赤い風車 / ホセ・ファーラー
赤い風車
/ジョン・ヒューストン
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全体の平均評価点: (5点満点)
(11)
解説・ストーリー
1860年代パリ。ある一人の青年が、その店の猥雑な雰囲気にすっかり惹かれ、そして愛するようになった。毎晩のように通い詰め、踊り子や酔客の狂態を、思いつくまま、情熱のままに、ナプキンやテーブルクロスに書き殴った。その若い画家・ロートレックはある夜、娼婦・マリーと出会う…。
後期印象派を代表する画家・ロートレックの生涯のモチーフであったキャバレー "ムーラン・ルージュ" を舞台に、その激動の人生を綴った悲劇映画。監督は「黄金」「天地創造」のジョン・ヒューストン。「シラノ・ド・ベルジュラック」のアカデミー賞俳優、ホセ・ファーラーが、孤独と哀しみに満ちた画家・ロートレックを演じている。
1860年代パリ。ある一人の青年が、その店の猥雑な雰囲気にすっかり惹かれ、そして愛するようになった。毎晩のように通い詰め、踊り子や酔客の狂態を、思いつくまま、情熱のままに、ナプキンやテーブルクロスに書き殴った。その若い画家・ロートレックはある夜、娼婦・マリーと出会う…。
後期印象派を代表する画家・ロートレックの生涯のモチーフであったキャバレー "ムーラン・ルージュ" を舞台に、その激動の人生を綴った悲劇映画。監督は「黄金」「天地創造」のジョン・ヒューストン。「シラノ・ド・ベルジュラック」のアカデミー賞俳優、ホセ・ファーラーが、孤独と哀しみに満ちた画家・ロートレックを演じている。
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「赤い風車」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
1860年代パリ。ある一人の青年が、その店の猥雑な雰囲気にすっかり惹かれ、そして愛するようになった。毎晩のように通い詰め、踊り子や酔客の狂態を、思いつくまま、情熱のままに、ナプキンやテーブルクロスに書き殴った。その若い画家・ロートレックはある夜、娼婦・マリーと出会う…。
後期印象派を代表する画家・ロートレックの生涯のモチーフであったキャバレー "ムーラン・ルージュ" を舞台に、その激動の人生を綴った悲劇映画。監督は「黄金」「天地創造」のジョン・ヒューストン。「シラノ・ド・ベルジュラック」のアカデミー賞俳優、ホセ・ファーラーが、孤独と哀しみに満ちた画家・ロートレックを演じている。
「赤い風車」 の作品情報
「赤い風車」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
Moulin Rouge 赤い風車の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
114分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
REDV00070 |
2004年11月26日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
9枚
|
0人
|
0人
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Moulin Rouge 赤い風車の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
114分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
REDV00070 |
2004年11月26日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
9枚
|
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ユーザーレビュー:11件
けっこう名作だと思うけどレビュー少ないんですね
投稿日:2007/11/17
