釣りバカ日誌　１５　ハマちゃんに明日はない！？

　釣りバカシリーズも１５ともなれば、さすがにマンネリ感タップリ。ハマちゃんの有休ネタや合体ネタももういいよって感じ。今作も前半はお約束の展開を型どおり踏んでいるので、長年の「釣りバカ」ファンは飽き飽きしながら付き合うしかない。鈴木建設に経営コンサルタントがやって来てリストラを勧めるとか、スーさんの健康状態が良くないとか、どれも以前に使ったネタだし。んで、例によってローカル観光は今回は秋田。ベターッときりたんぽ，なまはげとかぶせております。古いタイプの若い男女が例によって結ばれて・・・て、こう書いてても、寅さんシリーズから脈々と続くや〜まだの匂いがプンプンなのです。恐るべし！山田。寅さん死しても山田イズムは消えず。
　今回、初めて釣りバカシリーズを観てみる人とか、何たって松竹映画が一番！て人ならＯＫ。ここ最近の釣りバカん中じゃマシな作りだから。江角もいい雰囲気出してるもん。
　とにかく、新しさは何もナシ。課長を益岡徹に代えるくらいのマイナーチェンジじゃ乗り切れないぞ！このままいったら２０作目あたりで打ち止めになるかも。あ、それから、鯉太郎、今作はめっちゃ感じ悪くなっていると感じたのは自分だけ？誰か鯉太郎の成長を止めてくれ！そのうち思春期でグレて、ますます「釣りバカの寅さん化」に拍車がかかるぞ！

タイトルは『15』だが、シリーズ通算17作品目。小津安二郎監督の『麦秋』にインスパイアされた恋愛物語が、挿入されている。

音楽は、信田かずおさん。この方もアレンジャですね。松田聖子さんの『裸足の季節』が一番のヒットかなぁ。美加マドカなんてのもありますが……。

マドンナ役(？)は江角マキコさん。ハマちゃんから「小野小町に似ている」と表されるが、どうも私には、そういう美人には見えない。(汗)

結婚する部下の嫁さんが美人だともっぱらのウワサで、故郷では“ミス○○○”に選ばれたとか喧しい。どんな美人だろうと結婚式の招待状にマルをして返してやった。ところが当日、ヴァージンロードを歩いていたのは白塗りのカマキリみたいな女性だった。
「な、美人だろ？」
とても同意しかねるので黙っていると、
「ああいう美人を貰うと、ダンナは大変だよな」
と追い討ちをかける。そうは思わないので更に黙っていると
「お前、あの嫁さんに気があるのか？」
と、ジロジロ見る同僚の顔が横にあった。
「それだけは、ないな」
「じゃあ何だよ？」
「――黙ってるなら話す」
「分かった。黙ってる」
「オレには美人に見えない。痩せぎすで神経質な女には近づきたくもない」
３日も経たずにこのコメントが当人たちに届いたことは言うまでもない。人を信用してはいけないという教訓になった。
以来、部下は私に怒った顔しか見せない。(笑)

また、私に嫁さんを世話しようとした昔の上司は、どこに行っても女性を見つけると未婚か既婚かを確認し、未婚と分かるや否や私に押し付けようとした。コンパニオンさんならいざ知らず、旅館の仲居さんからファミレスのウエイトレスに至るまで、ありとあらゆる女性に声を掛けまくる。ホテルのレストランですらこの有り様だったから、やがて私は、公式の場には彼と出ることを避けた。
或る日、彼が声を掛ける女性には、ひとつの傾向があることに気づいた。彼が「美人じゃないか、つきあったらどうだ」とススメる女性は皆、彼の嫁さんか娘さんと、そこはかとなく似ていた。道理で、私には美人に見えないわけだ。(笑)

要は、“自分の好み＝美人”というだけの話しだが、最大公約数くらいの基準は存在する。多くの人が美人と認める要素である。
ただ、この場合、情報の操作が絡んだりして、あまり信用できない。特に芸能人については、そうだ。大して可愛くもないのに“国民的美少女”と謳われたりする。（おかげで、私は何十年も非国民である）

顔について美醜を云々するのは、下世話で低俗なことだと思っている。だから、お世辞にも、そんな表現はしないように心掛けているし同調もしない。
江角マキコさんについて言えば“キレイ”という評価が相応しいと思う。容姿のみならず生活習慣に至るまで自己管理されていることがうかがえる。その自信が彼女を輝かせているのだろう。立ち居振る舞いに現れている。

業績の悪い鈴木建設は、経営コンサルタントに人事政策の見直しを依頼する。けれど、スーさんは面白くない。役員会で決定された事項とは言え、「どこの馬のホネともわからない連中にかわいい従業員のクビを切られてたまるかっ」というのが本音である。
一方、ハマちゃんは新事業年度に入って早々、新任の船木課長を騙くらかして一週間のリフレッシュ休暇を取得。秋田へと釣り旅行に旅立つ。
しかし、その車中で出会ったのが、コンサルタント会社に勤める早川薫だった。
……というお話し。
脚本は、本作品から山田洋次さんと朝原雄三さん。

脚本を書いた人が監督するのだから、意図されたイメージ通りに撮っているだろう。
けれど、実際にはイメージの欠落は必ずある。撮影の近森真史さんと、どう現場で打ち合わせをして補完したのか、興味深い。特に本作品は、名作をモチーフにしているから、映像には気を使ったはずだ。
その辺りの話しが聞けると面白いのだが、ＪＳＣでそういう講演会を企画してくれないだろうか。(笑)

オススメにしておきましょう！

上映中１０００円で見れたので、
親と一緒に行ったのですが、（親は大の釣りバカファン！）
私は、初めて釣りバカシリーズを見ました。
しかし、シリーズ１５作といっても全部完結してるので、
初めて見る人にも見やすく、とても面白かったです。
テンポ良く、あっという間に終わって、最後まで笑いが耐えませんでした。

次のシリーズも早くみたいです。

肩の力を抜いて飯でも食いながら風呂上がりにでもみるのがいいこのシリーズですが
今回はぜひ！是が非でも若者にみてほしい。
それも婚約を済ました結婚間近のカップルに。

ストーリーはなんてことない。
合体ネタも気持ちが悪いのはかわらない。
しかし
マリッジブルーの新婦をかかえた新郎
結婚を控え複雑な心境の新婦
ワクワクデレデレの新郎新婦
もしくは出会いを逃しあせる三十路過ぎた独身者
この類の状況下における人間にはことさらしんみり胸にくる作品である。


好きなんだけど演技が下手ゆえショムニ以外ハマリ役はないんじゃないかとあやぶまれた江角マキコもなかなかいい演技をしているし
筧利夫も派手な役回りじゃないんだけどじんわりいいんだな。

マ、マ、見ておくれ。