革命前夜 / アドリアーナ・アスティ
革命前夜
/ベルナルド・ベルトルッチ
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全体の平均評価点: (5点満点)
(8)
解説・ストーリー
ヌーヴェルバーグの多大な影響下にあったベルナルド・ベルトルッチ弱冠22歳の自伝的作品。コミュニストであるブルジョワの青年・ファブリツィオは、神経症気味の若い叔母との近親相姦に近い恋愛を経て、次第に自らの思想に疑問を持ち始める。
ヌーヴェルバーグの多大な影響下にあったベルナルド・ベルトルッチ弱冠22歳の自伝的作品。コミュニストであるブルジョワの青年・ファブリツィオは、神経症気味の若い叔母との近親相姦に近い恋愛を経て、次第に自らの思想に疑問を持ち始める。
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「革命前夜」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
ヌーヴェルバーグの多大な影響下にあったベルナルド・ベルトルッチ弱冠22歳の自伝的作品。コミュニストであるブルジョワの青年・ファブリツィオは、神経症気味の若い叔母との近親相姦に近い恋愛を経て、次第に自らの思想に疑問を持ち始める。
「革命前夜」 の作品情報
「革命前夜」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
革命前夜の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
107分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/イタリア語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
REDV00027W |
2004年06月25日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
8枚
|
0人
|
0人
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革命前夜の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
107分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/イタリア語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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REDV00027W |
2004年06月25日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
8枚
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ユーザーレビュー:8件
『1900年』が上映されるぞ!!
この作品、もう2年くらい前に登録されたのですがしばらく待ちの状態が続き、いつのもにやら品切れになってしまいました。元々レンタル許諾されていないものだったため登録されたときには大喜びしたのですが、残念ながらと言うか案の定というか、結局幻の作品のままになったと言う次第です。もっとも現在では実際に絶版となっている商品ですし、中古市場でも万を超える高値が付いていますから再版でもされない限り観る機会は持てないと思いますが・・・。ちなみにわたくし、DISCASからの到着が我慢しきれずにまだ店頭にあった商品を買ってしまったのですが、結果としてはDISCASさんのおかげで今手元に持っていると言うことになります(^_^;。
簡単には食べることができないご馳走のことを誉めるのはちょっと気が引けるのですが、最近はもっぱらスケベオヤジとしての評価が定着してしまったベルトルッチも、かつてはこんなに作家性が強く、質の高い作品も作っていたんだぞと言うことを証明するためにも、本作のご紹介をさせて頂きます。
ベルトルッチは名高い詩人を父に持ち、その繋がりから詩人でもあったパゾリーニを精神的な父として映画界にデビューました。事実、デビュー作である『殺し』の脚本はパゾリーニの手なるもので、一つの犯罪を巡って異なった視点からの描写を行った黒澤明の『羅生門』に似た要素のあるスリリングな作品でした。この作品は新人監督とは思えない着実さと、一方では新人監督らしい若々しさとを共に湛えた不思議な魅力のある作品で、21歳で監督デビューしたことを考えると、大物監督としての将来を約束されたようなものだっとと言えるでしょう。
しかし、ゴダールの『勝手にしやがれ』から強烈な影響を受け、その流れからロッセリーニとパゾリーニ以外のイタリア人の監督を認めないと公言し、さらにはインタビューに対してもイタリア語は使わずにフランス語で通したような意気盛んな人物でしたから、『殺し』の成功を顧みることなく次に制作した作品が、露骨なまでのヌーヴェル・ヴァーグ(特にゴダール)の影響を隠し立てすることなく現した本作『革命前夜』でした。どこが似ているか、どんな風に似ているかと個別に指摘するのが嫌になるほどゴダール(特に『勝手にしやがれ』)べったりの作品なのですが、では単によくある物まね作品かというと決してそんなことはなく、表面的には酷似しているのだけれど受けた感想はかなり違うと言うこれまた不思議な作品でした。