レビュアー:港のマリー
起承転結のはっきりした古典的(古くさいと言う意味ではなく)で端正なドラマです。実際のロートレックは娼家に居続けたりと、世紀末のパリのディープな歓楽にどっぷり浸った放蕩児だったようですが、映画はそういう悪魔的な部分は避けて(でもすさまじいアル中ぶりは出てきます)彼の二つの悲恋を哀しくも美しく描いています。愛を求める気持ちを素直に表現できない男の悲しみをホセ・ファーラーが見事に演じています。ムーラン・ルージュの賑わいや華やかなフレンチカンカン、女性たちの衣装の色鮮やかさ、それと対照的な夜の裏町のほの暗さといった映像美も見所。
が、何といっても映画の中で一番の魅力を放つのはロートレック作のムーラン・ルージュのポスターでしょう。改めて作品を見てみると(何でも鑑定団の口調で)素人目にも日本の浮世絵の影響を大きく受けていることがわかります。ロートレックは浮世絵の表現をじっくり研究したんだな、コニャックをちびちび飲みながら、なんて考えると楽しい。芸術の都の画家の心を、わが浮世絵はここまでがっちり捉えたのだと、妙な「ナショナリズム」すら感じてしまう始末です。
映画後発国の日本が、本場の映画人たちをも虜にするような名作名監督を生み出したのは、こうした日本美術独特の空間表現の伝統があったからなのではないか、映画は動きであると同時にスクリーンに絵を描くことでもあるのだから、などと妄想を抱いたのでもありました。
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8人の会員が気に入ったと投稿しています
ホセ・フェラーの知的な演技に魅了される。
( ネタばれあり )
ロートレックの絵は昔から好きで、今も部屋に「 ディヴァン・ジャポネ 」のポスターを飾っています。
独特な色使い、簡略化された描写がポップでイラストのようでもあり、浮世絵の影響( 本作でもロートレックは部屋に飾っている )を受けて、影がないのが日本的だからでしょうか。
ジョン・ヒューストンというと、『 マルタの鷹 』『 アスファルト・ジャングル 』『 黄金 』『 白鯨 』『 王になろうとした男 』と、「 何かへの思いに取りつかれて身を滅ぼしてしまう男 」がモチーフだが、本作も身体へのコンプレックスからうまく自己肯定できず、愛し愛されることを強く求めながら、自ら心を閉ざしてしまう男の話。
ロートレックは名門貴族の家に生まれながら、近親婚が続いた家系が原因と思われる体質のため、少年期の二度の転倒事故の骨折がうまく治癒せず、脚だけ成長が止まってしまった。
その外見から受ける視線に誇りを傷つけられ、享楽の街で刹那的な放蕩生活を送りながら、芸術の才能を開花させた。
ただ生前の作品の評価は賛否両論で、高い評価の一方で、踊り子や娼婦をモチーフにした作品は彼の外見への揶揄、放蕩生活への批判を絡めての不評にもさらされた。 たとえば亡くなる3年前のロンドンでの個展は、ビクトリア朝の道徳観のイギリスとベル・エポック時代の退廃を許容するフランスとの価値観の違いもあって失敗に終わっている。
最晩年はアルコール依存と梅毒に苦しんだし、本作品中にあるように生前にルーブル美術館に買い取られたのはたしかだが、一般公開されたのは亡くなって13年後の1914年だった。
本作の魅力は色彩豊かな映像と、何と言っても主演のホセ・フェラーの演技です。
機知に富んだ会話のせりふまわし、一見諦観に立った物静かで決してオーバーアクトにならないなたたずまいで、ロートレックの孤独を表現していて、とても知的な演技と思いました。
こんなうまい役者だったんだと、あらためて思いました。
身体に障害を持つロートレックが、両腕のないミロのヴィーナスを見上げながら語る。
「 美とは何か。 人生とは何か。 」を問う名シーンと思います。
( ykk1976さんの映画会 第122回のレビュー )
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
絵と酒とムーラン・ルージュ
投稿日:2014/10/26
レビュアー:趣味は洋画
ロートレックにはよほど居心地が良かったんですね、「ムーラン・ルージュ」が...
