危険な女たち

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大竹しのぶ　は　天才　である。

この人は、背中から、ゾクゾクさせる俳優である。

こわい。

原作はアガサ・クリスティーの「ホロー荘の殺人」。クリスティ作品の映像化はこの作品が日本では初だと聞いていたし．野村監督の他の作品は大好きだし．出演者も実力があり．演技力のある方が多かったので．期待しすぎていたのかもしれない．．．いまいちだった．．．

序盤の展開がすごく遅いと思いきや．殺人が起きてからの感情の流れが急すぎ。犯人はなんとなく二重人格に見えてしまったし．周りの人間の守るべきものや．一番大切なものもあまり伝わってこなかった。人と人の関係性がなんとなく薄く感じてしまって．必要ない登場人物がいたとも思う。もっと女と女の戦いの部分がクローズアップされていてもよかったと思った。

作品の評価はさておき．色恋は本当に難しく．怖い。人間はやっぱり個人であるから．相手の考えていること．真の意図．全てはわからない。
わからないから．いい部分もある。相手の全てを知ってしまえば．逆に苦しむこともある。でも．やっぱり全てを知りたい．．．
相手をどれだけ信じられるかがやはり重要だと思う。猜疑心は自分も相手との関係も全てを壊してしまう。最終的には自分を信じること．自分に自信をもつことが大切なんだと．．そんなことを感じた。

健一郎とハナ夫妻はホームパーティーを開くが、客の一人である秀雄が撃ち殺されてしまう。
クリスティの「ホロー荘の殺人」が原作です。

人間ドラマに重点が置かれているのは野村監督らしくていいのですが、若干テンポが悪くて退屈してしまいました。
「ホロー荘の殺人」が好きな人は、フランス版の「アガサ・クリスティ　華麗なるアリバイ」がおすすめです。

月に一度のホームパーティの主催者・健一郎は病院長、被害者の秀雄は副院長という関係です。
上司の家に月１のペースで訪問する秀雄夫妻…
しかも、秀雄夫妻は小児ぜんそくの息子を、健一郎宅で預かってもらっています。
内気な妻・紀子は、健一郎の妻・ハナに舐められています。
こんな立場で招かれるなんて嫌すぎるｗ

秀雄の妻・紀子はダサくて気が利かないって設定だけど、別にダサくなかった。
ハナの姪・冴子の着てる革ツナギに「ＳＡＥＫＯ」って印字してあって、そっちのがよっぽどダサいし恥ずかしいｗ
主題歌を歌っている歌手がチョイ役で出演しているが、こちらもインパクトのある装いだった。

ホームドラマの食事シーンみたいにぎっちり固まって座って食後酒を楽しんだり、
メイドが３人もいるのに紀子がお運びしてたり、客をもてなす部屋にトレーニングマシンはもちろん
ぶらさがり健康機？まであったり、花や調度品がごちゃごちゃしてたり、
健一郎の家がなんだか落ち着かなかったです。

南紀白浜や神戸が舞台なのに、和歌山県警刑事やメイド含め、全員が標準語だったのも違和感がありました。

悪気はないが、お喋りで縁結びが好きで、どこか無神経なハナ役の北林谷栄と
一途に秀雄を愛する紀子役の大竹しのぶが好演していました。
南紀白浜の風景は美しく撮れていたけど、野村監督の「八ツ墓村」みたいな風景の効果を感じなかった、残念…

駄作の一言に尽きます。まだ２時間サスペンスの方が見ごたえがあるかもしれません。
無駄に多い登場人物で複雑に見せようとしているのかもしれませんが、全く事件と関係ない話が多く、眠くなってきます。そして話が展開しない割には、あっさりと犯人が自供して解決します。
主題歌も変な歌で、今でも耳にまとわり付いています・・・
アガサ・クリスティーだからと期待してしまっただけに残念です。
ただ、寺尾あきらが昔はモテ役をやっていたことは、新しい発見でした

　このミステリーはトリックはアガサ・クリスティー原作らしく面白かったですが、全体としては以下の点に注意して見る必要があるように感じました。

　�@古い映画ですから、画像が荒い。しかも、画面が暗い場面が多い。

　�A犠牲者が出るのに３０分以上かかる。（２時間映画のミステリーなのに？）
　
　�B犯人が明らかにされた後、犯人と対峙した人の主張。（？？？）（私には、理解不能。）

　�@は古い映画ですから、仕方ないですが�A、�Bについては特に注意する必要があると思います。私は、クリスティー原作と言う保険がなければ最後まで見たかどうか怪しいように感じたところです。（ミステリーの長所である物語の最初に出される犠牲者の存在は最後まで集中力を切らさずにミステリーを見る上で重要な意味があるだけに頭に入れておく必要があるでしょう。）

　総じて、上記のような内容でしたのでトリックが面白かったことを考慮に入れても評価は☆３.５。