パゾリーニやゴダールからの影響を明示的かつ色濃く受けながらも、それを柔軟に自分なりのものとして取り込んでしまう才能はその後も衰えることなく、『暗殺のオペラ』(1968)から『ラストエンペラー』(1987)に至るまで、一作ごとに大きく作風を変えながらもベルトルッチらしさを香りのように残した作品を作り続けていることからもそのことは強く伺えます。
さて何やら回顧録めいたことを書いています、が実はそれには理由があります。『革命前夜』そのものや「全盛期」のベルトルッチを顕揚したかったのも理由の一つではありますが、それ以上に来たる2007年4月1日に渋谷のシネマヴェーラにおいて『1900年』が上映されることをお伝えしたかったからなのです。
第二次世界大戦前後のイタリアを舞台にした、上映時間5時間半にも及ぶこの作品は、ドミニク・サンダ、ロバート・デ・ニーロ、ジェラール・ドパルデューを主人公とし、脇役に至るまで欧米の大スター達で固められた歴史大作であり、個人的にはベルトルッチの代表作と言って良いとも思っています。もちろん長時間に渡る壮大な物語だから、オールスター・キャストだからと言った、まるで昨今のハリウッド映画に対する誉め言葉のような作品だから褒め称えているわけではなく、イタリアにおける戦中から戦後に至る社会主義運動を擁護すると言う明確なテーマ性を持ちながら、その露骨なテーマ性故に逆に主張の代弁に留まることのない様々なものを包含した作品として仕上がっていることが凄いと思うからで、これに比べると『ラストエンペラー』などずっと矮小で単線的な作品であると感じてしまいます。
思えばやはりベルトルッチは『1900年』をこそが頂点であり、その後は『ラストエンペラー』という狂い咲き的な作品をものにしながらも、長期に渡る下降線を辿っていったと言えるのでしょう。しかし『1900年』を観ると、ここで作家としての生命力を使い果たしてしまったかのような熱気と集中力とをまざまざと感じることができます。長大な上映時間が禍して滅多に劇場にはかからない作品ですから、映画好きを自認する方なら何を置いても観るべき作品だと思います。
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11人の会員が気に入ったと投稿しています
「1900年」は映画館で見ないとだめな映画です
投稿日:2007/03/25
レビュアー:吟遊旅人
レンタルできない作品にレビューを書いてもしょうがないし、第一未見なのです、この作品。ですから、今から書くのはレビューではありません、ごめんなさい。
>masamuneさん、
改行をたくさん加えてくださってありがとうございます。おかげでぐっと読みやすくなりましたが、「キャリー」では書式が崩れてしまいましたね、どうしたことでしょう。
>オタエ姉様
もしよろしければ、mixiを始められませんか? 拙サイトからメールを送ってくださればmixiへの招待状メールを送らせていただきます。あっちの世界ではパープルローズさん、paroleさん、ラヴァ様たちと盛り上がっております。ぜひオタエ姉様もご一緒しましょう!
>ケチケチさん(読んでくださるかしら?)
mixiのケチケチさんはケチケチさんらしいとお聞きしております。レビューを書かれることを楽しみに待っています。
ところで「1900年」ですが、この映画は長らくわたしの生涯のベスト1作品でした。しかし、階級闘争ものの史観の平板さが気になり、ベスト10から落としてしまったのであります。とはいえ、これを映画館で見たときの興奮は忘れられません。ビデオが出たときに自宅でも見ましたが、全然別の映画のように感じて愕然としました。大スクリーンで見なければいけない映画というのはやはりあるのだなぁと納得。東京はいいなあ、こういうのをかける映画館があるのですね、羨ましい。
で、「革命前夜」ですが、是が非にでも見たいと思っています(^^)。
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8人の会員が気に入ったと投稿しています
印象的で繊細なシーンがたくさん記憶に残りそうです
投稿日:2007/09/24
レビュアー:花ちゃん
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
下欄の経緯にての鑑賞ながら、作品は私には少々荷が重かったのは確かです。全体的に感じるものがありながら、自分の背景への知識があまりに少なすぎてところどころわかりづらいです。インテリでないので文芸作品の引用や多弁に語る言葉も難解です。しかし理屈は租借できないながら、理屈っぽい雰囲気は嫌いではなく返って惹かれる物語で有りました。よって詳しい映画紹介は避けたほうが良さそうですので以下簡略に。