冒頭の結構長いフレンチ・カンカンの踊り、そして踊り子たちや酔い客を、ロートレック(ホセ・ファーラー)がスラスラとスケッチしていく...このシークエンスは圧巻で、一気に作品に入り込んでしまいます。(ヒューストン監督の狙い)
そして店が閉店となり、夜の街中を一人寂しく家路につくロートレック。不具者でもある彼の何ともいえない悲しげな表情が、冒頭の賑やかなフレンチ・カンカンを前にしたときのにこやかな表情と対照的です。(これもヒューストン監督の狙い)
ロートレックが夜の女マリー(コレット・マルシャン)を探しに歩くシーンがありますが、マリーの出身地はスラム。 このスラムを映し出した映像が独特な雰囲気で、某誌によれば‘おどろおどろしくも幻想美に貫かれた情景’とあります。
まったく同感です。これはオズワルド・モリスのカメラワークの素晴らしさでしょう。(彼のその後の作品の中で、68年「オリヴァー」や71年「屋根の上のバイオリン弾き」にも同様な印象を受ける)
マリー役のC・マルシャンですが、彼女は当時フランスの新進バレリーナだったそうです。映画には本作を含めてわずか6本でただけで、1954年を最後に引退しているようです。1925年生まれですから、本作出演時は27歳、今は89歳くらいでしょうか。ほかにも、当時の‘お騒がせ女優’ザ・ザ・ガボールやシュザンヌ・フロン等、個性的な女優が花を添えています。
後半、そのフロン演ずるマヌカン、ミリアムにロートレックが惹かれ、2人の愛憎が描かれます。ミリアムは明らかにロートレックに好意を抱いているにもかかわらず、ロートレックはなぜか卑屈になり、彼女を突き放してしまいます。
才能豊かなロートレックですが、女性に対しては自意識が強すぎたのでしょうか...
ムーラン・ルージュと酒しか拠り所がなかったとしたら、悲しすぎます。 ラスト・シーン、彼の脳裏に浮かんでは消えるフレンチ・カンカンのシーンが救いでした。
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4人の会員が気に入ったと投稿しています
金で買えないものもある。ロートレックの半生を描いた佳作。
投稿日:2005/06/12
レビュアー:Yの3乗
男で、金も地位も名誉も才能もあればモテモテのはず。
ロートレックは伯爵家の跡取り息子で大金持ち、ご存知のように存命中にルーブルにその作品が展示られた天才画家。容姿も悪くなく、性格も良い。ただ1点、子供の時に事故で足を骨折し、それが為に足が悪く子供くらいの背丈しかない。・・・
その劣等感や、実際に受けた仕打ちから、本当に女性を愛することが出来なかった悲劇と苦悩・・見事に描いた佳作です。
二つ星とは失礼な作品。3つ星以上でしょう。52年作ですが古さは感じませんでした。
妻の絵画教室の先生から薦められた作品。絵の好きな方にはお勧めです。
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ヒドい恋愛が、芸術を育む。
投稿日:2021/11/16
レビュアー:ぴよさん
「素晴らしい表現や芸術の裏には、ほとんどの場合で失恋がある」…てのは、完全なる私見。
そもそも恋愛というのは狂ってる、いや狂わせられている状態で、理性も何も失って 「この
相手しかいない」と突き進むように、人はプログラミングされてる(としか思えない)
だから、失恋は苦しい。失ってはいけなかったものを失ったと思い、落ち込み、もう自分に
生きる意味は無いと感じてしまう。大抵の場合時間が解決するようになっているのに。
何が言いたいかと言えば、恋愛〜失恋の過程で、人の脳は異常をきたして理性を感情が凌駕
する、制御不能状態に陥る。麻薬に侵され狂わされているような状態だ。だから普段考えら
れないような発想や表現が生まれる。アーティストがいつでも恋愛をしていようとするのも、
その状態を自ら作り出せるからだ。無意識的に、恋愛と失恋をしていれば斬新な表現が出来る
と解っている。
