過剰摂取ってんですから、先進国ならではの贅沢病で、文明病とも言えるのでは無いかとも。
妙な知恵とプライドが邪魔をして、それをまた「認めない」ので始末が悪いんです。
自分を客観視出来るか出来ないかが、治癒への分かれ道なんでしょう。
回復の道を歩み始めた夫と、益々落ちる妻の対比が鮮やかに描かれています。
でも、「ストレスからの大食い」はしっかり認めつつ、それでも止められない私は単なる食いしん坊なのか、本心「認めていない」だけなのか、さて……。
夏に向かうこの時期に、この二の腕にお腹はちょっと……かなりマズイんですけどねぇ。
どうしてもコメディアン・イメージのジャック・レモンですが、狂気さえ感じられる熱演・怪演でした。
リー・レミックも、凜としたキャリア・ウーマンからの崩れ方が凄まじく、とりわけ酔っぱらい演技が素晴らしかったです。
しっかし、どんなに泥酔していても酒瓶はしっかり持ったまま、一滴もこぼさないのには関心しきりでした(笑)。
ある意味夫婦と「同類」の私ですが、最も共感出来たのは妻の父親で、随分な迷惑を被りいつまでも心配の尽きない彼の今後を想うと暗澹としてしまいます。
ふらふらと行く妻の向こうにはバーの看板が。
それでも夫は妻に手を差し伸べるのか、諦めて見捨てるのか、どちらとも取れるエンディングです。
一見回復したように見える夫も、本当に大丈夫なんでしょうか。
もやっと後味の悪いエンディングに、現代への繋がりが見えるようでした。
(ykk1976さんの映画会・第90回)
辛い、切ない!!!
投稿日
2007/06/08
レビュアー
isoko
アメリカにはアル中をテーマにした秀作がいくつかありますね。
「失われた週末」「リービング・ラスベガス」
この3作に共通しているのは、音楽が秀逸で、こころに沁みる、ことです。
アメリカの病理は麻薬・銃・アルコールでしょうが、特にアルコール中毒者を描かせると、なぜか哀愁に満ちた佳作になります。
ニコラス・ケイジも「リービング・ラスベガス」が最高でした。
アメリカ人がウイスキーを生(き)であおるシーンは西部劇から今日まで綿々と描かれていて、「水割り、ちびちび」の日本人には粋に見えますが、アル中患者を誘発してる側面も否めないと思うのですが、いかがでしょう?
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