鋭利な刃物が脆く刃こぼれを避けられないように、危うい心の持ち主で美しく年の近い伯母が主人公を矛盾と混乱の中に引き込みます。ブルジョアでありながら安泰を拒み共産党の教えに没頭し、若く情熱を持って自身の信念を確立していたかの彼が、世情の変化や社会の条理に徐々にその信念の揺らぎを自覚し挫折を受け入れる様子が息苦しくもあり、少し安堵もさせます。
重い空気の中にも、まるでロマンスもののように広場をさまよう二人の姿や、モノトーンの画面に突然鮮やかな色彩の世界を見せたり、また広いベットで体に添うしなやかな寝具の繊維感、暗がりに見える骨ばった男の背中、そしてラストの劇場と教会の二人の表情。繊細で印象的なシーンがたくさん記憶に残りそうです。
私が知っている老婦人が嫁いだ家は地主と呼ばれ夫は生涯職業を持たない人でした。20代で結核を病み山を売り藏が空になるまで売り払って亡くなり、彼女はその後職業婦人として定年まで働き子どもを育てました。また彼女の兄は上京在学中触れた社会主義思想のため失踪し消息不明となり、弟は自宅の納屋で自殺したそうです。本人は「転落」と評しますが、ほんの数十年前のそんな身近な人の心情を垣間見るような気持ちにもさせられました。国情も違い的外れでしたらごめんなさい。
=====================
◆私が意識してレビューを書くきっかけになったのは、よふかしさんが、そしてその後paroleさんがご自身のレビューに私のハンドルネームを入れてくださった時です。恐れ多くもdiscas leading reviewerのお二人がそうしてくださった時の飛び上がらんまでの私の喜びはご想像につくでしょう。それが日常に埋没しそうになりながらも夜な夜なDVDを観、つれづれな感想を書く原動力となっているのです。そしてこの広場を通じて映画を愛する多くの方たちに読んでいただいたり、尊敬する方々と言葉を交えることができ大きな喜びです。paroleさん、吟遊旅人さんの熱くも冷静できっぱりしたレビューが長らく読めず寂しい思いを届けようと本作「革命前夜」にてお便りしました。お忙しいお体とはお察しし、またmixiへのお誘いも叶わずに勝手ながら、きっと大勢の人が望んでいると確信して。
長々の私信にご容赦を。◆
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
ベルトルッチ監督22歳のデビュー作品。
ブルジョアという種族がよく分からない。
地主とかの金持ち一族で、働かずして生きて行ける人種の
ことだろうか?
主人公の22歳の青年(多分ベルトルッチ監督自身をモデルとしているのだろう)
彼は自称共産主義者だと公言しているが、映画の中で、
何ひとつ革命家として行動する訳ではない。
思想的に共産主義に系統しているだけで、それはあくまでも、
思想にしか過ぎない。
友達の入水自殺にショックを受ける。
エキセントリックな叔母と関係を持つ。
叔母との情事は禁断愛なのだが、通過儀礼の様なもので、
青年はブルジョアとして生きることを選び、無垢な娘と結婚する。
如何にも観念的な作品だが、オペラ座の内部の映像と、
オペラ「マクベス」は素晴らしく、本物に思えたのは
このふたつだった。
やはり共産主義を捨てることの心の経過を、現実的に描いては、
頂きたかった。
叔母ジーナ(アドリアーナ・アルティ)の美しさが際立っていた。
このレビューは気に入りましたか?
5人の会員が気に入ったと投稿しています
傑作!
最初に書きますが、これは、傑作です。
長らくレンタルで見られない期間がありましたが、今は、ありがたいことに、すぐ見られる。
「革命前夜」(1964年、ベルナルド・ベルトルッチ監督、白黒[一部カラー]、112分)
第1作「殺し」(1962年)に続く作品。
モノクロの映像が美しい。カメラマンは、アルド・スカヴァルダ。
同じ年に製作された、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「情事」も、このカメラマンです。
二つの作品を見比べると、印象はかなり異なります。
○まず、カメラワークが、「革命前夜」では動的で、「情事」では静的。
○「情事」は哲学的というか、いつものアントニオーニ節で、淡々と、説明なく進んで、終わる。
2000年以降、こんな映画は、絶滅の危機に向かっている。
日本では、青山真治くらいしか思い浮かばない。
○「革命前夜」は、動きがあり、感情のストレートな表出があり、セリフも多い。
「劇」を作ろうとしている。
この監督の一貫した特性である。また、そこに加えるべき音楽の趣味の良さもある。
すでに、これ以降の作品の特性が、ここに現れている。「過多」であり、それがぎりぎりの1点(核)で抑制されている。
○女優の美しさ
カメラマンの腕だろう。そして、監督が女優に惚れこんでいる。
あの冷徹そうに思えるアントニオーニが、モニカ・ヴィッティを何度、撮っただろう。クール・ビューティ。
アントニオーニを振ったそうだ。
モニカ・ベルッチなど、美しさにおいては足元にも及ばない……と書こうとしたが、時代が「美しさ」も求め決めるとしたら、
今は、ベルッチの肉感なのだろう。
見かけでなく、演技の雰囲気で、ヴィッティに近い感じがするのは、日本では、麻生久美子。
海外では、いない。ギラギラした女ばかりだ。誰かいますかね?