世の中には作品はハッピーなのに、作者はアンハッピーというパターンが、実に多く在るよう
に思えて、ロートレックなんかは、その一人だと思うのだ。
不自由だった脚。伯爵家からの転落。恋愛と失恋。そしてアルコホリック。本人は「これで
いい」という境地だったかもしれない。しかしふと顧みた時に、我が身の不幸を感じたろう。
一方、その筆が紡いだ世界は、唯一無二。アーティストが、自分だけの作風を得ることは
至上の幸運だ。彼の作品は、洒脱な描線と、意表をつく対象の大胆な配置。後半生の作品群に
あっては、浮世絵の手法を換骨奪胎して、独自の作品世界を作り出している。彼のフォロワー
も無数に生みだした。 作中、多色刷りの手法でポスターを刷る場面が見られるのが、楽しい。
浮世絵は絵師自らが刷ることまではしなかったが、彼は全ての過程を、刷り師達と一緒に構築
していったのが分かる。
派手な題材ではないが、ジョン・ヒューストンの確かな手腕が、一級の作品に仕立てている。
もちろんホセ・ファーラーの名演は文句無しで、そのほとんどがバストショットのみの演技
なのにも関わらず、ねじくれた性格、悲哀、一周回っての不器用な純朴、それらを大仰で無い
抑えた演技で見せてくれる。しかし彼だけでなく、助演の一人一人、役名も無いような脇役が
それぞれに活きるよう撮りきっている。
カフェで「ルーブルへ行こうぜ」と誘う仲間が、クリストファー・リーだったり、ミリアムに
恋する若き紳士がピーター・カッシングだったりと、ある意味豪華なチョイ役陣。ムーラン
ルージュ、モンマルトルの街に生きる人々を、さらりと活写している。
厄介な娼婦マリーを何故か愛してしまい、案の定振り回され、かき乱されたロートレック。
しかし屈折し切った彼は、それも愛なのだと信じようとする。そのくせ、真っ当なミリアムの
愛には素直に応えられない、ひたすら不器用な男だ。
そんな愛の遍歴が、作品にどこか哀しい影を落としているようにも見える。
( ykk1976’s movie club 122th )
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ユーザーレビュー
けっこう名作だと思うけどレビュー少ないんですね
投稿日
2007/11/17
レビュアー
港のマリー
起承転結のはっきりした古典的(古くさいと言う意味ではなく)で端正なドラマです。実際のロートレックは娼家に居続けたりと、世紀末のパリのディープな歓楽にどっぷり浸った放蕩児だったようですが、映画はそういう悪魔的な部分は避けて(でもすさまじいアル中ぶりは出てきます)彼の二つの悲恋を哀しくも美しく描いています。愛を求める気持ちを素直に表現できない男の悲しみをホセ・ファーラーが見事に演じています。ムーラン・ルージュの賑わいや華やかなフレンチカンカン、女性たちの衣装の色鮮やかさ、それと対照的な夜の裏町のほの暗さといった映像美も見所。
が、何といっても映画の中で一番の魅力を放つのはロートレック作のムーラン・ルージュのポスターでしょう。改めて作品を見てみると(何でも鑑定団の口調で)素人目にも日本の浮世絵の影響を大きく受けていることがわかります。ロートレックは浮世絵の表現をじっくり研究したんだな、コニャックをちびちび飲みながら、なんて考えると楽しい。芸術の都の画家の心を、わが浮世絵はここまでがっちり捉えたのだと、妙な「ナショナリズム」すら感じてしまう始末です。
映画後発国の日本が、本場の映画人たちをも虜にするような名作名監督を生み出したのは、こうした日本美術独特の空間表現の伝統があったからなのではないか、映画は動きであると同時にスクリーンに絵を描くことでもあるのだから、などと妄想を抱いたのでもありました。
ホセ・フェラーの知的な演技に魅了される。
投稿日
2021/11/15
レビュアー
ロキュータス
( ネタばれあり )
ロートレックの絵は昔から好きで、今も部屋に「 ディヴァン・ジャポネ 」のポスターを飾っています。
