ジェヴォーダンの獣

今ひとつ映画にまとまりがなく、いろんな要素が入りすぎといえば入りすぎなのですが、それでも一つ一つの要素が結構、面白いです。何と言っても「獣」を作っているのがあのジム・ヘンソンですし、「クライング・フリーマン」の監督なので、全米床運動チャンピオンのマーク・ダカスコスが見事なクンフーアクションを見せてくれます。って・・・そう。これホラーみたいなタイトルですが、怪獣ものでもあり、クンフー映画でもあるのです。ヴァンサン・カッセルも変な武器を使ったりして面白いし、モニカ・ベルッチも綺麗で雰囲気があります。ストーリー的には、「獣」がとってもかわいそうでちょっと泣けます。ホラー、怪獣、クンフーが好きな人にはとても楽しい映画です。

ジェヴォーダン、舌を噛みそうな名前ですがこれはフランスの地方の名前です。１７６４年から６７年にかけて１００人以上もの住民達が忽然と行方不明になりました。そのほとんどが女・子供です。発見された死体には野生生物に襲われた無惨な傷跡が残っていたそうです。この当時、フランスはイギリスと新世界アメリカの派遣を巡って争っていた時代です。ルイ１５世はこの獣の噂で自分の絶対的権威が失墜してしまうのではないかと恐れ、獣の捕獲を命じるのです。この作品はこの実際にあった事件に関係した実在の人物を描いているそうです。

この作品には獣捕獲だけでなく、恋物語や政治絡みの陰謀劇など色々なものが混ぜられてちょっとくどい感じを私は受けました。それにどことなく不気味な感じがつきまとい、あまり好きな感じの作品ではありませんでした。ちょうど「クリムゾン・リバー」のような感じです。どことなく何となく不気味、フランスの作品に多い雰囲気を感じました。

キャスティングは豪華キャストとなっています。ヴァンサン・カッセルとモニカ・ベルッチの夫婦共演（絡みはありませんが（＾＾ゞ）をはじめとするエミリー・デュケンヌ、マーク・ダカスコス、ジェレミー・レニエなど、とても豪華です。残念ながら主役フロンサックを演じたサミュエル・ル・ビアンを私は全く知りませんでした（＾＾ゞ。主役が完全に脇役に喰われていたような感じがする作品だったように思います。ヴァンサンとモニカの圧倒的存在感が私にそう感じさせたのかもしれません。キャストだけではなく彼らが着ていた衣装もとても興味深いものでした。デザインと言うよりその質感がとても良さそうに見えました。ジェヴォーダン地方の貴族たちの衣装や建物内部の装飾などはとても豪華で華やかでした。

問題の獣なのですが機械仕掛け（つまりロボット）とＣＧ処理とで作られているらしいです。動きは完全にＣＧだというのがわかります（笑）。しかしこの生きものどう見てもライオンですよねぇ〜（笑）。作中何度か獣の目が描かれるのですがあれは狼ではなく猫化の動物の目ですよねぇ〜（笑）。アクションも今までのフランス映画にないようなちょっとカンフー的なアクションで小気味よかったです。ただ、主人公がラスト急激に強くなった感じがしたのはちょっと納得いかなかったです（＾＾ゞ。今までにない新しいフランス映画を見た感じがした作品でした。

何でもありの娯楽大作!!　どこの国の映画か目を疑ってしまいます。
飛ばしながら　アクションだけ観てましたが
なんか　ギャップが可笑しくて　ウケっぱなし。

え？何がって？
ええと、、、サミュエルが異様に強いところとヴァンサンの変体っぷりかな。
それから、、もちろんモホークのカンフーでしょう。　縮めると。

おっ！　何か映画始まった！　んんっ、どうやら中世ヨーロッパミステリー作品のようだわ！　どちらかというと好みだし興味津々で見始めました。

美しい風景に、リアルな女性遺体でドキッ。一体どんな怪物にやられたのか？　懸命な捜索に冷たい関係者などなど、謎が深まるばかりの展開にハラハラドキドキしてたら・・後半からアクション映画に変貌！！！マニの格闘シーンは凄いけど、なぜに？　ガラッと変貌したシナリオにアゼン・・

なんだこりゃ？ええっー。んで、怪物の正体は・・別に普通じゃん・・・

見終わったら午前３時過ぎ・・・即寝ました。

やっぱり思うんだけど、最近の観客は目がこえてますからねぇ。もろに出さずにそのまま観客の想像力に頼って終わる消化不良的な作品（例えばブレア・ウィッチ・プロジェクトなど）に較べれば私は出すほうに得点入れます。が、しかし、この作品のはちょっといただけないような気がしますねぇ。出すときはよほど注意しないと。舞台が魔女狩り風で荒涼としたさむざむしい怖さがあるのだから、野獣でなくて、いっそ人間の仕業でも良かったかもしれませんね。