脱線したが、「革命前夜」では、アドリアーナ・アスティという女優が、モノクロの映像のなかで、光り輝いている。
なんとうつくしいのだろう……。
「アッカトーネ(乞食)」(パゾリーニ)、「若者のすべて」「ルードヴィヒ」(ヴィスコンティ)、「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」「自由の幻想」(ブニュエル)…
と結構ありました。「輝ける青春」(M・T・ジョルダーナ)も見てみよう。
鼻の下のほくろ。
この映画は、この女優を見るだけでも、価値がある。
さて、この映画の「革命」とは、いつのことだろう。
映画の製作時、1960年代初期とみてよいのだろう。
主演の男優のことを書かなかったが、彼はコミュニストである。
60年代といえば、日本も安保闘争で激動した。それだけでなく、戦後復興の成長期であった。この二つはフーガだ。
イタリアも、敗戦国として、同じ歩みを辿ったかというと、異なる。
この国は、今でも共和国なのである。日本の明治維新以前の状態にあるということだ。
この映画の主人公が、どんな悲劇に遭遇するかは明らかである。
この国では、戦後、映画の星が、出た。
デ・シーカ、ロッセローニ、ジェルミ、ヴィスコンティ、フェリーニ、パゾリーニ、アントニオーニ、歴代のローマ皇帝のような壮観が、戦後、輩出したのである。
これに、つながる最後の一人が、ベルトルッチだ。
日本も、溝口健二、黒澤明、小津安二郎、成瀬三喜男……と続いた。
戦後映画の黄金期は、イタリア、日本が先導したのだろうと思うが、言い過ぎだろうか。
1950〜1960の十年が、映画の時代であったのだろう。
実に短い10年だが、映画は、ワインのように飲み干されることはないので、しばらく残るだろう。
この映画の中盤で、河(ポー川)とその林の道を初老の男と若い女が歩き、絵描きの爺さんが居る場面は、素晴らしい。
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3人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
『1900年』が上映されるぞ!!
投稿日
2007/03/22
レビュアー
parole
この作品、もう2年くらい前に登録されたのですがしばらく待ちの状態が続き、いつのもにやら品切れになってしまいました。元々レンタル許諾されていないものだったため登録されたときには大喜びしたのですが、残念ながらと言うか案の定というか、結局幻の作品のままになったと言う次第です。もっとも現在では実際に絶版となっている商品ですし、中古市場でも万を超える高値が付いていますから再版でもされない限り観る機会は持てないと思いますが・・・。ちなみにわたくし、DISCASからの到着が我慢しきれずにまだ店頭にあった商品を買ってしまったのですが、結果としてはDISCASさんのおかげで今手元に持っていると言うことになります(^_^;。
簡単には食べることができないご馳走のことを誉めるのはちょっと気が引けるのですが、最近はもっぱらスケベオヤジとしての評価が定着してしまったベルトルッチも、かつてはこんなに作家性が強く、質の高い作品も作っていたんだぞと言うことを証明するためにも、本作のご紹介をさせて頂きます。
ベルトルッチは名高い詩人を父に持ち、その繋がりから詩人でもあったパゾリーニを精神的な父として映画界にデビューました。事実、デビュー作である『殺し』の脚本はパゾリーニの手なるもので、一つの犯罪を巡って異なった視点からの描写を行った黒澤明の『羅生門』に似た要素のあるスリリングな作品でした。この作品は新人監督とは思えない着実さと、一方では新人監督らしい若々しさとを共に湛えた不思議な魅力のある作品で、21歳で監督デビューしたことを考えると、大物監督としての将来を約束されたようなものだっとと言えるでしょう。