独特な色使い、簡略化された描写がポップでイラストのようでもあり、浮世絵の影響( 本作でもロートレックは部屋に飾っている )を受けて、影がないのが日本的だからでしょうか。
ジョン・ヒューストンというと、『 マルタの鷹 』『 アスファルト・ジャングル 』『 黄金 』『 白鯨 』『 王になろうとした男 』と、「 何かへの思いに取りつかれて身を滅ぼしてしまう男 」がモチーフだが、本作も身体へのコンプレックスからうまく自己肯定できず、愛し愛されることを強く求めながら、自ら心を閉ざしてしまう男の話。
ロートレックは名門貴族の家に生まれながら、近親婚が続いた家系が原因と思われる体質のため、少年期の二度の転倒事故の骨折がうまく治癒せず、脚だけ成長が止まってしまった。
その外見から受ける視線に誇りを傷つけられ、享楽の街で刹那的な放蕩生活を送りながら、芸術の才能を開花させた。
ただ生前の作品の評価は賛否両論で、高い評価の一方で、踊り子や娼婦をモチーフにした作品は彼の外見への揶揄、放蕩生活への批判を絡めての不評にもさらされた。 たとえば亡くなる3年前のロンドンでの個展は、ビクトリア朝の道徳観のイギリスとベル・エポック時代の退廃を許容するフランスとの価値観の違いもあって失敗に終わっている。
最晩年はアルコール依存と梅毒に苦しんだし、本作品中にあるように生前にルーブル美術館に買い取られたのはたしかだが、一般公開されたのは亡くなって13年後の1914年だった。
本作の魅力は色彩豊かな映像と、何と言っても主演のホセ・フェラーの演技です。
機知に富んだ会話のせりふまわし、一見諦観に立った物静かで決してオーバーアクトにならないなたたずまいで、ロートレックの孤独を表現していて、とても知的な演技と思いました。
こんなうまい役者だったんだと、あらためて思いました。
身体に障害を持つロートレックが、両腕のないミロのヴィーナスを見上げながら語る。
「 美とは何か。 人生とは何か。 」を問う名シーンと思います。
( ykk1976さんの映画会 第122回のレビュー )
絵と酒とムーラン・ルージュ
投稿日
2014/10/26
レビュアー
趣味は洋画
ロートレックにはよほど居心地が良かったんですね、「ムーラン・ルージュ」が...
冒頭の結構長いフレンチ・カンカンの踊り、そして踊り子たちや酔い客を、ロートレック(ホセ・ファーラー)がスラスラとスケッチしていく...このシークエンスは圧巻で、一気に作品に入り込んでしまいます。(ヒューストン監督の狙い)
そして店が閉店となり、夜の街中を一人寂しく家路につくロートレック。不具者でもある彼の何ともいえない悲しげな表情が、冒頭の賑やかなフレンチ・カンカンを前にしたときのにこやかな表情と対照的です。(これもヒューストン監督の狙い)
ロートレックが夜の女マリー(コレット・マルシャン)を探しに歩くシーンがありますが、マリーの出身地はスラム。 このスラムを映し出した映像が独特な雰囲気で、某誌によれば‘おどろおどろしくも幻想美に貫かれた情景’とあります。
まったく同感です。これはオズワルド・モリスのカメラワークの素晴らしさでしょう。(彼のその後の作品の中で、68年「オリヴァー」や71年「屋根の上のバイオリン弾き」にも同様な印象を受ける)
マリー役のC・マルシャンですが、彼女は当時フランスの新進バレリーナだったそうです。映画には本作を含めてわずか6本でただけで、1954年を最後に引退しているようです。1925年生まれですから、本作出演時は27歳、今は89歳くらいでしょうか。ほかにも、当時の‘お騒がせ女優’ザ・ザ・ガボールやシュザンヌ・フロン等、個性的な女優が花を添えています。
後半、そのフロン演ずるマヌカン、ミリアムにロートレックが惹かれ、2人の愛憎が描かれます。ミリアムは明らかにロートレックに好意を抱いているにもかかわらず、ロートレックはなぜか卑屈になり、彼女を突き放してしまいます。
才能豊かなロートレックですが、女性に対しては自意識が強すぎたのでしょうか...
