アフター・アワーズ

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「仕事帰りのサラリーマンが体験する奇妙な一夜を、ダイナミックに描いたブラック・コメディの傑作。」
というイントロダクションに惹かれてリストに入れたのだと思うが、これって言いすぎ。というかこの惹句から喚起されるイメージと、この映画の実際はえらくかけ離れていた。

風が吹けば桶屋が儲かる方式というか逆わらしべ長者というか、とにかく因果応報系の展開をしていく話であるため、脚本の辻褄はきちんと合わせてある。構成は緻密と言っていい。
しかし、だからといって面白いかと言われると…。「ブラックコメディってこういうもののことを言うのか…」ってかんじでほとんど笑えない。コロンビア大学の学生が大学の講義のために書いた脚本だそうなのだが、脚本をそのまま読むのがもしかしたらいちばん楽しめるかも知れないと思った。

それにしてもイントロダクションにオチまで書いていいんだろうかね？

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普通にコメディーを期待していると裏切られます。
主人公に次から次へと降りかかる災難、その描き方は現実からの飛躍をかなり抑えられているように見えます。淡々と主人公を追いかけるその弛緩したようなグダグダ感がリアルとも言えます。
それにも関わらず、まるで悪夢を見ているような妙な感触です。出てくる女性がみんな魔のようです。逢魔が時は暗くなる時分ですが、これは逢魔が時にすっぽり入り込んだ男のお話、なんだか怪談みたいです。
そのあたりが相当に面白かったのですが、泥沼に足を取られたように足掻く主人公に同化してしまったのか、最後の方ではかなり疲れを覚えてしまいました。
Ｌ・フィオレンティーノが出ているとは知らなかったのでお得感、ちょっと辛いか65点。

家に帰りたいのに帰れない…小さい頃に良く見ていたイヤな夢を思い出す…。

夜中から明け方に見ると、臨場感が高まります。
そして、家でぐっすり寝れることに感謝の気持ちでいっぱいになれます。

ポール（グリフィン・ダン）が退社してから次の日出勤するまでの奇妙で、あり得ない偶然の世界に見事に引き込む監督の手腕。
マーチン・スコセッシが、第39回（1986年）カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した作品です。

最近のスコセッシからは想像もできないような、好き嫌いは別にして斬新で活力のある作品だった。

個人的な見解で言うと、最初は面白かったのですが、いつまでたっても同じパターンの繰り返しで、だんだんしつこく感じ始め、苛々で切れそうになりました。

落ちにしても納得いかないです。
夢の世界か仮想の世界だと思って見続けていましたから、腑に落ちない事にも目をつぶって納得させてましたが、結局現実だったという事で鬱積したフラストレーションの持って行き場がなくなってしまいました。

基本路線はこれでいいと思うのですが、もう少し脚本の手直しの必要があったと思います。

単調なデスクワークに倦怠を抱き始めているアップタウンのビジネスマンが、とある眠れない夜に好奇心を一歩踏み出したことから巻き起こる不条理な一夜をシニカルに綴ったブラックコメディ。
アーバンでスカした、いけ好かない主人公をグリフィン・ダンが一世一代のはまり役で見事に演じきり、ロザンナ・アークエットが妖しく挑発する。小粒な分だけ弾けている、スコセッシの手腕が冴え渡る。
どうしてオレだけこんな目に遭うんだ、と自分で蒔いた種に空回り、絶望や孤独や不幸を独り占めしようとする自己中心的な主人公は、実は都会で生きる人々の典型的なモデルケースだ。ここまでは起伏は激しくないが、多かれ少なかれ、誰しもが散々な夜をやり過ごし、そしてまた何食わぬ顔で一日を迎えているのだ。現代人のメランコリーをリアルに炙り出したタイトな一本。