タランチュラ

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ジャ-ロ物というジャンルがあるのをつい最近まで知りませんでした。アルジェントだけでなく、イタリア映画界全体でこのジャンル物を作っていたとは。「プロフォンドロッソ」以上の名作が隠れているかもしれません。しかし、彼のファンとしては、新作「カ-ドゲ-ム」がレンタルに出るのを待っています。「スリ-プレス」も。なぜここのレンタルには、名作「サスペリア」すらないのだろう？

ちなみに、この殺人鬼の脊髄に針を刺して殺す（眠らす？）方法は、官能的であり、「シャド−」の殺人シーン以上に興奮しました。
昆虫採集が好きな人は真似するかもしれません。
でも良い子のみんなは真似しちゃだめだよ。
今、ジャ-ロ物を作れば流行ような気がするのは、私だけ？

７０年代初めのイタリア映画界はマカロニ・ウエスタンに代わる新しい金脈を見つけるべく、色んなジャンルを掘り返していた。戦争アクションやスパイ・アクションに混じって一時アダ花のように咲いたのが、連続猟奇殺人物の分野でしたね。日本ではそのほとんどが「白昼の暴行魔」のようなトホホな邦題を付けられ、ガード下の三番館でひっそりと公開された後、闇に葬られていました。しかし、どっこい本国じゃこのジャンル、後のオカルトやスプラッタと結びついてグロ度をエスカレートさせつつしぶとく生き残り、「シャドー」や「サスペリア２」のような作品に進化していくのであります。

本作はそのシンプルな原型となった作品ですが、だからって見る価値は…よほどのマニアでなければ無いような作品（と言いつつ見た俺って…^^;）
間違っても真犯人をマジメに推理したりしてはいけません。だって伏線なんか全然張られてませんからね。主役の刑事もただウロウロしてるだけで、捜査はまるっきり進展しないし。
ま、唯一の救いは出てくる女優さんたちが皆キレイなことぐらいでしょうか。
音楽はな、なんと、エンニオ・モリコーネ！…って驚くことはありません。この頃のモリちゃんは見境なくスコアを書きまくってましたから。

これだけ悪口言っといてなんなだけど、イタリアのこの手の作品って、なんかＢ級マニアを惹きつけるモンがあるんだよなあ。

「タランチュラ」「ホラー」ということでモンスター映画を勝手にイメージしていましたが、残念ながらサスペンスでした。
しかも、ずばり○曜サスペンスアワーみたいな、ちょっとお色気のサービスシーンもまぜた猟奇連続殺人事件の映画でした。
はっきり言って全然おもしろくありませんでした。トホホ・・　私的には２つ星です。

アルジェント作品で例えるなら、「歓びの毒牙」「シャドー」を足して２で割ったような感じ。個人的に７０年代のイタリアホラー・サスペンス（ジャーロ物）が好きなので、楽しめました。
「歓びの毒牙」と「タランチュラ」の共通項は、音楽担当がエンニオ・モリコーネってこと。こういうの嬉しいな。
作品の随所に出てくる、７０年代のインテリアとか小物がイイ！！電話とか建物とか…。ストーリー以外でも見所が、沢山ある。アルジェントと７０年代が好きな人は、是非見てください。

猟奇的な連続殺人犯を追う刑事の姿を描いたサスペンス・スリラーです。　Ｂ級の感は否めませんが、単調なストーリー展開で分かりやすいうえ、何といってもキャストが凄いメンバー。
主演のテリーニ警視を演じたジャンカルロ・ジャンニーニ。言わずと知れたイタリアのトップスターですね。　００年「ハンニバル」でも渋い刑事を演じていましたが、前半で姿を消して(殺されて）しまいました。
最近は０６年「００７／カジノロワイヤル」、０８年「００７／慰めの報酬」などでも存在感をみせています。
そして彼の妻アンナ役はステファニア・サンドレッリ．．．そうです、７０年「暗殺の森」の彼女です。
さらにさらに、美容スタジオの経営者ラウラを演じたクローディーヌ・オージェ。６５年「００７／サンダーボール作戦」での眩いほどの「純白の水着姿」は歴代ボンド・ガールの中でもトップクラスでした。
加えてバーバラ・ブーシェは、その美容スタジオの常連客マリオ役で、冒頭にはヌードも披露。６７年「００７／カジノ・ロワイヤル」にもクレジットされています。近作では０２年「ギャング・オブ・ニューヨーク」に出てました。
オマケに、美容スタジオの事務員らしきジェニー役はバーバラ・バック。７７年「００７／私を愛したスパイ」でのロシアのスパイ役や、７８年「ナバロンの嵐」では準主役級のキャスティングでした。
こうみてくると、大半の俳優・女優が‘００７シリーズ’に出ています。これは何かの因縁なのか．．．と思ったりもします。

いずれにしても評価は分かれると思いますが、‘単細胞なわたくしめ’には、なかなか面白い作品でした。