特別狙撃隊　Ｓ．Ｗ．Ａ．Ｔ．

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相変わらず楽しい。
ドラマそのものの楽しさのほかに、歴史資料としての面白さがあって目が離せない。それに、いつものことだが扱っている題材が意外なほど新しいのだ。それは本当のところ「新しい」のではなく、いつの世にも通じる普遍的な題材ということなんだろう。

第９話には「電送写真」というものが出てくる。写真を、トナーを思い切り薄くして不鮮明にコピーしたようなものなのだが、ファクシミリもなかった時代には夢のような最先端マシンだったはずだ。
今のアクションドラマは夢のようなハイテク機器がたくさん登場して、それはそれでとても楽しいが、当時の最先端機器をこの作品のなかで見ることができるのも非常に興味深い。
第９話には、暗殺者の仕事を防ぐという面のほかに、ペストの広がりを防ぐという面もある。現在の細菌兵器やバイオハザード物に通じるものがある。

第10話では、ミス・アメリカ・ページェントが背景となっている。昔のファラ・フォーセットみたいなゴージャスな金髪美女がうようよ歩いているかと思えば、「ミスコンなんて女性蔑視よ」という意見を述べる人物も登場し、ウーマンズ・リブの波を感じさせる。
あまり女権を前面に押し出したつくりではないが、ＴＪの婚約者でカメラマンのスーザンに「あなたももうすぐ結婚して仕事をやめるんでしょう？」と決め付けるかつてのミスコン女王がいたり、一方でＴＪとホンドー隊長のあいだで、「彼女は僕が自分の仕事を邪魔しない限り、僕の仕事も邪魔しないそうです」という会話があったりする。
多分当時のアメリカではすこし前の日本のように女性の権利の向上に関心が集まっていたのだろう。

９話の暗殺者の吹替えは若き日の納谷悟郎。彼の若い声は吹替えファン必聴。

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相変わらず扱っている題材は意外に新しい。
勘違いちゃんのプチサイコ野郎であったり、テロリストであったり、一話ずつのエピソードがそのまま一本の映画の核になりそうな密度の濃さである。もちろん表現は昔風だが、焼き直せばいくらでも現代風の味付けになりそうなものばかりだ。

そしてこれも相変わらずだが、吹き替えの脚本がそのまま生きた歴史資料となっている。
今回はピザ。この３にはやたらとピザが出てくるが、吹き替え音声では全部「ピザパイ」と訳されている。そうそう、昔はピザパイって言ったのよね。でもこのドラマが日本で放送された頃はうちの田舎ではだれもピザなんか知らなくて、なにやらすごいアメリカの食べ物と思っていた。

今回気になったのは２点。
ストリートは以前護衛した彼女とはやっぱりあれきりなのね。
それと、ディークの喋り方が突然べらんめえ口調になっていた。吹き替え翻訳の担当者が変わったのかも知れないが、以前どおりの紳士的口調とまぜこぜなので、ときどき人格交代が起こったのかと思ってしまう。

日本語音声は当時ＴＶ放送のときに使われていたもので、今でも活躍中の声優が出ているが声が若い。
吹替えの翻訳も当然当時のままであるが、字幕がオリジナル音声にかなり忠実に訳しているところ、吹替えのほうは自由奔放だ。その中に当時の価値観がちらほらとにじみ出ていて面白い。
１のレビューでも書いたが、吹替え版の女性の言葉遣いが昔っぽい。妻が夫に敬語を使ったり、語尾が「ですのよ」になっていたり、今ではほとんど見られない表現である。それにともない価値観のほうも当時のままで、「君料理なんかできるの？」「あら、これでも女の子ですもの」なんて、今ならＴＶでうっかり放送した途端に局の電話がじゃんじゃん鳴るような表現があり、本シリーズは私の中ではにわかに歴史的資料としての価値も高まってきた。
「イタリア系」はもろにイタリア人と訳してあり、うーんたしかにItarianなんだけど、「○○系アメリカ人」という概念が当時の日本では薄かったのだなあ。
しかしこれらをやみくもに刷新しなかったおかげで、当時の翻訳事情、アメリカに対する認識度が知れて非常に興味深い。

昔見ていたときは感じなかったことだが、今見るとチームの人数がすくないように思える。（笑）

懐かしい！
昔、私が育った町では日曜日の正午から放映されていた。両親は日曜日も仕事が休みではなく、我が家は親子の休日が一致しない家だった。しかし日曜日の正午になると、両親が戻ってきて昼食を食べながら３人でこの「ＳＷＡＴ」を見る。１時になると「ＳＷＡＴ」は終わり、両親は仕事へ戻って行く。大切な家族団らんに一役買う番組だったのだ。そんなことなんかすっかりけろっと忘れてしまっていたが、イントロの音楽と映像を見た途端一気に思い出した。
その習慣はいつのまにか始まったので第一話は見ていない。今頃第一話が見られるなんて大感激だ。

この作品、街並みも表現もレトロなところがすごくいい。
当時日本人はＴＶでこの街並みにあこがれた。今では日本も、郊外の街道沿いなどすっかりこんな感じになっているが、当時は洋画や洋物のドラマの中でしか見られなかった。
狙撃犯なんかも今と違う。せっかくビルの屋上に陣取ってターゲットが到着するのを待っているのに銃を固定なんかしない。立って構えて、ターゲットの移動とともに銃口を動かす。これじゃあ狙撃の成功率も高くないなあなんて思いながら微笑ましく見てしまう。

この作品のＳＷＡＴは狙撃のスペシャルチームというよりは普通の刑事のように捜査もする捜査一課という感じ。
扱っている題材は、カルト的暴力団体であったりストーカーであったり、意外なほど新しい。
吹替えでは女性の話し方が70年台という感じだ。「あなた、召し上がって」とか「出勤なさるの？」とか「おつきあいしている方」とか、最近めっきり聞かなくなった懐かしい表現が目白押し。
１には第一話から第三話（各50分）まで収録。

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あっさりとファーストシーズンを見終えてしまった。わずか13話、１クール。
小さい頃毎週テレビで見ていたときはもっとずっと長期間に渡っていたと思うので、ぜひDVD化してレンタル市場に出して欲しいものだ。

毎度毎度、扱う犯罪内容が今の時代の目で見てもすこしも古びていないことに驚かされているが、今回は細菌兵器が扱われている。
その他、これまでそこにいるだけで絶対的安心感を与えてくれていたホンドー隊長が怪我をして、心配させられる。
隊長が任務に復帰するまで、家族の強い愛情と信頼が示される。非常に感動的なのでぜひ見てみてください。
ホンドー隊長役スティーブ・フォレストが映画版の「SWAT」に出演しているらしい。見たのにぜんぜん気づかなかった。もう一度見てみなければ・・・。

あ、↓のYutaさん、DVD−BOX、TSUTAYA-onlineにもAmazon.comにも在庫ありましたよ。

セカンドシーズン以降もぜひぜひ見たいです。