ドラキュリア　ＩＩ　鮮血の狩人

前作のライトなテイストやスピーディさは全くなく、間延びした作品だった。“続編のジンクス”というよりも、確信的な作りに見える。３部作の構成にするためだろう。２作目で復活、３作目で対決といった基本的な割り振りの中で、本作品は物語を展開させる力を失った感じだ。もしかしたら、３作目が先にあり、補完するために２作目を企画した可能性もある。いずれにせよ、１作目とは別人が監督したかと思えるほど出来が悪く、退屈な作品だった。

前作で陽光に焼かれたドラキュラの死体がモルグに運ばれる。検視のバイトをしていた医学生のエリザベスが、遺体が吸血鬼であることに気づく。彼女は、恋人（教授）の病気を治すために友人を集めて遺体を秘匿する。そして、新薬開発の実験に取り組む。
しかし、実験は失敗し、ドラキュラが蘇ってしまう。それでも、まだ新薬を諦め切れない彼らは、ドラキュラを拘束し、実験を続けようとする。
……というお話し。
『フラットライナーズ』と『ヘルレイザー』を足して２で割ったみたいな内容だった。パトリック・ルシエ監督は、『ヘルレイザー／ゲート・オブ・インフェルノ』に携わったようだから、着想は、この辺りにあるのかも知れない。

前作のラストで朝陽に焼かれたドラキュラの死体は、てっきりカーファックス博物館の金庫室に戻されたのかと思ってた。そういうエンディングだった。
それが、何故かモルグに運ばれ、不審死にもかかわらず学生が検視する。この時点で脚本は破綻している。１作目の設定は無視しているのだから、続編のように語る必要はなかったはずだ。キャストも一新されていることだし、全く新しい世界を構築すべきだった。

ドラキュラ役は、スティーブ・ビリントンという役者さん。ほとんど十字架に繋がれた状態だったが、ジェラルド・バトラーと較べると体格の貧弱さは明らか。演技力を云々するよりも、役者として小粒な感じ。迫力が足りなかった。

ヴァンパイア・ハンターのユフィジ神父役は、ジェイソン・スコット・リー。ネイティブの顔立ちなので、少し違和感があるが、熱演で補っている。ブルース・リーを演じたこともあるだけに、かなり締まった肉体をしており、それはそれで見応えがあった。

チョイ役にロイ・シャイダーが出演。ヴァンパイア・ハンターが師事する盲目の神父役。もう少し出番が欲しかったような気もするが、『ドラキュリア�V／鮮血の十字架』にもクレジットされているので、そちらを楽しみにしよう。

ドラキュラが完全復活し、ヴァンパイア・ハンターが痛手を負ったところで本作品は終わる。何て中途半端な……。(苦笑)　１本の作品としてのアイデンティティは、どこにも見受けられなかった。

大した機材もなく、吸血鬼を拘束して「生命が……」云々と、したり顔でセリフを喋られても、学芸会ほどの説得力もない。理科の実験で使うような顕微鏡で血液を観察されても失笑しか浮かばないではないか。Ｂ級映画の罪は、この幼稚さと愚かしさに作り手側が気づいていないことだと思う。

反省が必要だな。
断じてオススメ致しません！

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　見始めて気づいたのですが、以前見たことがありました。
　ドラキュリア自体はまったく活躍の場がありません。ずっと囚われの身で、周りで学生と体の不自由な教授が不死の秘密を探そうと実験してます。でもたいした実験じゃなくて、血をとるだけとか、なんと馬鹿なことに、直接その血を自分で注射するやつが出てきて、吸血鬼になるのわかっててやってる大ばか者です。
教授は教授で、３年間も自分を愛してくれたきれいな女の子を、実は吸血鬼に出会うために利用しただけだとのたまいます。それはないだろうと思います。まあホモだろうなということですが。
　吸血鬼を本当に研究するなら、もっと大掛かりにやってほしいし、もっと優秀な学生がいるだろうと思います。吸血鬼ハンターの神父の戦い方はなかなか好きですが、彼も実は吸血鬼の血をひいているのは、アンダーワールドとか、ブレイドなどと同じなんですね。
　３に続くという終わり方でちょっと消化不良ですが、最後まできちんと見られました。まあ、この手の映画は嫌いじゃないので、ちょっと甘めだと思ってください。

兄の名前は久仁彦、弟の名前は高道。
二人の夢は同じなれど、二人それぞれに目指すべき道に向かって精進していたのだが、
経済的事情もあって、二人はタッグを組んで同じ道を目指すことに。

”いつまでも大ヒットを狙い続けるハンターであれ”との想いから、タッグ名を”狩人”と命名。
二人の想いは通じたのかデビュー作が大ヒットを遂げた。

しかし、残念ながら栄光は長続きしなかった。

もともと仲が良くなかった二人は取っ組みあいの喧嘩になることも多く…
そう、そして、なるべくして起きてしまったのだ…

『鮮血の狩人』

、とまぁ、こんな話だったら面白く鑑賞できたのでしょうが、
ドラキュラは拘束されているだけだし、体格も貧相で迫力がないし、
教授とその学生らが目論む実験描写が幼稚過ぎて苛立ってしまうし、
何より一番気になってしまうのが教授とヒロインの禁断愛事情となる時点で
ホラー映画として致命的だったのかも。