しかし、ゴダールの『勝手にしやがれ』から強烈な影響を受け、その流れからロッセリーニとパゾリーニ以外のイタリア人の監督を認めないと公言し、さらにはインタビューに対してもイタリア語は使わずにフランス語で通したような意気盛んな人物でしたから、『殺し』の成功を顧みることなく次に制作した作品が、露骨なまでのヌーヴェル・ヴァーグ(特にゴダール)の影響を隠し立てすることなく現した本作『革命前夜』でした。どこが似ているか、どんな風に似ているかと個別に指摘するのが嫌になるほどゴダール(特に『勝手にしやがれ』)べったりの作品なのですが、では単によくある物まね作品かというと決してそんなことはなく、表面的には酷似しているのだけれど受けた感想はかなり違うと言うこれまた不思議な作品でした。
パゾリーニやゴダールからの影響を明示的かつ色濃く受けながらも、それを柔軟に自分なりのものとして取り込んでしまう才能はその後も衰えることなく、『暗殺のオペラ』(1968)から『ラストエンペラー』(1987)に至るまで、一作ごとに大きく作風を変えながらもベルトルッチらしさを香りのように残した作品を作り続けていることからもそのことは強く伺えます。
さて何やら回顧録めいたことを書いています、が実はそれには理由があります。『革命前夜』そのものや「全盛期」のベルトルッチを顕揚したかったのも理由の一つではありますが、それ以上に来たる2007年4月1日に渋谷のシネマヴェーラにおいて『1900年』が上映されることをお伝えしたかったからなのです。
第二次世界大戦前後のイタリアを舞台にした、上映時間5時間半にも及ぶこの作品は、ドミニク・サンダ、ロバート・デ・ニーロ、ジェラール・ドパルデューを主人公とし、脇役に至るまで欧米の大スター達で固められた歴史大作であり、個人的にはベルトルッチの代表作と言って良いとも思っています。もちろん長時間に渡る壮大な物語だから、オールスター・キャストだからと言った、まるで昨今のハリウッド映画に対する誉め言葉のような作品だから褒め称えているわけではなく、イタリアにおける戦中から戦後に至る社会主義運動を擁護すると言う明確なテーマ性を持ちながら、その露骨なテーマ性故に逆に主張の代弁に留まることのない様々なものを包含した作品として仕上がっていることが凄いと思うからで、これに比べると『ラストエンペラー』などずっと矮小で単線的な作品であると感じてしまいます。
思えばやはりベルトルッチは『1900年』をこそが頂点であり、その後は『ラストエンペラー』という狂い咲き的な作品をものにしながらも、長期に渡る下降線を辿っていったと言えるのでしょう。しかし『1900年』を観ると、ここで作家としての生命力を使い果たしてしまったかのような熱気と集中力とをまざまざと感じることができます。長大な上映時間が禍して滅多に劇場にはかからない作品ですから、映画好きを自認する方なら何を置いても観るべき作品だと思います。
「1900年」は映画館で見ないとだめな映画です
投稿日
2007/03/25
レビュアー
吟遊旅人
レンタルできない作品にレビューを書いてもしょうがないし、第一未見なのです、この作品。ですから、今から書くのはレビューではありません、ごめんなさい。
>masamuneさん、
改行をたくさん加えてくださってありがとうございます。おかげでぐっと読みやすくなりましたが、「キャリー」では書式が崩れてしまいましたね、どうしたことでしょう。
>オタエ姉様
もしよろしければ、mixiを始められませんか? 拙サイトからメールを送ってくださればmixiへの招待状メールを送らせていただきます。あっちの世界ではパープルローズさん、paroleさん、ラヴァ様たちと盛り上がっております。ぜひオタエ姉様もご一緒しましょう!
