アイス・エイジ

いきなりオープニングから氷河ばかりの閑散とした光景。不思議なテンポのコミカルなアニメーションが繰り広げられたかと思うと、いきなりのタイトルバック。なんだこのノリは？！
同じフルＣＧアニメのモンスターズインクに比べれば、ディテールが雑な感じもするし、キャラクターも万人受けする雰囲気でもない。しかし、氷河期という極限状態をユニークに描いているし、そこに生活する動物たちや人間はかなりリアルで見所がある。時折見せる動きの激しいアクションでは、どのＣＧアニメよりも「うまいなあ、すごい！」と感心させられるほど。
ちょっと変わっているけど、もしかすると１０年後も楽しめる、希有な”味のあるＣＧアニメ”なのかもしれない。

「アイス・エイジ」は、２の宣伝を見てから気になってました。…で、シリーズで予約リストに入れておいたら、ちょうどクソ暑く…あ、失礼。とっても暑くなってきたこの時期に届いたんです。

ＤＶＤに入っている特典映像＝アイス・エイジ番外編。面白いですよ。吹替のアドリブパターン。ひょっとしたら、こんな風に楽しくやっているうちに生まれたんでしょうか。山寺さんのセリフの中で、思わず笑っちゃった一言を、レビュータイトルにしてみました。

さて、本題。

そっか。「アイス・エイジ」って氷河期のことだったのね。氷山。氷柱。雪。白の世界をＣＧで描くって、きっと大変なことなんでしょうね。氷のツルツル感も、雪のサクサク感もよく出てますねぇ〜。動物たちのフワフワした毛並みも気持ちよさそう。特に、マンモスの鼻。触ってみたいな〜。出来れば自分も、遊んでもらいたいです。

マンモスとナマケモノとサーベルタイガー。力は、マンモス。素早さは、サーベルタイガー。ナマケモノが得意とするのは…ん〜、世渡りかな？もっとも、本物のナマケモノといえば、木にぶら下がっているばかりで、ほとんど移動することのない動物。このアニメに登場するシドとは、全く違うイメージです。もしも、こんなナマケモノがいたら、そりゃ〜、仲間からハミ出しちゃうでしょうね。

オリジナルと日本語版吹替の両方観たんですが、自分は日本語版の方が好きですね。マニーの山寺宏一さんは、もちろんストライク。たっぷりと堪能させていただきました。そして、ディエゴの竹中直人さん。実は前々から、彼の低い声の響きが気に入ってるんですが、照れ屋さんだから、なかなか低い声の二枚目キャラのままでいてくれない。だから、こうやって長く聞いていられること自体が嬉しかった！！ちょっぴり陰のあるクールキャラ。竹中直人さんの低い声は、ディエゴにピッタリだと思います。

…と、ここまでは何となく想像出来たんですが、意外だったのは、太田 光さん。太田さんは、どちらかというと物事を深く考えるタイプの方だと思うんですが、そんな雰囲気は微塵も見せず、どこまでもハイテンションでやってくれてます。愛らしくてお調子者のシド。見事です！！

自然の偉大さ。生命の歴史。人類と動物の共存。「アイス・エイジ」は、お子ちゃま向けのアニメながら、考えさせられる場面が多かったです。子供が苦手な自分ですが、３匹と赤ちゃんの触れ合いのシーンでは、すっかりヤラレちゃいました。何ものにも負けない清い存在。それを守るのに理屈は要らないですね。


☆キャラクター＆キャスト（日本語版キャスト）☆

マニー（マンモス）…レイ・ロマーノ（山寺宏一）
シド（ナマケモノ）…ジョン・レグイザモ（太田 光）
ディエゴ（サーベルタイガー）…デニス・リアリー（竹中直人）
スクラット（古代リス）…クリス・ウェッジ監督

◎公式サイト
http://www.foxjapan.com/movies/iceage/
　

群れから置き去りにされたナマケモノのシド、家族を失い心を閉ざすマンモスのマニー。偶然みつけた人間の赤ん坊を返そうとするふたりに、下心をもって近づくサーベルタイガーのディエゴ。
この赤ん坊がまるでフラワーベイビー(小麦粉をいれた袋を赤ん坊に見立てて、世話をするという教育プログラム）のような役割を果たしていて、 それぞれが赤ん坊に愛情と責任を持つようになり、３匹の 結束も固まっていく。
人間に家族を奪われたマンモスが、憎い人間の子供をかわいがるのは納得がいかない部分ではあるが、子供を奪われたからこそ弱いものを守ろうとするのではないか。
「不思議の国のアリス」にも出てくる、今は絶滅してしまったドードー鳥のシーンがおもしろい。

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動物の擬人化に違和感を覚え、同時に感動もした。

違和感を覚えた点は、サーベルタイガーが人間に復讐しようとした点、シドが火を起こそうとした点など。どちらも冒頭に近いシーンだけに、まだ作品世界に没入できていない時期であり、本来の動物ならまずありえない描写に強い違和感を覚えた。あまり擬人化をやりすぎると、「○○は賢い動物だから殺してはならない」という欧米的感情的動物愛護主義をさらに強固なものにしてしまうのではないかと老婆心ながら心配になった。

感動した点は、種族のはみ出し者である彼らが種を越えて寄り集まり、一緒に生きて行くというところ。本来動物であれば種族のはみ出し者は生き延びることができない。しかし我々人間ははみ出し者だからといって即座に死ぬことはない。考えてみればありがたいことだが、はみ出しながら生きて行くためにはいろいろなつらさも生まれてくる。しかし、「はみ出しのつらさ」を理解し合える仲間に出会えたら、それで幸せになれるという点に励まされるように感じた。

普段は、吹替えに本職以外を当てるのは嫌いなのだが、この作品に関してはよかった。竹中直人は本職並みの技量を持っているし、太田光はキャラクターの特徴を驚くほど生かして表現していた。
吹替え風景を特典で見て思ったのだが、竹中も太田も顔の筋肉が非常によく動く。日本の俳優は表情筋がよく動く人材がすくない。本職ではない竹中・太田が本職に匹敵する声の演技を見せた秘密はここにあるように思う。
原版でシドの声を担当したのは芸達者で有名なジョン・レグイザモ。日本版で彼に劣らない演技を見せた太田光に拍手を送りたい。

あと、こういった子どもも楽しめる映画にはよくあるが、メニューを起動するまでに余計なシーンをあれこれ見せられてやたら長い。メニューはレスポンスが命である。ボタンを押したらさっと立ち上がってくれるようでなければストレスがたまる。

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・・・なのに、サーベルタイガーのディエゴに食われてます（笑）
ディエゴの本当は優しいのに素直になれない不器用な所とか、いざとなったらすごく頼りになる所とか。。。竹中直人の声がまた渋くていいんですよね・・・。
孤高なサーベルタイガーに共感してしまいます。

主役はマニーなのに、あんまりマニーが印象に残ってない。。。

渋い・カッコイイ・素敵♪
でも、「いないいない、ばあ」もカワイイ♪
もう、ディエゴに釘付けですね。

ストーリーの流れも、ディエゴが最終的に一番オイシイ所を持って行ってるし（笑）

愛に笑いに「ええ？どーなっちゃうの！？」とハラハラもあり。。。この作品はいいです！
子供と見たら動物好きな優しい子供になってくれそう。

家族みんなでコタツでぬくぬくしながら見るのに最適。
素敵な作品。お勧めです。