阿弥陀堂だより

　邦画を見に映画館に足を運んだのは、何年振りでしょう。　
　1回目は、息子と。2度目は主人と・・・・　
　見終わった後、春夏秋冬を、共に過ごした感覚でした。　
　映像のすばらしさ、音楽のすばらしさ、そして脚本の。　
　この映画は、おうめさんなくしては、存在しません。　
　ひとつ、ひとつのせりふに、息吹を感じます。　
　心が洗われ、いつの間にか、頬に涙が流れ落ちる。　
　今も、サントラを聞きながら、映画のシーンを思い出します。　
　　　
　私にとって、邦画の宝ものです。

はっきり言って　俺は予告編しか見てない　よって予想評論

心の病をかかえた夫婦が　信州へ行って住むとこが阿弥陀堂だー
そこに難病の少女や　いかにもなババアがいて　心が洗われたりして　あ〜たそこはバスクリンずけの温泉すよ！

父親ゆずりの　スクリーン映えのしない　貧乏くさい寺尾聡主演
変な帽子かぶった　いかにもなエコ音楽家　加古崇
黒澤天皇（強者）の描くヒュウマニズムを　まんま引き継ぐ　芸のない黒澤組

それを２時間以上見るとなると映画館へ行くのには　相当の覚悟がいるぞ　予想が外れたらどっかであやまろ〜っと

「博士の愛した数式」はラッキーにも小泉監督と寺尾聡の舞台挨拶つきでみることができまして、おふたりを間近に見ることが出来、にわかファンになってしまった私です。
その小泉監督のこの作品は未見でしたが、最近復帰されたケチケチさん（おかえりなさい。お待ちしていました。）の絶賛もあり、さっそくレンタル。しみじみいい映画でした。

ちょっと大げさかもしれませんが、自分がどんなふうに生きて、どんなふうに死にたいか、そんなことを考えさせてくれる映画でした。吉岡くんのせりふじゃないけど、私は「まだ若いので」、そんなことをきちんと考えたこともないし、まだまだ「年をとっても都会に住んで、映画に行ったりショッピングに行ったりしたい。」と思っていますが。
私もおうめおばあさんのように年をとりたいものだと思いました。

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う〜ん。。。私はこれ、オススメできません。
「博士の愛した数式」と同じ小泉堯史監督作品なんですが、
同じようなダメダメ病にかかってるというか。
一般に美しいとか良いとか思われてることを、
ふつーに美しく良く描いてるだけで芸が無いっぽい。。。
最終的に当り前の結論で落ち着くにしても、
そこに至る過程の視点とか紆余曲折なんかに
新しさや驚きが無いと、映画としてはキツいです。
あとなんかこの監督、
当り障りのない範囲だけ描いてる感じがするというか、
勇気を持って大胆に踏み込んでくれない感じがするというか、
とにかく逃げてる感じがして、私は好きになれません。

仕事が一段落するたびに、何となく何度も見てみたくなるいい映画です。
金銭、名声、出世、そんな俗世の欲から離れた夢を語る映画ですが、生き仏のようなおうめ婆さん、そして欲に明け暮れる人間をちっぽけに感じさせる四季折々の美しい自然の風景、これらがマッチして映画ならではの共感を作り出しています。

この映画を見るたびに思うけど、寺尾聰演じる孝夫のように創作活動が送れたらどんなにいいだろうなと憧れを感じます。
書きたい物を書いて、売れるかどうかなんて全く問題にしない、それで生計が立てられればそれに越したことはないわけだけど、世の中そんなに甘くないのが現実です。だからこそこういった映画に憧れを感じ夢を見、「爽やかに吹き抜ける風」を感じるんですけどね。

現実には「これでいい」と言い残して、死を迎えることなんか出来そうにもないけれど、多少なりともそんな境地に近づけるように、日々足元を見て頑張るしかないんだろうなと勇気づけられたり。

「雨あがる」は黒澤色の濃さが気になったけど、この「阿弥陀堂だより」は小泉ワールドの臭いを十分に感じます。途中のドキュメンタリー手法に、ちょっと違和感を感じるところもあったりはするんだけど、作品的には胸の奥深くに響く物を与えるいい映画だと思います。
5段階評価は5。