>ケチケチさん(読んでくださるかしら?)
mixiのケチケチさんはケチケチさんらしいとお聞きしております。レビューを書かれることを楽しみに待っています。
ところで「1900年」ですが、この映画は長らくわたしの生涯のベスト1作品でした。しかし、階級闘争ものの史観の平板さが気になり、ベスト10から落としてしまったのであります。とはいえ、これを映画館で見たときの興奮は忘れられません。ビデオが出たときに自宅でも見ましたが、全然別の映画のように感じて愕然としました。大スクリーンで見なければいけない映画というのはやはりあるのだなぁと納得。東京はいいなあ、こういうのをかける映画館があるのですね、羨ましい。
で、「革命前夜」ですが、是が非にでも見たいと思っています(^^)。
印象的で繊細なシーンがたくさん記憶に残りそうです
投稿日
2007/09/24
レビュアー
花ちゃん
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
下欄の経緯にての鑑賞ながら、作品は私には少々荷が重かったのは確かです。全体的に感じるものがありながら、自分の背景への知識があまりに少なすぎてところどころわかりづらいです。インテリでないので文芸作品の引用や多弁に語る言葉も難解です。しかし理屈は租借できないながら、理屈っぽい雰囲気は嫌いではなく返って惹かれる物語で有りました。よって詳しい映画紹介は避けたほうが良さそうですので以下簡略に。
鋭利な刃物が脆く刃こぼれを避けられないように、危うい心の持ち主で美しく年の近い伯母が主人公を矛盾と混乱の中に引き込みます。ブルジョアでありながら安泰を拒み共産党の教えに没頭し、若く情熱を持って自身の信念を確立していたかの彼が、世情の変化や社会の条理に徐々にその信念の揺らぎを自覚し挫折を受け入れる様子が息苦しくもあり、少し安堵もさせます。
重い空気の中にも、まるでロマンスもののように広場をさまよう二人の姿や、モノトーンの画面に突然鮮やかな色彩の世界を見せたり、また広いベットで体に添うしなやかな寝具の繊維感、暗がりに見える骨ばった男の背中、そしてラストの劇場と教会の二人の表情。繊細で印象的なシーンがたくさん記憶に残りそうです。
私が知っている老婦人が嫁いだ家は地主と呼ばれ夫は生涯職業を持たない人でした。20代で結核を病み山を売り藏が空になるまで売り払って亡くなり、彼女はその後職業婦人として定年まで働き子どもを育てました。また彼女の兄は上京在学中触れた社会主義思想のため失踪し消息不明となり、弟は自宅の納屋で自殺したそうです。本人は「転落」と評しますが、ほんの数十年前のそんな身近な人の心情を垣間見るような気持ちにもさせられました。国情も違い的外れでしたらごめんなさい。
=====================
◆私が意識してレビューを書くきっかけになったのは、よふかしさんが、そしてその後paroleさんがご自身のレビューに私のハンドルネームを入れてくださった時です。恐れ多くもdiscas leading reviewerのお二人がそうしてくださった時の飛び上がらんまでの私の喜びはご想像につくでしょう。それが日常に埋没しそうになりながらも夜な夜なDVDを観、つれづれな感想を書く原動力となっているのです。そしてこの広場を通じて映画を愛する多くの方たちに読んでいただいたり、尊敬する方々と言葉を交えることができ大きな喜びです。paroleさん、吟遊旅人さんの熱くも冷静できっぱりしたレビューが長らく読めず寂しい思いを届けようと本作「革命前夜」にてお便りしました。お忙しいお体とはお察しし、またmixiへのお誘いも叶わずに勝手ながら、きっと大勢の人が望んでいると確信して。
長々の私信にご容赦を。◆
ベルトルッチ監督22歳のデビュー作品。
投稿日
2017/05/22
レビュアー
カマンベール
ブルジョアという種族がよく分からない。
地主とかの金持ち一族で、働かずして生きて行ける人種の
ことだろうか?
主人公の22歳の青年(多分ベルトルッチ監督自身をモデルとしているのだろう)
彼は自称共産主義者だと公言しているが、映画の中で、
何ひとつ革命家として行動する訳ではない。
思想的に共産主義に系統しているだけで、それはあくまでも、
思想にしか過ぎない。
友達の入水自殺にショックを受ける。
エキセントリックな叔母と関係を持つ。
叔母との情事は禁断愛なのだが、通過儀礼の様なもので、
青年はブルジョアとして生きることを選び、無垢な娘と結婚する。
如何にも観念的な作品だが、オペラ座の内部の映像と、
オペラ「マクベス」は素晴らしく、本物に思えたのは
このふたつだった。
やはり共産主義を捨てることの心の経過を、現実的に描いては、
頂きたかった。
叔母ジーナ(アドリアーナ・アルティ)の美しさが際立っていた。
傑作!
