プリンセスチュチュ

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昔むかし、あるところに、一人のストーリーテラーがおりました。
しかし彼は、書いた話が現実になる力を持っていた為、その力を恐れた者たちの手で殺されてしまいました。
未完のまま彼の遺作となった「王子とカラス」の登場人物たち…
”邪悪なカラスを封印するため、自らの心を砕いた王子”
”悲劇的な最期を運命づけられた騎士”
”幼い時にカラスにさらわれ、その娘として育てられた少女”
そして…
”王子に憧れる１羽のアヒル”
最初は話に翻弄され、死んだ男の掌で踊らされていた彼らが、やがて自分たちの本当の姿に気付き、真の役割に目覚めた時から、運命の歯車はそれまでと違った音色を奏で始める…

とまあ、これが大筋です（かえって解り辛いかも（笑））

登場キャラが全体的に幼い印象があるため敬遠する方もおられるかと思います（自分もタイトルだけでちょっと退いてました）が、これがどうしてなかなか。
メルヘンとラブロマンスとコメディとシリアスが絶妙にブレンドされた傑作でした。
ちょっと不思議系の話が好きだったり、ありきたりの美少女モノに食傷気味の方は観て損は無いですよ。

オススメです。

「女の子を主人公にした変身モノ」を描かせたら右に出る者はいない（…と個人的には思っている）佐藤順一氏が総監督をつとめただけあって、なかなか個性的な作品に仕上がってます。

ただ、第１巻を観る限りではラブロマンスというよりメルヘンですねこれは。

バレエがモチーフなので派手な戦闘シーンは無いし、まともなキャラに混じって一瞬ぎょっとするような妙なキャラクター（猫先生とか、アリクイ美ちゃんとか…）が異彩を放つし…
はっきり言ってとっつきは悪いと思いますが、はまれば面白いと思います。

昔チラッと2回ほどみたことがあるのですが、その時は「バレエのアニメなんだぁ」と漠然と思う程度でした。

中2と小4の娘が二人ともバレエを習っているので、最初から観てみようかなと思い借り始めたのですが、見事にハマっています。

プリンセスチュチュの絵本の物語に沿って話は進んでいるのですが、「白鳥の湖」や「ジゼル」などのバレエ自体のストーリーとも織り交ぜて、とても上手くまとめています。

バレエの部分も、フェッテ（連続回転）やアラベスク（片足を直角に上げてkeepする）がきちんと描かれているので、バレエを少しでも知っている方なら何倍にも楽しめる内容でした。

なんちゃってのバレエではなく、きちんと外股に描いているところは感心してしまいました。
（マイムも忠実！）

でも、話自体もとても面白くて、最初は主人公あひるの声が妙に甲高いこともあって「アイドルアニメか…」と拒否反応もあったのですが、登場人物一人一人の過去や葛藤や悲しみがわかっていくにつれ、話に引き込まれて一気に見てしまいました。

全体的にうまくまとまっている作品だと思います。

童話調のアニメで、間違いなく子どもから大人まで楽しめる深さのあるアニメです。

雰囲気もとても気品ある作品で、シナリオ、映像、音楽どれをとっても、いつの時代にも変わることのない良さを持った最高峰のアニメの１つだと思います。

バレーに関して知らない私でもとても楽しめました。（バレーはこの作品の１つモチーフにすぎず、バレーを知らないと楽しめないという作りではありません）

世の中にあまり注目されてなかったのかもしれないですが、本当に多くの人に見てほしいと思える作品ですね。

このレベル作品を作ってきた人たちにはホントお礼を言いたいくらいです。

大の男でも泣いてしまいます（笑）

10年あたためた作品だと、どこかで耳にしました。
バレエの動きを、こんなにもドラマチックな動画にえがくのは、とても大変だろうと途方にくれてしまいます。
作り手のことを想いながら観られる作品が大好きです。

バレエには、エンタテインメントのあらゆるものが詰まっています。音楽と肉体、感情。舞台装置。
子どもっぽいビジュアルですが、王子の透明感、姫の黒セクシー加減、対して純白なイメージのヒロイン、彼らの目や体はとても生々しかったです。

キャラクターたちがお話を「動かす」という演出、鳥肌の立つような運命感にぽろぽろと泣いてしまいました。

OP／EDは岡崎律子さん。
オープニングのナレーションに岸田今日子さん。
優しくてちょっと切ない物語でした。