ムーラン・ルージュと酒しか拠り所がなかったとしたら、悲しすぎます。 ラスト・シーン、彼の脳裏に浮かんでは消えるフレンチ・カンカンのシーンが救いでした。
金で買えないものもある。ロートレックの半生を描いた佳作。
投稿日
2005/06/12
レビュアー
Yの3乗
男で、金も地位も名誉も才能もあればモテモテのはず。
ロートレックは伯爵家の跡取り息子で大金持ち、ご存知のように存命中にルーブルにその作品が展示られた天才画家。容姿も悪くなく、性格も良い。ただ1点、子供の時に事故で足を骨折し、それが為に足が悪く子供くらいの背丈しかない。・・・
その劣等感や、実際に受けた仕打ちから、本当に女性を愛することが出来なかった悲劇と苦悩・・見事に描いた佳作です。
二つ星とは失礼な作品。3つ星以上でしょう。52年作ですが古さは感じませんでした。
妻の絵画教室の先生から薦められた作品。絵の好きな方にはお勧めです。
ヒドい恋愛が、芸術を育む。
投稿日
2021/11/16
レビュアー
ぴよさん
「素晴らしい表現や芸術の裏には、ほとんどの場合で失恋がある」…てのは、完全なる私見。
そもそも恋愛というのは狂ってる、いや狂わせられている状態で、理性も何も失って 「この
相手しかいない」と突き進むように、人はプログラミングされてる(としか思えない)
だから、失恋は苦しい。失ってはいけなかったものを失ったと思い、落ち込み、もう自分に
生きる意味は無いと感じてしまう。大抵の場合時間が解決するようになっているのに。
何が言いたいかと言えば、恋愛〜失恋の過程で、人の脳は異常をきたして理性を感情が凌駕
する、制御不能状態に陥る。麻薬に侵され狂わされているような状態だ。だから普段考えら
れないような発想や表現が生まれる。アーティストがいつでも恋愛をしていようとするのも、
その状態を自ら作り出せるからだ。無意識的に、恋愛と失恋をしていれば斬新な表現が出来る
と解っている。
世の中には作品はハッピーなのに、作者はアンハッピーというパターンが、実に多く在るよう
に思えて、ロートレックなんかは、その一人だと思うのだ。
不自由だった脚。伯爵家からの転落。恋愛と失恋。そしてアルコホリック。本人は「これで
いい」という境地だったかもしれない。しかしふと顧みた時に、我が身の不幸を感じたろう。
一方、その筆が紡いだ世界は、唯一無二。アーティストが、自分だけの作風を得ることは
至上の幸運だ。彼の作品は、洒脱な描線と、意表をつく対象の大胆な配置。後半生の作品群に
あっては、浮世絵の手法を換骨奪胎して、独自の作品世界を作り出している。彼のフォロワー
も無数に生みだした。 作中、多色刷りの手法でポスターを刷る場面が見られるのが、楽しい。
浮世絵は絵師自らが刷ることまではしなかったが、彼は全ての過程を、刷り師達と一緒に構築
していったのが分かる。
派手な題材ではないが、ジョン・ヒューストンの確かな手腕が、一級の作品に仕立てている。
もちろんホセ・ファーラーの名演は文句無しで、そのほとんどがバストショットのみの演技
なのにも関わらず、ねじくれた性格、悲哀、一周回っての不器用な純朴、それらを大仰で無い
抑えた演技で見せてくれる。しかし彼だけでなく、助演の一人一人、役名も無いような脇役が
それぞれに活きるよう撮りきっている。
カフェで「ルーブルへ行こうぜ」と誘う仲間が、クリストファー・リーだったり、ミリアムに
恋する若き紳士がピーター・カッシングだったりと、ある意味豪華なチョイ役陣。ムーラン
ルージュ、モンマルトルの街に生きる人々を、さらりと活写している。
厄介な娼婦マリーを何故か愛してしまい、案の定振り回され、かき乱されたロートレック。
しかし屈折し切った彼は、それも愛なのだと信じようとする。そのくせ、真っ当なミリアムの
愛には素直に応えられない、ひたすら不器用な男だ。
そんな愛の遍歴が、作品にどこか哀しい影を落としているようにも見える。
( ykk1976’s movie club 122th )
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