ルパン三世　念力珍作戦

まだ「赤い背広でのルパン」が始まっていない頃――「青い背広でのルパン」が終わってからの製作だろう。ところどころに、原作テイスト以外に「青背広ルパン」でのムードも感じられる気がする。
　キャストは、ルパン三世が目黒祐樹。私には、「必殺仕事人」第６話「主水は葵の紋を斬れるか？」での役が最も印象的なので「うーむ」という感じだったのだが、軽い科白回しや軽快な動きで、それなりにルパンといえなくもない。
　次元大介役は田中邦衛。
　田中邦衛が次元っぽい(ぽいだけだが)服装で、死神博士こと天本英世演じる殺し屋と対峙している。
　銃を抜く。
　バン！　バン！　バン！　ワンカットずつ、の止め絵で三方向へ撃っている次元大介(の田中邦衛)。
　そして通常画面に戻って、次元邦衛が言う。「以上0．3秒」。
　この奇怪な映像は確かに実在する。
　ぜひ、現物を観ていただきたい。
　銭形警部は伊東四朗。これもそれなりに銭形だった。
　五エ門はまだいない頃の話だったけれど、それどころかこの映画は、「ルパン三世デビュー」前からの話だった。
　次元はルパン帝国再興のためにルパンを捜索しているし、峰不二子も映画の冒頭でルパンと初めて出会う。
　銭形がルパンと対峙したのも、ルパンが不二子を脱獄させたからだった。
　この峰不二子のキャラクターは、アニメでいえばやはり青背広ルパンの最初の頃のものだ。増山江威子でなく二階堂有希子の声で聞こう(いや、江崎英子が演っているんだけど)。
　ルパンでなかったら、昔のドタバタ映画だな、で終わるところだけれど、これがルパン三世の実写版かあ……と思いながら観ると感無量だ(笑)。
　「ルパン三世」ファンは、ネタとして観る分、損はないだろう(笑)。

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なんちゅうか、微妙な外し具合。

「内容は？」と聞かれると答えに困る映画だ。
いわゆる、Ｃ級映画特有の内容が無いお話。

必然性も、脈絡も、伏線も、話のつながりもなくいきなり登場人物が出てくる。
例えば、峰不二子との出会いは、偶然街中で、護送車で連れて行かれる彼女にルパンが一目惚れしたから。
で、デートするために彼女を脱獄させる。
もちろん、何のひねりも説明もなく脱獄は成功するんですけど、って、おい！

そして、全編に感じられるだるだるとした一緒独特のだれた雰囲気。
アニメ版のスマートでハードボイルドな雰囲気は一切無い。
いかにも、昭和の喜劇なのだ。
それも大人の見る喜劇じゃなく、子供の見る喜劇。
ちょうど、ドリフのコントをテンポを遅ーくして、間を悪くした感じ。
そのくせ、やたらとでかいパンチラ（時代を感じさせる）や、少し色っぽいシーンなんか挟んだりしている。
むぅ〜、なんなんでしょうね。

アニメ自体は１９７１年に始まっているので、アニメファンはそのイメージを打ち壊される。
また、全然知らない人が見ると「超つまんねー」映画。

そういや、「念力珍作戦」って銘打ってるけど、作戦らしい作戦は一切無かった。
もしかしたら、「ルパン三世」じゃなくて「ノレパン三世」だったのかもしれない。

「ルパンめ、とんでもないモノを盗んで行きよったわ！」
「いえ、あの方は何も盗んではいません」
「いいえ、あなたの、ルパンに対する幻想です」

酷評レビューを読むと、無性に観たくなってしまう！

企画に「赤塚不二夫」って…意外！
アングル凝ってますね、芸術的なショットも有りますねー！
家電や黒電話に時代を感じますがー
ビデオデッキ…家庭用がボチボチ出始めた頃、でもまだ高嶺の花で…
「…なお、このテープは自動的に爆発する」
「うわーー！」←結構好き！
マラソン大会の垂れ幕が「ンソラマ朝毎」って何時の時代だよ！
「目黒ルパン」濃いわー！
「伊藤銭形」トレードマークのコートは？
「田中次元」シャキッとしてナイスです！「北の国から」の猫背イメージが強いので、めっちゃ新鮮！
おおっ！「死神博士」出番少なっっ！
フジコチャ〜ンのファッション、カッコいいね！どれも新しい感じなのが不思議な位！
前川清、安西マリアの出演が、ドリフのコントっぽさを強調している様な…クレージー・キャッツの映画を多く撮った監督らしい演出ですね！

特典の、坪島監督へのインタビューは、娯楽映画研究家の佐藤利明氏が聞き手です。この方、戦争映画のコメンタリーで声だけは知ってたんですが、お顔が見られてチョット嬉しい（笑）
「ユリ・ゲラー」ブームの最中、「念力」というワードを入れる様に上から言われ、仕方なく…なんて知りませんでした。

これはこれでアリですよ！
アニメ版のファンですが、こういった番外編、もっと有っても良い気がします！同人誌の世界ね！

　たいがい失敗する。これも失敗だが、目黒祐樹のルパン、田中邦衛の次元大介、伊東四郎の銭形警部、というキャスティングは、これはこれで味がある・・・かも知れない。映画マニアならその失敗振りを楽しむという見方もある。しかし、これは今ではＤＶＤ化不可能の「ノストラダムスの大予言」の添え物だったのだ。当時はこの大予言と「日本沈没」で終末ブームだったのだから、失敗したとはいえこの映画の能天気はよかったかも。

えーと、このジャケットから皆様おわかりになると思いますが
おバカ映画です！(キッパリ）
原作はモンキーパンチでも、企画が赤塚不二夫なんで、
この時代の、あのテイストなのねって想像はついてたし。。

高校時代に「結婚するならルパンがいい」って言ってた友人がいた。
アニメのルパンってテキトーに見えて仕事はプロだし、
ほどよいギャグを言い、ムッツリじゃない正直さ。
音楽もカッコいいから、特にアニメ好きじゃない人もとっつきやすい。
でも、このイメージは全て忘れるべき。

ルパン(目黒祐樹)
峯不二子(江崎栄子)
次元大介(田中邦衛)
あれ？五右衛門は？
銭形警部(伊東四郎)
殺し屋(天本英世）

思った通りの赤塚不二夫っぽいギャグがいっぱいでダラダラした緩さ。
そんなの判りきってて借りたんだから、文句は言うまい。。
(いや、このゆるさ嫌いじゃないです）
当時、ユリゲラーの超能力ブームだったからって
タイトルに「念力」って。。それにしても念力の扱いも雑〜ｗ

本作を観た後なら、今度やる実写版ルパンがとても良く見えたりするかも。。