投稿日
2015/02/13
レビュアー
ちゅく
最初に書きますが、これは、傑作です。
長らくレンタルで見られない期間がありましたが、今は、ありがたいことに、すぐ見られる。
「革命前夜」(1964年、ベルナルド・ベルトルッチ監督、白黒[一部カラー]、112分)
第1作「殺し」(1962年)に続く作品。
モノクロの映像が美しい。カメラマンは、アルド・スカヴァルダ。
同じ年に製作された、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「情事」も、このカメラマンです。
二つの作品を見比べると、印象はかなり異なります。
○まず、カメラワークが、「革命前夜」では動的で、「情事」では静的。
○「情事」は哲学的というか、いつものアントニオーニ節で、淡々と、説明なく進んで、終わる。
2000年以降、こんな映画は、絶滅の危機に向かっている。
日本では、青山真治くらいしか思い浮かばない。
○「革命前夜」は、動きがあり、感情のストレートな表出があり、セリフも多い。
「劇」を作ろうとしている。
この監督の一貫した特性である。また、そこに加えるべき音楽の趣味の良さもある。
すでに、これ以降の作品の特性が、ここに現れている。「過多」であり、それがぎりぎりの1点(核)で抑制されている。
○女優の美しさ
カメラマンの腕だろう。そして、監督が女優に惚れこんでいる。
あの冷徹そうに思えるアントニオーニが、モニカ・ヴィッティを何度、撮っただろう。クール・ビューティ。
アントニオーニを振ったそうだ。
モニカ・ベルッチなど、美しさにおいては足元にも及ばない……と書こうとしたが、時代が「美しさ」も求め決めるとしたら、
今は、ベルッチの肉感なのだろう。
見かけでなく、演技の雰囲気で、ヴィッティに近い感じがするのは、日本では、麻生久美子。
海外では、いない。ギラギラした女ばかりだ。誰かいますかね?
脱線したが、「革命前夜」では、アドリアーナ・アスティという女優が、モノクロの映像のなかで、光り輝いている。
なんとうつくしいのだろう……。
「アッカトーネ(乞食)」(パゾリーニ)、「若者のすべて」「ルードヴィヒ」(ヴィスコンティ)、「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」「自由の幻想」(ブニュエル)…
と結構ありました。「輝ける青春」(M・T・ジョルダーナ)も見てみよう。
鼻の下のほくろ。
この映画は、この女優を見るだけでも、価値がある。
さて、この映画の「革命」とは、いつのことだろう。
映画の製作時、1960年代初期とみてよいのだろう。
主演の男優のことを書かなかったが、彼はコミュニストである。
60年代といえば、日本も安保闘争で激動した。それだけでなく、戦後復興の成長期であった。この二つはフーガだ。
イタリアも、敗戦国として、同じ歩みを辿ったかというと、異なる。
この国は、今でも共和国なのである。日本の明治維新以前の状態にあるということだ。
この映画の主人公が、どんな悲劇に遭遇するかは明らかである。
この国では、戦後、映画の星が、出た。
デ・シーカ、ロッセローニ、ジェルミ、ヴィスコンティ、フェリーニ、パゾリーニ、アントニオーニ、歴代のローマ皇帝のような壮観が、戦後、輩出したのである。
これに、つながる最後の一人が、ベルトルッチだ。
日本も、溝口健二、黒澤明、小津安二郎、成瀬三喜男……と続いた。
戦後映画の黄金期は、イタリア、日本が先導したのだろうと思うが、言い過ぎだろうか。
1950〜1960の十年が、映画の時代であったのだろう。
実に短い10年だが、映画は、ワインのように飲み干されることはないので、しばらく残るだろう。
この映画の中盤で、河(ポー川)とその林の道を初老の男と若い女が歩き、絵描きの爺さんが居る場面は、素晴らしい。
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革命前夜