マイナー・ブラザース　史上最大の賭け

「マイナーブラザー　史上最大の賭け事」（1986）。

この映画の監督ウォルター・ヒル（1942生）は、優秀な脚本家で監督、製作の行うベテランの映画人です。
彼の監督作では、エディ・マーフィとニック・ノルティ「48時間」（1982）が最も好きです。
脚本家として優れた作品は、マックィーン主演「ゲッタウェイ」（1972）と、ポール・ニューマンの「マッキントッシュの男」（1973)。そして彼は「エイリアン」シリーズの一貫した製作者です。

突拍子もないアイデア。
リチャード・プライヤー──彼の主演映画を見たのは、アーサー・ヒラー監督「大陸横断特急」（1976）が初めてです。ジーン・ワイルダーとジル・クレイバーグと合戦でキンキンした声のうるさい奴やなあ、という印象でした。動きの素早い、しかも頭の回転が速い。彼「モンティ」は、マイナー・リーグの投手。
ジョン・キャンディ───「クール・ランニング」（1993）のギャンブル好きの元金メダリスト役。巨漢、しかも動きも頭の回転も速い。彼「スパイク」は、マイナー・リーグの捕手。
この二人の白黒コンビが「お金がらみ」ではなく「お金まみれ」の悲惨なゲームに挑みます。
この映画を最後まで見ると、「お金があることが怖い　お金が重荷」ということを考えます。
さらに、お金に執着している自分にも、一定の批判を向けます。

「龍」のような球場で、雨が降りそうで、フロントと揉め、いい投手だったが引退させられ、その後の暴力事件で収監され、出所した「モンティ」に、ギャングどもから、怪しい遺産相続の条件が降って来る。
「誰やねん？」とうぜん相手のことを聞くが、分からないのでOKで進むのが、真の「スター」。
相続の条件は30日間に3000万ドルを使い果たすこと。寄付は許さない。資産の消去は許さない。
200万ドルのゴッホの「ひまわり」と、300万ドルのモネの「睡蓮」を、買って、売ればどうか？
それは、条件に反する。差利益が生じるし、オークションの査定などの手続きで、今から30日をゆうに超えてしまう。不動産売買も同様。最初の資産の消去は許さない。
「30日で」……計算しきれない。無理なことを設定している。

「モンティ」は、最高のアイデアを考える。

この話は３０００万ドルどう使い切るかが見もの。ものの見事に使い切っていくんですよね！浪費を繰り返しながらもモンティの人の良さが失われず、大変好感がもてる映画です。彼はこの一件で、お金よりも大切な無二の親友を手に入れたのではないでしょうか。

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遺産相続の条件が徹底的な大浪費。
なんとも映画らしいわくわくさせてくれるストーリーだと思います。
3億ドルと言えば当時で言えば750億円くらいでしょうか??
その内の3000万ドル(75億円)を1ヶ月で使い切らなければならないわけですが、ここまでくると天文学的数字で実感がわかない金額ですよね。

主人公のモンティは全く冴えないマイナーリーグのヘボピッチャー。
最初はとにかく小汚くて、浪費の仕方もよく分からず四苦八苦しているんですが、次第にお金の使い方に慣れてきて風格すら備わってくる過程は結構見所です。
もちろんその遺産をやすやすと相続されないようモンティは数々の妨害にあいますが、最後は彼の潔い真っ直ぐな部分に運が傾いた感じで、とても清清しい気持ちになりました。

ただ字幕しかないので、吹替派の方はご注意ください。

一見ドタバタコメディですが、それだけでは終わらせたくないという意図が見え隠れしていました。
でも、それを表現しきれていない感じがします。
ラストの盛り上がりもいまひとつで、尻すぼみで物足りなさ感、爆発です。
まあでも、それなりにコメディしていました。
暇つぶしには、ちょうど良いのではないでしょうか？

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昔のコメディと言う感じです。凄く表現がストレートというか。中盤から少し面白くなってきましたが、ラストのあっさりさにはがっかり。