チアーズ！　２

出演者が総入れ替えなので、「チアーズ」の続編だとは思わないほうがいい。また、素人がほんのちょっと練習したくらいであんなにすぐにうまくなることはありえないし（まるで「スウイングガールズ」なみだった）、全国大会出場権争奪も簡単に決着がつきすぎてしまった。
それでも、けっこう楽しくみられたのは、やっぱりチアのおもしろさでしょうね。
うちの娘の高校にはチア部があるらしいが、娘は全く興味なし。私ならやってみたいけど。あんなアクロバットみたいなことは無理でも、ひらひらのスカートはいて踊ってるだけでも楽しそう。こんなふうに思うのは年取った証拠でしょうか？

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「チアーズ！」を見てからもう何年も経っちゃいました。私が１を見たときには、すでにこの２がレンタルされていましたが、いつも貸し出し中で、結局今頃見ることになっちゃいました。
そのときから１のほうが面白いよという噂は聞いていたんですが、２もすごく楽しかったですよ。たしかに比較すれば１に軍配ですが、これはこれで楽しく、３も楽しみになりました。

今回は全国大会ではなく、そこへ行くためのチームを学内で選考する話。といってもずっと前からのライバル同士が対決というわけじゃなく、片方はできたばかりの寄せ集めですが。
ラストの対決は新興レネゲイズがいきなりうまくなりすぎでリアリティがなく、メンバーもともすれば見たことない人が混じってるように見えてしまい、なんとも唐突。ですが、これ少女マンガの読みきりなんだと思ってくださいよ。何年も連載して巻を重ねる長い作品じゃなくて、一話読みきりのお話。単行本一冊分くらいのボリュームで。そう思うとこのテンポは貴重です。思わせぶりな引きもなく、さくさく進んで気持ちいいこと。

それよりは、アメリカの大学にある事象をデフォルメしたような感じが好きでしたね。学内の階級とか、実際はもっとビミョーなものが存在しているでしょうが、あそこまで戯画化してしまえば笑えます。（やっぱり漫画だ。）
その中の超エリート（アメフト選手）よりも、大学カーストの最下層に近いデレクのほうが魅力的で、しかも魅力的過ぎないところとか、実にいいです。だからいかにもなスターオーラを放つ有名俳優が出てなくて正解です。予算がなくて出したくても出せないでしょうけど、仮に出してたらブチコワシでしょ。

ヒロインの微妙さ、ティナの安っぽい超一流ぶりとか、すべてがこの映画のスキームにぴたりとおさまっていました。あ、私はなんといってもティナが一押しです。ラストの勝利チーム発表のシーンなんか、もう笑いが止まらなくて。

スターを出したくても出せないで思い出しましたが、この映画に出演するにはよほどの身体能力も求められるでしょう。全体シーンがスタントだらけじゃ迫力出ないし。ホイッティアやモニカの体型が筋骨隆々で非常に説得力ありましたよ。
チアのシーンには迫力がありましたが、カメラワークのせいかちょっと見づらく、ここは改善してほしいと思いました。

前作とキャストは総入れ替え、設定も高校から大学へ変更して全く違う映画なんだと思って見ましたが・・・あまりにもひどい。映画のレベルが
前作：Ｂ級でも面白かった
　　　　　↓
今作：Ｂ級の底辺？
になっちゃった。
しかも学園内のトラブルが題材なので、ちょっと陰湿かも？チアの爽やかさはどこに？
ただ、チアの演出は向上してるから、チアのシーンだけ期待して見るってのもアリかも。

チアシーンはほんとスゴイ！！
　「チアーズ！」と比べると、内容、話の規模、俳優陣すべて劣ってるけどクライマックスのチアシーンの迫力はなかなか。
　続編じゃなくて、似せただけの全然違う作品のつもりでみると悪くないと思います。
　ただ、主役の子がどうしてもかわいいと思えない・・。

この映画は映画じゃなくてDVDのみの発売作品。やはりキルスティン・ダンスト出演の前作とは何と言うか、スケール感と言うか、映像に映っていない場所への広がり感と言うものが違う。それは劣っているという意味ではない。これはこれ、キルスティンはキルスティン。

前作はキルスティンが一生懸命やっているのを涙目で観るための映画だったが、こちらはもっとチアが前面に出て来て、前作よりチアのシーンがしっかり映っている。前作でチアに興味を持った人は満足できると思う。

しかし、このシリーズ（原題はBring it on.）を「チアーズ」と訳した人は偉い。原題より良いじゃないか。原題は「挑戦を受けるわよ！」てな意味だけど、それじゃ何の映画か分からないし。

あと、最初のオーディションの後に、誰を選ぶかって体育館で三人が喋っている時、マーニーが「あのブロンドは偽物よ」と言うと、「目くそ鼻くそを笑う、だ」と男が言う。それは英語で何と言うのかと思ったら「be like the pot calling the kettle black」で、このシーンではそれをもじって「Well, if that's not the pot calling the kettle blond.」と言っている。勉強になりました。

それから「超一流」という言葉が何度も使われるけど、これは「bomb diggity」をそう訳しているのだが、ちょっと違う。スラングなので使う時には注意がいると思う。

それにしてもキルスティン・ダンストの透明感はいったいどこから来るのか？と改めて彼女の素晴らしさ、同じ事を他の人がやっても同じ事に見えないと言う凄さをこの作品を観ながら思い出してしまいました。